大学での生活は、高校生活とは異なり、学生一人一人の自主性に任される部分が大きいことがあげられます。
大学ごとに異なる校風のため、多少の違いはあるかもしれませんが、学生は基本的に、学校から何かを強制されることはそれほど多くなく、自分自身で考えて行動することが求められます。
例えば、課外活動についても様々です。
家と学校とを往復してアルバイトに明け暮れる毎日は味気ないもの。
せっかく努力して入学した大学だからこそ、大学生活ならではの経験をするために、ぜひ部活動やサークルに入ることをお勧めします。
大学生活をもっと楽しむために
課外活動の団体には、大まかにいうと以下の2つに別けられます。
- 大学が正式に公認した団体の部活動
- 学生が任意に立ち上げたサークル
部活動もサークルも、高校までにないユニークな団体も数多くあります。
ほとんどの大学は、高校よりも学生数が多く、特に総合大学では、数万人規模の学生が在学していることもあり、多くの人が集まります。
そこに集う様々な学生の興味関心を満たすため、多くの種類の部活動やサークルがあり、とてもバラエティーに富んだものになっています。
なかには大学時代でしか経験できないような、ユニークな部活動やサークルも数多くあります。
大学ならでは ユニークな部活動を紹介!
≪フットサル部≫
フットサルは、サッカーの4分の1ぐらいの大きさのコートで、5対5でプレーするサッカーのようなスポーツです。
サッカーよりも接触プレーに対してのジャッジが厳しく、そのため、女性や幅広い年代のプレーヤーが多いことも特徴です。
大学フットサル部の強豪は…
などがあります。
≪ラクロス部≫
ラクロスと呼ばれる先に網の付いたスティックを使って、野球ボール大の硬質ゴム製ボールを奪い合い、相手陣のゴールに入れることで得点を競う球技のことをいいます。
中高生時代では、なかなかプレーをする機会のないスポーツではないでしょうか。
大学ラクロス部の強豪は…
などがあげられます。
≪ヨット部≫
サーフボードに帆を取り付けたような形状で、風を受けて発生した揚力で前へと進むヨット。
基本的にディンギーと呼ばれる二人乗りのヨットが使われています。
ラダー(舵)で進行方向を決め、セール(帆)に張ったシート(紐)を調整して操縦します。
仕組みは単純ですが、風の方向や潮の流れなども考慮しなければならず、頭脳も必要なスポーツです。
大学ヨット部の強豪は…
などがあげられます。
≪航空部≫
航空部では、「グライダー」という動力のない飛行機を操って空を飛び、タイムを競う競技を行う部活動です。
グライダーは、ドイツ発祥の、海外では人気のスカイスポーツ。
とはいえ危険も伴うため、操縦のための学科(勉強会)を行い、しっかりと知識を得ることから始めます。
地形・気象などの自然環境の知識や、地上の風景を観察しつつ、自ら感じ取る普段では気に留めないような感覚を研ぎ澄ませて風を読み、空を飛んでいきます。
このように、グライダーは、自然と真正面から向き合うことのできるスポーツと言えます。
などの大学が有名です。
≪自動車部≫
自動車部ではモータースポーツ競技出場を目指して活動しています。
「ジムカーナ」という競技では、パイロンの間を通過しながらコースを走りタイムを競います。
「ダートトライアル」では、砂利が敷かれた競技場の中を、決められたとおりに1台ずつ走り、タイムを競う競技です。
また、決められたコースを一台ずつ走ってタイムを競う「ラリー」という競技はイメージがしやすいかもしれません。
自動車部は、所有する車の整備も自分たちで行います。
自動車が好きな人におすすめです。
などの大学が有名です。
≪射撃部≫
ライフル射撃は、固定された標的を狙ってライフル銃で撃ち、その得点を競うスポーツです。
ライフル射撃には、空気銃を用いたエアライフル競技と、火薬を用いたSB(スモールボア)ライフル競技の2種類があります。
日本ではまだ、それほど知名度が高くはありませんが、実はオリンピックの正式種目にもなっているほど、世界では愛好家の多いスポーツです。
などの大学が有名です。
≪ロッククライミング部≫
オリンピック競技としても注目を集めるボルダリングを行う部活動です。
フリークライミングは、手足の力だけで壁についた突起を掴み、岩壁を登っていくというシンプルなスポーツ。
力よりも、むしろバランスや柔軟性が求められることから、女性やスポーツ経験のない人でも楽しむことができることができ、人気となっています。
ロッククライミングやボルダリングは、部活動だけでなく、サークルとして楽しむ団体も数多くあります。
などの大学が有名です。
≪水上スキー部≫
水上スキーは、モーターボートを使って引っ張る水上スキーを操り、ジャンプや回転、宙返りなどの技の完成度を競うスポーツです。
水上スキー部を設置しているのは、全国でも数少ない大学だけという、とても珍しい部活動です。
などの大学で活動しています。
≪カバディ部≫
カバディは、インド、パキスタン、バングラデシュなど南アジア諸国で数千年の歴史を持つ、伝統ある国技として親しまれてきたスポーツです。
鬼ごっことドッジボールが融合したような、独自のルールにのっとって行います。
などの大学で活動しています。
≪キックボクシング部≫
現在スポーツジムなどで大人気のスポーツ、キックボクシングを行う部活動です。
ルールは、防具なしで、パンチングや蹴り技、首相撲が認められています。
あくまでも、大学スポーツとして取り組むものなので、メディカルチェック・CTスキャンや減量の健康管理、安全講習などはしっかりと義務づけられているなど、安全確保についてはプロ以上に厳重に管理されています。
大学キックボクシングの各階級での王者を経て、プロキックボクサーになった人もいるほどです。
などが有名です。
自由に立ち上げられて面白い!ユニークなサークルいろいろ
≪バンザイ同盟≫
「バンザイ同盟とは、バンザイをする集団である。身近に祝い事を見つけてはゲリラ的にバンザイをするほか、入学式・合格発表・卒業式などの学内イベント、また結婚式・テレビ番組などにも呼ばれてバンザイをしている。(早稲田大学バンザイ同盟公式Twitter より)」
サークルのメンバーたちが、お祝いに駆けつけてくれるという、何ともユニークなサークルです。
活動するだけで幸せになりそうなサークルですね。
≪中大多摩キャンパスを都心に近づける会≫
中央大学多摩キャンパスを都心に近づけるための活動をするサークル。
活動内容は、「多摩キャンパスを都心に向けて押す。・押す力、精神を養う。・逆に都心を多摩へ押してみる。(中大多摩キャンパスを都心に近づける会公式Twitter より)」というもの。
広大な多摩キャンパスを擁する中央大学ならではの、ユーモアあふれるサークルですね。
≪かくれんぼサークル≫
インカレサークルも多く、各大学でかくれんぼ、鬼ごっこと、ルールはさまざまなようです。
キャンパス内でかくれんぼはもちろん、全日本かくれんぼ大会、オールナイトかくれんぼ、1ヶ月24時間範囲無制限かくれんぼ、無人島でサバイバルや、国際雪合戦大会にと、その活動はとても多岐にわたるサークルもあるようです。
かくれんぼサークルは、
などで活動しています。
≪資格ゲッターズ≫
資格取得に向けてともに励む早稲田大学公認のサークルです。
簿記、TOEICなどの資格のみにとどまらず、忍者検定やお好み焼き検定などユニークな検定にまで挑戦します。
≪マッスル研究会≫
日本大学、中央大学、東京経済大学で活動しています。
サークル紹介をみると、トレーニングジムなどにて筋トレに励むサークルのようです。
ともすれば孤独になりがちなトレーニングですが、仲間と一緒に頑張ることで、楽しく筋肉をつけることができそうですね。
「筋肉に刺激、心に栄養を与えてるサークルです。使えば使うほど増える、正直で素直なのが筋肉。あたなも「貯筋」始めましょう。(東京経済大学 マッスル研究会公式Twitter より)」
≪野草研究会≫
名称は違うこともありますが、早稲田大学、岩手大学、群馬大学と、意外と様々な大学に存在するサークルです。
「食べられる野草を食べることをメインに、野草の観察や研究などの活動を行っているサークル(早稲田大学野草研究会Twitter より)」です。
食べられる野草を探すのと同時に、里山歩きや自然散策などのアウトドア活動や、草木や動物、鳥などの自然観察もできるのが楽しそうですね。
≪ポケモン大好きクラブ≫
ポケモンを通じて様々な人たちと交流することを目的としたサークルです。
ポケモンカード対戦だけでなく、ポケモンについて語り合いたい人や、ポケモンが好きなだけの人も入れます。
青山学院大学、神奈川大学、関西学院大学、京都大学、熊本大学、慶應義塾大学、上智大学、専修大学、中央大学、東邦大学、東北大学、文教大学、法政大学、武蔵野美術大学、明治大学、立命館大学、横浜国立大学、立教大学、名古屋大学、早稲田大学
と、数多くの大学に支部があることにも驚きです。
≪学食研究会≫
週に1~2回のペースで、東京都内にある大学の学食を食べて調査、ブログやTwitterで報告するサークルです。
早稲田大学と学習院大学のインカレサークルです。
大学の学食の内容は、大学生だけでなく受験生も気になる所ではないでしょうか。
ブログには、様々な大学の学食での活動報告が掲載されていますので、見てみるのもおすすめです。
大学の「部活動」ってどんなもの?
大学の部活動は高校の部活と同じく、日々の練習は、大会やコンクールといった大きな目標に向けてのものになります。
強豪校ともなると、部活動生活が大学生活のうちかなりのウェイトを占めることになり、特に体育会の運動部では、その傾向が大きいようです。
なかには、部活の寮での共同生活をしながら、練習に励む部活もあるほどです。
そこまで厳しく日常生活が拘束されることはないにしても、ある程度の規律が求められることは事実です。
部活動は、大学が公式に認めた団体であるとして、大学側からある程度の予算を配分され、金銭的な援助をしてもらっていることが一つにあげられます。
またその大学の看板を背負って活動しているのだ、ということも忘れてはいけないことでしょう。
部活動団体が活躍して良い成績を修めれば、大学の評価につながります。
しかし、何か不祥事を起こして、最悪、犯罪になどに関与していることが発覚するともなれば、その部活動を公認した大学のイメージダウンになると同時に、大学として責任問題にもなりかねないからです。
大学での生活は、高校以前よりも「自主的」「自由」であると先ほど述べましたが、そこには同時に「責任」や「自律」が求められます。
大学の部活動では学生主体で、大学から(金銭的な援助も含めて)公認され、その大学の看板を背負っているという「責任」と、目標に向かってストイックに結果を追い求めなければならないという「自律心」を持つことが求められます。
こうしたことからも、高校の部活動以上に熱心に活動している大学の部活動が多いことも、納得ができるのではないでしょうか。
大学の部活動に対して「忙しい」「厳しい」といった、ネガティブなイメージを持つ人も、なかにはいるいかもしれません。
大学生活は学校だけではなく、人によっては、アルバイトや自主活動、恋愛、勉強など、やるべきことが多く、毎日活動に参加しなければならない部活動との両立は難しいと考える人が多いのでしょう。
けれども、大学時代の部活動でしかできない貴重な経験や、そこで出会った友人、先輩後輩たちとの人間関係は、今後の人生において貴重な財産になることは間違いありません。
また、そうした経験を通じて、自分が成長できたという実感が得られるのも、部活動ならではと言えます。
大学の「サークル」ってどんなもの?
部活動とは異なり、大学のサークルは、学生が自分たちで立ち上げた課外活動を行う団体のことを言います。
基本的に大学からの指導などがあるわけはないので、しがらみが少なく、活動の自由度が高いことが特徴です。
サークルの活動は、一つの大学内にとどまらず、様々な大学からメンバーを集めることがあります。
そうしたサークルのことを、「インカレサークル」と呼びます。
インカレサークルは、インターカレッジ・サークルの略であり、自分の大学内にとらわれずに、幅広い交流を持てる点が特徴です。
時に厳しく制約が多いように感じる部活に比べ、サークルは「和気あいあいと」「ゆるく」活動する団体が多いといえます。
少ない活動日数や、その活動日でさえ出欠を取らないこともあります。
サークルの主活動であるスポーツなどを、趣味レベルで楽しみたい人たちが集まるのがサークルの特徴です。
大学の勉強やアルバイト、ほかのサークルをかけ持ちしたい、様々な経験をしたい、そんな人に向いているといえます。
サークルは、大学によっては公認・非公認団体を分けている場合があります。
公認団体か非公認団体かで活動が大きく違うことはありません。
質の高い本格的な活動を行う非公認団体がいる一方、なかには過激な政治活動や宗教勧誘を行うような団体もありますので、新入生は注意が必要です。
加入する前に、サークルに対する周囲の評価や口コミなどを参考にするなど、十分リサーチをしてから選ぶようにしましょう。
まとめ
大学のユニークな部活動、サークルについてご紹介しましたが、いかがでしたか。
ここには書ききれないほど、本当にたくさんの団体が存在しました。
大学生活は、様々なことを主体的に取り組むことで、楽しさや充実度が全く変わってくる世界です。
こうして大学時代に一所懸命取り組んだ経験は、一生の財産にもなりますし、この時代でしかできないことも少なくありません。
受験生のみなさんは、今からぼんやりでもいいので、大学生になった時にやりたいことや、入りたいサークルなどのイメージを膨らませておくことをお勧めします。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。