脳科学的に「ほめて伸ばす」は真実だった!自分で実践する方法

褒めて伸ばす実践方法
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世の中には「叱られて伸びる派」と「褒められて伸びる派」の2つの考え方が存在します。
ご家庭でもこの2つを軸に教育方針を決定しているのではないでしょうか。
「私の家庭では叱られた悔しさをバネに成長を期待している」など様々な意見がありますが、褒めて伸ばす教育方法に国の研究機関が報告を出しました。
今回はこの研究結果に基づいた理論と実践方法についてをご紹介します。

「褒めて伸ばす」は科学的に実証された

褒めて伸ばす事は良い事だと何となく理解をしていても、科学的な根拠が無いと中々辛いものがあります。
世の中の全てに理屈があるわけではありませんが、褒めて伸ばす事の根拠に関しては日本の機関が研究し、成果を出しています。
こちらではその研究結果について確認することにしましょう。

国の機関から発表された2012年の研究実績

ランニングする人たち褒められるとスポーツの上達が速くなる」という研究成果が生理学研究所から発表されました。
生理学研究所とは国費が費やされている厚生労働省管轄の機関のひとつで、主にヒトの整体研究を行っている機関です。

研究所所属の定藤規弘教授と菅原翔大学院生、名古屋工業大学の田中悟志氏とテニュア・トラック准教授の4人で構成される研究グループが2012年11月8日にアメリカの科学誌「プロスワン」に掲載しました。

実験内容は48人の成人にある動作を覚えるように指示し、トレーニングを積むという物です。
48人の被験者を「褒められグループ」「褒められている様子を見るだけのグループ」「自身の成績を確認するのみのグループ」の3つに分けて実験を行ったところ、直接褒められたグループの方々は他のグループと比較して、翌日にその動作を速く行うことが出来たとしている研究結果です。

脳にとってはお金を貰うことと同様の効果がある

脳にとって褒められるという事は、金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬だと研究所は結論づけています。
私達も金銭を貰う事で「より頑張ろう」という気になることが出来ますが、脳にとっては「褒められる」事を通じて「より頑張ろう」という気になるものだと言うことです。

この報酬を通じて次回以降の学習効率が後押しされる事を考えると「褒める」という行為は可能な限り多く与える事が大切であるとお分かり頂けるかと思います。

学校教育でも「褒める」事を最優先している

教室一方で最近は学校の教育現場でも褒める動きとなっている事はご存知でしょうか。
褒める行為が成長に良い影響を及ぼすことが科学的に証明され、また時代の影響もあってか褒めることを前提とした動きが出ています。

どれだけ悪さをする子に対しても「○○くんはよく頑張っていますよ、授業での発言回数が増えました」などと前置きしてから問題点を伝えるなどの方法が取られています。
教員単位で考えても普段から子どもの良いところを見つけ出す意識が根底にあり、学校では褒めることを最優先とした動きが活発です。
ただし、叱らないといけない場面ではしっかりと叱っているためご安心下さい。

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良いところを記録に残す事が大切

褒めることの大切さは分かったが、褒め方が分からないという保護者の方も多いでしょう。
心理学的な話をすると、善い行いが見られたら可能な限り早く褒めてあげるという事が大切です。
善い行いと褒められるという快感が強く結びつくため成長により強い効果を発揮します。

筆者の行っている「ええとこメモ」

メモを取るまた褒めた記録を取るということも効果的です。
目に見えない子どもの成長が確認できますし、一冊終わる頃には子どもを褒めちぎったという実感を得ることが出来ます。
叱った記憶や起こった記憶は見返したくなりませんが、褒めた記録であれば気持ちよく見返すことができます。
子どもがひとり立ちした際に、その冊子を渡すと子どもも大変嬉しいでしょう。

筆者は日常的に子どもと接する塾講師として働いていました。
その時に役立ったのが「ええとこメモ」と呼ばれるものです。
単なるメモパッドですが、子ども達のいいところを気付き次第メモするという物です。
良いところを見つけては褒めるというルーティンが完成していたので、メモに記載されているいいところ=褒めたところです。
つまりは褒めた記録を行うメモになります。

メモをつける時間は任意ですが、私はその日の終わりにまとめて書いていました。
多くの子どもを指導していたため、書く分量は多い方でしたがそれでも30分も掛かりませんでした。
恐らく一人の子どもでしたら思い返しながら書いても5分とかからないでしょう。

私は保護者面談の資料としてメモを活用していましたが、保護者の皆さまは「子どもを褒めた記録」として使用することが可能です。

どのような事を書いているのか

どのように記録を取れば良いのかについて悩まれる方も多いかと思われますので私のメモの記録をご紹介します。
当然の事ながら個人情報に関することは伏せ字としておりますのでご了承下さい。

「A君が一般動詞の過去形を使いこなしていた。先生のおかげだと言っていたが、君が頑張った成果だからこれからも頑張れと伝えた。嬉しい」

「Bさんが部活の大会で入賞したと自慢げに話していた。同じスポーツを行っていた身としては尊敬に値する結果だった。よく頑張った」

「Cさんが志望校に合格したので一緒に喜んだ。入塾から2年間、宿題をサボる事が多かったが、授業はきちんと受けてくれたお陰だ」

以上のような内容が書かれていました。
執筆にあたって見返してみると、担当した子どもの顔が明瞭に思い浮かばれます。
私も自信に繋がりますし、子どもにとっても褒められた喜びをバネに更に成長を続けているでしょう。
褒めることを続けることで子どもの成長が成績に繋がった例もあるため、褒めるという行為は大変重要なことです。
また大人がそれに気づくためには記録することも不可欠であるとお分かり頂けると思います。

中には「ほめ日記」なるものをつけている方も

上記の例は私のものですが、中にはそれを日記としている方もおられるようです。
褒めた対象は問わず記録をつけているようで、自分に対する褒めも含まれている事が分かりました。
成長を目に見える形とすることで自信がつき、前向きな思考へと変わっていったという影響もあるようです。

記録については自分が確認できたら良いため、特に形式は決まっていません。
私のようにメモとして残す者も居れば、日記として管理している方もおられます。

子どもは褒められると成長します

褒めた記録をつけることによる保護者側のメリットをメインに解説してきましたが、子どもの目線から考えてみましょう。

成長は過去の経験から実感することが出来る

そもそも成長とは過去の自分との比較です。
過去の自分と現在の自分を比較し、変化があったと実感することで初めて成長を感じることが可能となります。
それが結果的に悪い方へ進んだとしても、それが悪いことだと知ることが出来たらそれは成長です。
同じ過ちを繰り返さないように工夫することが出来るでしょう。

嬉しかったことは忘れない

子供を褒める人間の造りはかなりの「ご都合主義」です。
自分の楽しかった記憶は鮮明に覚えているものですが、嫌な出来事は思い出す事が出来るとしても楽しかった出来事ほど明瞭に思い出すことはあまり無いでしょう。
子どもも同様に「褒められた」体験ははっきりと覚えています。
この嬉しい体験を繰り返すことで子どもの人生を豊かにすることが可能となるわけです。

怒る代わりに「一緒に考える」

とはいえ、褒めるだけで子どもが成長するなどと都合のいい話ではありません。
時には間違いを正すという事も重要です。
しかしこの際に怒る必要があるかと言われると、実はそういうわけでもありません。

例えば子どもが学校でお友達を殴ったと仮定しましょう。
当然相手の子どもには謝る必要がありますが、事後指導で声を荒げる必要はありません。
「なんで殴ったの?」「次からどうすれば良いか考えよう」などと言葉を掛けてあげる事で子どもも気持ちよく反省が出来ますし、結論を導き出せたときには褒めるチャンスもあります。

こぼれ話:褒められたミカンと暴言を吐かれたミカン

みかん和歌山県ではミカンの栽培が盛んで、果樹林の近くでは直販も行われています。
直販所のおじさんが「こっちが良い言葉を掛けて育てたミカン、こっちは暴言を浴びせて育てたミカン。どっちが甘いと思う?」と質問を投げかけてきました。
どちらも一緒だと答えたのですが、食べてみると良い言葉を掛けて育てたミカンは甘く、暴言を浴びたミカンは酸っぱいミカンでした。

科学的な話をすると、どのような言葉を掛けたとしても味わいが変わることはありません。
しかし良い期待をすれば良い方向へ、悪い期待をすれば悪い方向へ意識が向いてしまうためプラシーボ効果が働く事は事実です。
子どもに良い方向へ伸びてほしいのであれば、可能な限りプラスな言葉を掛けてあげましょう。
そうすることで保護者も「良い方向へ向かっている」と錯覚し、より適切な施しを行うことが出来るきっかけとなるかもしれません。

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さいごに

現在は過保護が問題となっており、褒めちぎる教育方針を提案するには少し神経を遣います。
しかし、教育理論や心理学に基づいた理論をもって褒める教育を展開することは大変有意義なものであることも事実です。

褒めると学習効率が上がるだけでなく、子どもと保護者の人間関係も良好に保つことが出来ます。
子どもとの関係が良いと更に効果的な教育を期待できるなどの効果も生じます。
叱って伸ばす派の保護者の皆様も本記事をご覧になったことを機に、褒める方向へシフトしてはいかがでしょうか。
子どもに可能な限り快の感情を残すことで、少年時代の思い出も豊かなものになり、より家族に誇りを持てるかもしれません。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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公開日:2020年1月7日 更新日:2024年2月28日
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