受験生は勉強をさせてもらえることに感謝し、勉強をサボらずに努力しなければなりません。
以前にも「塾や予備校をサボる理由と対処法について」という記事で解決策についてお話ししましたが…
上記の記事のように子供を納得させるのはなかなか大変なことです。
これを100%こなせる受験生はごくわずかです。
受験生の生活の周りには、勉強を中断させるのに十分な誘惑がたくさんあり、勉強のやる気が全然湧いてこないこともあります。
そのようなとき、えらい人たちの言葉が役に立ちます。
彼らだって人間なので、誘惑ややる気のなさに何度も襲われたはずです。
しかし彼らはそれを押しのけて偉人になりました。
だから彼の言葉は、やる気を失っている受験生にこそ必要なのです。
えらい人の名言を自分なりに解釈しよう
言葉には古くから【言霊(ことだま)】と呼ばれる内なる力・霊力のようなものが存在すると言われます。
また、人間の脳は【自己啓発・自己暗示】によってポジティブに機能させることも可能と言われます。
そのため『えらい人の名言』は、自分で深く解釈してこそ、自分の役に立ちます。
その言葉のなかに含まれているエッセンスを今の自分に取り込んで、「なるほど、だから今、自分はこの勉強に取り組まないとならないんだな」と噛みしめてください。
イチローさんの言葉でモチベーションを高めよう
世界一の野球選手であるイチローさん(本名:鈴木 一朗)は、天才の人でありながら努力の人でもあります。
父である鈴木宣之さんの「毎日キャッチボール」してあげたり、「好きな物だけ食べて身体づくりしなさい」と促したり、「欲しい物は何でも買い与える」…等など、『ちょっと甘やかせすぎ?』とも思えるユニークな教育方針についても話題となりましたが、イチローさん自身の類まれなる才能を見抜いていたからこそなのでしょう。
やはり天才なだけじゃない、弛まぬ努力があってこそ成し得た数々の功績。
そんなイチローさんの言葉は必ず受験生を奮起させるはずです。
ここではイチローさんの言葉を紹介しながら、独自の解釈を加えてみます。
「勝ち続けると壁が生まれる」
イチローさんは日本球界にいたころ、「勝ち続けることで生まれる壁がある。それを乗り越えるのが大変」と言いました。
この言葉の価値は、勝って終わりではない、ということを教えてくれているところにあります。
そして、勝った人には、さらに大きな壁が待っていることも教えています。
受験における最初の勝利は、予備校の模擬試験で、志望大学についてA判定が出ることでしょう。
合格圏内に入ったことを意味するA判定は、その大学を目指す受験生のなかでトップグループに入ったことを意味しています。
しかしA判定を取った受験生は、新たに2つの壁を与えられます。
それは「油断」と「ステップアップ」です。
A判定を取りながら、本番の入試で失敗する人はたくさんいます。
それは油断して勉強しなくなるからです。
そしてA判定を取得したら、より偏差値の高い上の大学を目指しましょう。
それが向上心です。
「僕が自分に期待している」
イチローさんは、日本球界を飛び出してアメリカ・大リーグに挑戦することが決まったとき、「もちろん自信がある。恐らく、僕自身が誰より自分に期待している」と述べました。
受験生も自分に「僕は自分に期待している」と言い聞かせましょう。
道内私立大の入試を受けようと思っていた人が、「やっぱり北大に行きたい」と思ったら、まずは自分に期待しましょう。
友人や兄弟姉妹たちに「北大を目指す」と言ったら、もしかしたら笑われてしまうかもしれません。
笑われなくても、信じてもらえないかもしれません。
しかしそこで「やっぱり自分が北大を目指すなんて無茶だよな」と思ってしまっては、北大合格は一生手に入りません。
イチローさんは別のところでこうも言っています。
周りの人から「北大なんて無理だ」と言われたら、そのまま書店に行って北大の赤本を買いましょう。
「ムダのない進み方をしても近づけない、深みも出ない」
イチローさんがある経済人と対談したとき、その経済人は「ムダな時間が嫌い」と言いました。
するとイチローさんは「合理的に考えすぎてムダの生じないような進み方をしようとすると、結局近づくことすらできない。当然、深みも出ない」と反論しました。
受験生のなかには、何度も参考書や問題集を買い替える人がいます。
国公立大入試は受験科目が多くなるからという理由で、志望を私立大に切り替える人もいます。
数学や物理が苦手だからという理由だけで、本当は理系のスキルを身につけたいのに文系に変更する人もいます。
いずれも受験戦略としては間違いではありませんが、少し合理的過ぎるきらいもあります。
イチローさんが受験生なら、そのような選択はしないと思います。
スティーブ・ジョブズの言葉で自分に厳しくなろう
iPhoneの生みの親で、アップル社の創業者の故スティーブ・ジョブズさんは、社員たちに厳しく接することで有名でした。
ある日、開発者が最新機器の試作品を持ってジョブズさんの前に現れました。
ジョブズさんはそれを手にして、全然小さくないじゃないか、もっと小さくしてくれ、と命じました。
しかし開発者は、現代の技術ではこれ以上小さくすることはできない、と言いました。
するとジョブズさんはその試作品を水槽のなかに放り込んでしまいました。
開発者がさすがに、何をするんだと抗議すると、ジョブズさんは「試作品から出ているものは何だ」と言いました。
開発者は「空気の泡だ」と答えました。
するとジョブズさんは「そうだ、空気の泡だ。つまりこの試作品のなかには隙間があるということだ。隙間を埋めれば、もっと小さくなるはずだ」と言い放ったそうです。
アップルの製品が精巧なのは、こうした厳しいやり取りを繰り返してきたからです。
しかしジョブズさんが最も厳しく当たった人物は、自分自身です。
ジョブズさんは、他の人が自分と同じくらい一生懸命やらないことに腹を立てていたのです。
そのようなジョブズさんの言葉を受験生が自分のなかに取り込めば、きっと勉強のつらさに打ち克つことができるようになるはずです。
ここでは英語を最初に示してから、日本語訳を紹介します。
まずは英文だけを読んで、自分なりに翻訳してみてください。
It’s only by saying no that you can concentrate on the things that are really important.
受験生にとって本当に重要なこととはなんでしょうか。
勉強をすることと、偏差値を上げることと、入試に合格することです。
ジョブズさんは、その3つに集中するにはNoと言えと教えています。
どのような意味なのでしょうか。
母親から家事を手伝ってと言われたら「勉強しているからできない」と断ることでしょうか。
夜中まで自宅学習をして、受験科目ではない学校の授業で居眠りすることでしょうか。
もちろんジョブズさんは、そのような姑息なことは教えません。
あきらめることや、マイナスになること、集中を妨げる誘惑にNoと言え、と教えているのです。
妥協することを拒絶しろと言っているのです。
ジョブズさんはこうも言っています。
Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean to make it simple. But it’s worth it in the end because once you get there, you can move mountains.
シンプルであり続けることは、複雑であることより難しい。なぜならシンプルさを貫くには、自分の考えを明確にしなければならないからだ。
しかしシンプルさこそが重要で、それを実現できれば山だって動かせるさ。
受験勉強もシンプルに考えましょう。
勉強方法をとことんまで効率化して、勉強時間を可能な限り長く確保して、1個でも多くの事項を頭のなかに叩き込む。
これだけです。
シンプルな勉強だけでは山は動かせませんが、北大合格は勝ち取ることができるかもしれません。
えらい人たちは、こう勇気づける
さらに、えらい人たちに勇気づけてもらいましょう!
「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」井上靖
日本を代表する小説家である故・井上靖氏は「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」と言っています。
受験生が5月に模試を受け、志望大学の判定がAだったとします。
ところが9月の模試で、同じ志望大学の判定がCに落ちたとします。
そのとき自分だったら、この状況をどのように説明しますか。
多くの人は油断したことを反省し、これからの挽回を誓うでしょう。
しかし別の受験生は、A判定がまぐれであって、自分の本当の実力はC判定であると説明するかもしれません。
しかし本当に「自分の実力はC判定」と思って言っているでしょうか。
9月まで受験勉強をしてきてつらくなり、ここからさらにスパートをかけるのが面倒になって「自分の実力はC判定」と説明しているだけではないでしょうか。
それが井上さんが言う、怠け者による不満です。
人は怠ける理由を探す天才です。
しかしいつまでも怠け続けることはできません。
そうであるならば、早めに挽回するための策を講じましょう。
井上さんは、努力する人は希望を語ると言っています。
希望がないと努力できないのです。
なぜなら努力はつらいからです。
希望は、つらさを克服するエネルギーになります。
「みんなちがって、みんないい」金子みすず
詩人の故・金子みすずさんの「わたしと小鳥と鈴と」という詩に「みんなちがって、みんないい」という一説があります。
詩の内容は次のとおりです。
「わたし」は飛べませんが、小鳥は「わたし」のように地面を速く走ることはできません。
「わたし」は体を揺らしても、いい音は出せませんが、鈴は「わたし」のようには、歌は知りません。
だから「わたし」も小鳥も鈴もみんないい、とみすずさんは考えるわけです。
受験はライバルたちとの闘いであると同時に、自分との闘いです。
まずは自分に打ち克たなければなりません。
そして自分を信じて勉強できるようになったら、もう他人は関係ありません。
さらに、入試が終わって結果が出て、入る大学が決まったら、自分もライバルたちも「みんないい」と思えるようになりましょう。
そのように思えるようになるには、悔いを残さないくらい一生懸命勉強に打ち込むことです。
努力がプレゼントしてくれるものは望ましい結果だけでなく、「やり遂げた」という満足感です。
保護者の言葉も子供に染みる
えらい人たちの言葉は、努力した人生から滲み出る深みのあるものです。
ですが、子供たちにとって偉人達の言葉でなくても、保護者の方から教わる言葉も大変身に染みるものです。
子供時代というのは、まだ社会経験も少なく、保護者という存在は子供にとって「絶対」のものなのです。
偉人達のセリフとまで行かずとも、積極的にお子様へ言葉をかけてあげると良いでしょう。
以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせて読んでみてください。
まとめ~だから偉人
偉人になるには強い覚悟と深い思慮が必要です。
偉人たちの名言には、彼らの生き方が反映されています。
だから価値があるのです。
偉人の生き方には、凡人が参考にできることがたくさん詰まっています。
そして偉人の言葉は深いので、さまざまな人にとって意味を持ちます。
だから受験生も偉人の言葉からパワーをもらえるわけです。
ここで紹介した名言は、以下のサイトでも別の解釈をしています。
参考にしてみてください。
※参考1:https://nikkan-spa.jp/1551625
※参考2:https://meigen-ijin.com/stevejobs/
※参考3:https://www.motivation-up.com/word/
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。