予備校や塾は子どもの習熟度を高め、勉強が効率的にできるように非常に重要です。
多くのご家庭では「予備校や塾に通って良い成績を取れるようになってほしい」と思っていらっしゃることでしょう。
しかしそんな思いとは裏腹に、子どもが予備校や塾をサボってしまうようになってしまうケースはよく見られます。
子どもがサボるようになってしまった際に、その理由を単に「勉強がしたくない」というような感情的な理由によるものと捉えてはいませんでしょうか。
時に想像もつかないような理由で予備校や塾をサボっている場合もあるのです。
当記事では子どもが予備校や塾をサボる主な理由とサボってしまった場合の対処法をご紹介します。
なぜ子供は塾や予備校をサボるのか?
どの子供にも、必ずしも当てはまるとは限りませんが、主な4つの理由をご紹介します。
1.勉強するよりも友達と遊びたい
小・中学生によく見られる理由が「勉強するよりも友達と遊びたい」です。
これは平成20年度に文部科学省の「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告 」の調査項目の一つである「塾に通っていてい困ることや心配なこと」で最も選択されたものでした。
遊びたい盛りの小・中学生であればこの理由が挙げられるのは自然なことですね。
また遊ぶ時間が減ることで、友達の輪に入れなくなるのを心配していることも原因として考えられます。
2.授業内容についていけない
「予備校や塾の授業内容についていけない」というのは全ての年代を通じて、予備校や塾をサボる理由として挙げられます。
予備校や塾では子どもの習熟度に合わせてクラス分けがされることも多いですが、中には習熟度を考慮せずに一律な授業を行ってしまうケースがあるのです。
子どもの習熟度にあっていない授業がなされると、あっという間に取り残され授業についていけなくなり、面白くないと感じてサボることに繋がります。
そのような場合は無理して通わせず、習熟度でクラス分けを行うような予備校・塾に変えるのも一つの手でしょう。
しかし、講師に質問することによって改善する場合もあるので、もしわからないことがある場合は質問するように促すのも効果的です。
3.予備校や塾の人間関係がうまくいっていない
「授業内容についていけない」という理由と同様に挙げられやすい理由です。
大抵のご家庭は自宅から通える距離の予備校や塾を選ぶことが多いでしょう。
しかし偏差値の高い学校を志望する場合は、自宅から遠くてもハイレベルな指導を行う予備校や塾に通わせる場合もあります。
このような場合、塾には学校の友達がおらず、また入る頃にはすでにコミュニティーが形成されていて孤立するケースがあるのです。
そうすると予備校や塾は誰とも話せないという非常にストレスを感じる場所になってしまい、通うのが億劫に感じてサボってしまうことに繋がります。
習熟度を高めるためには、ハイレベルな指導を行なっている予備校や塾に通わせる必要を感じることもあるでしょう。
しかし、それによって子どもが勉強をしなくなってしまうのは本末転倒であるため、慎重に判断しなければなりません。
4.大学に進学した友人と遊んでしまう
「大学に進学した友人と遊んでしまう」というサボリ方は、特に予備校に通う浪人生に見られるケースです。
大学に現役合格をした同級生と夏季休暇に会い、大学合格のために日々勉強に勤しんでいる自分とは違って開放的な同級生の姿に「なぜ自分はこれほどまで頑張らなければならないのか」とやる気を失ってしまうのです。
そして大学に進学した友人と定期的に遊ぶようになり、予備校をサボりがちになってしまいます。
このように、塾や予備校をサボる理由・原因は様々あります。
上記の4つの理由だけに限らず、意外な理由でサボるようになってしまうことも考えられますので、もしサボっていることが発覚したら、次の項で説明する「対象法」をお試しください。
試してほしい5つの対処法
続いて、予備校や塾をサボるようになった場合に試してほしい5つのことをご紹介します。
1.なぜ予備校や塾に行きたく無いか理由を聞く
まず何よりも重要なのはなぜ予備校や塾に行きたくないか理由を聞くことです。
なぜなら予備校や塾に行きたくない理由は子供によって千差万別だからです。
先述した主な4つの理由に加えて「テレビ・ゲームに費やす時間が欲しい」「部活の後に勉強したくない」などその理由は非常に多岐に渡ります。
子どもにとって最適な対応を取るためにもまずは理由を聞くようにしましょう。
ただし、質問攻めにしないように心がけなければなりません。
なぜなら子供は予備校や塾をサボったことによって罪悪感を感じている場合が大半であるためです。
そのような精神状態であるにもかかわらず、質問攻めにされると尋問をされているかのような精神的圧迫を感じ、さらに塞ぎ込んでしまうのです。
話を聞いていく中で、疑問に思ったり反論したくなったりすることはあると思います。
しかし、まずはなぜ予備校や塾に行きたくないと感じているのかをしっかりと聞くことが重要です。
ポイントをまとめると「子どもが自分から話し始めるまでそばにいる」「話し始めたらこちらから発言せず丸ごと聞く」「安心感を感じるように微笑んだり手に触れたりする」です。
最終的には予備校や塾に自主的に行くように導くべきですが、まずは子どもの話をそのまま聞いて受け止め、安心感を感じてもらう必要があるのです。
子どもが話しやすい環境を作り、なぜ予備校や塾をサボるのかを話してもらえるように努めましょう。
2.塾に通う意味を一緒に考える
まず行きたくない理由をしっかりと聞いた後に、サボる理由が単に「なんとなく行きたくない」「勉強が辛い」といった感情的なものなのであれば、子どもと塾や予備校に通う意味を一緒に考えるようにしましょう。
このような理由で塾や予備校をサボってしまうのは「自分自身がなぜ予備校や塾に来て勉強をしているのか」という目的を見失っている場合があるからです。
この目的を見失っていることにより勉強がただの辛いものであるものにしか思えなくなり、予備校や塾をサボってしまうのです。
しかし大抵の場合、予備校や塾に通う意味というのは「〇〇高校に入りたい」「XX大学に受かりたい」といった志望校合格に落ち着くと思います。
この目的は子供も当然認識しており、この確認のみであればまた同じ事態が繰り返されてしまいます。
そのため、「なぜ志望校に入りたいのか?」ということまで考える必要があります。
ここまで考えることで子どもが予備校や塾に通うことに納得し、サボることが無くなっていきます。
志望校の合否というのは人生を左右する可能性もある非常に重要な行事です。
子どもが深く納得できる理由を見つけ、自主的に予備校や塾に通うようになるまで、一緒に意味を考えるようにしましょう。
3.その塾や予備校が子供に本当にあっているか確認する
予備校や塾をサボる理由が「勉強に対する意欲はあるけれど、なかなかに通う気になれない」という場合は、子どもにとって本当にその予備校や塾が本当にあっているかを確認する必要があります。
「子どもの習熟度にあった授業が行われているか」「塾内の人間関係に問題はないか」といったことを確認し、もしこのような点に問題があるのであれば、思い切ってやめてしまう方が賢明です。
そして新たな予備校や塾を検討する際には、指導システムを確認したり授業風景を見学したりすることで子どもに適しているかどうかを判断するようにしましょう。
4.成績に応じてご褒美を用意する
予備校や塾に通うのが期末テスト期間中のみといったような短期の場合は成績に応じてお小遣いをあげたり、プレゼントを買ってあげたりといったようなご褒美を用意することも有効です。
ただしこの際には、期末テストで数学の得点を15点あげたら5000円をあげるといったような具体的な数値目標を設定するようにしてください。
先述したように志望校合格などの長期的な目標に対しては、自主的に子どもが勉強に励むよう促してあげるのが好ましいです。
しかし長期的な目標であっても、徐々に期間を伸ばしていく方法であれば、成績に応じてご褒美を用意するのも有効な手段です。
その際には目標の期間に応じてご褒美も質をあげていくと良いですね。
定期テスト、模擬試験、入学試験といったように徐々に期間を伸ばしていけば、子どもも自然と勉強に対してやる気をを持つようになることでしょう。
5.予備校や塾の先生に相談する
先述したように子どもが予備校や塾をサボってしまう場合、子ども自身からその理由を聞くべきです。
しかし、どれほどこちらが子どもの話をしっかり聞く姿勢を伝えても、罪悪感から予備校や塾をサボってしまっている理由を教えてくれないことは良くあります。
そのような際には予備校や塾の先生に相談するようにしましょう。
子どもの予備校や塾での姿を見ているため、適切なアドバイスをもらうことができます。
そのアドバイスを受けて改めて子どもに「授業内容についていけていないから予備校や塾に行きたくないの?」といった質問をするようにしましょう。
もしこの質問が子どもにとって核心を突いたものであれば、自然と向こうから予備校や塾に行きたくない理由を話してくれるはずです。
まとめ~必ず理由と解決策がある
理由もなく予備校や塾をサボる子どもは一人としていません。
そして今回ご紹介したように、サボる理由は非常にさまざまです。
そのためこちらが勝手に決めつけを行わず、なぜサボるのかということをしっかりと聞くようにする必要があるのです。
また、理由を聞く際には子どもが罪悪感を感じてサボる理由を明確に話してくれないケースも多いので、質問攻めにせず話を促すようにして聞くことが重要です。
その上で、子どもが自然と予備校や塾に通えるように適切な対応を取るようにしましょう。
志望校受験を控えているのであれば、多くの子どもは予備校や塾に通う必要性を感じています。
その理由を一緒に考え、納得できるまで話をしたり子どもの意見を聞いたりすれば、きっと自主的に予備校や塾に通うようになることでしょう。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。