高等専修学校とは?専門学校や高校との違いについて

高等専修学校とは?
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中学生の7割が高校の普通科に進学する中で高等専修学校はあまり日の目を見るわけではありません。
高等専修学校とは昭和の終わりに新設された新しい学校です。
普通科では一般的な教養を学ぶのに対し、高等専修学校では特定の職業に就くために必要な専門技術を15歳から学び始めることの出来る非常に特色のある学校です。
今回はこの高等専修学校について詳しく見ていきましょう。

高等専修学校について

真新しく改定された学習指導要領による教育がスタートしてからまだ多くの時間は経っていません。
そんな中で中央教育審議会から「普通科にも特色のある教育を」との提言がなされました。
これからの時代に求められているものは多様性です。
様々な特技を持った日本人が世界に羽ばたくことを求められているのです。
今回のメインテーマである高等専修学校では制度発足当時から特定の分野に強い教育を施してきました。
言うなれば「もともと特色のある教育を施してきた学校」です。

高等専修学校は制度発足当時から特色のある教育を施している

志望校選択まずは高等専修学校について基本的な事項を学びましょう。
本記事では比較がしやすいように高等学校の普通科と対比させながら進めます。
小学校や中学校など教育の段階を示す縦軸と学ぶ内容によって分けられている横軸をベースに話を進めましょう。
縦軸は子どもの年齢、横軸は進学先であるとイメージして頂けると分かりやすいかと思われます。

まず初めに横軸から高等専修学校を見てみましょう。
高等専修学校は法律上「専修学校」と呼ばれる学校です。
同じ専修学校の仲間としては高校を卒業してから進学する専門学校が有名です。
あまり有名でないためイメージが湧きづらいかと思われますが、中学生は義務教育を終えると高等学校か専修学校へ進学する事になっています。
高等学校では一般的な教養を、専修学校ではその道のスペシャリストを目指す教育を受けることになっています。
つまり将来に就きたい職業が決まっており、その勉強する内容が合致している高等専修学校があれば進路の最短ルートをたどることが出来ます。
高校の普通科を卒業してから専門的な学問を修める必要がなくなります。
また普通科を卒業した人と比較すると3年分のアドバンテージが有ることもメリットと言えます。

それでは子どもの年齢に対応した軸である縦軸から高等専修学校を考えてみましょう。
高等専修学校は教育段階上、後期中等教育と呼ばれる教育を行う学校とされています。
参考までに小学校では初等教育、中学校では前期中等教育、高等学校では後期中等教育、大学では高等教育を行う学校です。
内容はともかく、法律上はこのように教育段階が設定されている事を覚えておきましょう。
話を戻しまして、高等専修学校では後期中等教育を施すために高等学校と同等の扱いをされる事になります。
イメージとしては高等学校の工業科が独立して一つの学校になったとイメージして頂けると分かりやすいかもしれません。
要するに中学校を卒業した上で進学する学校であるという事です。

上記の縦軸と横軸を組み合わせると「中学校を卒業した15歳の子どもが行く専門学校である」とまとめる事が可能です。
高卒の資格を得ることができ、普通科では学ぶことの出来ない深い知識を得られるものが高等専修学校です。

もちろん高校で学ぶような教養も身につけることが出来る

高等専修学校では専門的な知識だけを学ぶわけではありません。
普通科の高等学校と違う点は「専門的な知識を学ぶ授業の数が多い」という事にあります。
高等学校では卒業するために74単位を取得しなければなりません。
普通科ではその大半を一般的な教科(国語や英語など)が占めていますが、高等専修学校では卒業要件単位74単位のうち25単位以上を専門教科が占めている必要があります。

高校生活の3分の1は専門科目を学んで過ごす必要がありますが、一方で残りの3分の2は普通科の高等学校と変わらない英語や数学などを学んで過ごします。
子どもの将来の夢の近道になる高等専修学校ですが、専門科目一辺倒になるというわけでは無く、社会人としての一般常識もしっかりと身に着けて社会へ羽ばたくことが可能です。

将来の夢が固まっているのであればおすすめ

女子高生高校版の専門学校とも言うことが出来る高等専修学校ですが、その対象は「特定の分野について深く学びたいと考えている中学生」です。
高等専修学校では工業・農業・医療・衛生・教育・社会福祉・商業・服飾・文化・教養の大分類があり、その中に具体的な分野が存在しています。
例えば「文化・教養」というジャンルでは音楽や外国語を専門に学ぶ高等専修学校が存在し、「服飾」のジャンル内にはファッションデザインやスタイリストなどの教育を展開する高等専修学校が存在します。

参考までに文部科学省が発行したパンフレットへのリンクを掲載しておきます。
高等専修学校で開講されている専門分野はおおむねこのパンフレットから見ることが出来ます。
具体的なイメージをつかめるかと思います。

※参考:文部科学省「好きをカタチに」

子どもと一緒に見る場合は一番右の行を参考に見ると良いでしょう。
その高等専修学校を卒業した後に就くことの出来る職業が掲載されているためイメージが湧きやすいと思います。
特にエンジニアは今なお高い需要があり憧れている子どもも多いかと思われます。
高等専修学校もこれから注目される学校であると言えるでしょう。

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具体的には高等専修学校でどのような事が学べるの?

それでは高等専修学校で学ぶことの出来るものを具体的に見ていきましょう。
下には専修学校で開講されているものを並べています。
高等専修学校では更に幅広いジャンルの生徒を受け入れています。
高等専修学校は制度が柔軟に出来ているため更に特色を極めた教育課程が用意されている学校もあります。

工業に関するもの

プログラミングこの分野では工業すなわち「ものづくり」に関する専門教育を行っている学校が分類されています。
現在需要が高まっているコンピューター・プログラミング関連やクルマの整備工を育成する課程、また土木建築の分野もこの工業に関するものに分類されます。
珍しいものではCGグラフィックを学ぶことが出来る高等専修学校もあります。
CGグラフィックを学ぶことの出来る高等学校は恐らく存在しないでしょう。
このように特定の分野に強いという事は高等専門学校の特権であるとも言えます。

この分野を卒業するとエンジニアやクルマの整備士、建築士など堅く手に職をつけた進路を見ることが可能です。
いずれも日本の経済に根付いており、現代においても欠かせない職業です。
堅実な職業を目指しているのであればおすすめです。

農業に関するもの

野菜農業は想像がしやすいかもしれません。
畑や田んぼでの仕事のほか、北海道などでは畜産や動物関連の産業も盛んです。
そのような仕事を志しているのであれば農業分野の高等専修学校を選択しない理由はありません。
この分野の高等専修学校を卒業したら農場や畜産プラントで働くために有利になります。

農業に関しても私達の生活に密着した欠かせない産業です。
近年はエコ意識が高まったり農業機器メーカーが良いコマーシャルを放送したりしている事も功を奏して農業の注目度は年々高まっています。
また農業は動物や植物の成長に合わせて働いているため、のんびりと仕事をする事が出来ます。
楽な仕事というわけではありませんが、肩を張って仕事をしたくないという場合にはおすすめです。

医療に関するもの

病院と救急車この分野の高等専修学校では医療に関することを学ぶことが出来ます。
とは言っても医師免許を取得できるというわけではありません。
医学部へ進学することを目的としているわけでも無いためご注意下さい。
この分野では整体や鍼灸などの施術や治療行為によらない療法(カウンセリングなど)を学ぶ高等専修学校が多いです。

みなさんが想像する医療といえば医者の他に看護や歯科などが挙げられますが、そういった分野の教育は高等専修学校で受けることが可能です。
15歳から医療の世界に足を踏み入れる事が出来るので、結果的に医師を目指す中学生が集まることも自然と多くなります。
医学部への進学を目指しているわけではありませんが、結果的にそのような志を持った子どもが多いようです。
当然、高等専修学校を卒業後はそのまま医療の世界に飛び込む人も大勢居ます。

衛生に関するもの

栄養士の女性文字を見るだけではあまり想像が湧きませんが、衛生の分野では食べ物や美容に関するものが開講されています。
調理師や栄養士を目指す人や製パン職人を目指す人が進学するのが、この衛生に関する科目を設けている高等専修学校です。
パン職人は今なお憧れを持つ子どもが一定数おりますので、そのような子どもにとっては大変ありがたい選択肢ではないでしょうか。

またエステティシャンを目指す子どもにとっても高等専修学校は有望な学校になります。
美容やエステを専門とした高等専修学校もあるので、将来美容関連の仕事がしたいと考えている人は検討してみると良いでしょう。
女子を中心に美容関連の職業は注目を集めています。

教育・社会福祉に関するもの

保育士と子供こちらも医療と同様に教員免許を取ることの出来る学校というわけではありません。
教員免許や医師免許は大学で所定の単位を取得したのちに機関から授与されるという事が決まっています。
この分野では幼児教育や保育に関することを学ぶことが出来ます。

豆知識ですが幼稚園は教員免許が必要、保育所は保育士資格が必要となります。
幼稚園は文部科学省が管轄の学校、保育所は厚生労働省が管理している託児施設である為です。
この分野では保育士の技術検定(資格では無い)を取得できるほか、大学に進学して幼稚園教諭の免許を取得するために専門技術を学ぶことになります。
15歳から幼児教育の世界を知ることが出来るのは高等専修学校ならでは。
他には介護や老人福祉の領域もこの分野に相当します。

商業実務に関するもの

ビジネスのプロを目指すのであればこの商業実務分野の高等専修学校を選択しましょう。
経理や簿記など一般的な商業高校で学ぶ事のほか、旅行や観光・ホテルなどより具体的な分野の専門教育や流通など商業により特化した学問を修める事が出来ます。

経営分野にも高等専修学校は強く、若いうちから社会の構造や経営に必要な知識を身につけることが出来ます。
高校生のうちから経営者の視点を持つことが出来るのは大変良いことでしょう。

服飾・家政に関するもの

ファッションモデル服飾とお硬い言葉で書かれていますが中身はファッションと表現するほうがより相応しい内容のものでしょう。
ファッション・ビジネスやファッションデザイン、マーケティングの知識を身につける事が出来る教育課程が編成されています。
他にもスタイリストを目指すための高等専修学校もあるなど、現代的な技術や知識を身につける事が出来る学校です。

先程の美容と並んでファッション業界も若い子ども達から注目されている産業です。
高等専修学校では熱が冷めきらないうちから専門的な勉強をする事が出来る為、よりファッション業界への志望度も上がることでしょう。

文化・教養に関するもの

キャンバスアートこちらは文化に関するものが分類されています。
将来的には通訳や翻訳家を目指すことが出来る外国語の領域や音楽・演劇など芸術科目が多い印象を受けます。
特にアートに関しては普通科の高校では学びづらいので、それを専門に学ぶことの出来る高等専修学校は十分に有望な選択肢です。
また写真や映画に関するものなど、大学ですら学びづらい科目が設定されている事も特徴で、高卒の資格を取りながら専門教科を勉強したいと考えている中学生におすすめです。

外国語は今後も需要が高まっており非常に奥の深い学問ですので、ぜひ高等専修学校、外国語大学の長期間をかけて修めて欲しい学問です。
また外国語の領域は英語に限らず中国語やスペイン語など現在需要が高まっている言語に関しても学ぶことが出来るのが特徴です。

不登校の子どもを受け入れるもの

高等専修学校の制度は非常に柔軟であるため、様々なタイプの高等専修学校が出来ています。
上記のような特色ある課程を組みながら、不登校の生徒を支援する体制を整えている学校も多く存在します。
高校を中退して将来を心配したり不登校で社会に適応できるのか不安な中学生であっても高等専修学校で専門知識を身に着けながら復帰へ向かいやり直しをする事も可能です。
中には不登校の生徒だけを受け入れている高等専修学校もある位です。
不登校の生徒にとってきちんと登校することが出来ている生徒と一緒の学校に通うのは気まずい為、良い制度と言えるでしょう。

北海道の高等専修学校一覧

北海道にも高等専修学校がたくさんあります。
その学校の全てで特色のある良い意味で尖った教育を展開しています。
本記事では5校の高等専修学校をご紹介します。
子どもの将来の将来をじっくりと見据えて学校選びをしてみてはいかがでしょうか。

札幌科学技術専門学校

札幌の北24条に校舎を構える高等専修学校です。
環境に関する分野や自動車工学について学ぶことが出来るほか、一番の目玉はITコースです。
こちらではWEBデザイナーを目指すコースが開設されていたりC言語とJavaを学ぶことの出来るプログラマー育成コース開設されていたりと、これからの時代を見据えた学科の編成となっています。
特にWEBデザイナーコースでは実践的な言語を身につけることが出来るため非常に実用的です。
アクセスに関しても南北線の北24条駅から徒歩10分以内と比較的通いやすくなっています。

詳細住所:札幌市東区北24条東1丁目3-13

公式HP:https://koutou.s-kagisen.ac.jp

修学院札幌調理師専門学校

修学院札幌調理師専門学校は中学を卒業してすぐに入学する事のできる高等専修学校です。
調理に関する専門的な知識を身につける事はもちろん、実店舗のレストランで実習を行うなど非常に実践を意識した教育課程となっています。
北海道ならではの取り組みとしては「北の食マイスター」が授業を担当する事で地域に根ざした教育を展開しています。
地元北海道を見つめながら調理に関する技能を磨くことが可能です。
アクセスに関してもすすきのから市電に乗り換えることで通学が可能です。
路面電車の石山通からアクセスすることが出来ます。

詳細住所:札幌市中央区南18条西10丁目3

公式HP:https://syugakuin.ac.jp

旭川理容美容専門学校

旭川理容美容専門学校は旭川市の中心にキャンパスを構える高等専修学校です。
JR旭川駅から徒歩10分と比較的アクセスが良いことが特徴です。
中学を卒業した子どもが入学できるのは理容科と美容科の2学科です。
主にヘアカットの技術を専門的に学ぶ学校となっています。
理容師の国家資格取得を目指したりネイルに関する資格を取得したりと美容理容に関するものに関しては一通りの技術を身につけることが可能となっています。

詳細住所:北海道旭川市4条通12丁目1444番地9

公式HP:https://atcbb.jp/

苫小牧高等商業学校

苫小牧に校舎を構える苫小牧高等商業学校ではビジネスに重点を置いた教育を展開しています。
地元で活躍する人財の育成を念頭に置いており地域社会の経済発展を願って教育活動を行っています。
介護実習もカリキュラムに盛り込まれており、総合的に能力の高い教育が期待できます。
JR苫小牧駅から徒歩圏内と雪国でも通いやすく、また近郊からも多くの生徒を擁しています。

詳細住所:苫小牧市若草町5-5-15

公式HP:http://tomasho.ac.jp

北見商科高等専修学校

道東は北見市にあるビジネスを教授している高等専修学校です。
ワープロ検定や情報処理検定、簿記漢検と様々な資格の取得実績が自慢です。
北海道有朋高校とも提携しており一般教養の習得にも積極的です。
商業の知識を身に着けながらも総合的な能力の育成に重点を置いています。

また部活でITパスポート(国家資格) の取得を目指すものがあり、生徒自身の自学自習も盛んな印象を受けます。
毎年数名が合格しているようです。

詳細住所:北見市常盤町3-14-18

公式HP:https://www.kurihara.ac.jp/syousen/

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さいごに:高校の選択肢は多い

高等専修学校と呼ばれるあまり日の目を見ない学校にスポットライトをあててみました。
現在は高等学校の普通科も特色をもたせるようにと工夫が求められていますが、高等専修学校ではそのような教育活動が昭和の時代から行われています。
専修学校であるため設備面でも非常に優位な環境にあり、優秀な講師も勢揃いです。
一般的な勉強に関しても抜かりはなく、中には全日制の普通科高校と提携して授業を賄っている学校もあります。

我が北海道にも高等専修学校があり、全道に分布しています。
みなさんがお住いの地域にもあるかもしれません。
これからの日本に求められている専門的な人材を目指すためにも高等専修学校は今後注目すべき学校です。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。

「大成会 西18丁目教室」
教室長
日野浦 大河

2017年北海道教育大学卒、中学・高校の社会科教員免許保持。現在は2023年8月にオープンした「大成会 西18丁目教室」の教室長を勤める。家庭教師時代の経験から、成績の伸びを決める一番大きなものは生徒さん自身のやる気であると痛感し、そのやる気を刺激する方法を日々模索している。


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公開日:2020年11月30日 更新日:2024年2月28日  
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