教科書の変更点「今と昔」教育の考え方はこんなに変わった!

【今と昔】教科書の変更点
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時代とともに常識は変化します。
その移り変わりを最も身近に感じることのできるものが教科書です。
今回は最新の教科書事情を特集します。
教科書の内容がどのように決められるのかについて触れた後、内容の変化について迫ってみたいと思います。

教科書は学習指導要領をもとに作られる

そもそも教科書の内容はどのように決められるのでしょうか。
小中学校では当たり前のように配布される教科書ですので、特に気にするような事でもありません。
しかし大人になると何事にも根拠が存在すると気づくはずです。
教科書にも学習指導要領と呼ばれる学校教育の方針全てが網羅されているガイドブックが存在します。

学習指導要領とは

ポイントを示す男性学習指導要領は戦後から続いている学校教育の指南書です。
我が国では明治時代から国による学校制度が始まりましたが、国家主義が現代とは異なるため内容は全くの別物です。
学習指導要領は1947年に試案の形で初公布がなされ1951年、1956年にそれぞれ改訂がなされた後、およそ10年ごとに改定され続けています。
改訂ごとにメインテーマとも言える教育方針が大々的に打ち出され、馴染み深いもので例えると2002年から開始されたゆとり教育が挙げられるでしょう。
当時以前の知識詰め込み型教育を見直し、学習以外の体験を重視した結果、授業時数が大幅に削減される運びとなった改訂です。
実は1980年代から授業時数の削減は行われていましたが、世間では多くの場合2000年代〜2010年代の学校教育をゆとり教育と認識しているようです。
そもそもゆとり教育・ゆとり世代はメディアが名付けた名称で、文部科学省が主導して広めた呼び方ではありません。

学習指導要領は約10年ごとに改定される

教室ここで学習指導要領の移り変わりについて触れてみることにしましょう。
試案として1947年に産声をあげた学習指導要領ですが、戦前に授業として行われた「修身」が削除されました。
修身とは分かりやすく説明すると現代の道徳。戦前は国民としての道徳を学ぶ座学でした。
親を大切にせよ、兄弟仲良くせよ等現代の道徳に通じるものから天皇陛下万歳、敵の弾に当たってもラッパを口から離すな等、皆さんが安易に想像する事のできる大戦前の教育内容まで掲載されていました。

その後何度か改訂が重ねられて大きな変化が見られたのが1958年改訂のもの。
この改訂で道徳の時間が設けられるようになりました。
当時以前の学習指導要領では道徳の授業がありませんでした。
学校教育はその時代ごとに日本が求めているものを取り入れます。
当時の若年層は荒廃しており、道徳性を身に着けないといけないという経緯から導入されたものです。

次に大きな改定は先述にもありました通り1977年の改訂です。
授業時数や内容が大幅に削減された結果、年間授業時数が200あまり減りました。
この時期から学校の土曜日授業が無くなりました。
この時期から2010年前後までの教育内容が皆さんご存知の「ゆとり教育」です。

ゆとり教育は2011年の改訂で解消される事になります。
これまでの改訂を踏まえ、ゆとりでもない、詰め込みでもない新しい考え方が取り入れられました。
知徳体のバランスが取れた生きる力の育成にシフトするようになりました。
この改訂は脱ゆとり教育とも呼ばれ、自分で考え、判断し、実行する力を中心に考えるようになります。

教科書は新しい学習指導要領と共に変わる

そして最新の学習指導要領が2018年に公布されました。
この改訂の特徴は思考力・判断力・表現力をバランス良く身につける教育を実践する事です。
そのためにアクティブラーニングや対話的な授業
(教師→生徒の一方通行ではなく、子どもの発信に注目するスタイル)の導入が大々的に示されるようになりました。

特に国際化が加速する世の中に対応するために英語教育が重視され、様々な制度の改革が行われたことも特徴です。
詳しくは後述しますが、受験やペーパーテストで点数を稼ぐための英語教育から、実際のコミュニケーションを想定した授業への転換が求められています。
我々の感覚では英会話学校に近い形になるものと思われます。
今回の改訂では文言こそ目立ちませんがコミュニケーションに大きく重点を置いたものであるという認識が正しいでしょう。

北方領土他の教科に関しても国際的な題材に関心が示されており、竹島や尖閣諸島、北方領土問題がこれまで以上に詳細なものになっています。
近年の異常気象や自然災害に対する関心を深めるために安全に関する教育や、災害ボランティア、これまでの自然災害
(東日本大震災など)がピックアップされています。
このように教科横断的な方針を打ち出している事がもう一つの特徴です。

教科横断的とは、教科ごとに独立したトピックを扱うのではなく、例えば英語の教科書で自然災害を取り上げたり、音楽の授業で外国語圏の音楽を指導するなど、教科の垣根を超えた連携を行う考え方です。

他にも道徳が教科として取り扱われるようになった(=通知表で評価されるようになった。ただし数字での評価はしない)、プログラミング教育が始まるなど、これからの世界に対応することが出来る子どもの育成に力を注いでいます。

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教科書の今と昔

それでは本題に移りましょう。
教科書は学習指導要領の改訂とともに更新されます。
それは新発見や常識、社会の求めている事が次々に変化するからで常に情報がアップデートされていることの裏返しです。

歴史の教科書が変わった

昨今テレビ番組でも取り上げられ、話題となっている歴史の教科書について触れてみることにしましょう。
近年の技術の進歩や研究結果により史上の出来事が起こった年代などが詳細に特定できるようになりました。
また研究結果の間違いや修正なども加えられて私たちが学んだ歴史とは全く違う内容になっています。

例えば鎌倉幕府。
私たちは「いい国作ろう鎌倉幕府、1192年」と学びましたが、現在は「いい箱作ろう鎌倉幕府、1185年」とされています。
どのような経緯で変更になったかについてですが、源頼朝が統治を始めた時期の定義を変更した事を理由になされています。
教科書発行会社の東京書籍によると、確かに源頼朝が征夷大将軍になったのは1192年で間違いないが、1185年から実質的に権力の基礎を築き、実質的には1185年から源頼朝による政治が行われていたとの見解があります。
この教科書の改訂に関しては新発見でも間違いでもなく、再定義によって内容が変更されたものです。

再定義によって内容が変更されたもう一つの例が「踏み絵」です。
現在は絵踏みと指導されており、教科書でもそのように記述がなされています。
これはイエスの絵は踏むためのものでは無いという事がその理由です。
隠れキリシタンの発見の為に行われた事は「イエスの絵を踏ませる」ですので絵踏という表現に改められました。

新発見によって教科書の内容が見直されたものとしては日本最古の貨幣があります。
私たちは708年製造の和同開珎が日本最古の貨幣であると教えられてきましたが、687年製造の富本銭が発見された為、現在では富本銭が日本最古の貨幣として教科書では紹介されています。

聖徳太子聖徳太子という呼び方に関しても最早過去のものです。
現在の教科書には廐戸皇子(うまやどのみこ)と記載されています。
廐戸皇子の死後、聖徳太子という名がつけられた事で聖徳太子という名前が浸透していったものと考えられます。
つまり生存中は廐戸皇子と呼ばれていたが、死後に敬称として聖徳太子という呼び名が使われたという事です。

昔の記録に関しては曖昧であったり不確実な情報が多かったりする為、常に情報は変わり続けています。
また現代の価値観にそぐわないものは絵踏の例の様に名称を少しだけ変えられたり、鎌倉幕府のようにとあるイベントを基準とするのではなく実質的な変化があった年を成立年とするなどの再定義も度々起こります。
数字で再現することのできる公式に対して、再現のしようもない大昔の歴史ですのでこのような事は度々起こります。

太陽系の惑星から冥王星が消えた

輝く地球水金地火木土天海冥と語呂で覚えた惑星も現在では内容が変わっています。
2006年に国際天文学連合が「冥王星は惑星とは言えない」と唱えたことにより、以降の教科書ではそれに則った修正が行われています。

そもそも冥王星は1930年に発見された天体で、当時は惑星の基準が曖昧であったことから一先ずは太陽系惑星とされていました。
2005年にエリスと名付けられた天体が発見された事で惑星の定義をめぐる議論が本格的に始まり、翌年2006年に惑星の定義を定める運びとなっています。
この際に惑星の基準を満たさないと考えられる冥王星が惑星という肩書を剥奪され、準惑星と呼ばれるようになりました。
技術が飛躍した近年は冥王星に似た性質の天体が数多く発見され、全てを惑星として良いのかという学者の問いかけに応じて議論が活性化されたそうです。

なおその時に定められた惑星の定義は「太陽の周りを公転している事」「球体を維持できる重力がある大きさであること」「その天体の軌道上に他の惑星を近づけない質量を持っていること」とされています。
冥王星の軌道上に他の天体が見られる事から、冥王星は惑星から準惑星へと格下げされました。

ただし留意しておきたいことが、天文学では特に学派の対立が激しく、未だに議論が行われているという事です。
そして冥王星をはじめ、人類はまだ他の惑星に降り立って研究したことが無いという事も付け加えておきます。
冥王星が惑星から外されたのは国際天文学連合の決断に過ぎません。
テクノロジーの進歩で冥王星を近くから観察できる日が来たら、冥王星も再び惑星を名乗ることが許されるかもしれません。

円周率3の噂は嘘です

π=3.14ネット上では一時「今の小学生は円周率を3として教えられている!」と話題になりました。
元々は2002年の学習指導要領改訂時のあくまでも噂話として広まったものです。
学習指導要領には「基本的には3.14を使用する事とするが、目的に応じて3を使用しても良い」との記載がありました。
この「目的に応じて」の部分ですが、おおよその見積もりをする場合などの概算に用いることです。
おおよその見当をつけてから計算する事でケアレスミスを少なくしましょう。
ただそれだけの理由と考えていただいて差し支えありません。

当時はあまりインターネットも普及していなかった為、テレビ番組の不適切な表現や噂話などで上記のような誤った情報が出回るようになってしまったという事が原因に挙げられるでしょう。
主にゆとり教育を批判する目的で広められた情報ですが、実際は当該年代の子どもたちは円周率を3.14と学んでいます。
また当時の学校教員も円周率に3を使用しても良いとは言いませんでした。
恐らく2種類の円周率を示したら、子どもの混乱を招くからでしょう。

そもそも円周率の計算は現在も続いており2019年では31.5兆桁ほどまで判明しています。
つまり未だに終わりの見えない数であり、加えて膨大な桁数を用いてまで計算するものでもありません。

円周率が初めて発見された古代エジプトでは「直径に対する円周の比は3より大きい程度」とされていました。
私たちが計算するような大きさの円に関しては、円周率3で計算しても大きな問題にはならないのではと個人的には思います。
私たちの実生活ではそれで問題ありませんが、学校では教えられたことを教えられたとおりこなす事が賢明です。

授業の今と昔

さて、教科書の内容は学習指導要領の改訂に沿って変わっていく事をお伝えしましたが、授業スタイルについても面白いほど変化している為お伝えしておこうと思います。
基本的には時代によって変化するトレンドを追う形にはなりますが、教員の性格や考え方によって左右する部分でもあります。
そのため統一している訳ではありませんが、大きな傾向としてお伝えしておこうと思います。

体育では量より質重視に!

まずは体育についてをご紹介しま体育館の床す。
比較的若い保護者の方であれば想像に容易いことかと思われますが、体育の授業は時代の求めている物とともに変化しています。
具体的には従来の量を求める授業から、子どもそれぞれに合わせた質重視の内容へと変化しました。
近年は体育会系の根性論などが禁忌とされる時代ですのでどの学校もそのように変化している傾向が強いようです。
特に根拠のない練習メニューなどは完全に排除されつつあります。

特に昔のスポーツ教育で散見されたウサギ跳びや無闇な走り込みに関しては完全撤廃です。
ウサギ跳びは人間の動作としては全く理にかなっているものでは無く、負担が大きすぎるため股関節の疲労骨折やオスグッド病など下半身の故障に繋がります。
下半身を鍛える、瞬発力を高めるなどの効果が根拠もなく言われてきましたが、その通りで効果が無く、それに対する怪我のリスクのほうが大きい訳です。
下半身を鍛えるトレーニングとしてはウォーキングレンジやヒップリフトなど医学的に負担の少ないものを取り入れている教員が現在では大半です。
なお部活の指導等もこのように行われています。

英語は聞くこと話すことにシフト

English昨今とても騒がれている教育トピックは英語でしょう。
2019年は3200万人もの訪日外国人を受け入れており、外国語需要はこれから益々加速してゆくものと思われます。
このような社会の要請に教育現場も応える形で、近年の英語教育は読み書き重視から聞く話す重視へと方向転換しています。
従来の受験英語一辺倒の教室から実用的な英語を学ぶ場へと変化しています。

授業ではグループディスカッションやプレゼンテーションが授業の大半を占めるようになりました。
これまで行われてきた1コマ1区切りの授業形態から、複数コマを使用して集団でプロジェクトに取り組むという様な教育改革が進められています。
教養として必要な英語文法などは教科書を使用して進める事になるので、受験のペーパーテストや読み書きを軽視するなどの様な事態もありません。
この辺りの事は各教員により様々ですが、大まかな流れとしてはこのようになります。

ただし上記のような内容を行うにはまだまだ授業時数が不足している状態です。
学校のカリキュラムのみで満足のいく学習を行うことが出来るかと聞かれると厳しいものがあります。
教員の力量にも左右されますが、ともかく時間と人員が足りていないという事が実情です。

そのため保護者としては外国語教室を併用する、地域の教会で行われるイベントに参加するなど外国語に触れる機会を極力増やす事が宜しいでしょう。
現在は働き方改革に伴い、学校業務の一部を外部連携化しつつあります。
そのため学校業務もコンパクトに整理される事になるでしょう。
英語の授業とは直接の関係はありませんが、学校が総合窓口的な存在ではなくなりつつある事も子どもを学校へ通わせる上で留意しておきたい事です。

ICTなどハイテク機器が導入されつつある

近年のテクノロジー技術の発展は目まぐるしく、つい最近4G通信が出てきたと思ったら次は5G通信の時代だというスピード感です。
このように技術、とりわけ
IT関係のものが進化したお陰で教育現場にも新たな風が吹き始めています。

タブレット東京都では全小中学校にタブレット端末やパソコンの導入を行いました。
これまで時間のかかった図形の教材づくりや、英単語の意味をイメージで把握するといった風に活用されています。
またこれらのハイテク機器を使用して校務
(授業以外の事務仕事)なども行われています。

北海道の小さい町などでは既に遠隔授業も実施されています。
遠隔授業とは授業を行う学校の映像を遠隔地域の学校に投影し、音声の通信も行われる仕組みの授業形態です。
遠隔地域の学校からも授業を行っている学校に対して映像や音声を送信するので対話的で分かりやすい授業を行うことが可能です。
NTTCMのお陰か遠隔授業に関しては知名度があるように思えます。
遠隔授業を行うことで教員の不足しがちな過疎地域でも都市部の授業を受けることが可能となるため近年注目されています。
ただし導入費用や教員のキャパシティ問題などもあるため比較的ゆっくりな導入になる見通しです。
何かとややこしいと感じる機会の多い最先端技術ですが、生活をより豊かにしてくれたり学びの質を容易に担保できたりと期待することの出来る部分は非常に多いです。

※参考1NTT東日本「導入事例教育庁」

※参考2:文部科学省資料「北海道における遠隔授業の取組」

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さいごに:情報は常にアップデートを!

私たちが生徒であった頃とは全く違う様相をしている学校に驚かれた方も多いかもしれません。
特に教科書に書いてある事実がアップデートされるという事に関してはまだ知らない人も多く、世間話のネタにもなりうる内容です。
テクノロジーの進化によって常識は日々変化します。
また私たちの時代では当たり前だった事が現代では不正解とされるケースもあります。
私たちも常にアンテナを張り巡らせ、最新の情報にアップデートする必要があります。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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公開日:2020年3月12日 更新日:2024年2月28日
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