共働きの子育てについて
チーム個別指導塾「大成会」教育コラム

共働きで子育てをするメリットとデメリットについて

この記事は、学習塾「大成会」のコラムです

今回はすっかりと世間に定着した「共働き」についてです。
子どもを産み育てるのは今も昔も変わらない事です。
しかしその環境については時代の流れと共に素早く変化しています。
一般的になった共働きですが、2020年代の価値観と共にその意義を確認しましょう。

共働き世帯と現代社会が取り巻く環境

東京の街並み共働き世帯が増えた要因は紛れもなく社会環境の変化にあります。
かつては男性が働きに出かけ、女性は家庭を守る性役割的な価値観が常識でした。

しかし現代はむしろ性役割論はタブー視されるようになっています。
加えてこれまで以上に見通しの立たない将来への不安もあってか消費は減少の一途を辿っており、経済も落ち込んでいます。
今では国内の消費は外国人観光客に頼っている部分が多く、新型肺炎などの影響が懸念されています。

上記のような現状を踏まえ、収入をなるべく貯蓄にまわしたい家庭が増えてきました。
貯蓄にまわすお金を増やすためには生活費を節約するか世帯収入を増やすかの二択となるため共働き世帯が増えたという事です。
しかし実際は節約を行いながら世帯収入を増やしても、満足な収入を得ることの出来ないワーキングプア世帯が増えている事も問題となっています。

高学歴化で増える出費と不安定な収入

積み上がるお金少し前と比べると小学校や中学校から受験を始める家庭が本当に多くなりました。
「少しでも有利な学校へ」と世間の受験ママ達は子どもの教育に対して非常に熱心に取り組んでいます。
我が子がエリートコースのレールに乗っかることは誰もが望むことですが、それを考えても周りはお受験一辺倒。
まさに「猫も杓子も」状態です。
なぜここまで受験ブームが過熱しているのでしょうか。
その理由は少子化にあります。

現在の日本は物価の高騰とは裏腹に非正規雇用問題や幼稚園不足が騒がれているため、子どもを産みたくても産めない環境という認識が一般的です。
土地や物の値段が高くなる一方、貧困化や経済格差が広がっている現状があります。
そのため「子どもを産まない」「一人っ子を育てる」という価値観も同時に浸透しました。
子どもが一人の場合、その子どもに費やすことの出来る時間や金銭は兄弟姉妹が居る家庭と比べても多くすることが出来る事はお分かりいただけると思います。
子どもが一人だけである為に、保護者の期待や望みもその一人だけに集中します。
そうすると、ほとんどの家庭で「一人しか居ない我が子だから、どうにかエリートに押し上げたい」という気持ちになる事でしょう。

その場合、保護者は子どもをエリートコースのレールに導くために評判の学習塾へ通わせ、名の知れている大学の附属校を受験させ、そして晴れて入学した後も高額な授業料を払い続ける必要があります。
つまり「養育費は増えているが、雇用や経済力には不安が残る」という事が現状です。
そうすると共働きで世帯収入を増やす事も不思議では無いでしょう。
東京では昔から義務教育の学校であっても受験を行うことは一般的でしたが、最近は大阪や名古屋、札幌などの中核都市でもその流れをなぞりつつあります。

女性の地位向上で働きやすくなった

街を歩くキャリアウーマン平成28年に男女雇用機会均等法が改正されました。
男女雇用機会均等法とはその名の通り、性別を理由とした職業差別を行ってはいけないとする法律です。
平成28年の改正によって出産や子育てに関連するハラスメント行為が罰の対象となりました。
働き方については近年では改善されつつありますが、今後は益々良くなる事でしょう。
女性の社会進出・出世はもはや当たり前の社会になりましたが、それに伴い活躍したいと考える女性も爆発的に増えました。
もしくは働きたいと考える女性の想いが表面化し、皆に知られるようになったと解釈しても良いでしょう。

近年では特に理想の女性像として家庭では良き母、職場ではキャリアウーマンといった女性が挙げられる事が多々あります。
家計の理由とは別に自身のステップアップとして共働きを選択するお母さんも近年では増加傾向にあります。
しかし出産と共に出世コースから外される差別が見られたケースもあります。
こちらに関しては後にご紹介します。

子どもの貧困

預金管理札幌市では子育て世帯の家計黒字率は32.4%となっています(平成28年度集計) 。
加えて家計がギリギリの状態である家庭と赤字である家庭を合わせた割合は62.6%に上るという結果も報告されています。
困窮している家庭では給食費の滞納が有ったり、修学旅行費の積立が困難である事も札幌市が行ったヒアリング調査で明らかになりました。
札幌市は他の政令市と比較しても給与水準が低く、冬季には暖房費も嵩むため子どもの貧困問題は一層深刻になります。
そのため共働きをせざるを得ない状況の家庭が多いことも予想されます。

※参考:札幌市資料「札幌市子どもの貧困対策計画」

子どもの貧困は全国的に問題となっていますが、特に札幌市では大きな課題として認識すべきでしょう。
参考までに総務省が発表している地方公務員の平均給与額を参考として掲載しておりますので御覧ください。
地方公務員の給与はその地域の民間企業の給与と差が大きくならないように設定されているため目安にはなるかと思われます。
リンク先中ほどの〈給与等の比較〉1)ラスパイレス指数及び平均年齢・平均給与月額等から地方公務員の平均月給がご確認いただけます。

※参考:総務省「給与・定員等の調査結果等」

札幌の塾なら大成会
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様々な視点から共働きを考える

上記のように様々な事情があれど、共働き夫婦が増加している事は紛れもない事実です。
もう少し共働きについて詳しく知ることにしましょう。
先程は時代背景を考慮しましたが、ここからは視野を狭めて家庭単位で考えるべき事を記載しています。

お金の側面「子どもを大学に進学させるとお金がかかる」

教育費子どもをひとり育てるために幾らお金がかかるかご存知でしょうか。
家庭によって状況が異なるため一概には言えませんがおおよそ2,000万円から4,000万円ほどのお金が必要になります。
値段に差がある理由は公立学校・私立学校によって授業料が大きく異なるためです。

最も一般的な「高校までは公立校、大学は私立」の例を考えてみましょう。
文部科学省の資料によると、小学校では総額32万円ほど、中学校では総額49万円ほど、高等学校ではおよそ46万円ほどです。
大学は理系か文系かにもよりますが、資料にありませんので学費が総額480万円ほど、入学金や通学費を含めて600万円で計算させて頂きます。
そうすると合計が607万円となります。
少し多く見積もって610万円としましょう。
ここにお小遣いや食費、ノートなど消耗品の養育費総額1,640万円を加えると総額は2,250万円となります。
尚養育費に関しては2005年のAIU保険会社の資料を参考にしていますのでご注意ください。

大学のみを私立とする場合においても子ども一人につき2,250万円ほどです。
小学校から私立の場合は更に300万円ほどの増額を見込んでおけばよろしいかと思われます。
学習塾や習い事に通わせる場合は更に金額が嵩むことも念頭に置いて検討しなければなりません。

※参考1:文部科学省資料「学習費総額」

※参考2:AIU保険会社資料「子育て(教育)費負担問題と教育(修学)支援制度の整備・充実の課題」

子どもの成長の側面「子どもは一人では育たない」

佇む女の子共働きを望む保護者とは対象的に子どもは親なくして育ちません。
愛情を注ぎ、子どもが間違えた時は厳しい言葉で叱ってやれる大人が近くに居るからこそ子どもは安心してすくすくと育つものです。

近年ネグレクトや家庭内暴力が問題となりニュースで取り上げられる事も多くなってきましたが、そうした問題が表面化した理由の一つに「子どもと接する時間が減った」という事が挙げられます。
共働きの両親であってもきちんと定時退社の出来る企業にお勤めの方であれば問題ありません。
しかし中には長時間労働を押し付ける企業や、多様なニーズに対応する業種にお勤めの方も居られます。
それを悪とするか否かについては控えさせていただきますが、ともかく子どもコミュニケーションやスキンシップを取る時間を十分に確保できない環境の方が多く居られます。

子どもの保護者と接する機会が十分でない場合、どのような影響があるのでしょうか。
子どもは家庭という社会を基本に生活をしています。
友達グループやクラブなど他の社会に参加する際には家庭での経験を基に振る舞うことになります。
そのため、安全に失敗する事のできる家庭の役割は非常に大きいことがわかります。
子どものうちに数多くの失敗を経験することによって分別のつく立派な大人になることが出来ます。

保護者として心がけたいことは「忙しい毎日でも子どもと接する時間を大切にする」という事です。
NHKで放送された番組によると、保護者が子どもと過ごすことの出来る実際の時間は母親が約7.5年、父親が約3.5とされています(チコちゃんに叱られる!チコッとだけSP 2018年8月15日放送分より)。
子どもが22歳で独り立ちをすると考えると予想を超えて少ないと感じる方も多いのではないでしょうか。

キャリア形成の側面「マミートラック」

陸上トラック一昔前に「マミートラック」という言葉が流行りました。
ざっくりと説明すると「産休を取ったワーママは出世コースからは外れるよ」といった事態です。
産休から職場復帰をしたら責任や権限のない仕事ばかりを任されるようになったり、時短と称した勤務の制限を受けたりと仕事と子育てを両立したいと考えるお母さんの障壁となるものです。
陸上のトラックを延々と周回させられるように見える様子からマミートラックと呼ばれるようになりました。

先程、女性の出世したい気持ちが表面化してきたとお伝えしましたが、マミートラックのせいで満足にやりがいを実感することが出来ず、退職に追い込まれるケースもあります。
2020年現在では一種のマタハラとも考えられるため、上記のような差別は減ってきているとは思いますが、実態は企業によって異なるため明言することは出来ません。

マミートラックを回避するためには昇進後に出産する、自ら上司に働きかける、転職を行うなど自身の行動力が重要になってきます。
子育てをしながらでも高いパフォーマンスを発揮できるとアピールする、リモートワークで業務を割り振ってもらうなど責任ある仕事が出来るという事を主張することが大切です。

※参考:産経ニュース「産後の女性社員が恐れるマミートラック 出口はどこに?」

共働き夫婦が知っておきたいこと

共働きを検討している又は既に実践しているご家庭で特に気をつけていただきたいことをまとめています。
特に子どもは保護者なくして健全に育たないものです。
どれも子どもとの時間を大切にした内容となっていますが、それほど保護者の愛情は子どもの成長と深く関係するという事です。
全てを完璧に行うことは不可能ですが、意識を向けてみると思いの外実現が可能なものもあります。
是非参考にして下さい。

仕事時間は増やしても子どもとの時間は減らすな!

母子先の通り子どもは親を見て成長します。
そのため働いているからと言ってお手本として振る舞う時間を減らして良いという訳ではありません。
お母さんが働いていると家事に圧迫されて、子どもとのコミュニケーションが手つかずになってしまいそうな場合も。

忙しい毎日ですが一つ気をつけるだけでも変わってきます。
家事の最中に子どもに話しかけられた場合は一度手を止めて顔を見せてあげるという事だけは毎日続けるようにして下さい。
家事が本当に切羽詰まっている時は手を止めなくても結構ですが、最低限顔を合わせることだけは徹底しましょう。
実はこのような事は学校の教員も行っています。
どれほど忙しくても一度手を止めて「◯◯くん、どうしたの」と目を合わせて会話をする事で、子どもに安心感を与える事が出来るためです。
自分の仕事を止めて向き合ってくれているという子どもの自尊心にも関わることですので、極力このようにして頂けると嬉しく思います。

ボウルビィの愛着に関する実験

親子のハート子どもは触感からも愛情を感じます。
今からおよそ120年前、イギリスのボウルビィは触感による愛着の実験を行いました。
実験に使ったのはアカゲザルの赤ちゃんが一匹と2つのマネキンです。
片方は母親に見立てた針金のもの。
もう一つは同じく母親に見立てたものですが布で作られたものです。
アカゲザルの赤ちゃんにふたつのマネキンを与えると、アカゲザルの赤ちゃんは布で作られた母親のマネキンのもとで過ごす時間が長かったと報告されています。
この事から赤ちゃんは触感で愛着を感じることが出来るとされ、子育てに活かされてきました。
上記の話はボウルビィの愛着理論と呼ばれ、心理学では有名な話です。

昔の実験のため母親の愛情とされていますが、父親でも同じ事が言えます。
スキンシップは皆さんの考えている以上に子どもの成長と深く関わっている事がお分かり頂けるかと思います。
特にこころの成長は近年ようやく云われてきた事ですので、この機会に是非知っておいて下さい。

テクノロジーを駆使して負担軽減を

共働き家庭において負担が大きくなる事は間違いありません。
従来の価値観と比較するとお父さんにとっては家事の負担が、お母さんにとっては仕事をする負担が追加される訳ですから改めて語る必要はないでしょう。
どれほど家事を分担しても大変なものは大変です。
そこで技術を駆使した便利なものを紹介します。

SNSを扱う女性まず代表的なものはLINEです。
子どもにとっては親と繋がっている安心感が、保護者にとっては子どもとコミュニケーションを取ることが出来るメリットがあります。
過去にLINEコミュニケーションについて解説している記事もありますので併せて御覧ください。
とは言えLINEに頼りすぎるのも無機質ですので、あくまでも補助ツールとして考えると良いでしょう。

家電では洗濯乾燥機や食洗機など家事をオートメーション化するものが出回っています。
洗濯乾燥機は洗濯物を干す手間を、食洗機は食器洗いの手間を、お掃除ロボットは掃除機かけの手間を省くことが出来ます。
加えてこのような家電は洗い残しが無いようにプログラム化され、省エネにも貢献しています。
決して安い買い物ではありませんが、子どもと接する時間を買っていると考えれば悪い話では無いはず。
家電は製品にもよりますが、一度の購入からおよそ10年は使用する事が出来ますので可能な限り良い買い物をしたいものです。

男性の育休

オムツ選びに悩む男性先日、小泉進次郎環境相が育児休暇を取得した事で話題になりました。
小泉氏は「育休取得を推進している事を政治家が見せることで、民間企業でも育休を取りやすい雰囲気に」と育児休暇を取得しました。
たとえパフォーマンスでも政治家がこのような動きを見せることで一定の効果がありそうです。

日本ではまだまだ男性の育児休暇に関しては一般的とは言えません。
企業によっては出世を盾に育児休暇を認めないところも存在します。
現在は上記のような政治家の動きが始まった事しかお伝えできませんが、これからは男性の育休に関して寛容的な社会になることが予想されます。
参考となる記事を紹介いたしますので、興味を持たれた方は御覧ください。

※参考:CNN「小泉環境相が育休取得、物議醸す 期間はたった2週間」

札幌の塾なら大成会
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さいごに

共働きには様々なメリットやデメリットがあります。
本記事で取り扱った内容をまとめると、共働きのメリットは世帯収入が増えることやお母さんが社会で活躍することができる事
対するデメリットは子どもの人格形成に重要な家庭内でのコミュニケーションの機会が減ってしまうことです。
全てを完璧に行うことは不可能に近いですが、工夫次第で及第点まで持ち込むことは十分に可能です。
本記事を参考に皆さん個人の実態にあった働き方をして頂ければと思います。

また、子どもの学歴に関しても拘りすぎないようにご注意下さい。
公立校でも一定水準の教育が受けられるほか、保護者の期待過多によって子どもも息苦しさを感じてしまいます。
この辺りは家庭の懐事情と保護者の方針を総合的に考えて無理のないようにお願いしておきます。

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この記事を監修した人

監修者の画像
チーム個別指導塾「大成会」
代表:池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。

学習相談、体験学習などいつでも受け付けております!

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