高校入試は主に「一般入試」と「推薦入試」の2つに分かれます。
多くの方がご存知だと思いますが、一般入試は学力試験と学生の内申点の総合点を基に合否を決める試験方法で、どの学生でも受験資格があります。
一方で、推薦入試は出身校からの推薦を受けた学生にのみ受験資格がある試験方法です。
受験できる学生が少ない分合格もしやすく、また学力試験もないことから推薦入試を狙っている学生や保護者の方も多いのではないでしょうか。
そこで当記事ではそんな学生や保護者の方のために、出身校から推薦をもらうために行うべきことをご紹介。
無事推薦をもらった後に、推薦入試を合格するためにすべきことまでご説明致しますのでぜひ最後までご覧ください。
そもそも推薦はどんな基準で出してるの?
出身校からの推薦をもらうために行うべきことをご説明するために、まず推薦そのものの仕組みに関して説明いたします。
一般的に成績優良者に出されるイメージがありますが、学校はどのような基準で推薦を出しているのでしょうか?
内申点
まず最初の基準は「内申点」です。
内申点とは通知表に記される5段階評価の合計点のこと。
推薦の際には3年間の内申点を総合的に見た上で推薦が出されるか否かが判断されます。
この判断には明確な基準はありませんが、推薦をもらう学生の多くは全教科で4〜5を取っています。
ちなみに推薦入試の際に内申点を判断する基準は、判断各私立校や地方自治体によっても異なります。
例えばある私立では中学3年時の内申点を重視するのに対して、ある私立では中学1〜3年生全体の内申点を重視するといったことです。
クラブや部活動の実績
次の基準は「クラブや部活動の実績」です。
クラブや部活動にて県選抜に選ばれたり全国大会の出場経験があったりといった、高い実績を残している場合、学校から推薦をもらいやすくなります。
その他特殊な活動実績
最後の基準は「その他特殊な活動実績」です。
ボランティア活動や留学といった経験がある場合にも推薦を貰える場合もあります。
推薦をもらうために一番重要な基準はどれ?
さて学校から推薦をもらうためには「内申点」「クラブや部活動の実績」「その他特殊な活動実績」があることをご説明致しました。
これらの実績の中で最も重要なものは「内申点」です。
以下にその理由をご紹介します。
内申点を上げることを意識しよう
内申点が重要である理由は主に2つあります。
それは「他の基準よりもクリアしやすいから」「他の基準だけでは推薦を受けられないから」ということです。
まず「他の基準よりもクリアしやすいから」ということですが、クラブや部活動の実績、その他特殊な活動実績というのは簡単に得られるものではありません。
こういった実績により学校推薦を得る学生は、推薦を意識したのではなく純粋に活動に打ち込み、その結果として推薦を得ることが多いのです。
また、もし学校推薦を受けるのに十分な実績を残している場合でも、素行不良などによって推薦が得られない場合もあり、どのような場合においても内申点を意識することは重要なのです。
そのため学校推薦を得ることを目的とするのであれば、内申点を上げることを重視しましょう。
内申点はどうやったらあげられる?
上述した通り、学校推薦をもらうためには内申点を上げることが最も重要です。
さて、それではどのようにすれば内申点を上げることができるのでしょうか?
そのために意識しなければならないのは「学業成績」と「平常点」の2つです。
それぞれご説明します。
学業成績
学業成績とは端的に述べれば定期テストや小テストの点数のことを指します。
当然、成績優秀者は各教科の内申点が高くなるのです。
「テストの点数が◯点から内申点4」というような明確な基準はありませんが、内申点4を獲得するためには最低でも80点、内申点5を獲得するためには最低でも90点は必要となるでしょう。
平常点
平常点とは学生の日頃の素行を点数化したものです。
つまり普段の授業態度や提出物の有無などによって、内申点が大きく変動するということです。
もし内申点を上げようとするために特に意識したいのがこの平常点。
なぜなら中には「塾で勉強してるから学校の授業や適当でいいや」と、授業態度が悪かったり提出物を出さなかったりする学生がいるためです。
そのため学力は非常に高いのにも関わらず、推薦は受けられないといった事態が時に起こってしまいます。
また平常点はあまり勉強が得意でない学生でも高い評価を得ることができる、ということも非常に大きなポイントです。
授業で積極的に発言する、真面目に板書する、提出物は期限内に出すといったことは学生の意識によるためです。
もし思うように学業成績が上げられないのであれば、特に普段の授業態度をよくしたりや提出物を期限内に出したりといったことを心がけましょう。
内申点が思うように上げられない場合は?
これまでの説明から学校推薦をもらうために、高い内申点を得ることが欠かせないことはご理解いただけたと思います。
そしてそのためには特に平常点を意識すべき、ということも合わせて覚えていただければ幸いです。
さて内申点を意識した行動を心がけても、残念ながら内申点が思うように上げることができない学生はいます。
そういった学生はどうすればよいのでしょうか?
早速以下に解説します。
単願入試を受ける
まず最初にご説明するのは「単願入試を受ける」ということです。
単願入試とは、合格した場合は必ず入学することを条件とした受験方法のことです。
主に私立校で実施されます。
この受験方法は合格後に必ず入学するという条件があるため、その他の入試方法よりも出願基準が下がる傾向にあります。
よって思うように内申点が上げられない場合には、単願入試を受けることを検討されるのも一つの方法です。
一般入試に切り替える
次にご説明するのは「一般入試に切り替える」ということです。
もし内申点が上がらず推薦を得られそうにない場合は、早めに一般入試に気持ちを切り替えるのが得策です。
学校推薦を得られないとそれまでの努力が無駄になった、と落ち込んでしまう学生は多いと思いますが、決してそのようなことはありません。
日頃授業を真面目に受けたり、定期テストを頑張ったりといったことで得た学力はそのまま一般入試に活かすことができます。
また、そのように真面目に勉学に取り組むという姿勢は高校に入っても大学に入っても大いに役立てることができるのです。
もし推薦が得られない場合でも、決して下を向かずに「しっかりと勉強するきっかけになって良かった」くらいの気持ちで考えて、一般入試に取り組むようにされて下さい。
推薦をもらって終わりではない!入試対策は万全に
これまで推薦をもらうための方法をご説明してまいりました。
しかし、当然ながら推薦入試は学校からの推薦をもらって終わりではありません。
推薦を貰ったからといって、しっかりと合格をもらうまで気を抜いてはならないのです。
以下に推薦をもらった後に意識したいことをご説明いたします。
推薦入試で落ちることも当然ある!
まず最初にご説明したいのは「推薦入試で落ちることも当然ある」ということを、しっかりと意識することです。
中には勘違いしている学生もいますが、推薦入試は必ず合格する試験方法ではありません。
またこのことを理解している学生でも推薦に受かった喜びから気を抜いてしまい、入試当日で思うように実力が発揮できなかった、というケースも多く見られるのです。
そのため、推薦をもらった際には推薦入試で落ちることを意識し、「ここからが入試本番だ」と気を引き締め直すようにしましょう。
作文や面接の対策をしっかりと行おう
次にご説明したいのは「作文や面接の対策をしっかりと行う」ということです。
学校によって多少の違いはありますが、推薦入試で行われる試験内容は主に作文や面接です。
合格するために対策が必須であることは言うまでもありませんが、作文テーマや面接で質問される内容は大抵決まっていることが多く、対策すれば合格率を非常に高くすることができます。
以下にそれぞれよく出題されるテーマや質問される内容をまとめましたので、ご参考ください。
・志望動機
・学校生活で印象に残ったこと
・将来何になりたいか
・高校に入ったら何をしたいか
・志望動機
・どんなクラブ活動をしていたか
・夢や目標
・時事問題
特に面接において重要なのは「入学に対する強い意欲」を見せることです。
面接官を前にすると、つい耳触りの良い言葉ばかりを並べてしまいます。
しかし、そういった気持ちのこもってない言葉というのは面接官に簡単に見抜かれてしまいます。
そうすると強い意欲をアピールすることができず、不合格の要因となってしまうのです。
そのため志望動機に関しては必ず自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
まとめ
以上、推薦をもらうための具体的な方法をご説明してまいりました。
クラブや部活動の成績やボランティアや留学などの特別な実績など一部特殊なケースを除いて、推薦をもらうためには「日頃真面目に学生生活を送る」ことが重要となることがお分かりいただけたと思います。
また一般入試でも内申点は非常に大切になります。
冒頭でも触れたように一般入試は学力試験と内申点の総合点で合否が決定し、その割合は大抵の場合、学力試験7:内申点3となっています。
そのため学力が高いからといって、普段の授業を疎かにしたり提出物の期限を守らなかったりといったことは避けなければならないのです。
よって、今回は推薦をもらうための方法をご説明しましたが、一般入試を受ける場合にも上記ご説明したことを行うのは非常に重要と言えるでしょう。
しっかりと勉強したにも関わらず、内申点が原因で落ちてしまったなんてことにならないように、ぜひご参考ください。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。