大学受験に挑む高3生が、高2までの勉強法とスケジュールを続けていては、本当に入りたい大学の入試には太刀打ちできないでしょう。
これまでの手法を捨て去り、いちからつくり直すくらいの覚悟が必要です。
高3生の勉強とスケジュールの組み方を、
- 1日
- 11カ月
- 入試まであと半年
- 入試まであと3カ月
にわけて解説します。
過去にも受験生の勉強スケジュールについて解説していますのでこちらも併せてご覧ください。
1日の勉強法とスケジュール
「ライバルは同級生や全国の同学年生」と考えている高3生は、本当に入りたい第1志望大学には届かないかもしれません。
なぜなら、高3生の真のライバルは浪人生だからです。
多くの高3生が、浪人生に敗れています。
それは優秀な浪人生の1日の使い方を真似していないからです。
浪人生に勝つ方法を身につける
高3生にとって浪人生は、同級生や全国の同学年生より手強い相手です。
なぜなら、受験勉強を一度、丸々1年間経験していて、勉強の勘所をつかんでいるからです。
そして浪人生には危機感があります。
「一浪だって親に申し訳ないのに、二浪なんてできるはずがない」と思っています。
さらに「一浪した以上は、本当に入りたい大学に入ってやる」と気合が入っています。
高3生が、真のライバルである浪人生に打ち克つには1日の勉強法とスケジュールを、ダイナミックに変える必要があります。
高3生のハンデとは
浪人生の強みは、受験経験と気合だけではありません。
浪人生は1日すべてを受験勉強に費やすことができます。
浪人生は「朝起きて、朝食前に勉強をして、予備校に行って勉強をして、予備校の自習室で勉強をして、帰宅して夕食と入浴を済ませて勉強して就寝する」という生活ができます。
しかし高3生は、高校で受験科目以外の勉強もしなければなりませんし、学校行事にも参加しなければなりません。
夏前までは部活もあるでしょう。
また、受験科目の勉強は、高校の授業で新しいことを習いながら、入試に対応できる応用力をつけていかなければなりません。
つまり高3生の1日の勉強は、いろいろなことによって分断されてしまいます。
1日の使い方を工夫しないと、浪人生に追いつくことなく入試の日を迎えることになるでしょう。
決めたことをする、決めていないことはしない
高3生が、自分の1日を濃密な24時間にするには、「決めたことは必ずする、決めていないことはしない」と決める必要があります。
例えば、3日で300個の英単語を覚えると決めたら、必ず3日間で丸暗記してください。
2日で50個しか覚えていなかったら、「意地でも」最終日に残り250個を覚えてください。
「意地でも」というのは、もし最終日に英単語学習の邪魔になることが起きたら、排除するということです。
決めたことを必ずするためには、「その日にやること」を事前に決めておく必要があります。
「その日にやること」を決めるには「その週にやること」を決めなければなりませんし、そのためには「その月にやること」や「1年でやること」を決めなければなりません。
1日のスケジュールは1年のスケジュールを細分化したものである、と考えておいてください。
そして「決めていないことはしない」ことも重要です。
「時間が余ったら、事前に決めていなかった勉強をしてもいいのではないか」と思うかもしれません。
もしくは「英語をやることを決めていたけど、気持ちがのらないから国語に切り替えるのもNGなのか」と疑問に思うかもしれません。
その考えでは、効率的な勉強はできないでしょう。
時間が余るのは、1年間のスケジュールや1カ月のスケジュールの立て方が甘いからです。
だから、1日のスケジュールに誤差が生じるのです。
また、英語をやるべき日に国語をやることを自分に許してしまうと、スケジュールが台無しになります。
決めたことをやらないのなら、スケジュールを立てる必要がありません。
そのような気分次第の勉強は、非効率です。
決めたことを全部やったら1日が終わっていた、となるような正確なスケジュールを立てましょう。
11カ月の勉強法とスケジュール
もしこの記事を読んでいる人が、4月1日の高3生なら、11カ月の勉強法とスケジュールを確立しましょう。
4月の高3生には、1年もの時間はありません。
4月から翌年の2月までなので、11カ月しかありません。
スケジュールはつくり直して精度を上げていく
11カ月間のスケジュールは、簡単にはつくることができません。
なぜなら、11カ月先はおろか、半年先も遠い未来だからです。
半年先に自分の学力がどれくらい上がっているかわかりません。
勉強法は学力に応じて変わってきます。
勉強法が変われば、スケジュールもがらりと変わりますし、変えなければなりません。
そのためには、スケジュールを何回もつくり直す必要があります。
「粗々(あらあら)のスケジュール」をまずつくり、時間が経過したら「より精度が高いスケジュール」をつくり、最後に「ほぼ動かさないスケジュール」をつくります。
粗々のスケジュールのつくり方
高3生が4月につくる粗々のスケジュールは、次のようにつくってください。
4月:中1~高2までの復習
これが終わったら「もう二度と高2以前の勉強は振り返らない」覚悟をもって、中1~高2までの復習をしてください。
5月:参考書と問題集に取り掛かる
高校での授業が「復習」になるように、参考書と問題集を使って、授業の先を勉強していってください。
当然、未知の領域の部分もあるので、参考書を読んだり問題集と解いたりしてわからないところが出てきたら、高校の先生に質問しましょう。
6月:授業の内容を深める、模試を受ける
6月ぐらいになると、高校の先生たちが生徒に気合を入れ始めます。
先生によっては「授業の内容だけでは難関大学に合格できない」と叱咤してくれます。
そして、難関大学の入試を克服する勉強法を教えてくれたら、素直にそれを実行してください。
模試を受け始めましょう。
ただ6月の模試の結果で一喜一憂しないようにしてください。
A判定が出ても油断すれば落ちます。
C判定でもまだ間に合います。
7月:苦手克服に費やす
受験勉強は単純です。
苦手科目を克服し、得意科目を伸ばせば、必ず自分の実力に見合った大学に入ることができます。
7月は苦手克服に使いましょう。
7月の前半はまだ学校があるので、苦手科目でつまずいても、先生に質問することができます。
7月終盤は北海道でも夏休みに突入します。
「得意科目を勉強したい」という気持ちを押さえて、1日中、苦手科目に集中しましょう。
そのストレスが8月の起爆剤になります。
8月:伸び伸び得意科目に挑戦する
8月は思いっきり、得意科目を勉強してください。
得意科目で自信をつけておかないと、9月からの過去問対策でつまずいてしまいます。
「この科目ではライバルたちに負けない」といえる科目を増やしてください。
7月の苦手科目対策で、1科目でも苦手科目が得意科目にチェンジしていたら、「勉強テンション」が上がるでしょう。
9月:過去問をチェックする
ようやく過去問をチェックします。
ただ、まだ本格的に過去問に取り掛からないで大丈夫です。
「こういうふうに質問されるのか」「これを解くには、まだまだ勉強が足りないな」と感じられれば十分です。
9月はまだ、参考書と問題集の勉強が中心になります。
10月:過去問8、参考書2
過去問に本格的に取り組んでください。
ただ、高3生の場合、10月のこの時期でもまだ、新しいことを学ぶことがあります。
10月に初めて取り入れた知識であっても、入試で使えるレベルにしておかなければなりません。
それで参考書や問題集を使った勉強も必要になります。
そして、10月に入ったらインフルエンザワクチンを接種しましょう。
11月:過去問を中心に勉強していく
11月は過去問を徹底的に研究してください。
過去問で解けない問題があったら、たっぷり時間をかけて理解してください。
完璧さを求めて、狭く深い勉強を心がけてください。
12月:徹底的に復習をする
新しい知識を記憶に定着させる作業も必要ですが、勉強の中心は復習になります。
苦手科目を普通の科目にしましょう。
そして得意科目の学力を落とさないようにします。
ただ、12月に「グンッ」と学力を上げ、志望大学を1ランク上げる高3生もいます。
守りを固めつつ、攻めの勉強も忘れないでください。
1月:体調管理を第1優先にする
バランスの取れた食事、ビタミン補給、十分な睡眠、防寒、あまり人が多いところに出かけない、外出先から帰宅したらうがい・手洗いをする--といった、健康対策に取り組んでください。
夜型の勉強をしてきた人は、朝型に変えましょう。
入試は朝から行いますので、朝に最も頭が回るように訓練していきます。
過去問は満点が取れるまで繰り返してください。
2月:緊張の糸を切らさないように
センター試験(または大学入学共通テスト)で思うように得点できなくても、気にしないようにしてください。
なぜなら、後悔の気持ちは、次の試験の1点にもならないからです。
これまでとおりのペースと気持ちで勉強しましょう。
模試を受けるときと同じくらいの気持ちで入試本番を迎えられたら、結果はきっとついてくるはずです。
入試まであと半年の勉強法とスケジュール
あなたが今、9月1日の高3生であれば、1、2月の入試本番まで半年ほどしかありません。
まだ第1志望大学に必要な学力が身についていなかったら、今からでも遅くないので、勉強法とスケジュールを「更新」しましょう。
もし第1志望大学のレベルを落とさなければならないほど、学力が足りていない場合、2日間で高1、2年の復習をしてみてください。
高1、2年の内容で、取りこぼしが散見されたら、あと5日間延長して復習を徹底してください。
高1、2年の復習は、入試に必要な学力を上げるものではありません。
そのため、残り半年の時期に1週間(7日間)を高1、2年の復習に費やすのは大きなロスです。
しかし高1、2年の内容を完璧にしておかないで、高3の勉強が身につくはずがありません。
ロスを支払ってでも高1、2年の内容を完璧にしておかないと、このあとの半年間の学力アップが見込めません。
ここは「急がば回れ」の精神で基礎固めに集中しましょう。
入試まであと3カ月の勉強法とスケジュール
あなたが今、12月1日の高3生であれば、1、2月の入試本番まで3カ月ほどしかありません。
今でもまだ第1志望大学が遠ければ、選択肢は2つしかありません。
- 第1志望大学のレベルを落とす
- 猛チャージをかける
ぜひ「猛チャージをかける」を選択してみてください。
過去問に集中しましょう。
過去問で解けない問題があったら、一度過去問を離れて、その問題を解説している参考書のページを開き、その問題に似た問題を問題集で解きましょう。
それが終わったらまた過去問に戻り、解けない問題を探して、再びそこを徹底的に学習し直してください。
過去問研究は、最も効率のよい勉強法です。
ただこの勉強法は、本当は基礎学力と応用力がついた人に向いています。
しかし入試本番まで3カ月であれば、基礎学力や応用力を身につける余裕はありません。
過去問研究を徹底することで、入試の出題者の意図がみえてきます。
それがみえると、学力はそれほど上がらなくても、第1志望大学入試には強くなれるかもしれません。
まとめ~「なんとなく一生懸命」から脱却を
浪人生は強敵です。
経験も気持ちもありますし、やるべきこともわかっています。
だからといって入試では、高3生にハンデが与えられることはありません。
高3生が、高3生の群れのなかから頭一つ抜け出すには、「なんとなく一生懸命」学習する勉強法から脱却する必要があります。
計算高くなってください。効率化を目指してください。
そのためには、勉強法とスケジュールを磨き上げる必要があります。
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この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。