今回は、留学などをすることなく、日本にいながら、しかもできるだけお金をかけずに外国人とコミュニケーションを取り、ネイティブの発音を学ぶ方法について紹介していきます。
日本人はネイティブの発音が聞き取れない
たとえ東大に受かるほどの英語力があっても、さらにTOEICで990点(満点)を取れるだけの実力があっても、英語を話せるかというと、そうではありません。
そのほとんどがまともに外国人と会話ができません。
ネイティブの発音でスピーディーに話されると内容を理解できなかったり、こちらから話す場合にもやはり発音に難があってうまく伝わらないことがあります。
日本の英語教育には大きな問題がある
語学というのは、そもそも外国人と話し、自分の意思をスムーズに伝えることが目標です。
いくら英語の試験で良い成績を取れても、結局のところ、その目標を達せなければ語学としての意味がなく、その試験制度自体に課題があるといわざるを得ません。
中学1年生(2020年からは小学生より教科英語が始まる)から大学生2年生まで(1~2年は英語が必修である大学が多い)計8年間もの英語教育を実践しながら、誰も英語を話せるようにならないのは大いに問題があります。
英語が話せない原因とは
なぜ日本人が中学から必修科目として学び、社会人になってからもTOEICなど各種検定試験の勉強をしてなお、英語を話せるようにならないかというと、前述から出ているキーワードの通り、ネイティブの発音に馴染みがなく、また、その発音で話せないからです。
人間は、自分で発音できない音に対する理解が困難です。
つまり自分がネイティブの発音をできるからこそ、試験用ではなくリアルな外国人の話す英語を聞き取れるようになります。
ネイティブの発音を習得する方法
ネイティブの発音を身に付けるためには、当然、ネイティブと話すのが一番です。
だとすれば英語圏に行って、生活を英語ずくめにするのが最も効果的です。
しかし、経済的、時間的な問題からそれができるのは極めて稀なケースです。
日本でもネイティブと話せる場所はある
日本においても、外国人と話せるシーンは増えています。
昔から「駅前留学」というコピーで話題の英会話教室を、真っ先に思い浮かべる人が多いです。
今では、英会話教室に高い月謝を払わなくても、もっと安く、気軽に外国人と話せるサービスやシーンが多くなっています。
日本でネイティブと話せるサービス・場所
オンライン英会話
低価格で利用できる
オンライン英会話は、なんといっても価格の安さが魅力です。
リアルの英会話教室に通うと、週一回のレッスンで月に2万円が相場です(マンツーマンの場合)。
たとえば、駅前留学で有名なNOVAは、マンツーマンの週一レッスンで月額22,222円です(※)。
※参考:NOVA
後述するDMM英会話なら、1レッスン163円〜です。
この圧倒的な価格の安さが、オンライン英会話の魅力です。
時間・距離のリスクが少ない
英会話教室に通うとなると、時間的、場所的なリスクも大きくなります。
オンライン英会話では、この制約が限りなく小さくなります。
サイトによっては24時間、自分の都合が良いときに空いている講師を予約をすれば良いですし、受講場所も自宅やカフェ、公園などネット環境さえあればどこでもOKです。
ネイティブ講師を選びやすい
英会話を教えてもらううえで1つのポイントとなるのが、講師がネイティブかどうかです。
よく英会話教室では、「講師はみな外国人」というのを売り文句としています。
■外国人講師=ネイティブ講師ではない
たとえばNOVAでも、HPに「講師は全員外国人!」と記載されています(※)。
ここで勘違いされる方が多いのですが、外国人=アメリカ人ではありません。
※参考:NOVA NOVAの自慢
それこそ、フィリピン人やブラジル人、インド人、中国人ということがありえます。
英語を母国語としている国の人は外国人講師ではなく、ネイティブ講師と呼びます。
■外国人講師とネイティブ講師の違い
外国人講師は、もともと英語以外の母国語を話していたけれど、その後勉強して英語が上手くなった人たちです。
日本にも外国人の方で上手く日本語を話す人がいます。
しかしかなり流暢に日本語を話せる外国人でも、日本人に比べるとさすがに語彙が不足していたり、発音が微妙に違っていたりするものです。
英語は勉強したから上手く話せるが、日本語が怪しい外国人講師よりも、同じように英語を勉強して上手くなった日本人に教えてもらうほうが、訳がしっかりしていますし、微妙なニュアンスも伝わりやすく、ティーチングに間違いがないので、メリットとなる側面もあります。
■ネイティブ講師の指定予約が可能
英会話教室では、外国人講師をさがすことは容易でも、ネイティブの講師を探すのは難しいです。
オンライン英会話では、ネイティブ講師を指定して予約できます。
オンラインでなくてもネイティブ講師を指定できる仕組みはあります。
ただ、やはりオンライン英会話のほうが、事前に講師の紹介動画を観たり、プロフィールを参照したり、無料の体験レッスンを受けたりして、好みの講師を選定しやすいです。
さらに予約ももちろんオンラインで簡単に取れますから、好きなネイティブ講師を選んでレッスンを受けるハードルが非常に低くなります。
ネイティブ講師の質が高い
確かに日本人による日本語がそうであるように、ネイティブだから英語の発音も文法も完璧というわけでありません。
日本人のなかにも、簡単な漢字も書けなかったり、中学生レベルの言葉を知らなかったり、発音も変な人がいたりします。
同じことが、ネイティブでもいえます。ただし、オンライン英会話では独自の採用基準を設けていてふるいにかけます。
ネイティブでかつ英会話講師として活動していれば、多くの場合、母国語が英語でない講師に比べて発音が良く、実際的な文法にも精通している可能性が高いです。
DMM英会話が評判
オンライン英会話で今、一番人気を集めているのが、DMM英会話 です。
それこそ、こちらには123カ国の講師が在籍していて、もちろん、なかにはネイティブ講師が含まれています。
プラスネイティブプランというのが用意されていて、こちらを利用すると、毎日、ネイティブ講師のレッスンを受けられます。
1レッスン485円~と圧倒的な安さが魅力で、英会話教室の8分の1の値段に相当します(※)。
2,000円で2回の体験レッスンを受けられます。
この体験チケットを購入後30日以内に入会すると、キャッシュバックされます。
入会前提であれば、実質無料で体験ができます。
■日本人講師も選択可能
ネイティブの講師のほうが、発音や文法などの点でレベルが高く、充実したレッスンになるのは既に指摘した通りです。
ただ、ネイティブの講師だといきなりハードルが高いと感じる方も多いです。
そこでDMM英会話では、日本人講師も多く在籍しています。
ここではレッスンについてだけではなく、英語学習全般についての悩みなどを日本語で相談できます。
日本語学校・教室のボランティア
日本語学校や日本語教室の先生、ボランティアをすることでもネイティブと触れ合うことができ、本場の英語を学ぶ機会を作れます。
ネイティブに日本語を教える際には、どうしても自分でも英語を使う必要があります。
特にお金をもらっていないボランティアであれば、こちらが日本語を教える代わりに英語を教えてね、というwin-winの関係が成立します。
日本語学校
日本語学校が今では非常に多いです。
日本語学校のボランティアで検索すればたくさんヒットします。
サポートスタッフなどの呼称が使われていることもあります。
たとえば北海道では、北海道ジャパニーズランゲージスクールが国際交流ボランティアを募集しています(※)。
短期留学生を対象にしたスクールです。
※参考:北海道ジャパニーズランゲージスクール 国際交流ボランティア
日本語教室
さらに地域のボランティア団体が主催する日本語教室に参加するのも良い方法です。
こういった団体もまた、現在ではとてもたくさんあります。
東京で外国人に日本語を教えるボランティア団体を探すときには、こちらがおすすめです。
区ごとに各団体が掲載されているので、近場を探しやすいです。
北海道では、以下のサイトがあります。
札幌、旭川など地域ごとに検索できるので探しやすいです。
各都道府県で以上のようなサイトがあるので、ネットから簡単に近場の外国人に日本語を教える団体をみつけられます。
HiNative(語学アプリ)
HiNativeという言語学習アプリで、ネイティブの発音を知れます。
英語を始めとして、フランス語やドイツ語、中国語など110以上の国の言語を学べます。
最初に母語と学習したい言語を登録します。
日本人なら日本語と、英語を学びたいなら英語と登録します。
すると、英語を母語とするネイティブから、質問を答えを得られます。
ネイティブが質問に答えてくれる
これはQ&A形式のアプリなので、チャットのような使い方はできません。
常に質問というアクションを起こす必要があります。
質問にはテンプレートが用意されているので、簡単にできます。
「◯◯は英語でなんて言うの?」の◯◯に知りたい言葉を入れれば、英語で回答がきます。
「この表現は自然ですか?」では、自分が作った文を添削してくれます。
さらに英語を話して、発音の誤りについても指導してくれます。
ギブ&テイク
もちろん、このアプリは相互補完的な要素を持っています。
つまり、日本語学校でのボランティアのように、こちらが英語を教わる代わりに、自分が日本語を教えます。
ネイティブから日本語の質問が来ることもあるので、これに答えることが大切です。
日本語を教えることで、相乗的に英語力が養われます。
■HiNative
ネイティブの友人・恋人を作る
特に外国人が参加するコミュニティや、以上で紹介した日本語学校のボランティアなどを通じて、ネイティブと仲良くなると、飛躍的に英語力が増します。
よく英語が上手な人に語学の上達方法を聞くと、学びたい言語を使う国の恋人を作るのが一番、という答えが返ってきます。
恋が語学力アップの原動力になる
大好きな恋人が英語を話すのであれば、その人の気持ちをもっと理解したくて自然とよく聞くようになりますし、自分も喋りたいという欲求が高まります。
今では、国際交流イベントなど外国人と出会える場が溢れています。
特に東京オリンピックのときには、多くのボランティアが募集されます。
こういった機会をきっかけとしてネイティブと出会い、恋人や友人となれば、それこそ大事なつながりができるだけではなく、語学学習という面でも大きなメリットとなります。
ネイティブの発音に触れて英語力を高めたい人におすすめなのが、ネイティブと出会い、そして友人や恋人になることです。
ネイティブの発音を学ぶ方法についてまとめ
今回は、特に日本にいながら、なるべくコストを抑えてネイティブと触れ合い、語学力を高める方法をみてきました。
ネット環境が当たり前になった今では、以前に比べて格段にネイティブと話せる機会が増えています。
特にオンライン英会話やアプリは、場所を選ばないのでおすすめです。
東京五輪へ向けて多くのネイティブが日本にやってきます。
この機会にボランティアや交流イベントを通して仲良くなると、人間関係の幅が広がるだけではなく、ネイティブの発音を習得する良い手段になります。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。