今回は第一志望の大学に合格することが出来ず、浪人生活を選んだ受験生の方に向けた記事です。
現役で合格できなかったショックや周りの同級生が先に進んでいるのを見て不安に感じる方も多いことと思います。
しかし、上手に切り替えを行うことで浪人を有意義な時間とすることも十分に可能です。
焦る気持ちを一旦抑えて自分の置かれている状況について考えてみましょう。
浪人が辛い理由と対策
まずは浪人が辛いと感じる理由について理解する必要があります。
浪人生の皆さんにとっては目を背けたくなる内容ですが、辛さを克服するためには現実と向き合う必要があります。
ただし個人の事情によって異なる部分もあるので、あくまでも目安として捉えるようにして下さい。
周りの友人が進学している事が辛い
浪人が辛いと感じるシーンの多くは「周りの友人が大学に進学している」というパターンです。
これまで足並みをそろえて一緒に進級してきた友人は大学一回生として大学生活を送っています。
自分だけが置いて行かれていると感じる事が浪人生の辛いところです。
同級生のキャンパスライフと自分の置かれている状況を比べて劣等感を感じてしまったり、卑屈になってしまうことが浪人が辛いと感じる原因です。
また大学生活を送っている友人を不快に思い、関係を断ってしまう方も中には居られます。
他人と比べてはいけないと分かっていても気にしてしまい、負のスパイラルを呼び込む要素でもあるため、このコンプレックスに関してはいち早くの脱却が望まれるものです。
浪人はお金がかかる事が辛い
浪人には自宅浪人と予備校浪人があります。
予備校に通うと莫大な費用が掛かるという事は予想がつきますが、一年間の生活費も同時に掛ります。
自宅浪人を選んでも予備校浪人を選んでもお金が掛かってしまうので「親に迷惑をかけてしまう」といった気持ちが浪人を辛くしている要因の一つです。
また、参考書の購入費や模試の費用なども同時に掛かってきますので一層負担は大きくなるものと思われます。
浪人生である以上、あまりアルバイトも出来ないので非常に頭を抱える問題です。
保護者の方に迷惑を掛けていると感じることは仕方有りませんが、迷惑を掛けているなりに出来ることを全力でしようという姿勢が求められます。
自分の夢のために浪人という道を選んだのであれば、一年後に安心してもらえるような軌道修正が大切という事です。
実力が足りなかった事をはっきりと突きつけられるのが辛い
第一志望校の合格発表時に、自分の受験番号が掲載されていないショックは計り知れません。
「これほどはっきりと現実を示される場面は経験したことが無い」という方が殆どなため、中には立ち直れない方も見受けられます。
自分の実力(努力)が足りなかった事実を出来れば知りたくない気持ちは理解できます。
ショックですがより効率の良い勉強方法を探求するきっかけにもなるので、考え方を転換して原動力とする事も可能です。
前向きに捉えるようにしましょう。
全ての事に共通して言えるのは「他人と比べたり、恐縮してしまう」という事です。
合格した方に対しても時間は平等に与えられています、保護者の方は浪人を許し背中を押してくれています。
ならば友人に効率の良い勉強方法のアドバイスを求め、保護者の方の期待に応えられるようがむしゃらに突き進むべきです。
いつまでも弱気で居たら友人も保護者の方も心配になります。
胸を張って自分は自分と切り替えるよう努めましょう。
浪人生という立場を活かした考え方もある
起こったことに対していつまでも落ち込んでいるようでは、先に進むことは出来ません。
浪人生活は考え方によっては味方につけることも可能です。
浪人生活を成功という形で終える方々はメンタルコントロールが上手な方ばかりです。
本項は浪人生であることを逆手に取った思考方法を紹介します。
現役生よりも一年のアドバンテージがある
必死で勉強した現役生活の一年間に加えて、もう一年勉強する時間を確保したと考えることも可能です。
もう一年全力を投じて受験勉強に励むことが出来るという事です。
次回の入学試験時は自分より一年下の高校生と共に受験することになります。
他の受験生よりも一年多くの準備期間を与えられたと思えば試験本番の心理的な負担は軽減されるはずです。
試験にも慣れているからと胸を張って受験することが可能でもあります。
周りより落ち着いて受験することが出来るのであれば、持っているパフォーマンスを最大限まで発揮することが出来るという事は言うまでもないでしょう。
粘り強さをアピールする根拠になる
浪人を経て志望校へ入学したときの事を考えて下さい。
4年間のキャンパスライフを経てあなたは就職活動を行います。
面接の際に「浪人を経験したけど、立ち直って夢を叶えた」という経験を自分の成功体験もしくは挫折の克服として語ることが出来ます。
企業が求めているのは完璧な学歴を持っている人物ではなく、有意な経験をして様々なものを身に着けた人材です。
就職面接で浪人期間に関しての質問を受けた時「第一志望の大学で一浪したが、大きな目標だったので諦めること無く努力を続けた」と答える事が出来れば悪い印象を与えることはありません。
起きてしまった事は仕方ないと切り替えるようにしたという事も伝わると尚良しです。
成長した証として語ることの出来るように、今は粘り強く取り組む姿勢に切り替えましょう。
誰かに語る機会がなくとも、あなたの人生にとって大きな影響を及ぼすことは間違いありません。
メリハリを意識した生活を送る練習が出来る
物事にはメリとハリが大切です。
そして浪人生活は一年間何をしても自由です。
意識をすることで浪人生活の中でオン・オフを区別した生活を出来るようになります。
「午前は目が冴えているから暗記系の勉強、午後は暗記した知識を活かせる演習問題で定着を図る。今夜は近所の銭湯で疲れを抜き取ってしまうか」のような考え方が出来るようになるという事です。
勉強をする時間としない時間を区別する事を意識すると勉強の集中力がアップするほか、社会に出てからも役に立ちます。
「仕事を家に持ち帰らないように効率よくノルマを達成しよう」とは簡単に言えますが、オン・オフの切り替えが難しい方にとっては実行することは難しいものです。
浪人生活を通してメリハリのついた生活を送ることができれば、大学生活もテンポよく送ることが出来ますし、社会人基礎力も身につきます。
浪人生となってしまった以上、劣等感を抱いてしまうのは仕方有りません。
それよりも今考えるべきことは「どのようにして、この劣等感をカバーできるか」です。
浪人生活の持つマイナス面を上回るものを得ることが出来れば、無駄であると感じなくて済みます。
前に進みましょう。
浪人生活を楽に過ごす息抜きのアイデア 〜北海道編〜
浪人生活では第一志望の合格に向け、必死で勉強しなければなりません。
しかし息抜きも同様に重要であることをお伝えしておきます。
ストレスの処理も含めて浪人生活です、途中でダウンしてしまうような事があってはなりません。
時には外に出て思い切り日光を浴びる事も大切です。
北海道ならではの息抜きのアイデアをご紹介します。
なお、前提は「日頃はコツコツと勉強をしている事」です。
遊びと勉強のバランスを制する者が浪人生活を制すると言っても過言では有りません。
アウトドアを楽しむ
北海道はアウトドア大国です。
無料のキャンプ場も多く、格安で利用できる温泉施設が併設されている事も少なくありません。
日中は自然を浴びてゆっくりとしながら、午後からはアクティビティに参加した後、温泉で疲れを抜き取っても良いでしょう。
とにかく受験勉強からは離れる事が鉄則です。
休むと決めた日は一切手をつけないようにしましょう。
日頃の受験勉強には全力を挙げている事が前提です。
「平日の5日間を頑張ったから週末はキャンプ場でゆっくりとしよう」と出かけられるようなメリハリのつけ方を心がけるようにして下さい。
ボランティア活動に参加してみる
浪人生活を有意義なものにするという観点では、ボランティアについて語ることも欠かせません。
社会貢献に関わる事で見ることの出来る人々の笑顔はストレスを軽減させてくれる効果があります。
体力は消耗するかもしれませんが、人々の喜ぶ姿を見て一層受験勉強に身が入るという場合もあります。
まずは負担のない程度で粘り強く取り組んでみてはいかがでしょうか。
特に学習支援ボランティアをお勧めします。
自分よりも年下の子ども達が必死に勉強をしている姿は刺激になりますし、感謝されることで嫌な気持ちになることはありません。
子ども達と同じ目標を共有することで動力になるという事も有りますので是非参加してみて下さい。
なおボランティアは大学入学後も参加する機会があります。
就職活動にもボランティアの経験が活かせますので覚えておくと役に立ちます。
旅に出てみる
目標達成時のご褒美として旅行を設定しておくなど、工夫次第では二泊三日程度の旅行でもモチベーション維持に役立ちます。
目標を設定するタイミングは区切の良い時。
例えば浪人生活が始まったときや模試に申し込んだときなどが良いでしょう。
目標があると頑張れますし、目標を達成したときには勉強から完全に離れて思い切り遊ぶことが出来ます。
札幌にお住まいの方であれば特急に乗って宗谷岬に行ってみてはいかがでしょうか。
稚内にはライダーハウスなどの安宿(徒歩客も可)もありますし、現地で出会った人との交流を通して意外な発見があるかもしれません。
まとめ
浪人が決まった際、相当のショックを受けられたことと思います。
しかし、立ち直る力というものも同様に身に着けなければなりません。
重要なのは失敗を通して何を学んだのか・どう克服に持っていったのかです。
松山千春氏も歌にも「生きることが辛いだとか、苦しいだとか言う前に野に育つ花ならば力の限り生きてやれ」とあります。
力強く明日の日に歩き出すヒントになれば幸いです。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。