さまざまな事情から、母子家庭・父子家庭といったいわゆる”ひとり親世帯”のご家庭は今や少なくありません。
仕事と家事・育児の両立に日々追われる一方、お子さんの学習状況を手助けする時間は限られています。
そこで、代わりに家庭教師に勉強の面倒をみてほしい、というニーズやご要望が増えています。
ひとり親世帯の経済状況を鑑み、母子家庭・父子家庭などに向けた家庭教師の特別プランやキャンペーンをやっている紹介サービスもあります。
この記事では、母子家庭・父子家庭に家庭教師がオススメな理由やメリット、母子家庭・父子家庭向けの家庭教師紹介サービスなどについて解説します。
30年間で増加した母子家庭・父子家庭
日本国内の母子家庭・父子家庭(ひとり親世帯)は、昭和末~平成にかけて増加しています。
1983年(昭和58年)から2012年(平成23年)の30年間で、母子世帯数は約1.7倍、父子世帯数は約1.3倍にそれぞれ増加しました。
主な理由は、約7割以上を占める離婚です。
割合をみると、ひとり親世帯の86.8%が母子世帯で、じつに約120万世帯にのぼります。
児童のいる全世帯数は約1200万世帯と言われており、「約10人に1人」の児童が母子家庭ということになります。
また、ひとり親世帯の相対的貧困率は約半数となっています。
2018年時点で「生活が苦しくなった」と感じている世帯が48.1%あり、経済事情に問題を抱えているご家庭も少なくありません。
首都圏の受験者数は過去最高に!
加速する少子化傾向に反比例するかのように、過熱しているのが全国的な教育ブームです。
首都圏の中学受験を例にとると、近年、右肩上がりの急激な増加傾向が続いています。
現在およそ「4.7人に1人」のお子さんが私立や国立の中学校、あるいは公立中高一貫校を受験している計算になります。
もう少しロングスパンで捉えてみましょう。
1988年~2022年までの私立・国立中学受験者数のデータをみると、1回目のピークは1991年の51,000人、2回目のピークは2008年の50,500人でした。
そして、2022年の受験者数は51,100人で3回目のピークを迎え、過去最高に達しました。
受験者数は今後も引き続き伸びることが予想され、2023年も激化必至とみられています。
いっそう激化する受験競争のなかで、母子家庭・父子家庭は仕事・家事・教育の三本立てを独力で行いながら、シビアな競争に立ち向かわなければなりません。
母子家庭・父子家庭の低い進学率
こうした状況を鑑みると、ひとり親世帯はお子さんの進学に大きなハンデがあると言わざるを得ません。
母子家庭・父子家庭の進学率をみると、その事実が数字として表れています。
2021年(令和3年)度の調査によると、ひとり親世帯の9割以上のお子さんが「高校」に進学しています。
一方、「大学等(大学、短大又は専修学校・各種学校)」の平均進学率をみると、全世帯で約73%なのに対し、ひとり親世帯では約6割に留まっています。
また、進学先を「大学」に限ると、母子家庭では約4割しか進学していません(全世帯の「大学」進学率は約55%)。
こうした深刻な事態を受け、2020年4月に大学生や専門学校生のための免除・給付型奨学金「高等教育の修学支援新制度」が新しく制定されました。
この制度を利用すると、母子家庭などの経済的に苦しいひとり親世帯でも、お子さんが大学に進学できる機会が増えることになります。
また、母子家庭や父子家庭のお子さんに、就学資金を無利子または低利子で貸し付ける「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」もあります。
これら公的制度の見直しもあり、近年ではひとり親世帯の大学進学率は改善傾向にあります。
したがって、今後ますますひとり親世帯のお子さんが大学進学を目指すものと考えられます。
母子家庭・父子家庭の経済格差
ところで、同じひとり親世帯でも、一般に母子家庭と父子家庭では経済面の状況が違います。
2021年(令和3年)度の調査によると、母子家庭は約120万世帯、父子家庭は約15万世帯存在し、平均収入はそれぞれ約240万円、約500万円となっています。
両者の明らかな経済格差は、お母様の方にお子さんの育児負担がかかりがちなことを含め、未だ男女平等社会に成り切れていない日本社会の実態を反映していると考えられます。
このように、ひとくちにひとり親世帯といっても、母子家庭と父子家庭で経済状況はやや異なるため、家庭教師紹介サービスや行政の支援も、両者を明確に区別していることがあります。
優遇措置は母子家庭向けのものが多いですが、母子家庭と父子家庭ともに優遇を受けられる場合もあります。
優遇措置の詳細は、各家庭教師紹介サービスに問い合わせてみるとよいでしょう。
母子家庭・父子家庭に家庭教師がおすすめな理由
経済的な事情から大学進学率が低い傾向がある母子家庭・父子家庭ですが、どうして家庭教師がおすすめなのでしょうか?
忙しい家庭事情を察してくれる
仕事と育児の両立に日々忙しい母子家庭・父子家庭。
ひとり親世帯向けの家庭教師サービスは、忙しい親御さんの両立を助けるために、お子さんの成長に必要な学習支援を提供してくれます。
親御さんの仕事と家事・教育の満足いく両立をサポートすべく、時間的に余裕のない母子家庭にも対応できるように、専門スタッフが面談を行っています。
また、お子さんと相性の良い家庭教師を見つけるべく、マッチングシステムやオンラインシステムも活用しています。
学習状況をしっかりみてくれる
人手が足りないひとり親世帯の場合、往々にして仕事と家事の両立だけで精一杯なものです。
お子さんの学習の面倒をみている時間的余裕・精神的余裕はなかなかありません。
学習指導のプロである家庭教師がいれば、マンツーマン指導によって丁寧に日々の学習をサポートしてくれます。
強力な受験対策をサポート
受験界隈や受験産業は10年ひと昔です。
多忙な親御さんにとって、様変わりした受験制度や入試制度についていくことは難しく、適切な受験対策や志望校選びは至難の業です。
指導経験や指導合格実績が豊富で、近年の受験ノウハウに強い家庭教師なら、ひとりひとりのお子さんに合った学習習慣づくりと専門的な対策を用意できます。
お子さんの悩みを聞いてもらえる
時代の変化は大きいものです。
お子さんに「こういう進路にいきたい」「こういう職業につきたい」と提案されても、親御さんにとって、適切なアドバイスが難しいこともしばしば。
家庭教師はお子さんと年齢も近いため、進路相談から学校の日常的な悩み相談まで、気軽に応じてくれます。
お子さんの面倒をみてくれる
たとえ短い時間でも、ひとり親世帯の忙しい親御さんに代わって、孤立しがちなお子さんの面倒を家庭教師が見てくれるのは嬉しいメリットです。
必ずしも成績向上につながらなかったとしても、そのような目的で家庭教師をお願いされるご家庭は多いです。
そのうえ、成績アップできれば一石二鳥です。
母子家庭、父子家庭向けの家庭教師サービス
このようにメリットの多い家庭教師ですが、数ある紹介サービスのなかには母子家庭・父子家庭向けの特別プランを用意しているところもあります。
以下では、母子家庭・父子家庭向けのプランがある家庭教師サービスをご紹介します。
1.家庭教師のあすなろ
34年の指導実績のある家庭教師のあすなろは、気さくで親身な指導が魅力の家庭教師サービスです。ひとり親世帯のお子さんの指導においても負担がかからないように、指導料は一律となっています。また、公立受験に強い家庭教師紹介サービスとして定評があります。
ひとり親世帯に対しては、「母子・父子家庭応援プラン」という料金の優遇措置があります。また、「2人同時指導割引」の制度もあり、お子さんのきょうだいや、きょうだい以外のお友達と2人一緒でも、ほぼ1人分の指導料で指導を受けられます。多子家庭の母子・父子家庭におすすめのプランです。オンライン家庭教師も行っており、地域外や国外にも対応しています。
気になるお子さんと家庭教師との相性については、これまで1万人以上の家庭教師を選出・研修してきた経験豊富なプロフェッショナルが多数の登録教師の中からお子さんにぴったりな教師をご紹介します。万一、相性が合わない場合は教師の交代にも対応しています。
高校生 1コマ(30分)1,125円(税込)
2人目 1コマ(30分) 125円(税込)(2人同時指導割引の場合)
入会金 22,000円(税込)
2.家庭教師のマスター
母子家庭・父子家庭向けに入会金の優遇措置がある「ハートプラン」があります。また、お子さんのきょうだいや、きょうだい以外のお友達と指導をおトクに受けられる「ペアレッスン制度」があります(指導料44%OFF)。登録家庭教師の大半は大学生で、無料で何度でも交代可能です。
中学生 1コマ(30分)900円(税込)
高校生 1コマ(30分)1,000円(税込)
(月額の目安15,000〜27,000円)
3.家庭教師のガンバ
30周年を迎えた「オンライン家庭教師が無料で試せる」家庭教師のガンバでは、母子家庭向けの割引き制度があります。忙しい母子家庭の状況に合わせ、指導回数・曜日・時間をご家庭の都合に合わせて自由に選べます。無理なく学習習慣がつくようにオリジナルの予習復習計画帳をフル活用し、家庭教師がお子さんと一緒に週ごとの予定表を作成します。また、お子さんが頑張った点や来月の課題などを細かく記入した指導報告書を毎月作成し、ご家庭にお渡しします。
家庭教師のがんばは10代後半から20代の大学生がメインのため、難しい年ごろのお子さんでもスムーズにコミュニケーションがとれます。また、LINEでいつでも質問できるのも魅力です。相性ピッタリの家庭教師が決まるまで何度でも無料で交代できます。無料体験授業やオンライン家庭教師も行っており、地域外や国外にも対応しています。
高校生 1コマ(30分)1,125円(税込)
(月額の目安 14,000〜28,000円)
入会金 20,000円
4.家庭教師のグッド
家庭教師のグッドの「母子家庭応援プラン」では、母子家庭の方のご負担を少しでも軽減するために初月の指導料金が無料ではじめられる(ハートプラン)があります。また、月の指導回数や時間数を自由に変更できます。「今月は余裕がない」というときにも指導回数を減らしたり、指導時間を短縮することができます。多くの塾・個別指導塾や家庭教師センターと異なり、月の料金が固定されないところも魅力となっています。
家庭教師のグッドでは、思春期の男の子が反抗期に差し掛かった際のコミュニケーションのサポートも行っています。また、毎月”指導報告書”を作成し、お子さんの指導内容や指導状況を十分に把握してもらうべくご家庭にお渡ししています。忙しいお母様にもお子さんの状況が把握しやすいと大変好評です。
登録している家庭教師の割合としては、学生の家庭教師が7割、プロの家庭教師が3割となっています。また、オンライン家庭教師も行っており、地域外や国外にも対応しています。気になるお子さんと教師との相性については無料体験授業も行い、教師とのマッチング率は98.8%を達成しています。これは、100件家庭教師をご紹介したうち、98件以上のご家庭でご紹介した家庭教師が指導を行っていることを意味します。さらに事後アンケートでは、90%以上のお子さんが先生との相性に満足しています。
入会金 20,000円
※指導料のほか管理サポート費、テキスト代がかかる場合あり
5.家庭教師のゴーイング
27年の実績をもち、 負担を少しでも軽減するために料金の優遇措置がある「母子家庭・父子家庭応援プラン」があります。「きょうだい割引」もあり、無料レッスンを受けることもできます。家庭教師は10代後半から20代の現役大学生が中心です。
6.家庭教師のLUCK
勉強が苦手な子専門の指導を行っている家庭教師紹介サービスです。母子・父子家庭には「母子・父子家庭応援プラン」という料金の優遇措置があります。また、「2人同時指導割引」の制度もあり、お子さんのきょうだいや、きょうだい以外のお友達と2人一緒でも、ほぼ1人分の指導料で指導を受けられます。
高校生 1コマ(30分)1,000円(税込)
2人 1コマ(30分) 1,000円(税込)(2人同時指導割引の場合)
7.家庭教師のジャニアス
23年の実績があり、母子家庭・父子家庭・祖母家庭の方専用の「ハートフル応援プラン」があります。
また、母子家庭・父子家庭・祖母家庭の場合、入会金が無料になるほか、各種割引サービスを受けることができます。また、きょうだい2人同時指導プランも行っています。オンライン家庭教師は地域外や国外にも対応しており、90分の無料体験授業も行っています。
中学生 月17,000〜30,000円
高校生 月23,000〜45,000円
(授業時間、月の回数、プラン内容によって変動)
8.家庭教師のアーチ
初月の指導料が48%OFFになる「母子家庭・父子家庭向けサポート割引」があります。入会金が無料になるほか、各種割引サービスを受けることができます。また、お子さんのきょうだいや、きょうだい以外のお友達と指導をおトクに受けられる「ペアレッスン制度」があります(指導料最大40%OFF)。オンライン家庭教師も行っており、地域外や国外にも対応しています。毎月30名限定の無料体験授業も行っています。
(学年、授業時間、月の回数、プラン内容によって変動)
入会金なし
母子家庭・父子家庭の学習指導で注意すべき点
母子家庭・父子家庭の場合、日々の学習や受験対策などをするうえで、料金や費用など経済的負担以上に問題になることがあります。
それは、親御さんが”ひとり何役”もこなさなければならないため、無意識のうちに「お子さんに対して厳しくなりすぎてしまうこと」です。
母子家庭・父子家庭の親御さんは、仕事・家事・教育を分担せずにすべて行うために、重い身体的・精神的負担がのしかかります。
ですので、お子さんの学習が思うように成果を出せていないと、「自分がこれだけ頑張っているのに…!」と、つい叱り過ぎてしまうのです。
何事もひとりで行っていると、客観性がなくなってくるものです。
パートナーが不在だと、適切なタイミングでブレーキをかけるなどの心理的コントロールがはたらきにくくなります。
結果として、プレッシャーを強く感じたお子さんが家出をする、といったことにつながってしまうケースもあります。
こうした事態に陥らないためには、祖父母や親戚、友人・知人、そして家庭教師など第三者になるべく間に入ってもらい、できるだけ心理的ストレスを発散できるように風通しを良くすることが大事です。
まとめ
全国にある母子家庭・父子家庭向けの家庭教師サービスをご紹介しました。
お子さんのご希望に合ったサービスやプランを見つけられましたでしょうか?
仕事と家庭の両立に追われて時間的余裕の少ないひとり親世帯にとって、お子さんの教育は困難がつきものです。母子家庭・父子家庭は右肩上がりで増加しており、ひとり親世帯の平均進学率は著しく低い状況が続きましたが、大学無償化などの公的制度の充実によって近年は改善されつつあります。
時代の変化に応じ、ひとり親世帯に対応・特化した学習プランをさまざまな家庭教師紹介サービスが行っています。入会金などの各種割引を受けられる優遇措置を行っているところもあるため、内容や料金を確認しましょう。ただし、母子家庭と父子家庭には経済格差があることから、母子家庭にのみ特化したプランがあることが一般的です。また、お子さんが2人以上いるご家庭の場合や、ひとりっ子の場合は友人・知人を誘うことで、2人同時指導による割引が使える場合もあります。
各紹介サービスの充実度は地域によってまちまちなため、お住まいの地域にある適切なサービスを探しましょう。もしお住まいの地域にサービスが見当たらない場合、全国どこでも受けられる便利なオンライン指導による学習支援を検討しましょう。
お子さんに合ったペースで家庭学習を進めてくれる家庭教師は、仕事で不在がちなひとり親世帯の心強い味方です。お子さんの明確な進学目標や将来の夢を、経済的理由によって諦める必要はありません。ご希望のプランが利用できるかについて、ご紹介した家庭教師サービスにお問い合わせのうえ、無料体験授業を受けてみることをおすすめします。