東京大学 学部解説!

東京大学の多彩な【学部】を解説!主な進路を知って希望の職業へ

今回は、東大(東京大学)の学部についての解説と、その卒業生の主な進路を中心に解説します。
高校生が将来の職業と志望学部をリンクさせるための情報を掲載します。

ちなみに、当コラムの中で度々「文系・理系」という言葉が登場しますが、文系・理系のどちらを選ぶべきかについては以下の記事で詳しく解説しています。

それでは東大の学部と、卒業後の進路について一緒に見ていきましょう。

法学部

東大法学部といえば、文系で最も偏差値が高い学部として知られています。
法学部に限らず文系学部は通常、民間企業への就職が圧倒的に多くなります。

国家総合職に就く

中央省舎しかし東大法学部は昔から特殊で、民間だけではなく中央官庁への就職が多い傾向があります。
つまり国家公務員です。

公表されている最新のデータである2016年でみてみると、卒業生386名のうち81名が官僚への道を選んでいます(※1)。
最近の官僚冷遇により、希望する東大生が減っているとよくいわれますが、実際にはそうでもありません。

2011年のデータでは卒業生425名のうち中央官庁が50名ですから(※2)、人数的にも割合的にも増えています。

※参考1:2016年度 進路状況調査

※参考2:2011年度 進路状況調査

官僚トップ層=東大法学部卒

昔からキャリア官僚といえば東大法学部、というイメージがありました。
たとえば警視庁に配属されて出世するためには、国家一種に受かっただけではなく、東大法学部でなければダメ、と考えられていましたし、実際、官僚のトップ層はそのほとんどが東大法学部出身者でした。

今では、キャリア組と呼ばれる官僚トップ層に入るためのパスである国家一種は、国家総合職と名を変えています。
しかしその実際は一種の頃と同じです。

東大法学部から地方公務員になる人は少ない

東大以外の大学では、市役所などの地方公務員なる方も多いです。
しかし東大では、国家公務員こそ多くても、市役所に勤めようとする人は限りなく少ないです。
2016年で10名、2011年で9名しかいません。

現実的な話でいうと、国家総合職試験に受かって将来出世街道を駆け上がっていくような東大法学部生が市役所試験を受けても、これほど優秀な人に住民票を出す事務仕事をさせるわけにはいかないということで、面接で不合格になることがあります。

いわゆるオーバースペックです。

以上のように、歴史的に官僚=東大法学部出身でなければならないという観念があること、さらに国の中枢に携わるだけのスペックの高さから、地方公務員ではなく国家公務員(一般職ではなく総合職)を進路に選ぶ人が多いです。

法科大学院進学

弁護士バッジ他に特徴的なのは、法科大学院に進学する人の多さです。
法科大学院は医者になる人が医学部に行くように、弁護士や裁判官、検察官といった法曹になりたい人が行く場所です。

2016年では78名が法科大学院進学を決めています。
国家公務員が81名でしたから、同じぐらいの人数が法科大学院進学を選んでいることになります。

東大法学部の特徴は、以上のように民間就職だけではなく、国家公務員になる人や法曹になる道を選ぶ人が多いことです。

将来、各省庁に入って国の中心に関与したい人、弁護士や検事、裁判官になりたい方には、特におすすめの学部です。
もちろん、民間就職にしても、東大法学部は日本で一番ブランド価値がありますから、圧倒的に有利に働きます。

文科1類の学生が法学部へ

ちなみに、高校生が東大を受験する場合、「法学部」という名称での募集はありません。
東大生はみな1~2年は教養学部に入るからです。

入試時の科類選びが学部に直結

しかし、入試時に文科1類~3類理科1類~3類を選択します。
この各科類が学部に直結しています。
というのも、文科1類で入った人は、よほど成績が悪くない限り、3年生から法学部に入ります。

文科2類はそのほとんどが3年生から経済学部になります。

このように、どの科類に入るかで、1~2年生の駒場の教養学部から、3~4年生の本郷でどの学部に入るかが決まっています。

文1が文系で最高の偏差値

推して量ることができるように、文科1類が文系で最も偏差値が高いです。
東大文1といえば、イコール東大法学部という認識で通っています。

文1以外の科類から、転部のような形で3年より法学部に入る道もあります。
しかし、これは非常に狭き門で、成績上位者20名ほどしか入れません。

理科3類への転部が最も熾烈ですが、文1へ他の科類から入るのもまた至難の業です。
入学後もキャンパスライフを度外視して勉強する姿勢が必須です。

そのため、公式にも表明されている通り(※)、法学部を希望するのであれば入試時に頑張って文科1類に入るほうが、最も確実ですし、大学入学後に過酷な成績争いをせずに済みます。

※参考:法学部を目指す東京大学入学希望者の方へ

経済学部

learn economics経済学部はほとんどの学生が民間就職です(※)。
卒業生のうち公務は6.3%、大学院進学者は7.3%と少ないです。
民間就職者では、サービス業が54.1%と最も多く、次いで鉱業・砕石業・砂利採取業が22.7%です。

卒業生の半数以上が選ぶサービス業では、三井物産、富士通、三菱商事、ニトリなどです。
鉱業・砕石業・砂利採取業では、日本石油開発帝石です。

文科2類の学生が主に経済学部へ進学します。
経済学科、経営学科、金融学科に分けられていて、希望と成績をもとに3年以降の学科が決定されます。

※参考:東京大学経済学部卒業生の進路(平成29年度)

文学部

東京大学文学部は、民間就職者が多いです。
2019年3月卒業生318名のうち209名が就職、うち官公庁はわずか16名です(※)。

法学部は80人以上が官公庁へ行きますから、その差は歴然です。
民間就職者のなかでは、情報・通信関係が38名と最も多いです。
次いで金融・保険・証券関係が26名です。

情報・通信系では、NTTドコモや楽天、ソフトバンクなどが挙げられます。
金融・保険・証券係では、日本銀行、東京海上日動火災保険、モルガン・スタンレー証券などです。

大学院進学者は75名です。
これも他大学に比べて高い数字です。
文学部を出て大学院に進学し、研究者への道を志す割合が比較的に高いです。

このように、国家公務員となる人は多くはないものの、民間企業や大学院に進む人が多いのが特徴です。

東京大学文学部は文科3類の人が主に進学します。
研究者を目指すのではなく民間就職であれば、特に文学部でなければ、ということはありません。
文学にこだわりがないなら、文科1類を目指したほうが進路の幅が広がり、また民間就職でも有利だといえます。

※参考:東京大学文学部 2019年3月卒業生の進路

教育学部

大学生の女子生徒教育学部は、民間就職と大学院進学が多いのが特徴です。
やはり教育のエキスパートとして研究者を志すため、そもそも教育学部を選んでいるケースが存在します。

しかし教育者になりたい人ばかりではなく、教育学部を出て教育とは関係のない民間に就職したり、地方・国家公務員を志望したりする例もあります。

卒業生の進路状況では、平成26年で106名のうち、38名が進学、就職が54名(うち公務は15名)、その他(資格取得のための自宅学習など)が14名です(※)。

このように、民間就職者が39名とほぼ同じ38名が進学をしています。
大学院まで行ってさらに知識を深めたいと考える人に合っています。

文科3類の学生が主に教育学部へ行きます。

※参考:教育学部卒業生の進路状況(平成26年3月卒業学生の進路状況)

教養学部

東京大学教養学部は、多彩なコースが用意されていて、さまざまなサイエンスを学べます。
「数理自然科学」、「物質基礎科学」、「統合生命科学」、「認知行動科学」、「スポーツ科学サブコース」が設置されています。

このように科学の専門的な学びを学部から実践していきますから、大学院進学者が非常に多いのが特徴です。
公表されているデータでは、平成30年の卒業生で68.8%が大学院へ進学しています。
就職はわずか27.1%です。

大学院修了後は、大学教員となったり、公務員の専門職に携わったり、研究者となったりします。
こういった道を志し、さらに自然科学の広く深遠な学びに興味がある人に合っているのが、教養学部です。

文科3類の学生が主に教養学部へ進学します。

参考:卒業後の進路 (H30)

工学部

理科1類の学生が主に進学する工学部は、電機・通信・情報システム系の企業への就職者が多いです。
他に自動車メーカーで情報処理関係の業務を担当する部署から需要があります。

最近5年の就職状況をみてみると、多い順に日立製作所が34名、ソニーが25名、三菱電機が23名、トヨタ自動車が22名となっています。

このように、やはり日立やソニー、三菱といった大手家電メーカーのエンジニア職がイメージどおり多いです。
さらに上述したように、トヨタのような自動車会社のソフトウェア開発部門へ就職する例も増えています。

※参考:卒業生の進路

理学部

science理科1類・2類の学生が主に選択して進む理学部は、さらに10の学科に分かれています。
数学科、物理学科、地球惑星物理学科、化学科、生物学科、情報科学科、天文学科、地球惑星環境学科、生物化学科、生物情報科学科です。

自分のニーズに応じて真に学びたい学科を選べます。

卒業生の進路としては、やはり理系の例に漏れず、圧倒的に大学院進学者が多いです。
たとえば、代表的な数学科や物理学科の例でみてみます。

平成28年の数学科では、卒業生45名のうち就職者はわずか4名で、31名が大学院に進んでいます(※1)。

物理学科では、約97%の学生が大学院へ行き、約1.5%が学部から就職します(※2)。

このように、学科によって割合に違いはあれど、基本的に大部分が大学院へ行くのが特徴です。

※参考1:卒業後の進路

※参考2:卒業生の就職先

農学部

理科2類から主に入る農学部は、その卒業生の82%が大学院に進学します(※)。
就職は12%です。

修士課程修了後は、博士課程ではなく就職する学生がほとんどです(85%)。
就職先は製造業が54%と最も多いです。
公務員は8%と少ないです。

農学部は、銀の匙のように実際に農業を営むわけではなく、生物学、科学、工学といった多角的な側面からバイオサイエンスの最先端の試み、研究について学びます。

生命の仕組みや食料、医薬、環境問題についてなど、幅広く人類の直面する課題について学習を深めるのが特徴です。

※参考:生命化学・工学専修を卒業後の進路

薬学部

分子モデル薬学部は薬剤師の試験を受けて就職するもの、というイメージを持っている方が多いです。
しかし、東京大学の薬学部は薬科学科と薬学科に分かれていて、薬科学科は創薬研究に力を入れています。
その多くが大学院に進学します(91.4%)(※)。

さらに修士課程修了者の40%以上が博士課程に進学します。

薬学科の生徒の多くはイメージどおり、学部卒業からそのまま就職します(87.5%)。
就職先は、製薬や食品の会社、大学、行政官公庁の研究部門など様々です。

薬学部は理科2類の学生が主として入ります。

※参考:卒業後の進路

医学部

理科3類の学生は医学部へ進学します。
東大理3といえば、国内の大学入試においては絶対的な勝者であり、最難関の進路といえます。

東大医学部については以下の記事で詳しく紹介しています。

卒業後は臨床医に

医師医学部を出ると、その多くは臨床医になります(※)。
確かにさらに大学院に進んで医学研究をする進路や、国際的な医療協力、医事管理などを選ぶ道もあります。

しかし、基本的で、かつ大部分の学生が選ぶ進路が、臨床医です。
この場合は、世間的な認識の通り、医師国家試験を受けて医師免許を得ます。

そのうえで、東大付属病院や他の一般医院に入り、必修化された臨床研修を始めます。

※参考:東京大学文学部 2019年3月卒業生の進路

他の科類からの編入もわずかにあり

理3=医学部と考えて間違いありません。
しかし、他の科類からの編入も非常に狭き門ですが用意されています。
まず、理科2類から10名を限度に入れます。
さらにその他の科類からも3名を限度に行けます。

理3から医学科へ進学するのが97名ですから、合計で110名となります。

前述したように理3は最高難度の科類ですから、理3に通らないが理2には受かるという人がいます。
理2は東大のなかでは比較的に入りやすい科類として知られています。

このとき、とりあえず理2に入って成績をトップクラスにして、理3に編入することを志す人が存在します。
ただ前述のように非常に少ない枠ですから、理2に入る以上に熾烈な争いになるのが特徴です。

※参考:卒業後の進路

東京大学の学部についてまとめ

今回は、東大の学部、それぞれの卒業後の主な進路についてみてきました。
東大とひとえにいっても、学部によって学ぶことは全く異なり、その進路もまた異なってきます。

入試難度についても、科類によって大きな差があるのが特徴です。
入ってから科類と異なる他の学部へ編入する道もありますが、法学部など人気のところは、普通に入試で入るより難しい側面があります。

偏差値や学力、進路や学びたいことなど、自分の属性、ニーズを考慮して入試段階で第一希望の科類を明確にしておくことが大事です。

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