東京大学医学部 徹底解剖!

東京大学の【医学部】を徹底解剖!受験難易度や進学振り分けについて

東京大学医学部について知りたいという高校生のために、今回はその難易度や、どうやったら進めるのか、他大学との違いなどについて解説していきます。

理科3類から医学部へ

女子医学生東大医学部へは、基本的に理科3類の学生が進学します。
東大は1~2年(前期まで)は駒場の教養学部で学びます。
2年後期~4年になって初めて、他の大学と同じように、法学部や経済学、工学部や医学部といった学部に分かれます。

そのため、入試段階では文科1類~3類、理科1類~3類といった科類で受験をします。
どの科類からも原則として、全ての学部へ進学可能です。

東大はリベラレルアーツを標榜していて、つまり自由主義の理念の下、個人の能力や希望に応じた幅広い学びの選択肢を提供しています。
だからこその1~2年次の学部を分けない広範な科目群があるわけです。

そして3年から学部を自由に決定できます。

進学振り分け

ただし、誰もが希望する学部になんのハードルもなく入れるわけではありません。
進学振り分け(通称「進振り」)という制度によって、どこの学部に進めるかは厳格に審査されます。

そして、ここで科類と学部の相関関係が大事になります。
各科類には優先的に進める学部があって、学部定員の大部分がリンクする科類からの進学者で埋まります。

医学科の場合

それこそ東大医学部医学科の例でみると、対応するのが理科3類で、医学科定員110名のうち、97名の進学者は理科3類からです(※)。

このように、各科類と学部は結びつきがあり、入試段階で進みたい学部が決まっているのであれば、それに合わせて科類を選択するのが基本です。

医学部医学科に進みたいのであれば理科3類へ、法学部に進みたいのであれば文科1類へ、といった具合です。

※参考:東京大学医学部医学科

■理科2類からも医学科へ僅かに行ける

医学科定員の理科3類を抜いた13名は、他の科類から入ります。
ただし、全科類がその枠を平等に取り合うわけではありません。

指定科類の制度があり、理科2類から10名を取ると定められています。
指定科類制度は、医学部医学科に限らず、他の学部も用意しています。
もちろん、指定先の科類は学部により異なります。
反対に特定の科類からは進めない学部も存在します。

理科3類、2類以外の科類の生徒は、たった3名の枠を争わなければなりません。
このことから、他の科類からの医学部への進振りは、普通に入試で理3に受かるより難度が高いという声がよく聞かれます。

東大医学部に行きたいのであれば、理科3類に合格するのが最も確実性が高いです。
理3定員100名のうち、前述のように97名が医学部医学科へ進学できるからです。

■理3のために仮面浪人をする学生も

勉強する手他の科類に受かっても、どうしても医学部へ行きたいからという理由で、入学後、すぐに休学届を出して仮面浪人をする学生もいます。

理由は進振りのほうが入試より難しいということや、それを狙うには生活の多くの時間を勉強に費やさなければならないということがあります。

医学部を第一志望として理3を志望したが無理な場合、さらに浪人や仮面浪人をしたくないのであれば、理2に進むのが他の科類に進むよりは可能性があります。

理2は指定科類になっていますから、成績トップ10名までが入れます。
つまり、理科1類に進むより2類に進んだほうが、理3への門戸は広いことになります。

■進振りの可否は期末試験が大事

進振りのために必要な成績は、ちょうど中学の内申点のようなイメージです。
具体的には、期末試験の出来次第で決まります。

期末試験の平均点が高いことがポイントです。
2年生前期(東大ではSセメスターという)までの平均点が91点以上は必要です。

医学部医学科が指定する科目を履修しなければならなかったり、平均点を高くしなければならなかったりすることで、履修科目を厳密に選定することが求められます。

本当に自分が学びたい科目を取る、というよりは、高い成績を収めることができる科目を選ぶ、といったことです。

■成績を上げるために自由な履修は困難

教養学部はリベラルな勉学を可能にするための存在であるはずですが、医学部医学科を始めとする人気の学部にいくためには、どうしても成績を重視せざるを得ない実態があります。

進振りによって東大入学後も勉強をおろそかにせず、優秀な仲間としのぎを削り合える一方で、それがために真に自由な履修登録ができないという問題も、現実的には存在しています。

理科2類を始めとする3類以外からの医学部進学を目指す場合には、良い意味で割り切って、自分の第一目標を叶えるために真摯な努力を続ける必要があります。

医学部には健康総合科学科もある

看護師東大医学部というと、医者になるイメージしかないという人がよくいます。
しかし実は、医学部には医学科のほかに健康総合科学科も設置されています(※)。
この学科はさらに、環境生命科学・公共健康科学・看護科学の3つの専修に分けられています。

東大生でも厳密にこの学科名や専修名を言える人は少なく、看護学科で通っています。
つまり、医者ではなく看護師になりたい人が行く学科、という印象です。

実際のところ、看護科学専修を卒業すると看護師国家試験の受験資格を得られます。

※参考:健康総合科学科

医学部でも医学科とは全く異なる

この健康総合科学科は、同じ医学部でありながら、医学科とはその性格を全く異にしています。
医者になるかどうかの違いはもちろんのこと、入試の難易度からして違います。

医学科は前述の通り国内最難関の理3へ入る必要があります。
しかし、健康総合科学科は主に理科2類の生徒が進学します。
最近では、理科1類の生徒も増えてきています。

つまり、理科3類に入る必要はないわけです。
さらに、この学科は看護系の他短大から編入する道が用意されています。
そのため、大学入試段階では東大に受からなくても、簡単な短大に通っておいて入ることができるわけです。

健康総合科学科卒の有名人

このようなルートを通っている方に、元日本テレビアナウンサーの山本舞衣子さんがいます。
彼女は東京都立医療技術短期大学を卒業後、東大の医学部健康科学・看護学科(現:健康総合科学科看護科学専修)に編入しています。

他にも、「東大医学部卒」として有名なタレントの八田亜矢子さんも、医学部健康科学・看護学科を卒業しています。
彼女は理科2類で入り、その後、同学部学科に進学しています。

入試難度の違い

ひとえに東大医学部卒といっても、医学科なのか健康総合科学科なのか、つまり理科3類なのか2類なのか、さらに他の短大からの3年次編入なのかで違いがあります。

難易度これらの難度については一目瞭然ですが、これから進路を決める高校生のために明確にしておきます。
同じ東大医学部卒でも、医学科卒と健康総合科学科卒では入試難度に雲泥の差があります。
理科3類(医学科)は誰もが認める偏差値№1ですが、理科2類(健康総合科学科)はそうではありません。

多くの受験予備校が、とりあえず東大に行きたいなら理科2類を狙え、とよくいいます。他の科類に比べて入りやすいからです。

さらに、短大からの編入の場合、高3で東大入試自体を経験する必要がありません。

学歴目当ての声も

このように、同じ東大医学部卒でも難易度に決定的な差があることから、健康総合科学科を出て看護師になっていない人に対して、東大医学部という学歴目当て、と考える人が多くいます。

東大医学部卒という御旗を掲げて東大王などのクイズ番組に出ているタレントを見て、やはり内情を知っている人からすると「医学部卒といっても看護学科じゃん。この人は短大卒からの編入じゃん。」と感じてしまうのも無理はありません。

それほど、医学科か健康総合科学科かは違いがあるからです。

医者か看護師か

このように、高校生が簡単に理解するなら、医学部には医者になれる学科と、看護師になれる学科があると考えましょう。

そして看護師になれる学科に行くなら、何も最高に難しい理科3類へ入る必要はありません。
より入試難度の低い理科2類を目指して、医学部健康総合科学科への進振りを狙えば良いです。
進学定員は44名です(※)。

※参考:東京大学医学部 健康総合科学科

他大の医学部との違い

東京大学医学部の前提である理科3類も、他の科類と1~2年(Sセメスターまで)は同様の状態です。
すなわち、同じ教養学部で学びます。

医学の勉強は2年後期から

医学書医学部ですから全体で6年間通いますが、医学について学ぶのは教養学部の期間を抜いた4年半です。
この点が、他大の医学部と決定的に異なるところです。

理3の生徒は2年生の秋ごろから医学の勉強を始めます。

他大には、全学生がいったんは教養学部に属する、といった制度はありません。
それでも1年次は教養科目を学びますから、2年から医学に入ります。

東大のほうが約半年、専門的な勉強に入るのが遅いです。

基礎医学から臨床医学へ

東大の医学科に入ると、まず基礎医学(解剖学など)や社会医学(衛生学など)を学びます。
そして1年が過ぎると、ようやく臨床医学に入ります。

期間は他大に比べて短いですが、その質は世界最高レベルだと公言しています(※)。
だからこそ授業をさぼらないように、と生徒に呼びかけています。

※参考:東京大学医学部医学科

理3の偏差値と医師国家試験の合格率

理科3類の偏差値は79。
合格最低点は年度によって違いがありますが、理3は、センター+二次試験の合計が約370点(550点満点)です。
理科1類で315点、理科2類で302点です。

2類と70点近くも違うのが特筆すべき点です。

このような偏差値トップの東大のなかでもさらに一線を画す超難関に入った人たちなのだから、すべからく医師国家試験の合格率も他大に比べダントツでトップなのだと一般的には考えられています。

医師国家試験の合格率は55位

しかし、実は全く異なります。
実際、2019年の医師国家試験合格率ランキングでは、89%で55位です(※)。
全体の合格率が89%ですから、まさしく良くも悪くもない平均的な合格率を記録しています。

ちなみに、合格率2位が順天堂大学医学部で98.4%、3位が横浜市立大学医学部で97.7%です。

理3の入試難度は既に指摘したとおりですが、なぜ順天堂大学や横浜市立大学を始め、他の52もの大学に合格率で劣っているのでしょうか。

※参考:第113回医師国家試験の合格発表について

合格率の低い理由は「やる気」と考えられている

motivation勉強のできる人たちの集まりですから、医学の勉強が他大より半年遅れることは、理由にはなりません。
これについては、「やる気」が原因だと指摘する声が多いです。

他の医学部は、本当に医者になりたくて入った人ばかりで、だからこそ医師国家試験は必ず通らなければなりません。

しかし、東大の理3は、そこが偏差値トップだから、自分の実力を証明するために受けている人がかなりいます。
理3に受かる実力があるのに理2を受けるのはもったいなくない?と考えるのは当然だともいえます。

最高偏差値だからこそのパラドックス

偏差値トップだからこそ医師国家試験の合格率もまたトップなのではなく、偏差値№1だからこそ、むしろ合格率が伸びない現状があります。

ただし、もちろんこれは東大の授業そのものが合格率の伸び悩みに弊害を及ぼしているわけではありません。
医師を志す純粋な動機で理3に入り、やる気さえあれば、合格率の低さは全く問題にならないといえます。

東京大学医学部についてまとめ

大学入試最難関の理科3類から行くのが、医学部医学科です。
進学振り分けで他の科類からも入れますが、かなりの狭き門なので、もしも理3に行けない場合、浪人や仮面浪人をするのか、進振りを狙うのか、慎重な判断が必要です。

医学部には健康総合科学科もあり、こちらは理科2類からの進学が主です。
医師ではなく看護師になりたい方は、同学科の看護科学専修を選びます。

また、今回は東大の【医学部】に焦点を当ててご紹介しましたが、東大の【その他の学部】については以下の記事で詳しく解説しています。
併せてご覧になってみてください。

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