2020年度から小学校でプログラミングの授業が始まります。
中学校でも2021年度から、高校は2022年度から始まります。
どうせ学ぶなら楽しく学びませんか?
北海道・札幌でも、子供にプログラミングやロボットを教える教室が続々開校していて、子供たちの興味を引きそうなカリキュラムが用意されています。
プログラミングもロボットも、日本のみならず世界の重要産業になっています。
子供のころから「プログラミング頭」や「ロボット頭」をつくっておけば、将来、世界のビジネスの第一線で活躍できる人材になることができるでしょう。
簡単な用語解説
始めに「プログラミング」の用語について簡単に解説します。
コンピュータは、ソフトウェアやアプリで動きます。
ソフトウェアやアプリは、コンピュータを動かす指示書のようなもので、それがプログラムです。
プログラミングとは、プログラムをつくることをさします。
プログラミングをする人のことをプログラマーといいます。
北海道・札幌で学べる内容
学校におけるプログラミング教育の内容や、プログラミングとロボットを学ぶ意義は後段で解説します。
まずは楽しい話題から紹介します。
北海道・札幌で学ぶことができる内容をみていきましょう。
カリキュラムはバラエティ豊かで、大人でも興味をそそられるものがあります。
第一線のプロが教える「PCN札幌」
PCN札幌は、小中学生がプログラミングを学ぶ場を提供しているグループです。
札幌のIT企業、株式会社syushu(本社・中央区)と株式会社インフィニットループ(同)の2社が運営しています。
2019年3月に開講した電子工作定期講座では、手の平サイズのプログラミング専用パソコン「SapporoJam」を、はんだごてで組み立てたり、コンピュータゲームやロボットをつくったりしました。
ハートのルーレットをつくって、それをプログラムで動かすこともあります。
この講座のスケジュールは、3月から7月までの5カ月間、月1回、1回90分となっています。
受講料は教材費込みで21,000円でした。
PCN札幌の魅力はカリキュラムだけでなく、その豪華な講師陣です。
子供たちに教えるのは、ゲーム開発やIT(情報技術)開発、システム開発、プログラミング、デザインを仕事にしている人たちです。
子供たちは本物のプログラムを学ぶことができるわけです。
直感的にプログラミングできるようになる「パルティス」
パソコンスクールを運営する株式会社フレックスジャパン(本社・札幌市中央区)は小学生を対象にした「パルティス・ロボットアカデミー」を開いています。
ここでの目玉は、アイコンを組み合わせるだけでプログラミングができる「レゴ・マインドストームEV3」を使った授業です。
子供たちは、自分がプログラミングしたプログラムで、小型ロボットを動かすことができます。
プログラミングはコンピュータ言語という特殊な言語でコンピュータに指示を出す作業です。
したがってプロのプログラマーは、コンピュータ言語を暗記しなければなりません。
しかし「レゴ・マインドストームEV3」は、パソコン画面の「小さなイラスト(アイコン)」をドラッグ&ドロップするだけでプログラムをつくることができます。
アイコンには「前進」「回転」「停止」「持ち上げる」などの指示が書かれてあり、それを組み合わせることでプログラムが完成します。
つくったプログラムをロボットに送信すると、ロボットが前進して回転して止まって物体を持ち上げることができるようになります。
パルティス・ロボットアカデミーでは小学1、2年生用のプライマリー・コースと3~6年用のセカンダリー・コースを用意しています。
授業は月2回、期間は2年間です。
費用は、テキスト代と教材費を含めて月10,000円です。
例えばプライマリー・コースでは、おもちゃの自動車を速く走らせるプログラムを考えます。
セカンダリー・コースでは、自動ブレーキシステムのプログラムをつくります。
自動ブレーキシステムはすでに本物の自動車に導入される技術で、自動車が障害物を自動で検知して自動にブレーキをかけて停止します。
このシステムを模型で再現するわけです。
東大の先生が監修している「ヒューマンアカデミー」
教育関連の大手企業も北海道に進出しています。
ヒューマンアカデミー株式会社(本社・東京都新宿区)は札幌、北広島、北見、苫小牧など道内13カ所で5歳~小学生を対象にした「ロボット教室」を開いています。
このロボット教室のアドバイザーは、ロボットクリエイターで、東京大学の准教授でもある高橋智隆さんです。
ヒューマンアカデミーでも子供たちがプログラミングを習い、実際にプログラムをつくってロボットを動かします。
ヒューマンアカデミーでは、全国の教室から選ばれた子供たちが、自慢のロボットの実力を競うロボット教室全国大会を開催しています。
会場は東京大学の安田講堂です。
自動車ロボットをジグザグに走らせてスピードを競ったり、子供がオリジナルで開発したロボットを披露します。
過去には、ドミノを並べるロボットを作成した子供もいます。
学んだことをすぐに実践で試す経験は、子供たちに「プログラミングは仕事の道具」ということを強く印象づけることができるでしょう。
学校教育としてのプログラミング
プログラミングは、文部科学省の新学習指導要領に組み込まれました。
小学校、中学校、高校で教える内容は次のとおりです。
- 小学校:キーボードを使って文字入力に慣れる。プログラミング的思考の育成。プログラミング教育を必修化する。
- 中学校:技術・家庭科の技術分野でプログラミングと情報セキュリティを教える。
- 高校:情報科において共通必履修科目「情報1」を新設。プログラミング、ネットワーク、情報セキュリティ、データベースの基礎を学ぶ。「情報2」も新設して選択科目にする。
全員がプログラミングを学ぶのは中学までで、高校では情報科の生徒だけが学ぶことになっています。
この点は英語教育とは異なります。
文部科学省は、小学校や中学校でプログラマーやシステムエンジニアリングを養成しようと考えているわけではなく、「触れさせておく」ことを目的としているようです。
文部科学省の狙いは以下のとおりです。
・予測困難な社会では、情報や情報技術を手段として活用する力が求められる
・そのためにはプログラミング教育を含む情報活用能力の育成が重要
・子供たちに、コンピュータが「魔法の箱」ではなくプログラムによって動いていることを理解させる
・プログラムを知ることによって子供たちが主体的にコンピュータ活用できるようになることを目指す
★プログラミングとコンピュータの知識は、将来どのような職業に就くにしても、極めて重要になる
特に★に注目してください。
プログラミングやコンピュータやロボットは、それ自体がひとつの産業になっていて、ビジネスが展開されています。
しかし、プログラミングとコンピュータとロボットは、そのほかの分野で働く人にも必要になっています。
例えば、今やパソコンを使わずにビジネスを進めている企業はない、といっても過言ではありません。
老舗企業でも、昔ながらのアナログな作業をしていても、生産管理はコンピュータ・ソフトウェアを使っています。
また、中華料理のチェーン店でも、餃子づくりロボットを導入しています。
回転ずし店も、どのタイミングでどのネタを何皿出すかをコンピュータで計算しています。
まさに、子供たちが「将来どのような職業に就くにしても」プログラミングとコンピュータの知識は必要になるわけです。
更に詳しい内容について以下の記事で解説しています。
子供がプログラミングとロボットを学ぶ意義
もしプログラミング教室に通っている子供が、プログラミングやロボットに夢中になったら、どうしたらいいのでしょうか。
保護者は子供と、そのままその道を歩ませてもよいものなのでしょうか。
「警察官になりたい」「看護師になりたい」「医者になりたい」「弁護士になりたい」「飛行機のパイロットになりたい」と同じレベルで「プログラマーになりたい」「コンピュータ関連の仕事をしたい」と子供が言い出したとき、保護者は応援してもよいものなのでしょうか。
「コンピュータ=おたく」「ロボット=夢物語」というイメージを持っている保護者もいるでしょう。
答えは、「プログラミングとロボットの事業分野は将来有望なので、保護者は子供のその夢をしっかり応援してあげてください」となるでしょう。
プログラミングとロボットに関する知識は、IT(情報技術)やICT(情報伝達技術)、IoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)といった分野で活かすことができます。
矢野経済研究所によると、2017年度の日本の民間企業のIT市場規模は12兆1,530億円で、その成長率(前年度比)は2.3%増です。
日本のGDP(国内総生産)の伸びは2017年で1.7%増なので、2.3%増のIT分野の成長率は有望視できます。
現在は「コンピュータ=日本と世界のシステムを支える技術」「ロボット=世界で戦える日本の重要産業分野」となっています。
まとめ~実社会に近い学び
日本社会は最早、コンピュータなしでは1時間も活動できないでしょう。
そのコンピュータを動かしているのがプログラムです。
プログラミングが学校教育のなかに入ってくれば、実社会に最も近い科目のひとつになるでしょう。
この機会に、子供たちが習い事からコンピュータに親しむことはとても有意義なことです。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。