教科書の内容を理解するというのは勉強において最も初歩的なことです。
そのため全ての学生にとって必要なことであり、これが完了しないと志望校合格はまず出来ないと言って良いでしょう。
しかし文章を読むのが苦手で、中々教科書の内容が頭に入ってこない・・・とお悩みの学生も多いのではないでしょうか。
そんな学生におすすめしたいのが『7回読み勉強法』です。
これは読んで字の如く本を7回読んでその内容を理解する勉強法で、東大法学部を首席で卒業し、NY州弁護士資格を持つ山口真由さんによって考案されました。
何度も読むことを繰り返すので、しっかりと読み込まなくても自然と頭に入ってきやすく、文章を読むのが苦手な学生でも始めやすい勉強法なのです。
当記事では7回読み勉強法の流れやメリットやデメリットをご紹介します。
勉強はやっぱり繰り返しが大切!?回数ごとでどのように変化するかをご紹介
通常教科書や参考書を読むのは1回、多くても2回ということが多く、それを7回という倍以上の回数を行うという特徴を持つ「7回読み勉強法」。
基本的には同じことを繰り返すのですが、回数をこなす中で読み方に変化があると考案者の山口真由さんは語っています。
そこで以下に、回数をこなすとどうのような変化が現れるかを山口さんがインタビューで語った内容と共にご紹介します。
なお、インタビューの内容は「教科書を7回読むだけで、断然トップになれた!(前編) 」を引用しています。
1回目から3回目までは土台づくり
まず1回目から3回目の読書は理解の土台作りに当たります。
意味を理解する必要はなく、教科書のページ数や各単元の分量を何となく把握するだけで十分だそうです。
山口さんは以下のように語っています。
1回目は意味をとろうとせずにサラサラッと読みます。
大見出しだけを目で追うようにして、出題範囲の全体像を頭に入れるためです。
この項目はこれぐらいの分量で、あの項目はこの程度かと、薄ぼんやりとつかむ感じです。そうすることで頭の中に出題範囲全体の見取り図をつくるんです。
また3回目になると教科書に書かれている内容の全体像が何となく掴めるようになってきます。
こちらに関しても山口さんが以下のように言及しています。
3回目になると、同じようにサーッと読みながらも、たとえば世界史の教科書なら、『次のページの右端には、耳にピアスをしたチンギス・ハーンの写真があって、その左ページはこんな記述があったはずだなぁ』といった、見当がつくようになります。
ページをめくりながら、自分のイメージ通りかどうかを確かめるような読み方になってきます。
4回目から教科書の捉え方が変わってくる
4回目になると教科書の内容がくっきりと理解できるようになっていきます。
「あの単元は教科書の何ページに書いてあったか」「どのページを見れば知りたい情報が把握できるか」といったことが段々とわかってくるようになるのです。
この4回目での教科書の捉え方に関しては山口さんが以下のように語っています。
それまでは、私の内側に川のようによどむことなく流れていた教科書の内容が、4回目ごろから川の中に柵のようなものができて、そこに教科書の情報が少しずつ引っかかるようになる。
つまり、より細かな意味が、私の頭に入ってくるようになります。
5回目から理解度が2割から8割に
5回目になると教科書の理解度が一気に上がり、2割から8割ほどに達します。
またこの段階になれば重要部分を注意しながら読むだけでも、十分に教科書全体的な内容を理解できるようになっています。
この段階の理解に関する山口さんのお話は以下です。
5回目に読むころには、教科書の理解度が2割くらいから、いきなり8割くらいにはね上がります。
6回目で教科書の再現がほぼ可能に
6回目になるとほぼ頭の中で教科書の内容を再現できるようになっています。
読み進めながら教科書の内容を要約することが可能であり、ほぼ完全に内容が頭に入っていう状態です。
7回目で細部の部分まで確認できるようになる
7回目までになれば、教科書の重要部分以外の細部に至るまで理解が及ぶようになっています。
頭の中で再現された内容と実際に教科書に書かれている内容を照らし合わせるように読むことで、その正確性はさらに高まることでしょう。
以下にて、読書が7回目になるとどのようなことが可能になるかについて山口さんが語ったことを記載いたします。
最後の7回目は、斜め読みのような感じでも、自分が細かい部分まで理解できていることを実感します。
しかも読むスピードをとくに変えなくても、ある部分については詳しく確認したり、ある部分については読み飛ばしたりすることが、自由自在にできるようになります。
そのレベルに到達できれば、読むスピードも1回目の5分の1程度の速さになっているので、この段階なら、300ページ前後の法学の専門書を1日7冊ぐらいは読めてしまいます。
7回読み勉強は本当に効果がある?メリットやデメリットをご紹介
上記にて7回読み勉強法にて起こる理解度の変化をご紹介しました。
ちなみに山口さんは幼い頃に母親がしてくれた読み聞かせのやり方にヒントを得て、この勉強法を確立したそうです。
が、7回読み勉強法にはデメリットもあるとされ、その効果を疑問視する声も上がっています。
そこで以下に7回読み勉強法のメリットやデメリットをご紹介します。
メリット①:記憶が定着しやすい
まず最初にご紹介するメリットは「記憶が定着しやすい」ということです。
ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが発見した「エビングハウスの忘却曲線」を参考にすると、人間は覚えたことを20分後に42%忘れ、1時間後には56%忘れ、9時間後には64%忘れ、2日後には72%までも忘れてしまいます。
そのため、何度も読書を繰り返すのは記憶の定着のために非常に効果的なのです。
またカナダのウォータールー大学の研究によると、1週間経てばほとんどのことを忘れてしまうものの、学習後24時間以内に10分間復習するだけで記憶率は100%に戻ることがわかってます。
さらに1週間以内に5分間復習すれば再び記憶率は100%ととなるのです。
このように学術的な面から見ても7回読み勉強法は記憶が定着しやすい勉強法と言えるのです。
メリット②:無理なく始められる
次にご紹介するメリットは「無理なく始められる」ということです。
何事もそうですが、何かを始める際に最も困難なのは「始める瞬間」です。
難しいと思った単元も始めてしまえば意外と楽に理解できた、という経験は多くの学生が持っているのではないでしょうか。
7回読み勉強法は始めるための精神的ハードルが最も低い勉強法であると言えます。
特に頭を使う必要は無く、ただ読むだけで良いためです。
しかし記憶の定着に効果があるのは上記の通り。
効果がありながらも無理なく始められるというのは7回読み勉強法の大きなメリットと言えるでしょう。
メリット③:途中でつまずきにくい
最後にご紹介するメリットは「途中でつまづきにくい」ということです。
教科書の内容を理解することを挫折してしまう主な原因の一つとして「理解が難しい単元で止まってしまう」ということが挙げられます。
その部分は実は教科書全体では重要でない可能性があるかもしれないのに、理解できない部分が出てくると「この教科書は難しい」と感じ、理解を諦めてしまうのです。
が、7回読み勉強法はとにかく読むことだけを繰り返すため、理解できないことで挫折してしまうことはありません。
「分からなかったら何度でも読み返せば良い」と挫折することなく、教科書を読み進めることができるのです。
以上が7回読み勉強法のメリットとなります。
それでは次にデメリットをご紹介します。
デメリット①:理解できているか不安になる
まず最初にご紹介するデメリットは「理解できているか不安になる」ということです。
繰り返しご紹介してきたように7回読み勉強法は理解しながら読書を進めていく勉強法ではありません。
とにかく繰り返して教科書の内容を頭に入れることを目的としています。
これは一方で自分の理解度がどれくらいであるか確認できないことを意味します。
例えば上記にて山口さんが「5回目で理解度が2割から8割に跳ね上がる」と述べていますが、その割合には個人差が発生してしまうでしょう。
「思い出せるかどうか確かめる」という理解度チェックは行うものの、理解度を確かめるために単元ごとに問題を解くことによる理解度の確認には及びません。
そのため、自分では理解していたつもりでもテストでは全く解けなかったというような事態が発生する可能性があるのです。
デメリット②:通常時よりも時間がかかる
次にご紹介するデメリットは「通常時よりも時間がかかる」ということです。
ページ数にもよりますが、1つの教科書を読むというのは丸1日はかかる作業でしょう。
それを7回行うというのは最短で1週間を有することになります。
もし各教科全てでこの勉強法を実施するのであれば何週間も時間がかかる計算となり、かえって勉強効率が落ちた、なんてことにもなりかねません。
また場合によっては4〜5回程度で教科書の内容を十分に理解できることもあり、そうなると7回読むことの意味が全く無くなって勉強時間が無駄になってしまうのです。
逆にもし内容が難しいのであれば9回でも10回でも繰り返し読む必要があり、この場合も非常に時間がかかってしまいます。
もし7回読み勉強法を実施するのであれば、これらのデメリットをしっかりと把握する必要があるでしょう。
まとめ
以上、東大法学部を首席で卒業した弁護士である山口真由さんが考案した7回読み勉強法に関して、その内容やメリット・デメリットをご紹介しました。
その効果に関しては賛否両論があるようですが、記憶の定着や勉強に対する精神的ハードルを下げるといった効果は間違いなくあります。
そのため、チャレンジしてみる価値は大いにあるでしょう。
もし今なかなか教科書の内容を理解することができずに新たな勉強法を模索しているという学生がいたらぜひ試してみて欲しいですね。
当記事が勉強の一助となれば幸いです。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。