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不登校に対応する家庭教師【各社・料金・教え方など】まとめ

不登校に対応する家庭教師【各社・料金・教え方など】まとめ

家庭教師の利用にはいくつか目的がありますが、そのひとつに「不登校のお子さんに対応する」ことがあります。
何らかの理由で、お子さんが学校に通学することから遠のいたため、ご家庭で学習支援を行うというものです。

ところが、ひとくちに家庭教師といっても通常の学習支援から難関校の受験指導、不登校のお子さん支援までさまざまなタイプがあります。
目的に合ったサービスを探すのは簡単ではないかもしれません。

また、近年では自宅を訪問しない「オンライン家庭教師」も一般的になりつつあります。
不登校支援をことさら打ち出していなくとも、場所や時間を選ばないオンライン家庭教師の活用は有効です。

この記事では、不登校のお子さんに対応する家庭教師サービスについて、ポイントを抑えながらまとめて解説します。

近年急激に増えている不登校児童生徒

2016年(平成29年度)に文部科学省が実施した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、不登校の児童生徒は小学校・中学校・高等学校全体で193,764人となっています。

さらに最近の2021年(令和3年度)の調査結果によると、小・中学校における不登校児童生徒は244,940人(前年度196,127人)で過去最多となりました。
前年度と比べ、約25%も増加しています。

全体に占める割合は小学校・高校で1.0~1.4%、中学校では4%にものぼり、決して小さくない数字です。
1,000人当たり25.7人(前年度20.5人) となり、だいたい「1クラスに1人」の計算です。

グラフをみると、10年ほど前までほぼ横ばいだったものの、小中学校とも2012年度から9年連続で増加し、近年は特に増加傾向が顕著です。
平成の初期と比べると小学生では3倍以上、中学生では倍以上にそれぞれ増加しています。

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不登校増加の原因は「いじめ」「学業不振」

不登校が増えた原因はさまざまですが、主な理由のひとつは「いじめ」です。
小・中・高等学校及び特別支援学校における2021年度のいじめの認知件数は、前年度に比べ19.0%増の615,351件で最多となりました。

これにはコロナ禍の影響もあるとされ、もともと増加していた不登校に、2020年に始まったコロナ禍がさらに追い打ちをかけたと考えられます。

また、別の理由としては、最近の制度変更による学習内容の変化があります。
2011年度以降の「脱ゆとり教育」の流れは、2020年の「新しい学習指導要領」実施以後も続きました。
学習量の削減から一転した結果、学習内容が増加し、難化しています。

当初より懸念された「うまく対応できなければついていけない子どもが増える」という見方は的中し、「学業不振」も不登校の一因となっています。

旧態依然とした教育制度が問題

学校は本来、そうした子どもを救う場のはずですが、旧態依然とした教育システムは変化する時代や社会に全く対応できていません。

むろん、学校教育を担う文科省は「新しい学習指導要領」の策定によって、学習内容を時代にそぐうものにしようと懸命にキャッチアップを試みています。
グローバル社会に対応できる人材を輩出すべく、英語や情報(プログラミング)科目の比重を高くし、アクティブラーニングや探究型授業を積極的に取り込むことで、教育内容をより実用的で豊かにする試みです。

その一方、「授業時間を増やす」「暗記・暗唱中心の教育に戻す」中心の方法では質的転換が図れず、教育が抱える諸問題を解決できないとの批判もあります。
早すぎる学習進度についていけない生徒を量産し、過度な競争のストレスやプレッシャーからいじめが頻発する結果、学校に適応できないお子さんが「不登校児童/生徒」として取り残されているのが実情です。

さらに、人材不足と労働時間超過から現場の教員が疲弊しているのも由々しき問題です。
近年、ブラック企業の問題を端緒としていわゆる「働き方改革」が進み、民間企業では労働改善が進みました。
ところが風通しが悪く、古い体質が蔓延る教育業界では長時間労働や休日出勤が慣例で、未改善のままです。

こうしたことから、学校では不登校のお子さんのサポートが思うようにできていないのです。

アメリカの「ホームスクール」文化

海外に目を向けてみるとどうでしょうか?
日本よりも不登校が少ない国は、オルタナティブ(代替的)な教育制度を取り入れている国がほとんどです。

たとえば、アメリカで不登校が少ない理由は「ホームスクール」が認められていることです。
ホームスクールとは、正規の学校教育に代わる自宅学習(ホームスクーリング)を指します。
アメリカでは義務教育課程におけるホームスクールが全州で合法化されています。

つまり、何が何でも登校することにこだわらず、学習内容が同じならホームスクールでよい、と社会全体の認知が進んでいるのです。

また、学校に通わない理由も「学校が合わないから」ではなく、「ベターな教育を受けさせるため」と積極的であるのもホームスクーリングの特徴です。

ホームスクーリングを実現する家庭教師

ホームスクーリングでは親御さん、あるいは家庭教師が学校の先生に代わって学習指導を行います。
家庭教師の特徴はマンツーマンの「1対1」で授業ができることです。
不登校という特別な事情において、学習を効率的に進められるのは強みです。

ただし、在宅で勉強できるメリットの反面、家庭教師は誰でも務まるわけではありません。
不登校の間、生徒の勉強を一手に引き受けなければならず、家庭教師の責任は大きいものです。

したがって、家庭教師は指導能力と人間性の両面で優れていることが求められます。

不登校に対応する家庭教師サービスは心強い味方!

不登校の支援に欠かせない家庭教師ですが、その選定は難しいもの。
おすすめなのは、一定の質が担保された家庭教師を紹介・派遣する「家庭教師サービス」を利用することです。
数ある家庭教師サービスの中には、不登校のお子さんに対応・特化したサービスもあります。

ただ、「不登校」という言葉の響きがあまり良くないため、否定的に捉える方もいます。
ですが、「ご家庭で自主的に教育を受ける」という意味では、前述のホームスクーリングと何ら変わりありません。

日本でも「学校が合わないから」というネガティブな理由だけでなく、「より良い教育を受けさせる」目的で”積極的不登校”を行うご家庭も増えているため、”今の時代に合った教育のカタチ”が求められています。

時代の変化で”ポジティブな不登校”へ

時代が進んで社会の認知がより積極的な受容へ変わるとともに、不登校に対応する家庭教師サービスも進歩し多様化しています。
ただし、それらのサービスは必ずしもネガティブな意味合いを含む「不登校」のワードを含んでいるとは限りません。

たとえば、高校生の年齢にあたる不登校のお子さんがいるご家庭を対象にしたコースを「高卒認定コース」と銘打つ家庭教師紹介サービスもあります。
さまざまな事情から学校に通えなくなったお子さんでも、高校に籍を置きながら高等学校卒業程度認定試験を受けられるというものです。

また、インターネット技術の進歩で「オンライン家庭教師」が最近大きな軸になっています。
もともと大学の多い都市部に集中していた家庭教師ですが、オンライン家庭教師を利用すれば全国どこにいても、自宅にいながらにして好みの授業が受けられます。

つまり、お子さんの地域に「従来型の家庭教師による不登校のためのコース」がなくとも、オンライン家庭教師があれば実質的にご希望の指導がまかなえます。

このように、ただ学校に通わないというだけでネガティブな印象をもたれていた不登校のお子さんにとっては選択肢が増え、たいへん便利で快適な時代になりました。

変化の形としては、不登校専門の家庭教師サービスがオンライン化したり、従来の家庭教師サービスが不登校コースを併設したりなど多岐にわたっています。

不登校を専門にする家庭教師サービス

以下では、不登校のお子さんに専門特化した家庭教師サービス、及びオンライン家庭教師サービスをご紹介します。

家庭教師のトライ
コース不登校生サポートコース
エリア全国
料金週1回60分 17,000円/月~(中学生の場合)
入会金・管理費あり
ポイント解説「教育プランナー・カウンセラー・専門教師」の3者が不登校のお子さんを徹底的にサポートします。現在通っている学校の進級・出席日数・内部進学試験について相談でき、お子さんが復学するきっかけをつくれます。
家庭教師のアルファ
コース不登校生のためのコース
エリア全国
料金小学生 8,800円~
中学生 11,440円~
ポイント解説深刻な悩みをもつ親御さんに向けた「学習アドバイザー」や「お客様相談室」が設置されています。
家庭教師のあすなろ
エリア全国
料金小学生・中学生・高校生
30分(1コマ)875円~
ポイント解説資格を持ったスタッフが先生やご家庭をサポートしてくれるため、不登校のお子さんでも安心して指導を受けられます。「相性ピッタリ保障」というサービスで、先生が合わなければ何度でも交代できます。交代するための費用は一切かかりません。不登校のお子さんはなかなか相性の合う先生を探すのが難しいだけに、嬉しいところです。また、主に不登校のお子さんの受け皿として開校されている「フリースクール」もあります。学習面はもちろん、規則正しい生活を送るためにさまざまなフォローをしてくれます。お子さんの復学のきっかけになるでしょう。
家庭教師のゴーイング
コースオンライン
エリア全国
料金小中学生 1コマ(30分) 1,000円
ポイント解説かつて不登校児だった経営者が自身の経験を活かし、不登校のお子さんと長年向き合うことで教育方針が生まれています。不登校のお子さんをオリジナルの教材や映像、計画帳などを効果的に用いて手厚くサポートしてくれます。学校の勉強が遅れがちな不登校のお子さんに特化した学習法です。また、学習内容だけでなく、オリジナルの計画帳でスケジュールを確認したりマインドマップなどの独自のツールを活用したりして、モチベーション維持にも取り組んでいるのが特徴です。
学研の家庭教師
コース不登校コース
エリア全国
料金時間あたり 5,170円~
ポイント解説グループの長い経験と多くの実績を生かし、不登校児童・生徒ひとりひとりに勉強とともにメンタル面や生活面をサポートし、悩み相談にも親身に応えてくれます。また、サポート校と通信制高校の両方に在籍しながら高卒資格の取得をサポートする「WILL学園」と連携しています。
TOS家庭教師センター
エリア北海道・関東・中部・近畿・九州・沖縄の一部地域
料金ベーシックコース、1コマ90分月4回の場合
入会金22,000円+27,280円~
ポイント解説不登校からの高校受験・大学受験をサポートしています。小中学校・高校の授業の補習や復学後の授業フォローを行っており、進路相談、心理カウンセリング、学習相談も充実しています。中退者・中卒者・高校の不登校生徒などのために、高等学校卒業程度認定試験の受験対策や合格プランのアドバイスを行います。
家庭教師 キズキ家学
コーススタディパートナーコース
エリア関東・関西など
料金週1回90分 28,000円/月
諸経費 8,000円/月
(週1回90分/120分、週2回90分/120分の4つから選択)
入会金あり
ポイント解説不登校から高校・大学進学や高卒認定取得などそれぞれの進路に導きます。お子さんの現在の状態や不登校になってしまった経緯などについて、無料相談でお話を伺うところから始めます。お子さんと趣味を共有してコミュニケーションを行うことで信頼関係を築きながら安心感と自信を養い、心を開くようになると「勉強や外出を一緒にやってみよう」と次のステップに誘います。コミュニケーションが苦手なお子さんでも話しやすい、20代の若手教師(研修を受けた大学生)が中心です。外出同行のオプションや、親御さん向けのカウンセリングサービスもあります。達成感の積み重ねで学習意欲を向上させ、登校再開・進級・受験など次の一歩を目指します。
オンライン家庭教師WAM
エリア全国
料金40分( 1コマ)
小学生 4,900円~
中学生 7,600円~
高校生 9,200円~
入会金あり
ポイント解説20年以上の実績を持つ「個別指導WAM」が運営するオンライン家庭教師です。双方向の対話形式で授業を進められるため、その場で質問しながら問題を解決できます。
家庭教師のノーバス
エリア関東
料金月額(90分 × 4回)
小学生 20,680円~
中学生 24,200円~
高校生 29,040円~
他に、センター登録費 22,000円(月額)
+学習サポート費 3,300円(月額)が必要
ポイント解説関東に17の個別指導塾を構える地域密着型の家庭教師サービスです。専任の学習プランナーがつき、先生とダブルでサポートしている点が特徴で、カウンセリングに基づいたカリキュラムをもとに学習を進められます。不登校の生徒の学習を適切にサポートできる教師の育成に努め、勉強面はもちろん、どんな悩みを抱えて不登校になったのかを理解し、お子さんとのコミュニケーションを重視します。温かく励まし褒め、認めることができる教師を目指しています。

気になる料金体系については、多くの家庭教師サービスでは学年や時間により細かく変動します。
また、入会金は10,000円~40,000円とサービスによって大きな幅があります。
時期によって入会金の無料キャンペーンを行っているところや、逆にオンラインだと入学金がかかるところもありますので、こまめに料金体系をチェックするとよいでしょう。

「不登校」が教育の新たなカタチになる時代

そもそも不登校が増え、こうしたサービスが求められる根本的な要因は何なのでしょうか?

20世紀の大量消費社会を鑑みると、集団一律教育は当時のニーズにマッチしていました。
翻って21世紀の今日、個々の創造性や革新性が求められる社会における教育は、必ずしも「学校」という同じ場所で一律に受ける必要のない時代に突入しつつあります。
こうしたなか、近年の不登校児童生徒の急増は、社会の要請と教育の実態が噛み合わないストレスでもがく子どもたちの心理を如実に反映していると考えられます。

時代をさらに遡ると、江戸時代は商家なら丁稚奉公、職人なら年季奉公の徒弟制度が当たり前でした。
デジタル端末やネットワーク技術の進歩によって、ひとりひとりの個性や資質に適した「教育のカスタマイズ化」に”先祖返り”しているともいえます。

新たに台頭したホームスクーリングの海外での定着は、国内にも徐々に影響を与えています。
全国に21ある不登校特例校のうち、8校が令和に入って新設され、さらに初となる中高一貫の不登校特例校の設置も決まりました。

技術の進歩を逆手に取り、むしろ学校にはふだん登校せず、インターネット通信教育を主体にする学校も現れています。
N高等学校はイギリスの教育支援団体「T4Education」が選ぶ「世界の100校」や「世界最高の学校賞イノベーション部門」に選出され、2020年から3年連続で世界トップ校に認定されています。
不登校に対する理解が進んだ結果、同校のようなオンライン学習やバーチャル技術を活用した体験型の学びは社会にも受け入れられ始めています。

これらの変化を念頭に置くと、不登校専門の家庭教師はまさにいま誕生しつつある新たな教育のカタチそのものです。
画一的な人材ではなく、高いスキルやセンスを備えた”尖った人材”や、自らの目的意識と意志をもった次世代の人材を育む土壌になることでしょう。

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まとめ

不登校専門の家庭教師サービスは料金・教え方・講師・専門カウンセラーや無料相談の有無など、お子さんへのアプローチが異なります。ひとくちに不登校専門の家庭教師サービスといっても、さまざまなバリエーションがあることがお分かり頂けたかと思います。

こうした家庭教師サービスが増えている理由には近年の不登校児童生徒の急増があります。
増え続ける不登校のお子さんに対応すべく、数十年以上の歴史を誇る学習塾や通信教育を営む大手企業から、最近成長を遂げている個人指導塾まで、ありとあらゆるカタチの家庭教師サービスが登場し、各社が独自の特色や魅力を打ち出しています。

不登校専門の家庭教師サービスが多様化した背景は、「不登校のお子さんそのもの」の多様化です。
不登校になる理由は以前のように、通っていた学校で何らかの問題があるなど、学習ペースについていけないことだけではなく、また一様でもありません。オンライン家庭教師の躍進やコロナ禍の流れもあり、積極的に登校せずマイペースで学習を進めるお子さんも増えています。同時にオンライン学習への世間の認知度が高まった結果、家庭教師サービスの対応の仕方も柔軟に変化したといえます。

したがって、多様な不登校専門の家庭教師サービスを選ぶ際には、お子さんにとってふさわしいものを見極めることが肝心です。お子さんの気持ちに寄り添って学習意欲を高めてくれる家庭教師サービスを見つけ、最もふさわしい家庭教師を紹介してもらいましょう。

公開日:2022年12月19日