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家庭教師に大学の受験対策を依頼する際の5つのポイント

家庭教師に大学の受験対策を依頼する際の5つのポイント

家庭教師に大学の受験対策を依頼するには、具体的にどんなポイントに気をつければよいのでしょうか?
この記事では、家庭教師に受験勉強を依頼する際の5つのポイントと、付随する事項についてご紹介します。

変わりゆく大学受験に向けて

近年、文部科学省の定める学習指導要領や大学入試制度、並びに中学・高校の授業内容激変しています。

入試制度の変化や受験科目といった大まかなルールや常識から、各大学の設問の傾向と対策、教科ごとの出題範囲など細かな内容に至るまで様変わりし、まさに「10年ひと昔」といえます。

かつて大学受験を経験した親御さんも多いと思いますが、すっかり過去のものとなった知識や経験は現在なかなか通用しなくなっています。

変化のうち、わかりやすい例は英語です。
国際化・グローバル化への対応をいち早く迫られる社会に必要な英語力は、従来よりも遥かに高いレベルが青少年の時点で求められています。

2020年度にはセンター試験が廃止され、新しい「大学入学共通テスト」が始まりました。
さまざまな教科の著しい「難化」が叫ばれ、議論の的となっています。

ここでも英語は難化の象徴であり、課される試験は従来の試験と似て異なるものです。
昔あった発音・アクセント、文法・並び替え問題などは見る影もありません。
そこにあるのはズラリと並んだ長文問題で、大量の文章を読みこなすだけのハードで正確な読解力が要求されます。
リスニングや英作文に加え、すでに高校入試の段階でスピーキングテストを導入する動きもあります。

したがって、「読む・書く・聴く・話す」英語四技能をバランスの良く身につけることが問われます。

新たに加わる教科「情報」

国立大受験者にとってのさらなる入試制度の変更点は、旧センター試験に比べて教科数・科目数が増えることです。
2022年1月に発表された「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度」の方針によると、大学共通テストでは“原則としてこれまでの5教科7科目に「情報」を加えた6教科8科目を課す”とされています。

新設された教科「情報」では、プログラミング・インターネット・セキュリティなどの知識が問われます。
2024年度(2025年実施)の大学入学共通テスト以降、この新制度が適用される予定です。

国立大を志望する高校1年生(2022年時点)は、未知の受験対策が必要になるでしょう。

ここで頼りになるのが、家庭教師です。

多くの家庭教師は最近大学受験を経験し、合格したばかりの大学生・大学院生です。
また、社会人の家庭教師も大学を卒業したての比較的若い家庭教師が揃っています。

豊富な指導経験や合格実績はもちろんのこと、何より家庭教師自身に近年の受験経験があり、不安に打ち勝った経験や実践的な方法を直接お子さんに教えられるのは貴重です。

大学受験の結末を左右するのは「学力」というイメージがありますが、それを支える体力や精神的な要素も大きいものです。
睡眠不足と戦い、不安やプレッシャーに押しつぶされた結果、受験当日に体調不良で実力を発揮できなかったという話はよくあります。

マイペースで無理せず、学習を継続的に計画的に実行する
大学受験は長期戦なので日々の自己管理が求められます。
したがって、家庭教師には学力向上だけでなく、不安になりがちなお子さんのメンタルケアの面でも心強い存在といえます。

昨今では、直接対面するわけではない絶妙な距離感で寄り添ってくれる【オンライン家庭教師】も人気となっています。

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大学受験対策を依頼する際の5つのポイント

以上の前提をふまえ、以下では家庭教師に大学の受験勉強を依頼する際のポイントについて紹介します。

1.進路・志望校の相談

何事もまず「目標を定める」ことが肝心です。
どこに向かうかが決まれば、最短経路が分かるため無駄うちをせず、効率的に物事を運ぶことができます。

大学受験の目標は「希望の大学に入る」ことです。
よって、第一志望~第○志望に至るまで滑り止めを含め、「〇〇になるために前期は〇〇大学〇〇学部〇〇学科を目指す。後期は…」という具合にできるだけ具体的な目標を立てます。

最近は選抜制度が多様化し、各大学によって大変込み入っています。
国公立・私立、推薦入試・AO入試・一般入試など組み合わせのパターンは多く、周到に計画を練る必要があります。

目指す進路や志望校が明確になれば、選抜方法・受験科目・出願日・試験日程などが分かり、おのずと具体的な対策がみえてきます
そうなれば、あとはやるだけです。

逆に言えば、多くのお子さんにとって、実現可能な進路・志望校を決めること自体が大変重要であり、かつ難しいものです。
高校3年生になっても具体的な志望校どころか、漠然とした進路のイメージさえみえていない生徒は少なくありません。

具体的な進路を決めるには、志望校の調査や、オープンキャンパスや学園祭など大学を実際に訪れるほか、お子さんの内面を掘り下げる自己分析も必要になるため、それなりの時間がかかるものです。

往々にして、誰もが行きたいと願う大学や学部・学科は人気のため倍率が高く、お子さんの現在の学力とはかけ離れたところにあるでしょう。
ですが、困難を達成してこそ果実に手が届くものです。

ハードルがいくら高くてもその大学を目指す気持ちがどれくらい強いかが大切です。
現役で無理なら浪人する覚悟や経済的余裕はあるか、他にもっと妥当な選択肢はないか、あれば妥協する気持ちもあるか、など論点はさまざまです。
親御さんも交えて、まず腹を割って話し合う必要があります。

何があっても動じない意志をもったうえで目標を立てれば、計画の半分は達成したようなものです。
進路や志望校のプランをひとまず家庭教師に告げ、相談しましょう。

2.スケジュールの策定

無事、お子さんの進路や志望校が決まり、家庭教師と合意したとします。
次に依頼すべきことは、受験当日までのスケジュールの策定です。

何年後であれ、その日に至るまでにお子さんがこなすべきことを月刻み・週刻み・日刻みでできるだけ細かくスケジューリングします。
その作業こそ、家庭教師の資質が最も問われるものです。

時間は膨大にあるようで案外限られています。
学校行事や年中行事、部活動やクラブ活動、滑り止めの受験、体調不良や万一のトラブルなど、現実にはいろいろなことが起きるからです。
余裕をもって具体的にスケジューリングすることでそれらが可視化され、本人の奮起を促します。

また、この作業には現在地点を把握するための正確な学力診断が欠かせません
お子さんが最近受けた模試の結果を見せるか、口頭試問か、簡単な試験を行うか、やり方は家庭教師によってさまざまですが、現在の実力を把握してもらいましょう。

決めた志望校の合格に必要な合格点や偏差値から、現在の学力を差し引けば、各教科に必要な学習スケジュールが決まります。
あとは当日までの残り日数で割ると、1日あたりどれくらいの勉強量が必要で、何時間勉強すればよいかがクリアになります。

実は、目標が高すぎて現実的でない場合、この時点ですでに合否結果がわかります。
たとえば、志望校合格には1日最低4時間の勉強が必要だと分かったのに、生徒が「部活と両立したい」と考えていてどうしても1日2時間しか捻出できなければ、高確率で目標に手が届かないからです。

ベテランの家庭教師であれば、過去のデータや経験から、高い信頼度でお子さんの合格率まで弾き出せるでしょう。
場合によっては、志望校の変更も必要になるため、スケジューリング作業の後で再び進路・志望校の相談に戻らなければなりません。

他方、スケジュールは流動的なものであり、その都度修正が必要です。
一方では定期的に学習を進めつつも、スケジュール調整や柔軟な志望校変更の判断が家庭教師には要求されるでしょう。

3.得意教科・苦手教科など教科ごとの対応

希望進路や志望校のほかに、家庭教師にとって大事な情報はお子さんが「何が得意で何が苦手か」です。

ひと昔まえであれば、「苦手教科の克服」というキーワードがありました。
今でももちろん大事ではありますが、最近では少子化や入試制度の変化もあり、大学や学部によっては受験に必要な教科数は減少傾向にあります。
また、国公立に比べ、私立は教科数が少ないものです。

克服できる程度であれば別ですが、程度がひどい場合、苦手克服はたいてい時間がかかるものです。
苦手教科を受験しなくてもすむ(あるいは、配点が低い)のであれば、大切な時間の節約になります。

逆に、人に負けない得意教科がある場合、それだけで勝負する選択肢もあります。
よくある例は、英語の配点が高い大学や学部・学科を選べば、実質「英語の勉強」だけで済むケースです。
何より、大学入学後は得意分野・好きなことを存分に学ぶわけなので、苦手教科の克服ばかりにエネルギーを費やすのは得策ではありません。

4.自学・自習習慣の定着

いくら優秀な家庭教師がついて、いくら実績のある学習塾に通っても、最終的にはお子さんが1人の時間にどれだけ自学自習できたかが明暗をわけます

受験勉強は結局、自分との戦いです。
誰にも見られていない時間帯に、どれだけ疲れていても、強い意志を持って難しい問題に立ち向かわなければなりません。
歯が立たないと感じたら焦らず、理解できるところまであと戻りをしてコツコツ進めなければなりません。

これらを日々行うには、強固な気持ちをもって叶えたい目標をイメージし、達成するために実現可能なスケジュールを立てることです。
ただ、学習量が多すぎたり少なすぎたり、本人のポテンシャルを著しく超えている場合、スケジューリングを行った家庭教師の問題です。

「何のために日々つらい思いをして勉強に打ち込むのか」を本人が腹落ちしていない限り、ゴールはいつまでもみえてきません。
よって、動機づけとともに、大切な「自学自習の習慣化」を家庭教師に頼む必要があります。
気分転換の仕方や息抜きの方法など、自学自習を無理なく続けるコツも教えてもらいましょう。

5.良き理解者になってもらう

家庭教師がお子さんにとって心理的な味方になってもらえれば言うことはありません。
相談役であり、理解者であり、応援団である存在です。

人間の心理はときに理性を超越した面があります。
辛い困難でも、心から応援してくれる人がいれば達成できる、不思議な力を秘めているものです。

マラソンにたとえると伴走者のイメージです。
集団スポーツでも個々の能力が高いチームより、平均的な能力をもつチームワークの優れたチームが勝ることがあります。
「実力以上のものを発揮した」と言われるのは、まさにそうしたケースです。
サッカーのワールドカップで日本代表が強豪ドイツを打ち負かした勝利も、つねに選手の気持ちを慮る監督の存在が大きいと言われています。

この意味で受験はメンタルスポーツに似ています。
スポーツと捉えれば、良きコーチやトレーナーの存在が好成績に結びつくのは明らかです。

本番が近づくにつれ、お子さんもプレッシャーがかかります
不安や懸念が上回ると集中力が下がり、ルーティンの学習に身が入らず、本番で実力を発揮することが難しくなります。
家庭教師には学習面だけでなく、心理面でも良きサポーターになってもらいましょう。

【学年別】大学受験で依頼するポイント

以下では、学年別に大学受験で依頼するポイントについて解説します。

高校1年生の場合

高校生活の新たなスタートとなる大事な学年であると同時に、大学受験を目指すスタート地点です。
ほとんどの高校生は中学受験、あるいは高校受験を間近に経験したばかりです。
精神的な落ち着きを見せるとともに、好奇心旺盛でモチベーションにムラがある時期でもあります。

学習内容は中学校とガラリと変わり、全ての教科で質も量も大きく上がります。
中学校までは全く問題なかったようにみえるお子さんも自信を失うことがあります。

したがって、中学校までとは気持ちを切り替え、日々の予習・復習をきちんとこなすことが大事です。

部活動やクラブ活動との両立を図る場合は、計画性がより重要になります。
家庭教師に依頼すべきことは、学習の動機づけです。
お子さん本人が納得いく学習・生活スタイルを確立してもらうのが先決です。

また、大きな分岐点は文系・理系の選択です。
お子さんの能力・特性・性格をよく見極めたうえで、家庭教師にアドバイスを仰ぎましょう。

高校2年生の場合

高校生活で幸先の良いスタートを切れたお子さんも、モチベーションが徐々に低下する”中だるみ”が問題になってきます。

目標を見失いがちなこの時期には、小刻みな目標をもたせることがカギです。
よって、家庭教師には「中だるみしない目標設定」を依頼します。

学習面の充実とともに、下半期には卒業後の進路や志望校など、本格的な進路相談をお願いしましょう。
志望校や偏差値、合格者の情報など知りたいことがあればどんどん質問しましょう。

高校3年生(受験生)の場合

受験本番の年に最も重要なことは、「進路を見定めて志望校を決定し、気持ちを固める」ことです。
志望校のすり合わせなど、親子間のコミュニケーションを密にしたうえでの早めの決断が効率的な学習をもたらします。

学習に関しては、進め方や具体的内容、学習のペースメーカーになってもらいましょう。
そして、基礎固めの後に応用問題や過去問対策になるべく早く入れるよう、家庭教師に現実的なスケジューリングを依頼しましょう。

学習塾との併用のポイント

家庭教師と一般の学習塾を併用するご家庭もあります。
それぞれの特性はどんなところでしょうか。

たとえば、学習塾は進学実績に優れ、課題の量・質ともに高く、主要教科の基礎を最短で身につける目的にかなっています。
反面、個々の生徒に対して学びを”カスタマイズ”することには限界があります。
問題解説はいわゆる良問や典型的な難問、頻出問題に対してのみ行われ、お子さんの苦手教科や志望校の過去問が取り上げられることはほとんどありません。
一方、家庭教師ならお子さんの志望校に特化した対策を行ってくれます。

塾と家庭教師の併用について詳しくは以下の記事をご覧ください。

こんなお子さんは家庭教師向き?

家庭教師の強みは・・・

  1. お子さんの学習目的に特化
  2. 基本の習得のみならず、アドバンスな問題の明快な解き方や攻略法
  3. 志望校の過去問対策まで幅広くカバーできる

仮にお子さんが、多くの生徒が躓きやすい数学や英語が得意で、国語・理科・社会の特定の科目(古文・物理・日本史など)、さらにマイナーな単元が足を引っ張っているとします。
この場合、満遍なく平均点を上げる典型的な塾よりも、家庭教師のピンポイントな指導が効果的でしょう。

どのようなお子さんも、長所短所はたいてい偏っているものです。
特に高校生にもなれば、誰しも得意教科・苦手教科がはっきりしています。
入試制度の多様化で対策法も千差万別であるため、塾の講師やチューターと比べても、マンツーマンに特化した家庭教師は優れているといえます。

家庭教師と塾を賢く使い分けましょう

なんといっても、家庭教師は「マイペースで指導を受けられる」のがメリットです。
塾の学習ペースは往々にして非常に早く、ついていけなかったり、逆に知っていることを延々と繰り返したりと、時間の無駄になることがあります。

完全個別指導の家庭教師なら授業をイチから聞く必要はなく、自分の疑問をピンポイントで質問でき時間の無駄を省けます。
また、曜日と時間帯を自由に設定できるため、体調不良や急な用事で都合が悪い時も授業を休むことがなく、コンスタントに指導を受けられます。

進路相談についても同様です。
学習指導に定評のある塾は過去数十年分にもわたる受験情報を有し、傾向と対策をしっかり把握したうえで、データと経験に基づいたきめ細かい指導を展開します。

一方、家庭教師はひとりひとりへの手厚い進路指導や志望校の選定について、お子さんの悩みにじっくり時間をかけて親身に答えてくれます。
また、志望校の変更など急な心変わりやアクシデントにも対処できます。

忙しいお子さんは自分のライフスタイルに合わせて塾と家庭教師を使い分けることで、両者の長所を存分に活用できるでしょう。

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まとめ

家庭教師に大学の受験対策を依頼する際の5つのポイントをご紹介しました。
年々続く少子化から「大学全入時代」という言葉もありますが、あくまで「えり好みさえしなければ、どこかには入れる」という意味に過ぎません。人気の国立大学や有名私立大学、医学部受験は楽になるどころではありません。

競争が激化する大学受験において家庭教師に依頼すべきことは、進路・志望校の相談、スケジュール策定、教科ごとの対応、そして自習習慣の定着です。また、学習塾との使い分けも効果的です。学習面のいっそうの充実とともに、不安がつきまとう受験本番に向けて、何よりお子さんの良き理解者になってもらいましょう。

公開日:2022年12月13日