中学・高校生の皆さんは、毎日忙しく過ごしていることでしょう。
皆さんは、日々学校でこなさなければならないことが多くあるのではないでしょうか。
そればかりか、人間関係においても、人生で初めて遭遇する出来事もあり、戸惑うこともあるでしょう。
でも安心してください。
そうしたことは、決してあなた一人だけの特別な悩みではありません。
この世の中のほとんどの大人たちが、思春期の一時期、同じような思いを抱いてきたのです。
ここでは、中学・高校生の皆さんが抱きがちな、よくある悩みの解決策の一例を提案したいと思います。
もし、この記事を読んだ人の中で、少しでも参考なったという人がいたならば嬉しいです。
ついつい他人と比べてしまう自分がイヤ
中学生・高校生になって、急に他人からどう思われているのかが気になって仕方がない…なんて思ったことはありませんか。
それもそのはず、中学・高校生くらいの「思春期」は、急激に子供から大人へと成長する時期。
小学校高学年あたりから始まる第二次性徴期は、体つきだけでなく、心も大きく成長する時期なのです。
思春期の人たちがそれ以前の子供と大きく異なるのは、自分の周囲を客観視できるようになることです。
そのため、思春期の渦中にいる皆さんは、他人と自分を比較してしまったり、自分が他人からどう思われているのかが、気になってしまうものなのです。
他人の良い点や他人の持っているものに関心が向き、自分に足りない、劣っている点ばかりに目が行きがちなのは、思春期の若者の特徴と言えます。
長い人生の中でも、特に10代の「思春期」は、自分に自信がなくなり、自己肯定感が低くなる時期かもしれません。
自己肯定感は、「自分が自分のままでいていい」「今の自分が好き」「生まれてきてよかった」と思える気持ちのことをいいます。
ありのままの「自分」を認めて好きになることです。
そのためには、自分の好きなことや得意なことに、しっかりと打ち込んで結果を出すということが自信につながるでしょう。
学校の部活動や勉強・趣味などに、一生懸命取り組むことはとても良いことです。
たとえ思うような結果が出なかったとしても、自分の力の限り頑張ったという経験は、これからの人生を生きていくうえで、それだけでも大きな財産となります。
もちろん、「こんなに頑張った」という自信にもなるのです。
また、そんな風に悩んでいるのは、あなた一人だけではありません。
周りにいる友人たちも、同じように悩んでいるかもしれませんよ。
もしも心を許せる友人がいるならば、その気持ちを打ち明けてみてはいかがでしょうか。
お互いの悩みを共有するなかで、相手の力になるという経験ができたならば、一つの大きな自信になることでしょう。
もちろん、友人だけでなく家族にその気持ちを打ち明けてみてもいいかもしれませんね。
クラスメイトや友達とうまくいかない…
小学校時代と比べると友人関係もまた、中学校からは大きく変わってくるでしょう。
実際に、中学校になるといじめの件数も増えるというデータもあるようです。
思春期は、自分と他人を比較しながら「自分」というものに気づくことができるようになる時期です。
けれども、自分を十分に理解して表現するだけの力はないので、どうしても人間関係を築くときには「みんな同じ」ということが基盤とされてしまいます。
すると、集団の中で、何か他人と異なる部分を見つけられた人は、簡単にその集団から排除されてしまうということが起こりがちなのです。
そんな風に誰かひとりが排除されると、その中にいる人たちは、自分が排除されるのが怖くて、より一層凝集性が強まり、同質性が高まっていくことになってしまいます。
高校生くらいになれば、だんだんと「みんなと同じ」ということに息苦しさを感じるようになるようになるでしょう。
他人を排除したところで、何のメリットもないということがわかってくるので、いじめのようなものは減ります。
そして、それぞれが自己を確立する中で、少しずつお互いを尊重することができるようになる時期になります。
この時期に「真の友人」と呼べるような、かけがえのない親友を得ることができる人もいるでしょう。
真の友人とは、自分の意見をきちんと伝えられる人のこと、そして伝えられた意見に対しても、思いやりを持った返答ができる人です。
そのためには、相手を尊重する姿勢があることが重要です。
異なる意見を交換しながらも、互いを理解しあえる、他人と自分との違いを認め合えることができるようになることが大切です。
高校生から大学生にかけての「青年期」には、このような関係性を持つことができるようになるでしょう。
とはいえ、万が一「みんなと同じ」ということに違和感を覚えて、友人から仲間外れにされてしまったときは、どうすればいいのでしょうか?
友人とうまくいかない状況に陥ってしまったときは、たとえば学校以外で経験を深めていくのも一つの方法かもしれません。
地域のボランティアや、スポーツ活動に参加してみてもいいでしょう。
そのほかにも、好きな本を読む、映画を観るなどといった手軽にできることでも、自分にとって居心地の良い場所を見つけられます。
そしてそうしたことが、未来の希望につながるきっかけになることもあるかもしれませんよ。
世界は考えているよりもずっと広く、世の中には様々な人々がいます。
学校という狭い空間にとどまらず、広い世界へと足を踏み入れてみると視野が広がるでしょう。
もしもあなたが今、クラスや友人から仲間外れにされているとしたら、あなたはひょっとして周りより少し大人なのかもしれませんね。
高校生や大学生になれば、周りの友人の心も成長し、あなたの精神年齢に追いついてくるでしょう。
今だけ、すこしだけ辛抱していれば、きっとすぐにお互いに理解し合えるような友人に出会うことができるかもしれません。
また、それでも本当に苦しい時は、無理に友人をつくらなくても何とかなるということもあります。
我慢して周囲に自分を合わせるのではなく、自分自身が本当はどうありたいか、どうなりたいかという視点を持てたらいいかもしれませんね。
先輩・後輩との関係に悩んでいます。
中学・高校生は、部活動やクラブ活動での人間関係も複雑になってくるでしょう。
部活動の人間関係は、クラスメイトとの関係以上に、学校生活において大きなウェイトを占めることになります。
先輩・後輩との人間関係が難しいと感じている人もいるかもしれませんね。
そこでここでは、部活動などの組織の中で、上下の人間関係を円滑にしてゆくコツを紹介したいと思います。
部活動などの経験は、将来大人になった時に、会社や組織の中で働くときにもひょっとしたら役に立つかもしれません。
先輩と人間関係を上手に築きたい!
なんとなく「先輩」というだけで怖いと感じでしまったり、仲良くしたいけれどどう接したら良いかわからない、という人もいるかもしれませんね。
そんな時には、まずは元気よく挨拶することから始めてみてはどうでしょうか。
先輩を見かけたら、とにかく元気な声で挨拶をしましょう。
元気のいい挨拶をされれば、誰でも悪い気はしないものです。
何度か元気に挨拶を続けるうちに、「元気な後輩だな」という印象づけができれば大成功です。
また、素直にできないことや難しいと思っていることを、先輩たちに相談してみてはどうでしょうか。
その相談に対する答えやアドバイスを素直に聞き、すぐに実践してみるところを見せれば、先輩も自分が受け入れられたことを感じ、心を開いてくれるでしょう。
組織の中でやるべきことをきちんとやったうえで、先輩たちに積極的に話しかけてみてください。
先輩たちも、本音では後輩に頼られたい、仲良くしたいときっと思っているはずです。
後輩とのうまい付き合い方は?
先輩との関係を築くことと同じように、後輩との関係に悩んでいる人もいるかもしれませんね。
自分の方が先輩だから、後輩はいつも言うことを聞くべきだと考えている人はいませんか?
先輩後輩の関係は、年齢で自動的に「そのようにすべきもの」と決めつけてしまうものではありません。
後輩も一人の人間です。
お互いを認め合いながら、部活動や組織として、一緒に目標へと向かっていくことが大切です。
そのためには、先輩であるあなたの方から、後輩に対する態度に少しだけ注意を払うと良いでしょう。
後輩へは、「一人の立派な人間」としての扱いを徹底するようにしましょう。
そうした態度が、後輩からの信頼を得ることにつながります。
相談事をされたときには、自分の考えを一方的に押し付けるのではなく、後輩の考えや意見をしっかりと聞きましょう。
後輩が何を考えていて、どうしたいのかということを、じっくりと向き合って聞くことが大切です。
そのなかで、同じように悩んだ自分の経験を話せば、きっと後輩から共感してもらえます。
丁寧に後輩と向き合うことで、お互いの距離を縮めることができるでしょう。
憧れの好きな人がいます。どうすればいい?
学校生活の中で、同じクラスや部活動、様々な活動を通じて、なんとなく気になる異性が現れることも、中学高校生ではよくあることです。
憧れの人と、何とか仲良くなれるような方法はあるのでしょうか?
先輩後輩関係で紹介したように、この場合も、まずは目が合ったときに、笑顔で挨拶することから始めてみてはどうでしょうか。
まずは憧れの人の生活の中に、あなたの存在を印象づけていくことから始めましょう。
心理学で「メラビアンの法則」というものがあるのを知っていますか?
これは、人とのコミュニケーションの中で、「何を話したか」よりも「その人の見た目や体の動き、表情、視線」や「声色、話す速さや大きさ・スピード」などの方が重要であるという法則です。
相手に与える印象を決定づけるのは、コミュニケーションのうち、視覚からの情報で55%、聴覚からの情報で38%もの割合を占めています。
言葉そのものの意味や会話の内容が印象づける割合はたったの7%だけなのです。
そのため、感情を伝えるコミュニケーションにおいては、「人は見た目が9割」と言われています。
まずは笑顔や声のトーン、仕草などに気をつけて、相手に良い印象を与えられるといいですね。
他にも、あなたの存在を印象付ける方法としては、何かに一生懸命頑張っている姿を見せるということも良いのではないでしょうか。
運動が得意な人は、体育祭や球技大会を一生懸命取り組んでみたり、部活動で一生懸命練習に励んでみたり、もちろん勉強が得意な人は、一生懸命勉強することもいいですね。
人が何かに夢中になっている姿は、時に周りの人の心を動かすことがあります。
何かにひたむきに取り組むあなたの姿は、きっととても魅力的に映ることでしょう。
気をつけなければならないことは、世間は意外と狭く、良い評判も悪い評判も、あなたの評判は巡り巡って好きな人に伝わることがあるということです。
普段から友達のことを大切にしていて、優しい人であれば、周りの人の評判も良く、好きな人へも良い評判が伝わるでしょう。
普段から自分のまわりの人に対して、優しくすることや丁寧に接することを心掛けてみましょう。
人間関係に疲れた時のストレス解消法
「気がつくと悩んでばかり…」「気分が晴れなくて鬱々としているけれど病院へ行くほどではないし…」などと感じている時には、自分でストレス解消をする方法もあります。
もしも「心が疲れている」と感じた時には、基本的に無理をしないことが大切です。
まずは、生活習慣を整えてから、十分に睡眠をとるなどしてゆっくり休むようにしましょう。
そのほかにも、ストレスや不安を軽減するためにできることはいくつかありますので、それらを次に紹介したいと思います。
適度に身体を動かして、体と心をリフレッシュ
年齢に関係なく、運動不足は健康に悪いだけでなく、精神的にも良くありません。
体と心をリフレッシュするためには、適度な運動をすることが良いでしょう。
軽いランニングやサイクリングなどの有酸素運動なら、手軽に始めることができます。
こうした軽い運動を日々継続して行うと良いでしょう。
部活動やクラブなどとは関係なく、休みの日に緑の多い公園を散歩したり、好きなスポーツをすることも大いに気分転換になります。
こうした軽い運動は、ストレス解消になるだけでなく、うつ病の発生リスクを抑える効果があるとも言われているためおすすめです。
自分の気持ちを書き出して心の整理をする
なんとなく気分が落ち込んでいる時や、わけもなくイライラしてしまう時など、どうしようもなく心が辛くなるときもあるでしょう。
そんな時には、今感じていることを紙に書き出してみるといいですよ。
誰かに見せるためのものではないので、丁寧に文章を書く必要はありません。
もしも文章が苦手なら、イラストや意味のない落書きでもかまわないので、まずは描いてみることをおすすめします。
この作業は、とにかく手を動かして紙に書き出すことに意味があるのです。
紙でなく、スマートフォンのメモに入力しても構いません。
このように、感情を何かに書き出すことの効果としては、感情に距離を置くことができ、焦りや不安が和ぐことがあげられます。
今の自分の悩みや、表現できない感情から少しだけ距離を置いて、客観的に自分と自分の悩みについて見ることができるようになるのです。
客観的に冷静に考えられるようになることで、悩みの渦中にいる時には気づかなかった解決策や選択肢を見つけることができるかもしれません。
ゆったりとした呼吸で自律神経を整える
強い不安や焦りを感じて心が辛くなったときには、大きく深呼吸することがおすすめです。
そして、呼吸を深くゆっくりとするように意識をしてみましょう。
不安や緊張を強く感じた時に、人間の呼吸は浅くなります。
こうした緊張時には、交感神経が優位の状態になるため、疲れを感じやすくなったりします。
また、疲労が溜まると気分も落ち込んでしまうのです。
不安や緊張を感じた時には、腹式呼吸をして自律神経の乱れを整えてみましょう。
口から息をゆっくりと吸いこみ、3つ数えながらゆっくり吐き出します。
次に鼻から3秒ぐらいかけて吸ってみて、その後同じようにゆっくりと息を吐き出します。
この呼吸を5分から10分ぐらい続けてみましょう。
このとき大切なことは、お腹を膨らませるようなイメージで呼吸することと、お腹に意識を集中するようにしてみることです。
意識的にゆっくりと大きく呼吸することで、自律神経を整えてみましょう。
未来の自分を想像して前向きに考える
不安や悩みがあるときには、どうしても自分の欠点や弱点に目が行きがちです。
けれども、自分では気づかない長所やできていることなどもきっとたくさんあります。
自分の長所やいい点に目を向けてそれらを伸ばすことを考えてみてください。
どうしても欠点や弱点が気になってしまう時には、弱点や欠点を克服した理想の自分をイメージしてみましょう。
このような小さな一歩でも、踏み出すことができれば大きな自信につなげることができますよ。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。