内申点の基礎知識

今さら聞けない【内申点】の基礎知識。北海道は計算方法が違う?

内申点とは

内申点というのは、内申書に記載された評定合計のことです。
たとえば、神奈川県を例にとってみます。

神奈川県の例

神奈川県では、3学期制の場合、2年3学期の評点と、3年2学期の評点が内申書に記載されます。
2年3学期の評点はそのまま1倍ですが、3年2学期の評点は2倍計算になります。

つまり、オール5であった場合、2年3学期の5×9教科で45点、3年2学期の5×9教科を2倍して90点、合計で135点がマックスの内申点となります。

各都道府県で計算方法が違う

計算機この内申点の計算方法は、各都道府県によって異なります。
それぞれの計算方法で出された内申点を、換算内申点と呼びます。

同じ関東圏でも、千葉や埼玉は、1~3年の評点が加味されます。
一方で、東京は3年のみです。

北海道は千葉や埼玉と同じく、1~3年が内申点の対象となります。

学年全部の成績が実質的に加味される

神奈川県の場合、2年の3学期の内申点は、1学期、2学期の総合で出されます。
そのため、3学期だけ頑張れば良い、というものではありません。

3年の2学期も同様で、3年の1学期の成績も考慮されます。
神奈川県では、2年生と3年生は1学期からずっと頑張る必要があります。

東京の例

東京の場合は、特に実技科目が2倍になるのが重要です。
そのため、オール5の内申点は65になります。

たとえば、3年2学期の評点が主要5科目がオール4、実技科目がオール5であった場合、内申点は60点になります。
一方で、主要5科目がオール5、実技がオール4であった場合、57点になります。

神奈川県であれば、主要5科目と実技で倍数の差はないですから、後者のほうが内申が高くなります。
しかし、東京では逆の結果になるわけです。

一般的には、5の数の多いほうが、特に実技よりも主要5科目が5のほうが内申点が高くなりそうな印象が持たれます。
しかし東京都ではそのイメージとは異なる換算がなされるので注意がいります。

このように、同じ評点でも、都道府県ごとの換算によって評価が異なるのが特徴です。

北海道の例

ポイントを示す男性では北海道ではどのような換算で内申点が出されているのでしょうか。

北海道は、他の都道府県と比べても特に厳しく、変わった換算をしているといって良いです。
具体的には以下のようになります。

1年末の評点を2倍、2年末の評点を2倍、3年末の評点を3倍にして、その合計が内申点となります。
オール5の場合、1年45点を2倍、2年45点を2倍、3年45点を3倍となりますから、合計で315点です。

この内申点について、点数域ごとにランクが分かれています。
内申点そのものよりも、どのランクにいるかを生徒どうし、親どうしで話すケースも多いです。

  • ランクA:内申点315~296
  • ランクB:内申点295~276
  • ランクC:内申点275~256
  • ランクD:内申点255~236
  • ランクE:内申点235~216
  • ランクF:内申点215~196
  • ランクG:内申点195~176
  • ランクH :内申点175~156
  • ランクI:内申点155~136
  • ランクJ:内申点135~116
  • ランクK:内申点115~96
  • ランクL:内申点95~76
  • ランクM:内申点75~63
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内申の考慮比率は各都道府県で異なる

このように、内申にはランクがあって、これによって受ける高校を決める、あるいは先生から提案されるケースがよくあります。

ただし、実際の入試で内申がどれくらい考慮されるのかは、やはり各都道府県、さらには受ける高校によって異なります。

神奈川の例

たとえば神奈川では、内申、学力検査のほかに、面接がついてきます。
それぞれの考慮比率は、受ける高校により異なります。

横浜翠嵐高校

神奈川県の公立高校で偏差値トップの横浜翠嵐高校では、内申点2:学力検査6:面接2となっています。
当日の面接と同等の比率しか内申点は考慮されません。

神奈川の他の高校と比べても最も学力検査に対する比率が高く、内申点の比率が低い高校です。
後述する北海道で偏差値№1の札幌南のように、偏差値が高く進学実績の良い高校は、概して内申点よりも学力検査の成績を重視する傾向があります。

入試は試験一発勝負が合理的

試験会場確かに大学入試において最もポピュラーでベーシックな一般入試においては、当日の筆記試験一発で決まります。
もちろん、高校の成績は全く考慮されません。
成績が一番下でも、当日の試験さえできれば合格できます。

このことから考えれば、むしろ公立高校でも学力検査重視は当然の帰結だといえます。
もっといえば、大学入試と同じように、推薦以外では学力検査のみで合否を決めるのが妥当だと考えられます。

大学入試と異なりなぜ高校でだけ内申を考慮するのか、その合理的な理由を説明できる人はいないからです。

高校の試験を迎える頃には、内申はもはや過去の出来事に過ぎません。
心を入れ替えて勉強に励み、その高校に合格できるだけの学力を備えているのに、罪を犯したわけでもない過去のことで不合格になるのが不合理であることは確かです。

また、心機一転勉強に励み、トップの高校に入りたいという意欲を持っている人が、内申を理由にあきらめざるを得ないのだとしたら、これもまた当然に不条理です。

今後、試験制度が変わることは大いにありえますが、今のところ、たとえ不合理でも決まりですからここは一歩大人になって、自分の行きたい高校がどのような傾向で内申や学力検査を判断するのか、調べたうえで対策をする必要があります。

横浜翠嵐以外は内申の配点が高い

神奈川だと、横浜翠嵐高校のような学力検査を大きく重視しているのは一校だけです。
最も多いのが、内申点4:学力検査4:面接2という、内申点と学力検査を平等に考慮する比率です。

北海道の例

パーセンテージ北海道でいうと、まず定員の70%が学力点(当日の試験の点数)と内申点が平等(5:5)にみられて決まります。

次に定員の15%が学力点を重視して決まります。
最後に定員の15%が内申点を重視して決まります。

北海道ではどこの公立高校を受けても、定員70%の平等評価は変わりません。
しかし、残りの学力点重視や内申点重視といった裁量判定は、15%ずつという枠は変わらないものの、重視の度合いが変わってきます。

札幌南高校

北海道のなかでトップの高校といえば、札幌南を挙げる人が多いです。
平成31年度の合格実績(※)をみてみると、東大が14名、京大が8名、大阪大が16名、早稲田が19名、慶應が5名となっています(全て現役の数値)。

※参考:北海道札幌南高等学校 平成31年度入試入試結果報告

この札幌南を例に取り、どのような裁量判定をしているのかなどみていきます。

札幌南でももちろん、70%は学力点、内申点が5:5で判定されます。

■札幌南に必要な学力点

ここでどのくらいの学力点がいるかというと、2019年度入試において、札幌南の合格者平均SSランクは70です(※)。

※参考:北海道学力コンクール 2019年度入試 合格者 平均SSランキング

SSランクというのは、北海道の知らない人はいない模試「道コン」で出される偏差値です。

SS70は268点です(※)。
学力点は満点が300点ですから、かなりの高い数値だと分かります。

※参考:北海道学力コンクール事務局 道コンSS・入試当日点換算表

■札幌南に必要な内申点

当日にこれだけの学力を持っている生徒は、多くの場合、内申点も高い傾向があります。

その証拠に、2019年度の道コン総合資料(※)をみてみると、札幌南の志望者の平均内申ランクはAとなっています。
具体的には内申300点です。

※参考:2019年度 道コン 総合資料 第4回道コン 中3総合資料データ

■平均点以上を取れる高校を選ぶ

このことから、上記70%の定員枠に入るためには、学力点で268点を取り、内申ランクがAであると、ある程度余裕を持てると推定できます。

もちろん、これ以下の学力点や内申ランクでも受かる可能性はありますが(後掲の参考資料「2019年度公立高校入試予想最低点」によると、内申ランクAで学力点255、内申ランクB~Dで学力点258と出ています)、下位であることは間違いありません。

ギリギリのラインで合否を争わなければならず、仮に受かったとしても自分よりレベルの高い人ばかりのなかで、授業についていくのがやっと、という状況に追い込まれます。

なるべく平均以上の学力点、内申ランクで受かることが大事であり、その可能性が高い高校選びをするのが現実的です。

■札幌南の学力点重視枠は究極

次に、札幌南の裁量判定である学力点重視(定員の15%)をみてみます。
札幌南の学力点重視枠は、なんといっても10:0なのが特徴です(※)。

※参考:北海道学力コンクール事務局 2019年度公立高校入試予想最低点

内申点は全く考慮されません。
とにかく学力点が高ければ合格できます。
平均が268点と推測できることは既に述べた通りです。

であれば、それ以上の学力点が求められます。
道コンSS71以上が必要です。
ただ、これだけのSSを叩きだせる人は、やはり内申点も高い傾向があります。

実際のところ、内申ランクCやDの人が当日頑張っても、中学1年生の頃から頑張ってきた内申ランクAの人に、学力点のみの評価でさえ優位に立つのは難しいです。

もちろん、本人のやる気や、それに答える塾などのサポートで、下克上を起こしうるのが、この学力点重視の魅力です。

・内申が低い人も学力のみで勝負できる

特に札幌南は10:0ですから、内申で遅れを取っている人が、そのリスクを取っ払って勝負できる枠だといえます。
他の高校、たとえば札幌南と同じように、偏差値トップクラスで知られる札幌北だと9:1、札幌東だと8:2です。

もはや学力点「重視」を超えて学力点のみ、というのが分かりやすく、合否についても納得できます。
仮に学力点が良いのに落とされた場合、9:1だと、1の内申点で落とされたのか、と納得せざるを得ません。

札幌南では、この留保がないので、清々しく学力のみでの勝負が可能です。
本当に優秀な生徒が集まり、公立高校では図抜けた東大合格者を出しているのは、このような入学者選抜に対する学校の姿勢にあるとも考えられます。

■札幌南の内申点重視は最小限

学力点重視の15%についてもはや重視の範囲を超えたオンリーな評価をする一方で、内申点重視の15%については、最小限の6:4としているのがまた特徴です。

内申点重視といっても、学力点重視とは比べ物にならないほどに重視の度合いが少ないです。
内申点重視枠でも、限りなく合格者平均の学力点(268点)近く獲らなければ、合格は難しいです。

特に札幌南ではそもそも出願している人の多くが内申ランクAのため、内申点での差がつきにくいです。
そのため、道コンではSS70以上を取れる実力をつけるとともに、当日はケアレスミスをなるべくせずに、実力を発揮することが必要です。

これは、内申点重視枠であっても変わりはないということです。

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内申点についてまとめ

今回は内申点について、特に各都道府県ごとの計算方法の違いについてみてきました。
なかでも北海道は複雑です。

1~3年の全ての内申が考慮される一方で、各高校の裁量判定では学力重視枠があり、それであれば内申の遅れを最小限、もしくは札幌南のように無にすることもできます。

ともあれ、内申の高い子は概して学力検査の点数も高い傾向があり、高い内申を取っておくに越したことはない、このスタンスはどこの都道府県、志望校でも共通といえます。

この記事を監修した人

監修者の画像
チーム個別指導塾「大成会」
代表:池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。

学習相談、体験学習などいつでも受け付けております!

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