北海道では特に地方や道外から進学してきた学生の場合は下宿を行う必要があります。
そこで検討しなければならないのが「学生マンションにするか学生寮にするか、もしくはその他の形式で住まいを借りるか」という事です。
本記事では学生マンションを取り上げて、そのメリットと他の賃貸との比較を掲載しています。
学生マンションを選ぶメリット
学生マンションはその名の通り「学生向けのマンション」の事です。
学生向けであることから大学が近い、もしくは大学への交通便の良い立地であることが特徴です。
また学生向けのサポート体制も充実しており安心して学生生活を送ることが可能です。
契約がしやすい仕組み
受験が終わるのは早くても秋頃、通常は3月頃です。
その時期は社会人の新生活に伴う引越しが重なることもあり非常に賃貸探しが困難です。
学生マンションにも多くの学生が押し寄せるので良い部屋を確保することは困難になります。
そのようなケースを避けるために学生マンションでは予約の可能な物件が用意されています。
学生マンションの合格発表前予約についてはユニライフやナジックなどの大手サービスでは特設ページも用意されているので分かりやすいのではないでしょうか。
予約サービスを利用すると合格発表の前に部屋を確保する事が可能で、入居までの家賃も不要である事がポイントです。
予約サービスを利用して確保した部屋はキャンセルや変更も無料ですので、併願先の学生マンションを仮押さえしておく事も可能です。
ただしキャンセル手続きはインターネット上ではなく来店での手続きとなるので注意が必要です。
基本的には同じ大学の仲間が入居している
北海道は大学の数も多くないので基本的には入居者の多くは同じ大学に通う学友である場合が殆どです。
授業や就職についての情報交換が出来たり一緒に勉強したりすることも可能で、よくある「近隣住民との交流が希薄になる」という事態が少なくなります。
中には近隣住民とのコミュニケーションは不要だと言う意見を持っている方も居られるかと思いますが、近隣住民も同じ大学に通う学生であるならば気の合う友達も出来るのではないでしょうか。
気軽に相談ができる相手が身近に居る事も学生生活を安心して送ることの出来る重要な要素です。
学校生活を送る上でのサポートも充実している
学生マンションは単に学生向けのマンションを提供しているだけではなく、学校生活を快適に送ることのできるサポートが充実しています。
家具やインターネットが既に備え付けてあったりオートロックが標準装備であることで既に価値がありますが、学生マンションならではの魅力もたくさんあります。
学生マンションには学生食堂が備え付けられており、献立を考える必要がありません。
勉強にアルバイトに忙しい学生にとって自炊は負担の掛かる家事の一つです。
新生活で新しいことを始めようと自炊を始める学生は多いですが、徐々に面倒くさくなり、趣味でもない限りは続かないことが殆どです。
そのような場合でも学生食堂に申し込めば作りたてで栄養バランスの取れた食事が出来ます。
また女性専用棟や女性専用フロアが用意されている事も学生マンションの魅力の一つです。
一般的な賃貸ですと女性専用フロアが用意されている物件は殆ど見かけません。
学生マンションでは女性専用のフロアや建物が比較的一般的で、女性の方でも安心して入居することが可能です。
下宿について心配な保護者の方への説得材料ともなりうるので女性の方は特に学生マンションを検討する価値が高いです。
学生寮と学生マンションを比較
ここからは学生マンションとその他の賃貸の比較です。
ここでは学生寮(学生会館)と学生マンションを比較します。
セキュリティ
セキリュティに関しては学生マンションと同等の設備を備えている場合が多いです。
管理人が常駐している場合も多くセキュリティで比較できる部分はあまりなさそうです。
家賃
家賃に関しては学生マンションは少し高い傾向にあります。
札幌大学の例ですと北12条駅で物件を探すのであれば記事執筆時点で学生マンションは駅から徒歩1分でおよそ5万円台、学生寮で駅から徒歩5分およそ3万円台です。
学生マンションは学生生活を快適に過ごすための部屋を提供するという性格上、少し高額になってしまうようです。
学生寮は共用キッチン等で少しでも安く学生に部屋を提供するような位置づけになっています。
自由度
自由度では学生マンションが圧倒的に有利です。
学生寮には門限が存在する場合があります。
大学生になると一度は歓楽街でお酒を楽しみたいと思うときが来るでしょう。
そのような場合に学生寮では門限を気にして楽しめないというケースが学生によってはあります。
もしあなたが「夜遅くまで遊びたい」と少しでも考えるのであれば学生マンションはお勧めします。
ただし、くれぐれも学業がおろそかにならないよう節度を守るようにしましょう。
設備
設備の観点から比較すると、学生マンションの方が若干有利です。
学生寮では設備のいくつかは共用となっているケースも少なくなく、人によっては不便を感じるのではないでしょうか。
もし共用設備を気にしないのであれば学生寮でも良いですが、パーソナルスペースを確保したいのであれば学生マンションは圧倒的に有利でしょう。
「学生寮」に関しては以下の記事も合わせてご覧ください。
シェアハウスと学生マンションを比較
次はシェアハウスとの比較です。
最近は大学生でもシェアハウスが一般的となってきており、比較する価値は大いにあるでしょう。
セキュリティ
セキュリティは圧倒的に学生マンションが有利です。
シェアハウスは共用部が多い分、セキュリティ面では心配要素が残ります。
また格安の物件の家賃を複数人で割り勘するのがシェアハウスの特徴なので建物自体のセキュリティも最低限もしくは皆無に等しい場合も比較的多いです。
家賃
家賃に関しては圧倒的にシェアハウスが有利です。
一つの賃貸を複数人で割り勘するので言うまでも無いでしょう。
自由度
自由度は学生マンションが勝ります。
シェアハウスは集団生活なので友人を部屋に招くことは殆ど不可能ですし、帰宅時間にも気を配る必要があります。
パーソナルな空間を重視したい方にとっては学生マンションを検討することを強くお勧めします。
設備
設備も学生マンションが有利です。
シェアハウスでは設備も共用することも多く、洗濯機などの使用時間が重なると我慢を強いられる可能性もあります。
学生マンションでは原則ひとりに一通りの家具が与えられるので自分のペースで設備を利用することが出来ます。
リラックスするスペースを確保するためには学生マンションを利用するほかに選択肢は無いでしょう。
学生マンションを選ぶときのコツ
最後に学生マンションを選ぶときのコツを紹介します。
部屋が自分好みである、交通の便が良いなど個人差のある要素は除外していますので、自分の好みに加えて以下の項目についても検討してみて下さい。
騒音についての質問をしてみる
学生マンションは学生が入居している性格上、夜の騒音トラブルが後を絶ちません。
学生マンションを斡旋している管理会社に「騒音対策はどうしているのか」と質問をしてみましょう。
その際に「壁が分厚く音が通りにくい構造をとっている」という回答が得られるとベストですが、壁が薄く隣人の生活音が聞こえてくる物件も多く存在します。
北海道では気候の関係から殆どの物件が鉄筋コンクリート構造で窓も二重。
外の騒音は伝わりにくい構造になっていますが、内装も同様にしっかりと造られているかがチェックのポイントです。
もし部屋の構造上、音が伝わりやすいという回答であっても管理会社で早急に対処しているという回答が得られるとひとまず問題はありません。
心配であれば管理会社についての評判をSNSや口コミサイトなどで確認しておくことをおすすめします。
内見では設備が新しいか確認しておく
内見の際は様々な箇所をチェックする事になりますが、中でも設備については確認しておく必要があります。
冷蔵庫やエアコンなどの家電は耐用年数が設定されています。
耐用年数に近づいている家電があるのであれば交換してもらえないかという交渉を行うのも一つの手です。
設備が古いと家電が作動しない、水回りのトラブルが頻発するなど学生生活が円滑に進みません。
内装やデザインももちろん大切ですが、それらを重視しすぎると思わぬ時にトラブルが起こるのでしっかりと確認しましょう。
インターネットの速度を確認する
今や欠かせなくなった生活インフラのひとつ「インターネット」ですが、学生マンションの殆どでは無線LANを備えています。
ただし、回線速度が遅かったり頻繁に接続が切れるというケースも思いの外ありますので管理会社に尋ねるようにしましょう。
「入居者から無線LANについての苦情は無いか」と聞くと余程悪質な会社でも無い限りきちんと教えてくれます。
レポートの調べ物や学校の履修登録にも使用するのでインターネットについては注意深く検討する必要があります。
まとめ
北海道に進学して新生活を始める方にとって一番のネックは物件探しです。
学生に加え新社会人も不動産屋に殺到する時期を避けて、なるべく学生マンションのエージェントを利用することをお勧めします。
学生マンションを仲介している会社では学生マンションの取り置きも行っており、他の人が物件を探している間は入学準備に専念できるなどメリットは大いにあります。
シェアハウスや学生寮と比較すると若干家賃の面で不利な部分はあるものの、設備が比較的新しくパーソナル環境が確保できる、駅までのアクセスやセキュリティがしっかりとしている等安心感が得られるというメリットが大きいです。
内見や質問をすることでしっかりと物件を見分けて楽しい学生生活を始めましょう。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。