子供の将来 必要な力とは?

子供の将来に「必要な力」とは?これからの未来を考える

小学生、中学生、高校生の子供を持つ保護者は、20年後30年後の日本の社会がどのように変わるのか、不安なのではないでしょうか。
「うちの子は将来、(社会的に)生き残ることができるのだろうか」と心配ではないでしょうか。

保護者自身が生きてきたこれまでの2030年も大いなる変化がありましたが、少子化と高齢化がますます進み、地球の温暖化や自然災害がさらに深刻になると、さらに生きにくくなる恐れがあります。

そこで保護者は、自分の子供に「必要な力」を身につけさせるようにしましょう。

教育の専門家たちは、子供には「自己肯定感」と「へこたれない力」の2つの力が必要であると力説しています。
今なぜこの2つの力が子供に必要なのかを理解して、どうすればこの2つの力を身につけられるのか考えていきましょう。

なぜ未来は「生きにくい時代」になるのか

自己肯定感とへこたれない力を子供に身につけさせるには、保護者自身がこの2つの力の重要性を理解していないとなりません。

そのためには、なぜ日本が近い将来に「生きにくい社会」になるのかを押さえておく必要があるでしょう。

8つの「化」が日本を変える

文部科学省は、日本の社会を変える要因として、次の8つの「化」を挙げています。

日本を変える8つの「化」

少子化・高齢化・核家族化・情報化・都市化・国際化・多様化・希薄化

いずれも重要な課題であり、多くの分野で多くの意味を持つので、ここでは意味が散乱しないように、子供の生きにくさと関係する部分に集中して考えていきます。

少子化と高齢化と核家族化について

少子化は子供に、友達や先輩や後輩の減少をもたらします。
仲間が少なくなります。

介護高齢化は子供にとっては、負担増を意味します。
子供が将来に支えなければならない高齢者の人数が増えるからです。

核家族化は子供にとって、自分を愛してくれる人の減少を意味します。
もしくは、自分に深く関わってくれる人が減ります。

この3つの「化」は、子供たちの将来の人間関係を悪化させる可能性があります。
今の子供たちの将来の人間関係に比べたら、今の保護者のこれまでの人間関係は単純かもしれません。
これまで人間関係に苦しんできた保護者は「さらに複雑になるのか」と想像すると、いたたまれないでしょう。

情報化と都市化と国際化について

ロボットの手情報化とは、インターネットのさらなる進化とAI(人工知能)の爆発的な進化のことをいっています。
保護者の多くは、固定電話から携帯電話になったときや、そして携帯電話からスマホになったときに、自分が扱う情報の量が何十倍にもなった体験をしているはずです。

今後、それをはるかに上回る情報の洪水がやってきます。

都市化とは都市の進化なのでよいことなのですが、日本の場合、都市化と同時に地方の衰退を招いてしまいます。

北海道は地方という要素と、札幌の都市という要素の両方を持っているので、日本の縮図のようになるでしょう。

国際化とは、日本人の労働人口が減ることで外国人労働者が日本にたくさんやってくることを指します。
また、日本で稼ぐことができなくなった日本人が、海外に打って出る形での国際化もあります。

情報化と都市化と国際化は、基本的にはよいことですが、それに乗れない人は相当不利な状況になるでしょう。

今の子供たちが社会に出たら、高速で飛ぶ情報化・都市化・国際化という飛行機に飛び乗らなければなりません。
大変な作業です。

多様化と希薄化について

労働人口の減少で、女性の社会進出と、外国人労働者の増加が加速します。
つまりビジネスが、男性中心の運営から、いろいろな人が中心になる運営方法に変わります。
これが多様化です。

ネットワークで繋がるイメージそして社会やビジネスが多様化すれば、人間関係は希薄化するでしょう。
なぜなら、多様な人々がいると、相互に理解するのに時間がかかるからです。

これまで空気を読むことができた人も、読めなくなるでしょう。
もしくは、空気を読むという価値が崩壊するかもしれません。 

今の子供は将来、いろいろな人に囲まれます。
誰を信じていいのか、誰を頼っていいのか、わからなくなるでしょう。

自己肯定感とは、どう身につけるのか

8つの「化」によって生きにくい世界になることは確実なので、子供には自己肯定感を身につけさせる必要があると、政府の教育再生実行会議が2017年に提言しました(※)。

※参考:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/pdf/dai10_1.pdf

自己肯定感という文字だけみると、「子供が『自分は正しい』と強く思うこと」と理解できます。
同会議のいう自己肯定感とはどのようなものなのでしょうか。

2つの自己肯定感

教育再生実行会議は、子供が次の時代の社会で生きていくには、子供が自分の個性を発揮して、自信をもって未来を切り拓く必要がある、と考えています。

子供が夢と志をもって頑張るためには自己肯定感が必要になりますが、日本の子供は、諸外国の子供に比べて自己肯定感が低いという特徴があります。

自己肯定感には次の2つの種類があります。

  • 自己肯定感A:勉強やスポーツなどで他者を競争して、自分の力を向上させたときの達成感
  • 自己肯定感B:自分の長所と短所を冷静に受け止める認識力

この2つの自己肯定感は相反する性質があります。

つまり、他人との競争に勝てたときは、自己肯定感Aが強まりますが、負けてしまうと自分の短所を意識しすぎて自己肯定感Bが減少します。

そして、短所という傷口を広げないために競争を避けてしまうと、自己肯定感Aを獲得できなくなってしまいます。

人は常に勝ち続けることはできないので、このままでは誰もがいずれ自己「否定」感にさいなまれてしまいます。

失敗と成功そこで子供たちは、他者から謙虚に学ぶ姿勢を身につけ、何事にも積極的にチャレンジしていく気持ちを持たなければなりません。

謙虚な姿勢とチャレンジ精神を身につけた子供は、短所を受け止めても自己否定しなくなるので、長所を伸ばせば自己肯定感B(長所と短所を認識する力)が増えます。

そうなれば、他者と勉強やスポーツで競争をして、勝って自己肯定感Aを高めることができます。
競争に負けても、自己肯定感Bを減らす心配はなくなります。

子供に自己肯定感を身につけさせるために保護者がすべきこと

教育再生実行会議は、子供に自己肯定感を身につけさせるために、保護者や教師などの大人がすべきことを7つ挙げています。

  1. 子供の個を尊重する
  2. 子供に、自己と他者を区別して自分が社会の一員であることを意識させる
  3. 子供の発達段階に応じて接し方を変える
  4. 大人自身が自己肯定感をもって子供に接する
  5. さまざまな場面で子供を褒めたり認めたりする
  6. 叱るべきところでは叱る
  7. 愛情をもって積極的に関与する

わずか7つですが、保護者がすべきことは、とても大変な作業になることは想像に難くありません。

それは当然といえば当然です。
将来の生きにくい社会は、今の保護者にとっても生きにくいからです。
保護者は、子供を導くと同時に、自分の自己肯定感を鍛え直していかなければなりません。

例えば、先ほど紹介した、情報化と都市化と国際化についても、まずは保護者が対応していかなければならないでしょう。

自分の足場を固めたうえで、子供に上記の7項目をしてあげましょう。

へこたれない力とは、どう身につけるのか

子供にへこたれない力を身につけさせなければならないと提言したのは、国立青少年教育振興機構という機関です。

「へこたれない力」という言葉は、同機構が20183月に公表した「子供の頃の体験がはぐくむ力とその成果に関する調査研究報告書 」に登場します。

子供が将来、過酷な社会を生き抜くには、一定の資質と能力が必要です。
同機構は、その資質と能力のことを、わかりやすく、へこたれない力と表現しています。

体験のなかで身につける

国立青少年教育振興機構は、2060代の大人たちの子供時代の様子を調査したなかで、へこたれない力を獲得する方法をみつけました。

それは次のとおりです。

へこたれない力が強い人の子供のころの特徴

・子供のころ「家族行事、家事の手伝い、友人との外遊び、学校での委員会活動、学校での部活」に積極的だった

・子供のころ「家族との愛情、家族との絆、遊びの熱中度、学習意欲」が強かったり高かったりした

・子供のころ「親、先生、近所の人」とのかかわりが多かった

・子供のころ、周りの大人から褒められたり、叱られたりした経験が多い

保護者が自分の子供にへこたれない力を身につけさせるには、上記の4点を意識すればよいわけです。

へこたれない力は自己肯定感を強化する

自信を持った少年前章で、生きにくい世の中を生き抜くには、自己肯定感が必要である、という説を紹介しました。

へこたれない力は、その自己肯定感を強化する機能があります。

へこたれる、とは逆境に負けた状態のことをいいます。
人は逆境に見舞われると、「自分らしさ」や「自分を好きになる気持ち」や「仕事や勉強への自信」を失います。

つまり自己を否定したくなる衝動に駆られることになります。
へこたれる、とは自己を失った状態のことです。 

しかし、へこたれない力を持っていると、逆境でも自己を保つことができます。
逆境にあっても自己を失わない状態こそ、自己肯定感が強化された状態です。

自己肯定感には、次の2種類があることを紹介しました。

  • 自己肯定感A:勉強やスポーツなどで他者を競争して、自分の力を向上させたときの達成感
  • 自己肯定感B:自分の長所と短所を冷静に受け止める認識力

へこたれないことで他者との競争に恐れないようになれば、自己肯定感Aを強化できます。

へこたれないことで自分の短所に冷静に対処できれば、自己肯定感Bも強くなります。

保護者は子供に、へこたれない力を身につけさせましょう。

まとめ~アナログに育てる

これから到来する生きにくい社会を生き抜くには、自己肯定感が必要で、自己肯定感を強化するにはへこたれない力が必要です。

そして、へこたれない力を身につけさせるには、保護者は子供に次のことをしなければなりません。

  • 「家族行事、家事の手伝い、友人との外遊び、学校での委員会活動、学校での部活」に積極的に取り組ませる
  • 「家族との愛情、家族との絆、遊びの熱中度、学習意欲」を強めたり高めたりする
  • 「親、先生、近所の人」とのかかわりを多くする
  • 多く褒め、多く叱る

意外にアナログなことです。

このことから、科学や技術や時代までもが進化しても、生きる力は昔ながらの方法でしか強化できないことがわかります。

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