家庭教師に勉強をみてもらっているのに、全く成績が上がらなくて意味がない、と感じている人も少なからずいるようなのです。
果たして本当に家庭教師は意味がないと言えるのでしょうか?
調べていくと、実はそのように感じている人たちには、あるいくつかの共通点があることがわかりました。
そこで今回は、家庭教師について意味がないと感じる人にありがちな共通点と、そのようにならないための具体的な解決策を紹介します。
「家庭教師は意味がない」と感じる生徒さんの特徴は?
家庭教師を利用すれば、すぐに成績が上がると短絡的に考えていないでしょうか。
家庭教師を利用して成績が上がるというのは、成果の一つの側面でしかありません。
そもそもどんなに素晴らしい指導力のある講師が指導にあたっても、「家庭教師は意味がない」と感じるほどに成績が全く変わらない生徒さんもいます。
そのような場合、家庭教師に問題がある可能性もありますが別の問題点が潜んでいる可能性もあります。
例えば次のような生徒さんは「家庭教師に来てもらっても意味がない」と感じることが多いと考えられるため、注意が必要です。
- 勉強の目的があやふやな生徒さん
- 「わからないところ」がわからない生徒さん
- 学ぶ意欲がない生徒さん
- 体力・学習体力がない生徒さん
- 生徒さんの頭脳の成長が遅いのに成績を上げたいと望む家庭
これらを順番に見ていきましょう。
- 勉強の目的があやふやな生徒さん
- わからないところ」がわからない生徒さん
- 学ぶ意欲がない生徒さん
- 体力・学習体力がない生徒さん
- 生徒さんの頭脳の成長が遅いのに成績を上げたいと望む家庭
学校の勉強は基本的には暗記が中心といえるでしょう。そのため、教科書や参考書を読んだだけで「勉強が面白くて面白くてたまらない!」と感じる生徒さんは少ないのではないでしょうか。興味を持って「先が知りたい、深く知りたい」と思うよりは、受験のため、テストのため、成績表のために勉強している生徒さんがほとんどではないかと思います。
そうなってしまうと「なぜこんな大変な思いをしてまでも勉強しなければならないのだろうか」と悩む生徒さんもいるかもしれません。なかには、いっそのこと辛い勉強などはしなくても困らないからと勉強するのをやめてしまう生徒さんも出てきてしまいます。
そんな気持ちのまま、家庭教師に学習指導を受けても、全く身にならないどころか、却って勉強すること自体がストレスになってしまいます。家庭教師との勉強時間が、ただの惰性的なルーティンワークとなってしまうこともあるでしょう。学習時間が早く終わらないかと考えてしまう生徒さんもいるかもしれません。
こんな生徒さんにとっては、家庭教師は全く意味がないと言えます。
これは、ただ「なんとなく」学校の授業や家庭学習をやっているという生徒さんに多いのですが、何を理解していて、何がわからないのかについて意識をしていない場合、勉強していても伸び悩むことが多いようです。
成績が伸びない条件や要因を排除すれば、必ず成績が上がります。つまずく原因を取り除いてあげれば、成績が伸びないわけがないのです。
まずはわからないところがどこなのか、意識しながら日々の学習に取り組み、わからない点を家庭教師に教えてもらう、とすることが一番効率的な成績アップの近道といえるでしょう。
前述の「わからないところがわからない生徒さん」よりももっと厄介なのが、学ぶ意欲がない生徒さんの場合です。
このような生徒さんの保護者は、家庭教師をつければ生徒さんはきっとやる気が出て成績もなんとかなるだろうと考えているかもしれません。けれども、家庭教師の仕事は「勉強」を教えることです。全くやる気のない生徒さんのモチベーションを上げることはできません。
もちろんそれも仕事のうちではあり、やる気をあげてくれるような家庭教師もいるかもしれませんが、初めから勉強を全くやる気がない生徒さんのモチベーションを上げることは、非常に困難です。やる気というものは、人間の内側から発露するものであり、外側から無理やり強制して動かすことは難しいものです。
家庭教師が来てくれることで刺激にはなっても、そこから勉強しようとするかどうかは全くわかりません。
教えるプロではあっても、やる気を出させてモチベーションを高めるプロではない家庭教師にとって、自分から勉強してくれない生徒さんに対してはどうすることもできません。せっかく勉強を教えるために生徒さんの家に行ったのに、教えることすらできない、自分の仕事ができないという状態に陥ってしまいます。
家庭教師が来てくれている時でも、どうしても疲れてしまって勉強できずに眠たくなってしまう生徒さんもいるようです。
学校生活や部活動などで日中活発に活動している生徒さんほど家庭教師を利用することがよくありますが、体力の限界もあります。自分の部屋というリラックスした空間で、特に家庭教師との関係が良い生徒さんほど、安心して眠気に襲われてしまうことがあるようです。生徒さんが眠ってしまうと起こすこともできなかったり、起きても頭が働かず、うつろで指導内容が全く頭に入っていないといったような状態に陥ってしまうこともあります。
生徒さんに体力・学習体力がない状態で、無理やり夜勉強しようと家庭教師に来てもらっても、時間が無駄になってしまいます。特に学校で体力を使い果たしてきてしまったり、部活動や習い事で忙しい生徒さんは、勉強時間に眠ってしまうことも。家庭教師に来てもらい、その時間を充実させ意味のあるものにするためには、少なくとも家庭教師の時間だけは絶対に眠らなくなるくらいの一定の体力を養ってから学習に臨むようにしましょう。
特に近年、生徒さんの学習能力が十分発達していないうちから、学校の成績を上げたいと望む家庭が多くなっているようです。生徒さんの成績が上がらない原因は、生徒さんの脳の成長が遅いのではないかと考えている保護者が多く、そんな家庭では、子供は「きちんと」勉強さえすればなんとかなるはず、成績が上がるはずと考えて家庭教師を頼むのです。
けれども、学習の発達が遅い生徒さんの成績を上げることはいくら教育のプロである家庭教師でも非常に難しいことです。
こうした生徒さんには、まずは前の学年、あるいはそれよりももっと以前の学年で習った学習内容の復習をすることが必要になるのです。しかし一方、学校の成績を上げるためには、先取り学習が欠かせない方法になります。
ここで、保護者の要望というものが、いかに無茶であるかがわかるでしょうか。
こうした生徒さんには、学校の成績を上げる前に、きちんと復習する時間を設けることが何よりも失敗を防ぐために必要な方法といまます。ひょっとしたらずっと復習が続き、学校の授業には追いつくことができない事になるかもしれない、ということも覚悟しなければならない場合があります。しかしながら、長い目で見た時には、こうしたやり方がその生徒さんにとっては最善の方法といえるのです。
家庭教師で成果を出したい!そんな時におすすめの方法は
家庭教師を頼む時には、保護者にとっては決して安くはない大きな費用を出すことになります。特に担当の家庭教師が一流大学の学生やプロの講師であれば、1時間あたりにすると相当な金額の授業料を支払うこともあるでしょう。
家庭教師に指導してもらう目的は「志望校へ合格すること」や「成績アップ」など様々ですが、生徒さんの目指すゴールを達成できないようであれば、わざわざ家庭教師を頼む意味はありません。
そこで家庭教師を効果的に活用するための上手な方法をここで紹介します。
今現在家庭教師に来てもらっているけれどあまりいい結果が出ないという生徒さんや、これから家庭教師を考えているという生徒さん向けの内容となっています。ぜひ参考にしてください。
- 家庭教師に目的をしっかりと伝える
- 勉強のやり方を教えてもらうこともおすすめ
- 授業の復習や宿題は必ず行うこと
- 授業の理解度をしっかりと伝えるなど密なコミュニケーションを心がける
家庭教師に申し込む際の一番初めに、「何の目的で家庭教師を頼むことにしたのか」をはっきりと伝えましょう。その目的は生徒さんによって様々です。
苦手科目を克服するためなのか、学習習慣を身につけるためなのか、第一志望校に合格するためなのか・・・。
どのような理由であっても、生徒さんが期待するような学習指導を受けるためには、生徒さんと家庭教師、お互いの意識が同じ目標に向かって進まなくてはなりません。
また、家庭教師によっても得意なことと不得意なことがあります。難関校向けの受験指導が得意なのか、勉強が嫌いな生徒さんのモチベーションを上げて勉強させるのが得意なのか、家庭教師の個性もそれぞれです。
生徒さんの状況にぴったりの家庭教師を選び、学習の目的を明確に伝えるようにしましょう。
家庭教師を利用するメリットは、学校の教科の内容や勉強を教えてもらえるだけではありません。家庭教師自身も受験をクリアしてきた経験がある人たちがほとんどです。そうした家庭教師からはぜひ「勉強のやり方」も学び取りましょう。
多くの家庭教師は難関大学に合格した経験を持っています。そんな彼らは学生時代に様々な勉強法を試しつつ学力を高めてきた人がほとんどです。
例えば、英単語や古文単語などを効率良く暗記する方法や、上手な授業ノートの取り方など、経験に基づいたアドバイスがしてもらえます。そうした情報は積極的に教えてもらいましょう。他にも、日頃の勉強の方向性が合っているかどうか、家庭教師に相談して検証をお願いすることもおすすめです。自分の学習スタイルを客観的な視点で見てもらうことはとても大切なことです。
家庭教師に来てもらい、授業を受けたとしてもそれだけでは効果は表れません。
家庭教師が来ていない自主学習の時間がとても大切なのです。授業以外でまったく勉強しなかったり、授業で学んだことをそれきりにしてしまって、全く振り返らないのは、とてももったいないことです。
また、英語や国語の長文読解の授業は、事前の予習をしなければ成り立ちません。家庭教師の授業と学校の授業内容とをうまく絡めるなどして、予習・復習の学習サイクルを上手に回すことを心がけましょう。
学校や塾とは違い、家庭教師の授業は先生と生徒さんでマンツーマンにできる点が一番のいいところです。生徒さんは自分の理解度に合わせて授業を進めてもらうことができます。その利点を活かすためには、生徒さんは授業で理解したところは遠慮なく「分かった」と言い、分からないところは「分からない」とはっきり家庭教師に伝えるようにしましょう。
すでに分かりきったことをいつまでも学習するのは時間の無駄ともいえるので、すぐに理解していることを指摘して次の内容に移ってもらいましょう。遠慮することはありません。
反対に、あまり理解が進んでいないような部分に関しては、納得できるまで徹底的に質問したり、演習をお願いしたりして確実に苦手を潰してしまいましょう。
場合によっては他の家庭教師に変更してもらうことも
家庭教師を始めたら、特に保護者はお子さんの声をしっかりと聞いてあげてください。
生徒さんが「授業がわかりやすい」「わかるようになってきて楽しい」などと、ポジティブな声が聞けるなら安心です。
反対に授業を楽しんでいない様子だったり、または成績が全然伸びる気配がないという場合には、家庭教師の変更も視野に入れてよく様子を見るようにしましょう。
例えば、生徒さんと家庭教師の相性が良くない場合などは、せっかくの指導の効果もあまり期待できないと言えます。最悪、勉強が嫌いになってしまうこともあるので、そうなる前に、家庭教師に希望を伝え、態度を改善してもらうのがおすすめです。それでも駄目なら家庭教師を変更することも考えましょう。
このように、生徒さんが家庭教師に対して何らかの不満を感じた時、その時にするべきことをここでは紹介したいと思います。
- 家庭教師に希望を伝えて態度を改善してもらう。
- 別の家庭教師に変えてもらう。
- 家庭教師ではない学習方法にする、家庭教師をやめる。
「苦手な箇所が理解できないからもう少し丁寧に教えて欲しい」「難関校の入試問題までは解けなくてもいい、基礎をじっくり固めたい」「厳しくされると萎縮するので優しく指導してほしい」など、生徒さんの方から家庭教師へ希望を伝えましょう。
とにかく、このまま同じ家庭教師にお願いしたい場合は生徒さんの望む勉強方針や家庭教師の態度をしっかりと伝えることをおすすめします。家庭教師の考えている方針と、生徒さんの希望とがマッチしないと決してうまくいきません。
生徒さんから直接言いにくいときは、保護者から家庭教師へ伝えるようにしましょう。
態度を改善してもらおうと伝えていても改善が見込めない場合や、別の家庭教師に変えてみたい場合は、家庭教師の派遣会社などに変更の意思を伝えましょう。
その際に、以前の経験を踏まえて、しっかりと希望の条件をを伝えておくと、それに相応しい家庭教師を斡旋してくれることがほとんどです。
生徒さんが家庭教師のことをどうしても嫌がるときや、現在家庭教師に来てもらう状況でなはない時などは、一度すっぱりと家庭教師そのものをやめてしまうという手もあります。
なぜ、どうしても合わない家庭教師がいるのでしょうか。
家庭教師も大人とはいえ、未熟な部分がある一人の人間です。人間のタイプによってはどうしても相性が悪かったり、良かれと思ってやったことが逆効果になってしまうこともあります。
例えば、もっと勉強へのやる気を出してほしい、成績が上がってほしいと、家庭教師が焦ってしまっている場合。そんな時は家庭教師の想いが強すぎて、却って押しつけがましくなってしまい、生徒さんのやる気が削がれてしまうこともよくあることです。
または、生徒さんの方で今は勉強を全くやる気になれないような状況ということもあるでしょう。家庭教師自体、すぐにでもやめたいと生徒さんが感じている場合は、思い切って今はやめてみるということも選択肢に入れてみましょう。
「家庭教師は意味がない」と思う前に考えてほしいこと
家庭教師をつける前に生徒さんの保護者がすべき大切なことは、生徒さんの勉強に対する姿勢や能力をしっかりと見極めることです。
やる気はあるか、勉強をする体力があるか、教えても定着しない傾向にないかどうかなどをしっかりと把握し、もしもこれらの条件がクリアできていないようなら、今は家庭教師を雇っても意味がないものだと覚悟しておきましょう。それでもどうしても家庭教師をお願いしたいという場合は、しっかりと家庭と生徒さんの要望を伝えて家庭教師と目的を共有するように気をつけましょう。決して無理のないような、現実的な要望を整理して家庭教師に伝えましょう。
また、実際に家庭教師を始めてみたのにうまくいかないと感じた生徒さんは、自分のこれまでの学習について一度振り返ってみてください。
「成功に理由はないが、失敗に理由はある」の言葉のように、失敗(=家庭教師を頼んで勉強しているけれども、全然成績が上がらなくて意味がない状態になってしまう)には、共通点が多くあります。
逆に、成功(=家庭教師をつけたら成績が上がったということ)は、結果論であることが多く、そのプロセスはそれぞれで全く異なります。
けれども、ここでいう成功者(家庭教師をつけて成績が上がった生徒さん)に共通していることといえば、失敗してしまった原因を把握しつつ、その原因を排除しているだけという、とてもシンプルな答えに辿り着きます。そして、成功者たちに共通する「失敗」をしない状態を目指した方が、成功への確実性は高いでしょう。
「失敗の原因」は何でしょうか?
ひとつ提案するとすれば、せっかく家庭教師に来てもらうのですから、勉強をする目的は一体何なのか、一度はっきりとさせておくことをしましょう。
例えば、定期試験勉強や受験勉強のモチベーションを考えた時、それを「目的」と考えるか、「手段」と考えるかによって、モチベーションは大きく変わります。
勉強や受験が目的になってしまうと、モチベーションは上がりません。そうではなく、ゴールはもっと先にあると考えるようにすると、勉強・受験に対する意識がガラリと変わります。
つまり、勉強・受験を将来の目標のための「手段」と考えるのです。そうするとモチベーションがグッと上がります。
定期試験や受験は将来の「何かを叶えるため」の手段でしかないということです。
この叶えるべき「何か」について、考えてみてはどうでしょうか。その時にぜひ受験の大先輩である家庭教師の先生と相談しながら探ってみることをお勧めします。