日本史の覚え方は【ノートづくり】で決まる!コツを解説

【日本史】覚えるコツはノートづくり
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中学生でも高校生でも、ノートづくりが上手な人は、日本史で高得点をあげる傾向にあります。
そして、日本史が好きな人は、自然とノートの記入がきれいになっていきます。

ノートづくりと日本史を結びつけるのは「整理」です。

日本史という学問はそもそも、無数にある日本の歴史の出来事をひとつひとつ洗い出して、関連づけられるものを関連づけていく作業です。

「出来事の洗い出し」と「関連づけ」は、元はまったく別の作業ですが「情報を整理する」ことでつながります。

中学生や高校生の日本史のノートづくりでも、「出来事の洗い出し」「関連づけ」「情報整理」3つを意識すれば、日本の歴史がするすると頭のなかに入ってきて、テストで高得点をあげられるようになるでしょう。

まず「知る」その後「覚える」

ノートの書き方を説明する前に、中学校や高校で習う日本史という科目の構造を解説します。

「日本史はこういう構造になっているから、日本史のノートはこう取ったほうがよい」と理解したほうが、納得して勉強を進めることができるからです。

日本史の勉強のポイントは「覚えること」や「暗記」と思っている人は少なくありません。
確かに日本史のテストでは、暗記していないと解けない問題が出てきます。

しかし日本史の勉強では「覚える」作業は2番目に行なってください。
2番目に行なうからといって、重要度が2番目であるわけではありません。
覚えることは重要な作業ですが、最初に覚えようとすると、効率よく勉強できないのです。

文部科学省や学校の教師たちは、生徒に「日本の歴史のなかで起きた重大な出来事を知ってもらいたい」と思っています。
その出来事がなぜ日本の歴史のなかで起きて、その結果どのような事態になり、そしてそれは今の日本にどのように影響しているのか、ということを理解させたいと考えています。

ひらめきつまり日本史の勉強で最初にやることは「事実を知る」ことです。

例えば「第2次世界大戦」について勉強するときは、「日独伊三国同盟」や「満州事変」といったキーワードを覚えるのは後回しにして、第2次世界大戦という事実がどのようなものなのか知るようにしてください。

事実を知ったあとに、重要な役割を果たした人物の名前や出来事の名称や内容を、ひとつひとつ「覚える」ようにしてください。

ノートづくりでも、まずは「知る」ことを最優先に書いていき、その次に「覚えやすさ」を意識して書いていってください。

ノートはこう書こう

1番目に「知る」、2番目に「覚える」ことを意識したノートづくりでは、流れをつくるようにしてください。

例えば第2次世界大戦についてノートにまとめるときは、第1次世界大戦の終盤から始めて、第2次世界大戦後の復興の様子で終わるようにしてください。

2次世界大戦なら、ノート5ページでまとめてみてください。

ノートのスペース配分は次のとおりです。

1ページ目:第1次世界大戦の終盤をコンパクトにまとめる

234ページ目:第2次世界大戦の内容を詳しくまとめる

5ページ目:戦後の復興までの道のりをコンパクトにまとめる。

ここまでが「知る」作業になります。

このようにノートにまとめていくと、「これは覚えなければならないだろう」と思えるキーワードが多く出てくるはずです。

その気持ちがわいてきたら、今度はノートにキーワードの解説をまとめていきます。

これが「覚える」作業になります。

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ノートで流れを追う

日本史の学習では、歴史上の出来事という情報をひとつでも多く集めなければなりません。
しかし、情報をバラバラに集めていては収拾がつかなくなります。

そこでノートづくりでは「流れ」を意識してください。

日本史における流れには、時間の流れと人の流れがあります。

時間の流れをどう追うか

時計まずは、時間の流れの追い方を解説します。

日本史の教科書には、出来事や事件が起きた年が必ず書かれています。
なぜ年を明記しているのかというと、生徒たちに時間の流れを追ってほしいからです。

日本史の出来事は、古いことのあとに新しいことが起きるという特徴があります。
当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。

物理や英語などでは、学習対象は時間に関係なく起きますし、古いことも新しいことも本質的に変わらないことも珍しくありません。

例えば物理であれば、ニュートンが1665年に発見した万有引力を、いまだに現代の中高生が学んでいます。

むしろ、古いものから学び始めて、順に新しいものへ移っていく日本史のほうが、特殊な学び方といえます。

日本史では、新しいことは「古いことが起きたために」起きた、と考えていきます。

2次世界大戦(新しいこと)は、第1次世界大戦(古いこと)が起きたために、起きました。徳川家康は豊臣秀吉のあとに活躍し、豊臣秀吉は織田信長のあとに活躍しています。

この流れを追うことが日本史では重要で、そして、その流れを「見える化」したものが年です。

日本史を苦手にする人のなかには「年を覚えるのが嫌い」という人が少なくありませんが、そのような人は「年があるから流れを追いやすくなっている」と考えてみてください。

ノートに「1800年に○○が起きた」「1801年に△△が起きた」と書いていくのは、適切ではありません。

ノートには、「○○が起きて、その結果△△になって、□□へと進んでいった」と書きましょう。
そして年は、○○や△△や□□の文字の上に、小さな文字で書いておけばいいのです。

人の流れをどう追うか

徳川家康像ノートづくりで時間の流れを追う習慣が身についたら、次に人の流れを追うようにしてみてください。

歴史は人がつくっています。日本史を学ぶことは、人物史を学ぶことでもあります。

最も単純な人の流れの追跡は、例えば「織田信長→豊臣秀吉→徳川家康」という流れです。
もしくは、内閣総理大臣であれば、「伊藤博文→黒田清隆→山縣有朋」と追っていきます。

まずはノートに、人物だけを書いていってください。
「まずは」というのは、あとでもう一度、別の記載方法で人物を追っていくからです。

しかしその前に、まずは人物だけを、古い人から新しい人へと書いていってください。

このように記入することで、歴史上の主役たちを際立たせることができます。
ノートに書いた多数の人物名をみながら「そうか、この人たちが歴史を動かしてきたのか」と、歴史に思いを馳せてみてください。

その次に、もう一度、人の流れをノートに書いていってください。
今回は、人物名だけでなく、その人が採用した政策や、その人がしたこと、その人が歴史に登場したときの出来事、または世界の動きなどを、詳細にノートに記していきます。

このように、人の流れを丹念に追えば、同時に政策の流れ、出来事の流れ、世界の流れもつかむことができます。

断絶に注目を「テストに出る」

ひらめきそして人の流れを追うときに意識してほしいのは、「断絶」です。

断絶とは流れが断ち切られることなのですが、実は断絶こそが、日本史では重大事として扱われます。

例えば、江戸時代と明治時代の間には、明確に断絶があります。
令和の現代は、かろうじて「明治時代と似ている」ということができますが、同時に「江戸時代とはまったく似ていない」ということもできます。

それくらい、江戸時代と明治時代の間の断絶は絶対的でした。

また、別の切り口を採用すれば、日本の歴史は第2次世界大戦の前後でまったく変わった、ということもできます。

令和の現代は、かろうじて「終戦後と似ている」いうことはできますが、同時に「戦前とはまったく似ていない」ということもできます。

日本史のテストでは、次のような内容が問われるでしょう。

  • 「その断絶がなぜ起きたのか」
  • 「誰がその断絶を引き起こしたのか」
  • 「断絶はどのような過程を追ったのか」
  • 「断絶の結果、日本史に何が起きたのか」

したがってノートづくりでも、断絶について、上記の視点を持ってまとめていってください。

10年は一瞬

人の流れを追う理由は、もうひとつあります。

それは、人の一生は長くても100年程度で、しかも日本史をつくるような活躍ができるのは10年ほどにすぎないからです。
せいぜい20年でしょう。

ネットワークで繋がるイメージ10年や20年は、日本史のなかではほんの一瞬です。
そのため「ある人だけ」に注目しても、日本史はみえてきません。
ある人とある人とある人のつながりをみることで、つまり、人の流れを追うことで、ようやく日本史がみえてきます。

例えば日本史のなかの現代史を勉強するとき、次のことを知っているだけで、日本政府の政策がみえてきます。

・第8789代総理の小泉純一郎氏は、第909697代総理の安倍晋三氏の「政治の師匠」である

・第9697代安倍内閣の副総理の麻生太郎氏は、第92代総理だった。したがって麻生氏は、安倍氏の「先輩総理」である

・安倍氏と麻生氏は「ともだち」といってよいほど仲がよい

小泉氏は1,982日、麻生氏は358日、安倍氏は約2,000日(201911月現在)「しか」総理をしていません。
10年にすら遠く及びません。

そのため彼ら1人ひとりの政策をピンポイントでチェックしても、現代史はみえてきません。

しかし「つながりがある」この3人の政策をノートにまとめてみると、きちんと現代史の流れがみえてくるはずです。

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まとめ~「すぐには」単語説明をしないで

日本史のノートをしっかりつくっていて、しかも丁寧な文字で記入していても、テストで高得点をあげられない人がいます。

「自分がまさにそれだ」と思った人は、ノートで単語説明をしていませんか。

単語説明ふうの記入とは、キーワードありきの記入方法です。
こうしたノートの書き方は「覚える」段階では有効ですが、歴史上の事実を「知る」段階では不向きです。
なぜなら、単語説明では歴史の流れを追えないからです。

しかし、ノートに単語説明ふうに書いていくと、面白いほどきれいに記載することができます。
それで「整ったノートができた」と満足してしまうのですが、これではノートを有効活用しているとはいえません。

歴史上の出来事を把握して、歴史の流れを追うことができてから、単語説明ふうの記入をしていきましょう。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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公開日:2019年12月2日 更新日:2024年2月28日
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