現在はグローバル化が進んでおり、英語を話すことが出来る日本人は当たり前のようになっています。
子どもが海外留学を希望しているが、家庭で留学費用を負担する事が難しい場合は奨学金を活用して子どもの夢を叶えましょう。
本記事では海外留学に必要な費用、奨学金を貸与してくれる代表的な機関の紹介、子どもを海外留学に送り出す際に一言アドバイスできる豆知識を紹介しています。
海外留学にかかる費用について
海外留学は保護者の世代ではエリートのものというイメージがありますが、現代ではもはや当たり前の事です。
大阪にある関西外国語大学では原則全生徒が留学するなど国際的に活躍することのできる人材の育成に留学は欠かせません。
ですが海外留学の一番のネックは留学費用です。
海外留学にかかる費用の内訳
海外留学にかかる費用は大きく分けて「移動する」「学ぶ」「暮らす」ための金額が掛かると考えていただければ間違い有りません。
具体的に掘り下げると「渡航費」「パスポート・ビザ取得費」「現地での学費」「家賃」「食費」「保険料」とお小遣い程度でしょうか。
ドイツなどヨーロッパの国では学費が免除される制度もあるのでそれらを活用するのも手です。
今回は最も留学費用が高いとされるアメリカへの語学留学を前提に考えます。
基本的には以下の概算以上になることは無いでしょう、フィリピンなどの東南アジアへ留学すればもっと留学費用を抑えることが出来ます。
以下の費用は共通なので予め示しておきます。
※渡航費や授業料等おおよその金額を示しており、為替変動などで変動する都合上多少前後する場合がありますのでご承知おきください。
- パスポート申請費用:11,000円(5年間有効)
- ビザ申請費用:40,000円(学生ビザ+SEVIS)
- 渡航費:150,000円(往復)
- 滞在手配費:10,000円
- 小計:211,000円
短期留学(三ヶ月)にかかる費用
- 学費:600,000円(200,000円/月)
- 家賃:150,000円(50,000円/月)
- 食費:150,000円(50,000円/月,USDA調べ)
- 保険料:134,670円(三ヶ月,三井住友海上「留学保険」R62タイプ)
- 合計:1,245,670円
中期留学(半年)にかかる費用
- 学費:1,200,000円(200,000円/月)
- 家賃:300,000円(50,000円/月)
- 食費:300,000円(50,000円/月,USDA調べ)
- 保険料:305,350円(半年,三井住友海上「留学保険」R63タイプ)
- 合計:2,316,350円
長期留学(一年)にかかる費用
- 学費:2,400,000円(200,000円/月)
- 家賃:600,000円(50,000円/月)
- 食費:600,000円(50,000円/月,USDA調べ)
- 保険料:648,100円(年,三井住友海上「留学保険」R63タイプ)
- 合計:4,459,100円
上記の金額に変動費(交通費、娯楽費、土産代)が必要です。
また大学が学費を負担してくれる場合は学費を差し引く必要があります。
基本的にアメリカは物価が高めで食費も高額になります。
奨学金を活用して海外留学を叶えよう
上記の通り留学費はポンと出せるほど安くはありません。
そのため奨学金を利用することになるのですが、
日本学生支援機構で海外留学
大学の奨学金でお馴染みの日本学生支援機構は海外留学に対しても奨学金を貸与しています。
金額は地域によって月額60,000円〜100,000円と変化がありますが、アメリカは指定都市とされている為100,000円/月が貸与されます。
三ヶ月の留学であれば総額300,000円、半年の留学であれば総額600,000円、最大一年で1,200,000円が貸与される形になります。
追加で渡航支援金として160,000円を借りることも可能です。
資格は以下の通り。
(1)日本国籍を有する者又は日本への永住が許可されている者
(2)学生交流に関する協定等に基づき、派遣先大学等が受入を許可する者
(3)経済的理由により自費のみでの派遣プログラムへの参加が困難な者
(4)派遣プログラム参加にあたり、必要な査証を確実に取得し得る者
(5)派遣プログラム終了後、在籍大学等に戻り学業を継続し、在籍大学等の学位を取得する者又は卒業する者
(6)学業成績が優秀で、人物等に優れている者
(7)派遣プログラム参加のために本制度以外の奨学金等を受ける場合、その支給月額の合計額が、本制度による奨学金月額を超えない者
(8)外務省の「海外安全ホームページ」上の「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」以上に該当する地域以外に派遣される者
協定校に関しては学校によって異なりますので、各自で確認するようにするようにして下さい。
海外政府による奨学金
アメリカ政府は奨学金を支給していませんが(アメリカは大学が直接学生に奨学金を給付する。日本人に対してはフルブライト・ジャパンが利用可能)中国やデンマーク、アイスランド等政府が直接留学生を募集している奨学金があります。
詳しくは日本学生支援機構のホームページに掲載されているのでご確認下さい(奨学金には募集時期があります)。
ここではアイスランド政府の奨学金を例に説明しましょう。
以下のURLからアイスランド奨学金機構のHPにアクセスすることが可能ですが、全て英語で記載されているので筆者の方で和訳と要約を行っています。
・アイスランド語の学習・研究を行う留学生が対象である。
・日本、中国、アメリカなどの学生が利用できる奨学金である。
・英語の申込書で提出する必要がある
・大学の成績証明書と推薦状が必要
・大学寮と食費相当の金額が毎月支給される
ざっくりと重要な事項は以上になります。
注意点は申込期間です。
デンマーク政府の奨学金は現在募集をしていません(2019年9月執筆時点)。
海外留学を視野に入れている方は申込期間を早めに確認するようにしましょう。
お住まいの自治体による奨学金
北海道では「ほっかいどう未来チャレンジ基金」という独自の基金を設けています。
スポーツや芸術などと並んで海外留学の留学支援を行う事もしています。
北海道の大学に在籍している30歳以下の学生であれば誰でも応募することが可能で2019年はドイツやノルウェーなどに大学生が派遣されています。
トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムの地域人材コースとして募集されており主に北海道の協賛企業がお金を出して運営しています。
セコマや北海道銀行なども協賛企業の一部です。
北海道に留学を援助してもらい、帰国後は北海道にその価値を還元するという事を期待されています。
※参考:ほっかいどう未来チャレンジ基金
留学の豆知識
ここでは留学に関する豆知識を掲載しています。
子どもへのアドバイスに活用できるので参考にして下さい。
言語の違いは文化の違い
文化が違うと言語も違います。
日本語と同じ枠組みで英語を考えると、どれだけ時間を掛けても理解できません。
英語は英語の考え方がある前提で留学に臨むようにしましょう。
一番わかりやすい例だと “I am John”と “Am I John”があります。
どちらも”I”, ”am”, ”John’という3単語を使用していますが、並べ方によって意味が違います。
一方日本語だと「私はジョンです」「ジョンです、私は」同じ言葉を使って順番を入れ替えてもこのように意味は変わらないという事がおわかり頂けると思います。
このように英語は日本語の考え方では全く歯が立たないということをご承知おきください。
夜は基本的に出歩かない
日本ほど治安のいい国はありません。
基本的には午後7時以降はあまり外を出歩かないようにしましょう。
筆者の知り合いの話ですがご紹介します。
午後8時にマンハッタンにある大学から駅に歩いていたときのこと。
突然後ろから拳銃を突きつけられて “Money, please” と脅されたそうです。
おとなしく10ドルを手渡して難を逃れたそうですが、夜遅くなる場合はタクシーを利用するなどの対策が必要です。
語学留学とリベラルアーツ留学
ひとことで留学と言っても語学留学とリベラルアーツ留学の2種類が存在することをご存知でしょうか。
語学留学とはまさに言語を学びに行く留学のこと。
アメリカに言って英語を学ぶという事です、こちらは想像に容易いことかと思われます。
一方リベラルアーツ留学では自分の学びたい分野について学びに行く留学の事です。
つまりアメリカに英語で学びに行くとといった具合です。
英語で自分の興味のある分野を学ぶことで語学力と教養・専門知識の両方を身につけることが可能です。
まとめ
留学にはお金がかかります。
物価や食費が高いとされるアメリカでは少し多めに見積もっていますが、三ヶ月でおよそ120万円必要な計算になります。
日本学生支援機構などでは海外留学を考えている学生に向けた奨学金制度を用意しており、利用が可能です。
また自治体や国が出している奨学金も存在します。
北海道では「ほっかいどう未来チャレンジ基金」と呼ばれる地元企業の協賛によって運営されている奨学金が利用可能。
中国や欧州諸国では国が募集している海外留学用の奨学金も利用が可能です。
奨学金を借りても返済する必要があり大変であることは変わりませんが、海外で学ぶチャンスが広がるのはありがたい支援制度です。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。