共学・男女別学はどちらが良い?それぞれの違いと考え方

共学・男女別学どちらが良い?
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中学・高校の志望校を選ぶ際、男子校・女子校・共学のどれを選ぶべきかという点は、大きなポイントの一つになるかもしれません。
多くの小学校は共学であることから、そのまま同じように共学の中学や高校を選ぶということは無理のない選択と言えるでしょう。

しかしながら小学校とは異なり、多くの子供たちにとって中学・高校の時期は多感な思春期に当たります。
そのため共学か男女別学かという選択は意外と重要な要素と言えるでしょう。

そこで今回のコラムでは、共学か男女別学それぞれの違いとメリットについて解説します。

男女別学の大半は「私立」の学校

教室そもそも全国にある学校のうち男女別学の学校は1割にも満たない数で、そのうちの多くは私立の学校で、公立の男女別学はほとんどありません。

数少ない男女別学の学校ですが、今でも徐々に減少しており、1990年代以降は特に減少のスピードが増しています。

なぜこれほどまでに減少したのかというと、それは二つの理由があります。

男女平等という考え

一つには、1985年の男女雇用機会均等法、1999年の男女共同参画社会基本法の制定などに見られるように、戦後の男女平等の社会的意識の高まりによるものです。

こうした社会の変化を受け、2000年代以降も人気大学の付属校のなかにも共学化する学校が出てくるなど、共学化の流れは止まりませんでした。

少子化と経営面の考え

もう一つ大きな理由としては、少子化の影響があげられます。

公立学校は学校の統廃合の際、学校運営を効率化するため、また私立学校では、受験生や生徒を確保したいという経営面からの理由から共学化が進みました。

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男女別学のメリットは?

男女別学の学校は、現代の日本では数少ない貴重な環境であることがわかりましたが、それでは今、そのような男女別学の学校を選ぶメリットはあるのでしょうか。

考えられるメリットを次にあげてみます。

①異性の目を気にせず、本当にやりたいことに専念できる

挑戦するイメージ10代の思春期は、自分なりの規範を設け、自分の生き方を探す時期です。

「学校は社会の縮図であるべきだから、多感な10代の思春期に多くの時間を過ごす学校は現実社会に即した環境である共学のほうがいい」という意見があります。

学校内が 「理想」の社会の縮図であれば問題ないのですが、「現実」の社会の縮図だとすればどうでしょうか?

男女の賃金格差のような、現実の社会の横たわる社会問題や、男らしさ・女らしさといった暗示的な圧力が、そのまま学校にも反映されてしまうことになりかねません。

こうした「アンコンシャス・バイアス」(無意識の偏見)が学校内に持ち込まれれば、「男は強く」「女は控えめに」というような、ゆがんだジェンダー観を再生産してしまうでしょう。

共学にしたからといって男女平等になるならば、世の中はとっくに男女平等になっているはずです。

しかし現実の社会には、まだジェンダーによる格差や偏見が根強く残っています。

ジェンダーの問題は、男女一緒に仲良くすればよいといったものではなく、それとは別に人権問題として取り組むべきテーマではないか、と主張する専門家もいます。

その点、男女別学であれば、思春期に異性の目が入らない環境のなかで、じっくりと自分をかたちづくることができます。

例えば、「生徒会長は男子がやるべき」「運動部のマネジャーは女子」といった「男・女はこうあるべき」という従来の偏った性別役割意識にとらわれて、自分を型にはめてしまうことが少なくなります。

知らず知らず抱きがちな固定概念から解放された例としては、次のようなものがあげられます。

吹奏楽や合唱のような部活動は共学では女子率が高くなりがちですが、男子校では男子が堂々と行っていることがあります。

また女子校のなかでは、男子の方が優位とされる理系の進路についても、敬遠されることもなく、むしろ文系進路希望者よりも多い女子校もあるようです。

「女子は理数系が苦手」「男子は語学系が弱い」といった、ジェンダーによる先入観にとらわれることも少なくなります。

このように、性差がない空間であれば、本当に自分にとって興味があることや好きなことに取り組むことができ、自分づくりに専念しやすい、ということが言えます。

また、中学生や高校生くらいの年齢では、近くにいる異性の目を気にするあまり、服装や髪形、ふるまいなど、外見的な部分にどうしても意識が向いてしまいがちです。

こうしたことも、男女別学なら気になることも少ないでしょう。

異性の目を気にすることなく、勉強や学校行事、課外活動など、学生が本来取り組むべき活動に真摯に打ち込めることが、男女別学の最大のメリットです。

こうした体験は、その後の人生の自信や自己肯定力に繋がり、社会で活躍する上での大きな力となるということは言うまでもありません。

②男女の違いを念頭にした授業内容で、効率的な学習ができる

男女別学は、少子化の影響、ジェンダーフリーを目指す現代社会において不自然であるといった声などに後押しされるように、近年急速に減少しています。

しかし、学習面ではどうなのでしょうか。

毎年発表される「東大合格者数ランキング」の上位校にランクインする学校は、圧倒的に男女別学が多いということも事実です。

男性脳は一点集中型、女性悩は同時進行型、ともよく言われますが、男女の脳の性質には違いがあり、感じ方や学び方は大きく異なるといわれています。

このことは、勉強方法などにも当てはまり、個別の教科の学習方法や、学習スタイルなどついても、男女でアプローチを変えた方が効果的であるようです。

海外の研究では、男女別学の生徒の学力の方が伸びやすい、といった報告が多数されていることから、日本では年々減少傾向にある男女別学ですが、アメリカやイギリスなどにおいては、男女別学が見直され、再びそうした学校が増えてきているようです。

男子校のメリットは?

通学する男子生徒女子校の存在意義は認めるものの、男子校にはそれほどメリットがないと考える別学容認派がいます。

社会で抑圧されがちな女性が、異性の目を気にすることなくのびのびと活動できるといったことなど、ジェンダーの観点から言えば、確かに女子の方が別学であることの恩恵が大きいように思えます。

しかしながら、学校はジェンダー格差を乗り越えるためだけに存在するわけではありません。

思春期までは、男子の方が女子に比べて心身の成長が遅いと感じることはないでしょうか。

事実、生物学的にも10代の男子は、女子より発達が1~2年遅いといわれています。

このことは、男子校の存在意義を語るうえでは、極めて重要な点となります。

男子校には、女子と比べて自信をなくしがちな「弱者としての男子」を守る役割もある、という意見があります。

もしも発達がゆっくりの男子が共学校にいれば、同い年のお姉さんばかりに囲まれ、発達上の遅れから自信を失いかねません。

男子校ではそうした男子を守ることができ、この点において男子校には重要な役割があるのではないかという専門家もいます。

男子校は、一見すると「体育会系」のイメージが強いかもしれません。

しかし、実際に男子校へ行くと、オタク系や、やんちゃすぎる生徒など、それぞれが生き生きと過ごす姿を目にすることができます。

昆虫好き・鉄道好き・マンガ好き・勉強熱心・スポーツ好き・アイドル好き…。実に様々なタイプの生徒が「共生」しています。

そしてタイプが違う生徒達が集まっているクラスでも、皆楽しく生活しているものです。

ただし、男だけの仲間意識が度を超すことになってしまっては、「男子校ノリ」と揶揄される事態になりかねませんので、その点は注意が必要です。

仲間内でのウケ狙いを求めるあまりに幼稚な行為に走ったり、弱者の立場を思いやることのない特権集団になる恐れもあります。

こうした注意点はあるものの、おおむね同性同士で過ごすことは、我慢せずに自分らしさを出すことができるようです。

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女子校のメリットは?

学生の集団次に、女子校ならではの特徴を紹介しましょう。

女子校のイメージとしては、「お嬢さま」の印象を持つ人が多いかもしれません。

しかし実際それはイメージだけに過ぎず、学校内には、元気でたくましく学校生活を送っている女子が多いものです。

女子校にいるのは男子はおらず、もちろん女子だけ。

体育祭や文化祭など、共学であれば男子の力を借りることが多い力仕事のような場面でも、自分たちでつくり上げなければなりません。

自然と、どんなことでも自分たちの手でしっかりとやり遂げる、といった姿勢が培われます。

こうした経験を重ねることで、凛としてたくましい女性が育っていくのでしょう。

特に、別学の効果は女子のほうが大きいということを示す研究結果も、複数発表されています。

イギリスのエセックス大で行われた調査は次のようなものでした。

大学の初年度に行われる経済学の授業を受講する学生を、「女子のみ」「男子のみ」「男女混合」という3つのクラスにランダムに振り分けます。

すると、「女子のみ」のクラスの学生は「男女混合」のクラスの学生よりも偏差値が2.5も高く、1年目の経済学の単位を取る確率が7.7%も高かったことが示されました。

さらに、1年目に「女子のみ」のクラスに振り分けられた学生は、大学を退学する確率が57%も低かっただけでなく、イギリスの教育システムの中でトップランクに位置する学位を取得する確率が61%も高くなりました。

一方で、「男子だけ」のクラスと「男女混合」のクラスは、差はほとんどありませんでした。

女子は女子のみの環境にいることが、学業の成績に関しては最も効果的であるという研究結果となりました。

このことは、女子校での理系進学者が相対的に多くなることにもつながるといえるでしょう。

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男女別学のデメリットは?

ブルーな気持ちメリットが多い男女別学ですが、最大のデメリットとして様々な人から指摘される点としては、「異性との接触の無さ」といえます。

そのため、大人になってからも異性とのコミュニケーション方法が分からない、という人もいるようです。

それだけでなく、思春期の多感な時期を、同性だけの閉塞的な環境で過ごしていたことで、逆に性別を意識し過ぎてしまい、自分と異なる性の相手に対して、偏見的な考えを持ってしまう人もいます。

男女別学のデメリットに目を向けると、結果的に男女平等教育の妨げになってしまうのではないかといった危惧も生じます。

実際に、男子校・女子校の出身者に話を聞くと「異性との適度な距離感が身につかなかった」と言う人が多くいます。

こうしたことが、恋愛や結婚において大きく不利に働くことはないかもしれませんが、異性とのコミュニケーションの機会はそれだけではありません。

社会に出た時に、職場の同僚や、コミュニティーの人間関係などの中での振る舞いに、大きな影響がでることが考えられます。

性別を越えた人間同士の交流の中で、リスペクトとデリカシーをもってコミュニケーションを取ることは、圧倒的に困難です。

そのようなコミュニケーション能力を身につけるためには、別学であっても異性との交流の機会を意識的に持つことが大切です。

そうすることで、社会生活を潤滑に営む力が身つくでしょう。

男女別学のデメリットの懸念もあり、男女別学の学校の中には、近隣の学校と交流活動を盛んに行い、異性との協働の機会を多く設けている学校もあります。

このように、意識的に学習や研究、イベントや作業など、同じ課題に取り組み、異性とやり取りする機会を持つことが大切です。

男女別学まとめ

植物と子供たち女子校・男子校は、同年代の異性からの言動に委縮することなく、安心して勉学や仲間づくりに励める場所であるといえます。

人格形成がされる大切な思春期に、学校で伸び伸びと過ごすことができるといった効果は計り知れません。

また、近年ジェンダーについての理解が進み、法律が整備されたこともあり、性別によるあからさまな差別は減少しています。

しかしながら「アンコンシャス・バイアス」(無意識の偏見)はまだ根強く残っています。

「男の子はしっかり勉強しないと」という思い込みや、「ガラスの天井」という言葉に象徴されるように、女性も社会や企業の中では、まだまだ不利益をこうむっていると感じる人が多くいます。

男女別学では、暗示的な同調圧力や、性別によるバイアスを押し付けられない分、ジェンダーギャップを乗り越えやすいといえるでしょう。

大人になれば、様々な偏見が残る社会のなかで男女ともに生きていくことになります。

だからこそ多感な時期に、「男らしさ」「女らしさ」にとらわれず、異性からどう思われるかを気にすることなく、「自分らしさ」といった、個性を発揮できる男女別学で過ごす経験は貴重であると言えます。

共学のメリット、デメリット

二つの四つ葉共学の良さは何といっても、男女がお互いの弱点を補いつつも良い影響を与えることができる点にあります。

また、異性の存在によって逆に同性の良い点に目が行き、同性同士の強い仲間意識が持てる点も男女共学の魅力の一つです。

小学校と同じ環境の、共学の中学校に進学すれば、環境のギャップを感じずに済みます。

小学校と同じように中学校では、しっかりした女子が、ふざけてばかりいる男子を引っ張るケースが多く見られますが、高校生にもなると、男子が成長して、女子の成長に追いついてきます。

高校時代の思い出を共学出身者に聞くと、恋愛経験や性別を超えた友達との思い出話が多数上がります。

また、大学受験直前になると、男子は瞬発力を見せてぐっと伸びることもよく聞く話で、刺激を受けた女子も、ラストスパートをかけるきっかけになることがあります。

このように、男女が自然な状態で共存し、共に多感な思春期を切磋琢磨しながら過ごすことができることは、男女共学の大きなメリットといえます。

共学校は、異性を意識せざるを得ない環境に身を置くことになります。

これは見方を変えれば、「実社会」に近い環境といえるでしょう。

同世代の異性の考え、物事の受け止め方の違いなどといった、性差を越えた様々な価値観に触れることで、「適応性」という面での成長も期待でき、実社会に出てからもその経験が大いに役立ちます。

一方、男女共学のデメリットとしては次のようなことがあげられます。

異性の目を気にする余り、のびのびとした学校生活が送れなくなるということや、異性へ目が行ってしまい、本来やるべき学業に支障が出てしまうということがあるようです。

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どれを選ぶべきか?本人の特性を意識しよう

別学と共学は、どちらかが優れているということはありません。

中学・高校時代はその後のライフスタイルに影響を与える大切な時期です。

家族でしっかりと話す機会を設け、別学と共学それぞれの強みと弱みをしっかりと理解して、本人の性格や希望に沿った教育環境を選び、充実した学校生活を送れるようにしましょう。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。

「大成会 西18丁目教室」
教室長
日野浦 大河

2017年北海道教育大学卒、中学・高校の社会科教員免許保持。現在は2023年8月にオープンした「大成会 西18丁目教室」の教室長を勤める。家庭教師時代の経験から、成績の伸びを決める一番大きなものは生徒さん自身のやる気であると痛感し、そのやる気を刺激する方法を日々模索している。


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公開日:2021年7月19日 更新日:2024年2月28日
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