今回は受検前日に読んでおきたい記事です。
受験当日はこれまでの学びの集大成。
学んできたことを遺憾なく発揮しなくてはならない一大行事です。
そのため前日の準備は非常に大切です。
一度受検前日のスケジュール感を確認し、参考にできる部分はどうぞ活用して下さい。
受検前日は慌てない事
受検前日は何をしていいのかわからないものです。
多くの方は「最後の追い込みに」とラストスパートをかけています。
しかし試験当日を安心して迎えるためには前日はしっかりと休むことが重要です。
戦いの前の短い休息と捉えて頂けると良いでしょう。
準備してきた試験が目前で焦る・緊張する
入試は非日常であるため、どのように前日を過ごしてよいのかわからず多くの場合焦ることになります。
これ自体は別に問題ではありません。
本記事をすべてご覧になってきちんと対策を練ればよいだけですから。
ちなみに最後の追い込みを掛ける事に関してはあまり意味はありません。
確かに勉強した分だけ知識が付きますが、前日に頑張ったところで難問が突然解けるようになるわけではありません。
せいぜい取りこぼしている英単語を2〜3個覚える事が精一杯でしょう。
そのため受検前日はしっかりと休んで翌日のパフォーマンスケアをするほうがよっぽど有意義であると言えます。
受検前日に受験勉強をするなとは言えませんが、それでも最終チェック程度に考えておくほうが良いでしょう。
受験当日の服装はどうする?
受験当日は体温調節をしやすい服装で挑むことをおすすめします。
特に寒冷地の大学を受験する方は汗を吸う素材の肌着を1枚身につけておくと良いでしょう。
特に北海道は屋内がとても暑く、半袖にならないと汗がひかないほどの温度設定がなされている部屋もありますのでご注意下さい。
その他の大学に関しても大抵の場合は受験室に暖房がかけられており暑いので、肌着には気を使うと良いでしょう。
具体的には肌側からエアリズムなど速乾涼感のアンダーウエア、薄めのシャツ、薄手の羽織るもの、防寒性の高いコートのような順番が望ましいです。
屋外ではコートまでしっかりと羽織って防寒。
屋内は自身の感じ方や室温に応じて着ているものを脱げばいいだけの話です。
服装を選ぶ際は「暑いときの対処法を第一に考える」というアプローチで望むほうが良いでしょう。
下半身についてですが、パンツも吸汗性の素材を使用したものをオススメします。
下半身は椅子に座ると蒸れやすく不快感・肌かぶれなどの原因になります。
上半身は脱げば対処できますが、下半身は暑くても脱ぐわけにはいきません。
こちらに関しても暑いときにどう対処するかを基準に当日の服装を決めましょう。
靴下は五本指のものを強くオススメします。
理由は単純で「汗に強いから」です。
通常の靴下であれば指と指の間に布が当たることはなく、非常に気持ち悪くなります。
足にかいた汗を追い出そうとすると次は指の付け根が痛くなってしまいます。
そのため足の指の汗対策は必要以上に入念に行う必要があります。
五本指ソックスの場合は足の指が独立しており、汗をかいても足に密着した靴下の素材が汗を吸収・蒸発させてくれます。
受験時に靴を脱ぐ受験生の皆さんは多くありませんが、最高のパフォーマンスを発揮したいと考える受験生の皆さんであればそれもいとわないでしょう。
どうせ靴を脱いでしまうのであれば、最も効率の良い方法を選択する事が必要です。
ホテル前泊は必要?
遠隔地の大学を受験する場合に悩むのがホテル問題。
ホテルに泊まればゆっくりと身体を休めることが可能で、更に翌朝もゆったりと支度をすることが出来ます。
通常ホテルではチェックアウトの日は荷物を預けることが出来るため、必要最低限の荷物を持って受験会場へ行くことも出来ます。
そのため可能であればホテルを予約すると良いでしょう。
受験期のホテルは争奪戦となるため、受験する大学が決まったらすぐに予約を行うようにしましょう。
ちなみに最も安く済ませる方法は「公式サイトから予約する事」です。
予約サイトを経由して予約を行った場合は、ホテルは予約サイト側に一定の手数料を払う必要があります。
そのため、予約サイトの値段は公式サイトよりも高い価格設定となる場合が多いです。
予約サイトは事前決済サービスを利用できるなど便利なサービスが多いですが、安く済ませるのであれば公式サイトからの予約一択です。
また、どれほど受験地が離れていたらホテルを利用すべきなのでしょうか。
その基準となるものが都府県単位で考えることです。
北海道・沖縄を除き隣県以外を受験する場合はおとなしくホテルを予約したほうが身のためです。
例えば福島県から東京都へ受検で向かう場合、所要時間は1時間半です。
仮に集合が9時だとすれば7時30分に駅を出ると丁度到着。余裕を持って出るとすれば7時発くらいの電車に乗らなければなりません。
起きるのは遅くても6時半。
大学の近くにホテルを取った場合は8時半にゆっくりと出発しても間に合います。
朝の1時間半は非常に大きな意味を持つということを覚えておきましょう。
とある受験生の受検前日
実際に受検前日の学生スケジュールを確認する事にしましょう。
北海道の場合、ホテルなどに前泊する方もおられるかもしれませんが基本的には変わりません。
いつもと同じ生活を送ることが大切です。
6:00 起床する
受験生にとって規則正しい生活は合格への近道です。
自分を律することによって勉強にも気合が入りますし、集中力が段違いです。
とある受験生は受験生生活を始めてから毎朝6時に起床しているようです。
この習慣を続けるだけでも大変なことですが、受験当日の事を考えると非常に良い心がけです。
起床したあとは散歩・読書・動画鑑賞など受験勉強に押されて出来なかったリラックス方法で気持ちを落ち着かせています。
ストイックな方であれば日中の時間を受験勉強の追い込みに使っても良いでしょう。
ただし普段の受験勉強のように難しい問題を解いたり多くの問題に手を付ける事はいけません。
心身に余裕が無くなるばかりではなく、難問が解けなかった際の不安感に繋がります。
あくまでも受験勉強のクールダウンと位置づけて学習を行うと良いでしょう。
軽く昼食を摂ったあとは英単語の暗記や化学式の確認を行うようです。
受検前日はあまりタイトなスケジュールを組んではいけません。
受検前日は休息日であると言っても過言では有りません。
翌日の準備を行う事に集中するくらいの気持ちでリラックスすると良いでしょう。
16:00 試験会場まで実際に足を運ぶ
夕方には受験会場の下見をしに行くようです。
受験当日と同じ交通機関・ルートで足を運ぶと、遅刻のリスクをグッと下げることが可能です。
受検前日に限ってはこれ位の余裕がないといけません。
全知全能になった気持ちで外出しましょう。
ホテルに前泊をしている場合は周辺の地形を頭に叩き込んでおくと良いでしょう。
ただでさえ慣れない土地で勉強の成果を発揮する必要があります。
そのために皆さんが出来るのは「当日の不安材料をすべて解消しておく」事に他なりません。
目印になる店や交差点などをメモしておくと良いでしょう。
ここでコツですがコンビニを目印にしてはいけません。
コンビニはあちこちに点在しており、どのコンビニを目印にしたか見失う場合があります。
コンビニが少ない田舎の場合や他に大きな目印になるものがある場合は問題有りませんが、可能な限り個人商店やファミレスなどを目印にすると良いでしょう。
ファミレスはコンビニほど乱立している訳では無いので安心して目印にする事が出来ます。
ホテル前泊の方であれば帰り道の飲食店で食事、自宅から受験会場へ向かう方であれば自宅で早めの夕飯を済ませるようにしましょう。
18:00 翌日の準備を行う
物事は「段取り8割、あと2割」と言われるほど事前の段取りが重要になっています。
翌日の準備は早い時間に行っておくようにしましょう。
寝る前に準備を行うというケースもありますが、それはやめておくようにしましょう。
眠いと判断力が鈍り必要なものをかばんに入れ忘れたり、面倒くさくなって準備を適当に済ませてしまう恐れがあります。
可能であれば夕食後はお風呂に入って寝るだけの状態がベストです。
受験前に気をつけたいポイントは3つ。
- 鉛筆はきちんと削れているか
- 受験票は入っているか
- ティッシュは持っているか
鉛筆はマークシートに記入するため必須です。
書き慣れたシャープペンがある場合はそれでも構いません。
ただし試験中に故障するリスクを考えると鉛筆がベターと言えるでしょう。
鉛筆は芯がしっかりと削れているか確認するほか、鉛筆削り自体も筆箱に入っているか確認が必要です。
筆者のおすすめは無印良品のもの。
コンパクトな上に100円ほどで購入することが出来るため非常に使い勝手が良いです。
また意外にも多いのが受験票の忘れ物。
かばんに入れ忘れることもあれば顔写真を貼付していない事も。
受験票はしっかりと確認するようにしてください。
また多くの場合は受験票の裏側に必要な道具などが記載されています。
受験票をチェックすると同時に、必須の持ち物についても確認するようにして下さいね。
ティッシュは意外と多くの場面で使うことになります。
受検は多くの場合冬に開催されます。
風邪気味の場合は鼻をかむために。またトイレで紙がない場合にもポケットティッシュがあれば対処が可能です。
重要な場面に限って紙のないケースが多いのでティッシュは必ず持っておいて下さい。
加えて受検中も意外とティッシュは役に立ちます。
例えば机がガタついて集中できないとき。ティッシュを小さく折りたたんで机と床の間に挟めば安定します。
また鉛筆のクズや消しゴムのカスをゴミ箱に捨てる際にも手を汚さなくて済みます。
筆者は手汗が人より多かったのでよくティッシュの上に消しゴムのカスなどを乗せて捨てに行っていました。
22:00 早めの就寝
夕飯をしっかりと取り、シャワーで受験前の煩悩を洗い流したらいよいよ就寝です。
多くのコラムで「夜は早く寝たほうが良い」と謳われていますが、これは紛れもない真実です。
本記事でも「早く寝たほうが良い」という意見です。
次の日の朝にスッキリと目覚めることが出来るというメリットもありますが、最も大きな理由は「余計なことを考えずに済む」という事です。
通常夜というものは余計な事を考えがちです。
「もう少しだけ勉強したほうがいいのではないか」「不安になってきた」など夜が深まれば深まるほど考えなくても良いものを考えてしまいます。
そのため早い時間にはベッドに入っておき、目をつむることが非常に重要です。
また夜遅くまで起きていると疲れを十分に癒やすことが出来ず、次の日の試験が大変な事になります。
夜ふかしをしてしまうと翌朝が辛くなる理由の一つがスマホです。
スマホの画面から発光しているブルーライトが目に刺激を与えて、入眠が遅くなります。
実際にこれは科学的にも実証されています。
気になるという方は以下の参考記事をご覧になると良いでしょう。
院長の記事によると「画面の光を浴びると脳が昼間と勘違いする」との事です。
人間が体内で出すホルモンの分泌量が少なくなることで、脳みそは眠気を誘わないという事が研究からわかっています。
詳しくは以下で解説していますが、寝る前2時間はスマホを触らないようにしましょう。
受検を乗り切るポイント
実際に受験生のモデルスケジュールを確認して頂いたところで、皆さんに気をつけていただきたい具体的な事例をいくつかお話しましょう。
下に並べた5つの鉄則はぜひ意識していただきたいものです。
私はもう受検が終わりましたから、役に立った経験を皆さんにシェアします。
受検前日に限ってはあえて勉強しない
受検前日はあえて勉強しない事をオススメします。
これは先程申し上げた体調を整えるという観点以外からも優れたメリットがあります。
まず紹介するのは「スケジュール感覚が身に着けやすくなる」という点です。
受検前日は何が何でも勉強しないと決めているので、自然と受検前日に勉強しなくても良いようなスケジュールを組むことになります。
つまり余裕を持って勉強計画をたてる事が出来るため、受験勉強にメリとハリが生まれます。
また遠隔地の大学を受験する場合、たいていは前日がホテル泊になります。
少し近隣を散歩をしてキャンパスライフをイメージすることも良いでしょう。
これに関しては単なる息抜きになるだけではなく、自分を鼓舞する副作用も生まれてきます。
特に北海道から本州方面、本州から北海道へ受験する際は全く違う街の様子に心がおどることでしょう。
本州にはないコンビニ、北海道ではあまり馴染みのないJRの駅。
どちらをとっても試験当日のやる気が増す良い刺激となるでしょう。
お腹に優しいものを出してもらう
実家から試験会場に行く場合、前日の夕飯や当日の朝食はお腹に優しいものをリクエストしましょう。
おにぎりやパンなど普段から口にしている主食をメインに、あまり刺激の多くないおかずで構成してもらいましょう。
ホテル泊の受験生の皆さんであれば、ファミレスでサラダや温かいスープを取ると良いでしょう。
最もやってはいけない事が「勝つ」にかけてトンカツなど揚げ物を食べてしまう事です。
油ものは消化を遅らせるだけではなく、お腹がゆるくなったり胃もたれがしたりと良いことはあまりありません。
せいぜい気分が上がることぐらいです。
夕飯に揚げ物などを食べてしまうと胃もたれして寝付けず、朝に食べてしまうと消化にエネルギーを横取りされ集中できません。
トンカツは試験後の願掛けにして、試験前日は我慢しましょう。
準備は夕方のうちに済ませてしまう
準備は前日の夕方がベストタイミングです。
その理由は「皆さんが持っているアイテムは日中使うものが多いから」です。
例えば電車のICカードやスマホのモバイルバッテリー、ハンカチなどは日中使うことになります。
受検前日に張り切って準備したとしても結局それらのアイテムはかばんから取り出して持ち歩くことになります。
だからといってそれぞれ当日用にもう一つ準備するわけにはいきません。
準備は日中の活動が終わった夕方に始める事がベストです。
受検前日は使ったものをそのままかばんにポイ。その日に使わなかった日用品は翌日も使いません。
荷物は厳選する事をオススメします。
逆に夜遅くや当日の朝に準備するのもあまりおすすめはしません。
忙しい朝に準備を行うと焦って必ず何かを忘れる事になります。
これは言語道断、前日にきちんと準備を行っておく必要があります。
また夜遅くに準備するのもあまり良くありません。
就寝前、眠たい目をこすって準備するとなにか忘れ物をする可能性が高くなるからです。
加えて就寝前に身体を動かすと身体が起きてしまい、寝付きに影響する場合もあります。
個人差があるのでなんとも言えませんが、少なくとも私は夕方に準備したときが一番落ち着いて行動できました。
前日は早めに布団に入る
前日は9時くらいにはベッドで寝転んでおく必要があります。
翌朝すがすがしく目覚めて、フレッシュな気持ちで試験会場へ向かうためには、やはり睡眠を十分に取る以上のものは無いでしょう。
その結果いつもより睡眠時間が多かった場合は、いつもより多く寝たという満足感で明るく試験に望むことができるでしょう。
10時くらいには寝付いているのがベストです。
あまり夜ふかしはしないようにしましょう。
睡眠前はブルーライトを浴びないように
睡眠前の2時間は画面を見ないようにしましょう。
スマホなどの画面が発するブルーライトには脳を錯覚させます。
ブルーライトを浴びるとメラトニンというホルモンが分泌されにくくなります。
メラトニンとは多く分泌されると眠くなる性質を持つホルモンです。
スマホやタブレットなどの画面を見続けることでメラトニンの分泌量が減少し、脳が昼間であると錯覚してしまうという事です。
どうしてもスマホやタブレットを触りたい場合はNight Shiftモードやブルーライトカットメガネなどを活用し、なるべく目に負担をかけないように努めましょう。
さいごに
ここまで受検前日の過ごし方についてご紹介してきました。
筆者は受検という受検を10回以上経験し、その殆どをホテルでの前泊という過酷な条件でこなしてきました。
結果は申し上げませんが、皆さんのお役に立てることは紛れもなく真実であると考えています。
ここまでの文章を要約すると「受検前日はリラックスに努めよ」という事です。
受検前日は変に悪あがきをするのではなく、これまで頑張ってきた皆さんを信じてゆっくりと休むほうが効率が良いです。
英単語3個定度のために変に疲れるよりは、それを捨ててでも最高のパフォーマンスに整えることの方に集中して下さい。
客観的に考えてもその意義は十分にお分かり頂けるでしょう。
ただ、どうしても前日ギリギリまで勉強しないと自信が持てない…という場合には、以下の記事も合わせて読んでみてください。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。