PTAの【謝恩会】参加したくない?謝恩会の必要性とは

【PTA】謝恩会の必要性
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自分の子供が学校を卒業するとき、謝恩会が開かれることがあります。

謝恩会とは、親や児童・生徒・学生たちが、先生に感謝の気持ちを伝えるために、ちょっとしたパーティーを開く催しです。
食事や飲み物で、先生をおもてなしするわけです。

「子供をここまで成長させてくれた先生に、心からお礼の気持ちを伝えたい」と思っている保護者は、謝恩会に積極的に参加したいでしょう。

しかし保護者のなかには、先生のことを好きでない人もいますし、先生に感謝できない人もいるでしょう。

そのような保護者も、謝恩会には出たほうがよいのでしょうか。

行きたくないなら「不参加でいい?」

謝恩会の概要や実態については、のちほど詳しく解説します。

まずは、謝恩会に行きたくないと考えている保護者が、参加しなくていいのかどうか、考えていきましょう。

「子供参加タイプ」なら参加が無難

参加・不参加謝恩会には、子供が参加するタイプと、保護者と先生だけで開くタイプがあります。

子供参加タイプの謝恩会なら、保護者も出席したほうが無難です。

謝恩会や卒業式が終われば、保護者はもう、その学校と縁が切れます。
ショッピングモールなどで偶然出くわす以外は、先生と会うことはもうないでしょう。

そのため、謝恩会に出なくても「後腐れ」はありません。

しかし、子供が参加するとなると、話が違ってきます。

他の家庭は、子供と保護者がきちんと参加しているのに、自分のところだけは、自分が欠席して子供だけ参加しています。
日本社会では、このような「ちぐはぐさ」がとても目立つので、謝恩会に参加した子供が、他の子の保護者から「お母さんかお父さんは来ないの?」と聞かれるかもしれません。

謝恩会に参加したくない保護者は「構わないでほしい」と思うかもしれませんが、他の保護者はどうしても構ってしまいます。

子供が参加するタイプの謝恩会に保護者が参加しないと、自分の子供が肩身の狭い思いをすることになります。

「先生のために」と思うことができなくても「子供のために」とは思えるはずです。
子供のために、謝恩会に参加してみてはいかがでしょうか。

どちらでもいいなら行く「数時間で終わる」

腕を組む女性先生と保護者しか参加しないタイプの謝恩会で、「どちらかというと行きたくない」という保護者は、参加しておきましょう。

世の中には、嫌なことや面倒なことがたくさんあり、保護者もこれまで、何度も嫌なことや面倒なことを我慢してきたはずです。

謝恩会もそれと同じと考えればいいのです。
数時間で終わる」と思って、参加してみてください。

また、どうしても先生に感謝できない保護者も、謝恩会の準備に奔走した保護者のためなら、謝恩会に参加できるのではないでしょうか。

これも、のちほど詳しく紹介しますが、謝恩会の準備はとても大変です。
謝恩会準備委員になった保護者は、無償で労力と時間を提供しています。
謝恩会準備委員の保護者は、1人でも多く参加してくれることを望んでいます。

「数時間なら我慢できそう」という保護者は、謝恩会準備委員の保護者の労に報いるためにも参加しましょう。

先生に感謝できないなら「行っても行かなくてもよい」

保護者のなかには、先生と衝突したことがある人もいるはずです。

  • 「他の子を贔屓(ひいき)して、うちの子供を蔑(ないがし)ろにした」
  • 「うちの子供がいじめられているのに対応しなかった」
  • 「うちの子供を厳しく叱った」
  • 「教えるのが下手で、子供の学力が思うように上がらなかった」
  • 「隣のクラスの担任のほうがよかった」
  • 「塾の先生のほうが、よほど親切で親身だった」

こうした、恨みつらみを、先生に対して持っている保護者は少なくありません。

このような経験をしている保護者は、謝恩会をボイコットしてもよいのでしょうか。
それとも、それでも我慢して参加したほうがよいのでしょうか。

黒板に書かれたYESとNOその答えは「行っても行かなくてもよい」となります。

「行ってもよい」理由ですが、謝恩会というリラックスした席で先生の「言い分」を聞けば、保護者は自分が誤解していたことがわかるかもしれません。

謝恩会がリラックスした雰囲気になるのは、「先生と保護者の関係」が終わっているからです。

子供が学校に通っているうちは、先生は「保護者の子供を預かっている」立場であり、保護者は「先生に子供の教育を託した」立場になります。
両者にこのような「立場」があると、本音でぶつかることは簡単ではありません。
先生も保護者も、建前や対面を気にして話さなければなりません。

しかし謝恩会の席は、もう、先生でもなければ保護者でもありません。
単なる大人の集りです。
このリラックスした雰囲気で双方が腹を割って話せば、意外に価値観が近いことがわかるかもしれません。

子供が学校に通っているときは「この先生、嫌いだな」と思ったり「なんでこの先生がうちの子供の担任になってしまったんだろうか」と感じたりしていても、謝恩会で話せば、「なんだ、案外いい人だったじゃないか」と思えるかもしれません。

続いて、先生に感謝できないのであれば「行かなくてもよい」理由ですが、謝恩会は、恩義に対して感謝する場所なので、恩義を感じず、感謝の気持ちすらないのであれば、出ないほうがよいからです。

先生もその他の保護者も、せっかくよい雰囲気になっているのに、その先生のことを嫌っている保護者の「不用意な一言」のせいで、その場が台無しになってしまうことを望んでいません。

そのようなことをする危険があるなら、欠席したほうがよいでしょう。
最後の最後で、お互いに不愉快になる必要はありません。

行かないことのダメージは「人としてどうか」

ここまでの考察を参考にして、謝恩会に参加したくない保護者の、「参加するメリットとデメリット」と「参加しないメリットとデメリット」を考えてみましょう。

謝恩会に参加するメリットとデメリット

メリット

・先生のことを評価できなくても、子供に教育を施してくれたことは事実。それに対して最低限の感謝ができる

・「人として」「普通の社会人として」常識ある行動を取ることができる

デメリット

・評価できない先生に「感謝している」という態度を取ることは癪だ

・不愉快な感情を抱えることになる

謝恩会に参加しないメリットとデメリット

メリット

・先生を非難していることの意思表示ができる

・不愉快な思いをしなくて済む

・自分の気持ちに素直になれる

デメリット

・「人としていかがなものか」と自問することになる

・「常識ある社会人の行動とはいえない」と周囲から批判されるかもしれない

謝恩会に参加したくない人は、参加しても参加しなくても、メリットとデメリットが発生します。

上記のまとめを参考にして、メリットが多く、デメリットが少ないほうを選択してみてください。

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謝恩会はなぜ開くのか「負の面もある」

そもそも謝恩会は、なぜ開かれるのでしょうか。
そして、自分の子供の学校以外の学校の謝恩会は、どのようになっているのでしょうか。

謝恩会の実態を、ベネッセの「謝恩会アンケート」を基にしながら探っていきます。

そもそも謝恩会とは

はてな謝恩会を辞書で調べると「感謝の意を伝えるために開かれる会。ふつう、卒業生が教師に感謝する目的で開く会をいう」(大辞泉)、「感謝の気持を表わすためにもよおす会合。ふつう、学生、生徒が学校を卒業するときに教師に対してする会をいう」(日本国語大辞典)とあります。

ここに、保護者は登場しません。

しかし、教え子たちが自分たちだけで企画・主催・開催する謝恩会は、大学くらいでしょう。
せいぜい、高校までです。

小学校や中学校、ほとんどの高校は、保護者やPTAが開いています。

それは、謝恩会は一種のパーティーなので、小学校や中学校を卒業したばかりの子供では、企画すらできないからです。

また保護者参加型にすれば、保護者が謝恩会という機会を使って、先生に個別にお礼を言うことができます。

企画の仕方やその学校の風習にもよりますが、謝恩会ならクラスごとに開催することができ、保護者は担任の先生に「だけ」感謝することができます。

もちろん、学年全体で謝恩会を開くこともあります。
その場合、複数の先生が出席します。

謝恩会では、大体次のようなことが行われます。

  • 先生に花束やメッセージカードを贈る
  • 食事会やお茶会を開く
  • アルコールが出る飲み会を開く
  • 子供たちの出し物を企画する
  • 保護者がクイズ、ゲーム、抽選会を開く
  • 保護者が製作したスライドショーを上映する

卒業式のあとに「2次会」的に謝恩会が開かれることもあります。
別の日に謝恩会だけ開くより、卒業式と同日のほうが、先生も保護者も都合がよいからでしょう。

謝恩会には、教え子たちが出席するパターンと、先生と保護者たちだけで開くパターンがあります。

教え子も出席するパターン

ソフトドリンク教え子も出席する謝恩会の雰囲気は、大体次のようなものです。

子供も参加すると、先生に感謝の気持ちを伝えるだけでなく、子供たちを飽きさせない企画も必要になります。
幼稚園や小学生では、子供たちが出し物をすることもあります。
また、子供たちにプレゼントが当たるビンゴ大会を行う謝恩会もあります。
こうなると、「先生のため」という意味合いが薄まってしまいますが。

謝恩会のハイライトは、子供たちからの感謝の言葉と、保護者たちからの感謝の言葉です。
どの先生も「この子たちを卒業させるのには苦労した」と思っています。
楽々クラス運営できる先生など存在しないでしょう。
そのため、教え子と保護者の双方から感謝されれば、先生は感無量になるはずです。

子供たちが参加するので、大抵は軽食とソフトドリンクしか出ません。
豪華な食事やアルコールは出ません。

会場は教室や体育館のこともありますし、学校の外に出て会館で開いたり、レストランを貸し切ったりすることもあります。

先生と保護者だけで開くパターン

ビールで乾杯先生と保護者だけで開く謝恩会は、アルコールが出る飲み会になることがあります。
その場合、会場は居酒屋の大部屋になることもあるでしょう。

アルコールが入ると、先生も保護者も緊張感が取れ、本音で話せるようになります。
また、子供がいないので、いわゆる「大人の話」をすることができます。

高級住宅街に近い学校であれば、保護者に金銭的な余裕があるので、高級フランス料理店などを貸し切って開くこともあります。
謝恩会が厳(おごそ)かになり、真面目な話ができます。

ただし、いずれの場合も、単なる飲み会で終わらないように、保護者が感謝の言葉を述べる機会や先生のスピーチを企画するでしょう。

開かないパターン

学校によっては虚礼廃止の考えから、謝恩会を開かないこともあります。

その場合でも、保護者の有志が「先生を囲む会」を企画することがあります。

特別に手がかかった子供や、優秀な成績を残すことができた子供、難関学校への進学が決まった子供の保護者たちは、心から先生にお礼をしたいと思うはずです。

任意の会合なので、主催者の保護者たちは、非協力的な保護者や先生に反発ばかりしていたモンスターペアレントのような保護者には声を掛けません。

そのため、保護者有志による「先生を囲む会」は、実のある会になるでしょう。

理想的な会といえますが、保護者全員に声をかけるわけではないので、遺恨が残ることもあります。

「極めて日本的」で義務的な開催も珍しくない

ブルーな気持ち謝恩会には負の面もあります。
それは、義務的に開かれることがある点です。

残念ながら、教師スキルがまったく足りていない先生もいます。
クラスを統率できない先生もいます。
意地悪な先生もいます。

だからといって、何十年とわたって謝恩会が開かれ続けている学校において、その年のそのクラスだけ謝恩会を開かない、ということは「日本の文化的に」とても難しいことです。

やる気のない教師に向かって、感謝の気持ちがない保護者たちが謝恩する会を開くのは、いささか滑稽ではあります。

もちろん、大半の謝恩会は「心がこもったもの」になっているはずです。

「開かない」最大7

ベネッセは2013年に、620歳の子供を持つ保護者、約2,000人を対象に「謝恩会アンケート」を実施しました。

謝恩会に関する調査は珍しいので、このアンケート結果はとても貴重なデータであるといえます。

謝恩会の開催・非開催の割合は以下のとおりです。

・幼稚園・保育園:開催66.0%、非開催34.0

・小学校:開催46.4%、非開催53.6

・中学校:開催26.1%、非開催73.9

・高校:開催35.0%、非開催65.0

開催率が最も高いのは幼稚園・保育園で、7割近くでした。

非開催率が最も高いのは中学校で、こちらも7割でした。

さらに、保護者の参加条件は「自由:66.6%」「参加必須:33.4%」でした。
7割の保護者は、参加しても参加しなくてもよいことになっていました。

これらの数字からすると、謝恩会を経験したことがない保護者がいても不思議ではありません。

とにかく準備が大変

忙しい女性謝恩会を苦手にする保護者が少なくないのは、準備がとにかく大変なことです。

全クラス合同で謝恩会を開く場合、参加者が100人以上になることもあります。
そうなると、会場探し、出欠の確認、参加費の徴収、司会進行といった、普通の幹事業務だけでも膨大な作業になります。

それに加えて、先生に「寄せ書き」をプレゼントしようとすれば、保護者全員に「一言」書いてもらわなければなりません。

子供の出し物や保護者の出し物をするのであれば、事前に何回か集まって練習しなければなりません。
「台本」を書く必要もあります。

レストランや居酒屋で開くのであれば、席も食事も飲み物も店側が用意してくれますが、会費が高くなります。

一方、教室や会館などで開けばコストは抑えられますが、保護者が軽食や飲み物を買い出しに行かなければなりませんし、謝恩会が終わればゴミを回収しなければなりません。
会場設営と撤去も、保護者たちが行わなければなりません。

謝恩会を開かない中学校が7割以上もあるのは、これだけ手間がかかるのに、開催を快く思っていない保護者が増えているからでしょう。

義務的に開催して、義務的に参加するのであれば、謝恩会を準備する保護者の苦労が報われません。

先生も面倒だと思っている

謝恩会に出たくない保護者は、それでも出るべきか、それならボイコットしたほうがよいのか――自分1人で考えていても、この答えはなかなか出ないと思います。

そもそも謝恩会は開催されるべきなのでしょうか。
それとも、義務的に仕方なく開くくらいなら、いっそのことやめてしまったほうがよいのでしょうか。

頭を抱える男性保護者が、謝恩会問題を考えるとき、忘れてならないのは先生の気持ちです。

義務的な謝恩会であれば、先生のほうも「参加するのが面倒だ」と思っているに違いありません。

先生と保護者は年単位の長い付き合いになります。
だから先生も、保護者から好かれていないことは薄々察知しているはずです。

ベテランの先生であっても、クラス運営がうまくいく年と、失敗する年があります。

例えば、クラスにリーダーシップを取れる子供がいて、その子が同級生をまとめたり、子供たちと先生の橋渡しをしてくれたりすると、クラス運営はスムーズにいきます。

そうなれば先生は授業に専念できるので、子供たちの成績も上がります。
それを喜ばない保護者はないでしょう。
保護者の、先生への感謝の気持ちは相当高まるはずです。

ところが、クラスに反抗的な子供がいて、しかもその子が「権力」を握ってしまうと、クラス運営は破綻しかねません。
授業妨害が起きれば、他の子供の勉強にも支障が出ます。

そのクラスのテストの平均点が他のクラスより著しく低ければ、保護者は担任に不信感を抱くでしょう。

しかし先生のほうでは「あの反抗的な子さえいなければ」と思っているわけです。
さらに「あの反抗的な子供の保護者は、一体どのような躾(しつけ)をしているのか」と恨んでいるかもしれません。

クラスが団結でき、成績向上という実績が残れば、先生は胸を張って謝恩会に出たいはずです。

クラスが崩壊して、子供たちの学力が上がっていなければ、先生こそ、謝恩会をボイコットしたくなるはずです。

「謝恩会に行くのが面倒だ」と感じている保護者は、先生のこうした心理を想像してみてください。

すると、「頼りない先生だったけど、うちの子も少なからず先生に迷惑をかけたかもしれない」と自省できるかもしれません。

そうなれば、「とはいえ、子供をここまで成長させてくれたんだし、謝恩会くらいは気持ちよく出席しよう」と思えるようになるかもしれません。

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まとめ~やはり気持ちが重要

謝恩会の起源は「気持ち」や「心」だったはずです。

子供に勉強を教え、生き方を教え、無事卒業させることは、先生の責務であり仕事です。
そのため、先生がそれを達成したからといって、給料やボーナス以上の報酬を得なければならない理由はありません。
一般のビジネスパーソンは、仕事で成功しても誰も謝恩会を開いてくれません。

しかし学校教育には、一般のビジネスでは起き得ない関係が生まれます。
それは「先生と教え子」の関係です。
「師匠と弟子」といってもよいでしょう。
この関係は、普通の会社の「上司と部下」とは全然違います。

先生と教え子は、気持ちや心でつながります。
そこにはお金のやり取りも、利害も発生しません。

謝恩会は本来は、保護者たちの「先生、私たちの子供たちを、心から愛し指導してくれてありがとうございます」という思いから、開催されるべきです。

先生は、保護者からそう思われるよう子供を愛して指導しなければなりませんし、保護者は子供に、先生の指導に従うよう躾なければなりません。

双方がそれをなし得たとき、謝恩会は感動的な催しになります。

保護者は、謝恩会に行きたくないと思ったとき、なぜ先生に素直に謝意を伝えられないのか考えてみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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公開日:2020年4月2日 更新日:2024年2月28日
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