自転車通学の注意点と、道内の特殊事情と保険

自転車通学の注意点!

北海道の子供たちは、春から自転車通学を再開すると思います。
春から中学に入学する子が「自転車通学デビュー」することもあるでしょう。

そこで、子供が自転車通学するときの注意点を解説します。

また、厳しい冬がある北海道には、特殊な自転車事情があるので併せて紹介します。

さらに、子供であっても自転車事故を起こすと、多額の賠償金を請求されることがあります。
自転車保険についても検討しましょう。

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自転車通学の注意点

全国共通の、自転車通学の注意点から紹介します。

このなかには、通学に限らず、子供に限らず、自転車に乗る人なら誰もが守らなければならないルールも含まれています。

自転車は車道を走って(例外的に歩道OK

自転車道路自転車が歩道を走っているところをよくみかけると思いますが、実はそれは道路交通法で禁じられています。

自転車は「車道」の「左側」の「左端」を走行しなければなりません。
車道は自動車が通るので、そこを自転車で走るのはかえって危険と感じるかもしれません。
しかし、自転車で車道を走ると、最悪、3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金が科されます。

車道は必ず左側を走ってください。
そして、左側の道路の左端を走ってください。
自転車が車道の右側を走るのは「逆走」になり、これは法律違反であるばかりか、とても危険な行為です。

自転車が、例外的に歩道を走れる場合があります。
それは次のとおりです。

・道路標識で「自転車が歩道を走ってよい」と示されているとき
13歳未満の子供は、自転車で歩道を走ることができる
70歳以上の人も、自転車で歩道を走ることができる
・車道が危険な状態にあり、自転車が安全に走行できないときは、歩道を走行することができる

例外的に自転車で歩道を走るときは、歩行者の通行を妨げてはいけません。

「このまま走り続けたら、歩行者の歩みを止めてしまう」と判断したら、自転車が一時停止して歩行者を通行させてください。

ヘルメットは「恥ずかしがらずに」着用する

ヘルメット以前、お笑い芸人がテレビ番組で、地方の子供たちが自転車に乗るときにヘルメットを被ることを揶揄(やゆ)したことがありました。
それで、ヘルメットを被って自転車に乗ることは「田舎者」の行為であり、ヘルメットを被らないほうがスタイリッシュである、といった間違ったメッセージが発信されてしまいました。

自転車に乗るときは、必ずヘルメットを着用しましょう。

保護者は子供に、ヘルメットをしなければ自転車に乗ることを許可しない、と伝えましょう。
そして保護者自身も、自転車に乗るときはヘルメットを着用してください。

自転車のヘルメットの値段は、数千円から1万円くらいです。

自転車事故で、最も死亡しやすい損傷部位は、頭部です。
自転車事故で頭部を損傷したときの死亡率は2.2%で、2位の腹部1.9%、3位の胸部1.1%より高い数値になっています。

そして、ヘルメットを着用することで、頭部損傷による死亡リスクを4分の1に減らすことができます。

つまり「ヘルメットをしていたら死ななかった」自転車事故は多数存在する、といえます。

「調子に乗った」行為をしない、させない

注意子供が、いわゆる「調子に乗る」ことは、ときにかわいらしいものです。
子供が創意工夫で意外なことをすると、思わず爆笑してしまうこともあるでしょう。

しかし、自転車に乗っているときに調子に乗ると、とても危険です。

そのため、法律でも、調子に乗った自転車走行に思い罰を科しています。

保護者は、次の行為を、子供に絶対にさせないようにしてください。( )は、その行為をしたときの罰です。

2人乗り(5万円以下の罰金)
2台以上で横に並んで走ること(2万円以下の罰金など)
・信号無視(3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金)
・夜間の「ライトなし」走行(5万円以下の罰金)
・一時停止無視(3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金)
・飲酒運転(5年以下の懲役、または100万円以下の罰金)

2人乗りや並走をする自転車は、普段の生活のなかでよく見かけると思います。
そのため子供たちは「みんながやっているのだから、それほど悪い行為でもないのだろう」と思っているかもしれません。
調子に乗りやすい子供なら、なおさらこうした法律違反を犯しやすくなります。

罰金も懲役も刑事罰であり、それらを科されると前科がつきます。

そして、自転車でも飲酒運転は禁止されています。
子供による自転車の飲酒運転にいたっては、未成年の飲酒も法律で禁じられているので「2重の犯罪」になります。

その他、次の行為も違法です。

・傘さし走行(5万円以下の罰金)
・携帯やスマホを操作しながらの走行(5万円以下の罰金)
・イヤホンの使用(5万円以下の罰金)

保護者は「子供を危険にさらす」と意識して

自転車に乗る子供子供が自転車に乗り始めたり、自転車通学を始めたりすると、遊ぶ範囲が格段に広がります。
子供はさらに活動的になり、多くの情報を集めるようになり、仲間が増えます。
自転車は子供の可能性を広げます。

そのため、保護者は、子供に積極的に自転車に乗せたほうがよいのですが、それと同時に、自転車は「子供を危険にさらす」道具であることを意識しておいてください。

自転車で走っているときに起こす事故の規模は、歩行中の事故より大きくなります。
電車やバスで行っていたら安全だったのに、自転車で行ったばかりに事故に遭って死亡する、ということも十分起こり得ます。

そして、自転車は凶器になります。
保護者は「調子に乗った子供」が、凶器を持ったときのことを想像してみてください。

自転車に乗っている人の「せい」で起きた交通事故のうち、加害者の約4割は未成年です(※)。
若い人ほど、自転車を凶器にしてしまいます。

※「自転車交通事故の加害者の4割が未成年」について

警視庁の統計によると、2012年の自転車乗用中の交通事故件数は132,048件。
そのうち、自転車乗用車が第一当事者(加害者)になった交通事故は20,891件で、そのうち8,289件(20,891件の39.7%≒4割)は20歳未満の未成年でした。

そして自転車事故が死亡事故に発展することは珍しいことではありません。

保護者が、自転車に乗る子供に「死ぬな、死なすな」と教えても、まったく大げさではありません。

自転車事故の恐さについては、後段で詳しく解説します。

道内特有の自転車の注意点

続いて、道内特有の自転車通学・自転車走行の注意点を確認していきます。

遅めのシーズンイン、早めシーズンオフ

自転車に積もる雪北海道の自転車事情を深刻にするには、やはり雪と凍結道路です。

遅めのシーズンイン、早めのシーズンオフを心がけましょう。

遅めのシーズンインとは、自転車に乗り始める時期を極力遅らせましょう、ということです。

雪が解けて、見えるアスファルトの面積が広くなると、「早く自転車に乗りたい」と思うでしょう。
しかし、道内の道路では、春が到来してもところどころに雪山が残っていることが珍しくありません。
その状態で「自転車は車道を走ること」というルールを守ることは簡単ではありません。

自転車は、車道の雪が完全に解けてから、物置から出しましょう。

早めのシーズンオフとは、自転車を物置にしまう時期を極力早めましょう、ということです。

「初雪が降るまで乗る」のは、危険です。
初氷や初霜のはるか前に、自転車に乗るのをあきらめましょう。

自転車のスリップ転倒は、自分ではまったくコントロールできないのでとても危険です。
スリップする前兆を感じる前に転倒していることもあります。

2019年の道内の自転車事故の死者数は10人(前年比4人増)

自転車事故北海道警察によると、2019年の道内の自転車利用者の交通事故死亡者数は10で、前年より4人も増えています。

2019年の道内のすべての交通事故の死亡者数は152人だったので、そのうち6.6%(=(10÷152)×100)が、自転車関連だったわけです。

6.6%」はかなり大きな数字と理解してください。
「自転車走行は自動車の運転より安全」という認識が間違っているといえるほど、深刻な数字です。

北海道警察は「自転車側の交差点での安全不確認、一時停止違反、信号無視などによる事故も少なくない」と警鐘を鳴らしています。

自転車に乗っている人が死亡事故を起こすケースも多い、というわけです。

道内自転車事故は4月に急増、10月に最多

北海道での自転車事故は、4月に急増します。
2018年の場合、3月の死傷者は10人でしたが、4月の死傷者は83人でした。
わずか1カ月で8倍になっています。

道内で最も多く自転車事故が発生する月は10月で、同年10月の死傷者は221人で、4月の3倍近く(=221人÷83人)になります。

道内の自転車走行は、「春の入り」と「冬の入り」が危険であることがわかります。
だからこそ、遅めのシーズンイン、早めシーズンオフが重要になります。

さらに、道内の自転車走行の特殊事情をみていきます。

これ以降に紹介する数字は、すべて北海道警察が発表した2018年のものです。

通学、帰宅、塾の往復がデンジャラスタイム

道内の自転車事故が多い時間帯のトップ3は、1位「810時、16.6%」、2位「1618時、16.6%」、3位「1820時、14.4%」でした。

朝夕の通学・帰宅時間帯と、塾の行き帰りが危険タイムであることがわかります。

「注意不足」が最大のリスク

安全確認北海道内での自転車事故は、「出会い頭」「交差点」「市町村道」で多くなる傾向があります。

自転車事故の「事故類型別」のトップは出会い頭で、全体の54.4%を占めます。
例えば、一時停止しなければならない場所を突っ切ると、出会い頭の事故を起こしやすくなります。

自転車事故の「地形・道路形状別」のトップは交差点で、全体の75.7%を占めます。
2位の市街地の直線道路が21.4%なので、自転車にとっての交差点は「超デンジャラスゾーン」といえます。

自転車事故の「道路別」のトップは市町村道で、全体の62.8%を占めます。
2位は道道17.8%、3位は国道17.1%なので、「地方の狭い道」ほど自転車にとって脅威になることがわかります。

「出会い頭」「交差点」「市町村道」での自転車事故は、注意深ければ、大抵は避けることができます。
つまり、大半の自転車事故の原因は技術不足ではなく、認識不足で起きています。

「一時停止を守る」「交差点に入るときは徐行する」「狭い道こそ油断しない」こうした当たり前の注意をするだけで、事故確率をグンッと減らすことができます。

自転車事故の半数は1020代が起している

道内の自転車事故の半数は、1020代が関係しています。
事故を引き起こしているか、事故に巻き込まれています。

死傷者数の1位は10代の31.2%、2位は20代で16.3%です。
合わせて47.5%(約半数)になります。

3位の30代は11.3%、4位の40代は10.1%と、1020代に比べるとかなり少なくなっています。

自転車の事故リスクは、若者ほど高くなります。
そのため保護者は「調子に乗りやすい子供」に注意しなければなりません。

自転車通学は3番目に危険な行為

通学する男子生徒自転車事故の「通行目的別」死傷者では、1位「通勤」24.8%、2位「買い物」23.8%、3位「通学」19.7%でした。

通勤と通学が多いことから、朝夕の自転車利用が多い時間に事故が増えることがわかります。
会社や学校に間に合うように急いだり、「早く家に帰りたい」と思って焦ったりすることが、事故を増やしているのでしょう。

そして、通学での自転車事故が多く、なおかつ、先ほど確認したとおり1020代の自転車事故が最多であることから、1020代は「自転車通学に相当注意しなければならない」ことがわかると思います。

悲惨な自転車事故を繰り返さないで

「自転車は凶器」になり得ます。
道内と東京で起きた悲惨な自転車事故を紹介します。

「もし自分が当事者だったら」「もし自分の子供が巻き込まれていたら」という気持ちで読んでみてください。

旭川市:高校生と女性の2台の自転車が正面衝突、女性が死亡

旭川市内で20149月に起きた事故です。

道道の歩道上で、男子高校生の自転車と70代女性の自転車が正面衝突して、女性が頭を強打して死亡、男子高校生も重傷を負いました。

両者とも、歩道を走行していましたが、この地区の住民も普通にその歩道を自動車通行していたそうです。

この道道は、近くの国道の抜け道になっていて、交通量が多いことでも知られていました。

この事故には「歩道の自転車走行は違法」「地方の狭い道ほど危険」「北海道は秋が危ない」という、自転車事故リスクを高める要素が3つも含まれています。

先ほど紹介した「自転車通学の注意点」や「道内の特殊事情」が理論的に正しいことがわかります。

札幌市豊平区:歩道走行の男性の自転車と歩行女性が衝突、男性が死亡

札幌市豊平区で20177月に起きた事故です。

道道の歩道を自転車で走っていた50代男性と、歩いていた80代女性が衝突し、男性が転倒して路上に投げ出され、壁に頭を強打して死亡しました。
女性も負傷しました。

現場の歩道は、自転車の走行が認められていた区間だったので、男性は違法走行していたわけではありません。

しかし、道が男性の進行方向に下り坂になっていて、自転車はかなりの速度で走っていたとみられています。
警察は男性の前方不注意で事故が起きたとみています。

事故が起きたのは午前1020分ごろで、道内の自転車事故が最も多い時間帯「810時」にほぼ当てはまります。

東京:2歳の女の子を自転車でひき逃げしたのは女子高生だった

東京都青梅市で20203月に起きた事故です。

2歳の女の子とその母親が、路線バスから停留所に降りたところ、自転車にはねられました。
女の子は頭を強く打って重傷を負いましたが、自転車に乗っていた人物はそのまま立ち去りました。

警察が女子高生に任意で事情聴取したところ、ひき逃げしたことを認めました。

ひき逃げでなくても、自転車走行によって相手に傷を負わせると、過失傷害罪で30万円以下の罰金が科されます。

これに、ひき逃げが加わると、罪は次の2つになります。

「重過失傷害罪」(5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金)
「道路交通法違反(ひき逃げ)」(10年以下の懲役または100万円以下の罰金)

事故を起こした者は、負傷者を救護したり、道路の危険を防止したり、警察に通報する義務が生じます。
ひき逃げは、これらの義務を放棄する行為なので、深刻な犯罪になります。

自転車保険は入っておいたほうがよい

懲役や禁固、罰金は刑事罰といい、刑法で裁かれます。

自転車事故を起こすと、民法でも裁かれます。
被害者から損害賠償を求める民事裁判を起こされ、数千万円の賠償命令が下ることは珍しくありません。

保護者は、子供が自転車に乗るようになったり、自転車通学をするようになったら、保険への加入を真剣に考えたほうがよいでしょう。

小学5年生の母親に9,500万円の賠償命令が下った事例

判決神戸地裁は2013年に、事故当時小学5年生だった児童が起した自転車事故で、児童の親に9,500万円の賠償責任命令を下しました。

児童は2008年に、自転車で暗い坂道を時速2030キロで走行していたときに、60代の女性と正面衝突しました。
女性は脳挫傷の重傷を負い、その後治療したものの、意識障害と四肢拘縮という後遺障害が残りました。
四肢拘縮とは、手足が自由に動かせなくなる状態のことです。

神戸地裁は9,500万円の内訳を次のように示しています。

・治療費:440万円

・入院の慰謝料:300万円

・専業主婦としての休業損害:145万円

・後遺障害の慰謝料:2,800万円

・後遺障害による逸失利益:2,200万円

・将来の介護費用:4,000万円

上記の総額は9,885万円になります。
ここから、女性の過失分385万円を差し引き、賠償額を9,500万円と算定しました。

「小さな子供がちょっと調子に乗って、自転車で坂道を勢いよく走っただけのこと」なのに、1人の人生が滅茶苦茶になり、子供の親は9,500万円を負担しなければならなくなりました。

自転車保険の概要

自転車保険とは、加害事故を起こしたときに、被害者に金銭の補償(個人賠償責任補償)をする保険です。

ある保険会社の自転車保険の内容は次のようになっています。

・個人賠償責任補償(保険金):2億円

・示談代行

・自転車ロードサービス

・加入者1名の場合の保険料:月340

また一般財団法人全日本交通安全協会は、次のような内容の自転車保険を推奨しています。

・個人賠償責任補償(保険金):1億円

・示談代行

・加入者本人の死亡または後遺障害の保険金1,000万円など

・家族全員加入で、年4,380円(月365円)

その他、わざわざ自転車保険に加入しなくても、すでに加入している火災保険や共済に「自転車保険と同じ効果」が含まれていることがあります。
この機会に保険会社に問い合わせてみましょう。

北海道では自転車保険への加入は努力義務

北海道は2018年に北海道自転車条例が改正され、個人の自転車保険加入が「努力義務」になりました。
「努力義務」は「義務」より弱い指示になります。

一方、東京都は2020年から、自動車保険への加入が「義務」になります。

東京都のほうが、自動車事故による補償を深刻にとらえていることがわかります。

札幌の塾なら大成会
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まとめ~安全を教えるだけでなく、危険もじっくり教える

保護者が、自転車通学をする子供に、どれだけ強く自転車の恐さを教えても、強すぎることはないでしょう。

「自転車は凶器」
「ふざけて走行すれば死ぬ」
「自転車で人を死亡させたら家2軒分の賠償金を支払わなければならない」

こうした強烈な言葉も、子供を自転車事故の加害者にも被害者にもしないようにするためであれば、使ってもよいのではないでしょうか。

保護者が子供に自転車の乗り方を教えるとき、安全な走り方を教えると思います。
しかし、それだけでは足りません。
自転車が持つ危険性も、同時に教えてあげてください。

とてもよい教材が、ユーチューブです。
「自転車事故」で検索してみてください。
「生々しい事故映像」を見ることができます。
例えば、次のような動画が参考になるでしょう。

衝撃的な内容のものもあるので、小さな子供に見せる前に、まずは保護者だけで確認してみてください。

この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表:池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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