今回は、特に近年、注目を集めている幼児教育について解説します。
なぜ幼児教育によってIQを底上げすることが大切なのか、その理由をみていきます。
さらに意味のある幼児教育を達成するための知育玩具について年齢別に紹介します。
幼児教育が必要な理由
子どもの脳は、5歳までにその90%ができあがります。
その後、10歳までに、大人と変わらない脳にまで発達します。
これが脳の成長期です。
5歳までのIQが脳の成長期間に影響
この成長期は、実は子どもによって異なります。
厳密にいうと、5歳までのIQ(知能指数)と相関がみられます。
IQの高い子どものほうが、脳の成長期間が長く、13歳ごろまで続くことが分かっています。
平均的なIQは100ですから、120はあると、成長期間の延長を期待できます。
脳科学分野の権威である久保田競氏は、夫婦でともに幼児教育に力を入れていることで有名です。
同氏もまた、上記のような論証に立脚して、5歳までの「育脳」が大切だと語っています(※)。
難関中・高・大の合格者はIQが高い
IQは遺伝的要素だけで決まるわけではありません。
環境的要因も大きく影響することから、幼児教育を適切に実践することで5歳までにIQの底上げを図れます。
これをして脳の成長期間を延長することが、難関中学、高校、大学と受験に勝つために必要です。
たとえば、築駒、開成、灘と中学御三家の進学校ではIQ平均が120以上、東大生のIQ平均は120というのは、昔からいわれている有名な話です。
実際に灘中生や東大生を対象にした知能テストが行われてはいませんが、難度の高い応用問題に解答できるだけの知能を持ち合わせているのですから、IQも抜けているのは想像に難くありません。
難関校(ex. 灘中)の入試は知能重視
灘中の入試は特に、知能重視の設計です。
というのも、一般的に課せられる社会科が受験科目から除外されています。
国語と算数を2日間にわたり実施します。
1日目は両科目の基礎力を、2日目に応用力を判定します(合計400点満点)。
そして理科(100点満点)が課せられ、総合点で合否が決まります(500点満点)(※)。
詰め込み型の社会科がはずれているために、知能、思考力の不足を暗記科目で補うことができません。
実際に灘中は、真に論理的思考力をみるために、こういった試験内容にしていると述べています。
もちろん、灘高校の入試も、英語がプラスされるものの社会科は課せられません。
受験に勝つためにはIQが大事
特に予備校では、築駒、開成、灘の三校に受かった人を、三冠王と呼びます。
このように受験戦争で勝ち上がっていくためには、一定以上のIQが必須ともいえる要素です。
そしてそのIQを得るためには、冒頭で指摘したとおり、5歳までの幼児教育、さらにその後の成長期間の適切な刺激、といった環境的要因が大事な側面になります。
幼児教育に必要な知育玩具
年齢に応じた幼児教育を実践
幼児教育といっても、年齢によって適切なものが異なります。
それこそ、0歳の赤ちゃんに絵本をただ渡しても、まだ読めないのであまり意味がありません。
読書は、3歳を目処に始めさせるのが良いです。
3歳以降は、徐々に自分の意思を示すようになるので、嗜好に合わせてチョイスをします。
読書はいきなり無理ですが、読み聞かせは、0~5歳まで、継続的に行うのがおすすめです。
特に0~3歳は五感の刺激に力を入れます。
3歳以降は本人の意思を斟酌して徐々に自立的に学べるようにしていきます。
この学びは、面倒だったり、嫌なものであってはなりません。
いったん脳が対象をストレスと感じてしまうと、無意識のうちに避けるになります。
楽しく学べる知育玩具が有効
楽しいが前提にあり、結果的に学べることがベストです。
そこで注目を集めているのが、知育玩具です。
玩具ですからおもちゃなので、楽しいの前提をクリアできます。
そのうえで、知育の要素を孕んでいるので、学習効果も見込めます。
以下に年齢に応じたおすすめの知育玩具を紹介していきます。
年齢別の知育玩具
0歳
生まれたての頃は、まだハイハイをして動くことができません。
ベッドで寝ているので、五感のなかでも特に視覚を意識した知育玩具が良いです。
ウィマー・ファーガソン モビール
こちらは、ベッドに取り付けることができる回転式の玩具です。
太陽や蝶など絵柄が何枚もついていて、赤ちゃんの視覚を刺激します。
ちょうど赤ちゃんの目の高さに設置することが可能です。
上下も調節できるので、絵のカードを掴もうと手を伸ばし始めたら、届かない距離に設定できます。
絵柄カードは20種で、リバーシブル仕様です。
カラーのものや白黒のもの、複雑な模様やパッと目を引くものとバラエティーに富んでいます。
回転させながら子どもの反応を見ていると、親のほうも楽しめます。
このモビールは他の商品と異なり、音が出ないのが特徴です。
これは、視覚の発達に特化させるため、という理念が息づいています。
特に生後間もない頃に視覚を重視した知育を行いたいというシーンで活躍します。
※参考:ウィマー・ファーガソン モビール
めくってモー! おでかけ布えほん
生後3ヶ月を過ぎたら、視覚をベースに、触感や音、また想像力を養える玩具が望まれます。
そこでおすすめなのが布絵本です。
読むのはまだ早いですから、文字がないものが良いです。
最適なのが、「めくってモー! おでかけ布えほん」です。
こちらの商品は、牛さんが友だちと出会っていく話です。
しかし文字がないため、絵を見ながら話を想像します。
毎回違った話を読み聞かせるのも良いです。
そうすることで、想像力や理解力を養成できます。
布はいろいろな質感で構成されているので、見るだけではなく触って楽しめます。
牛さんを振ると音が鳴ったり、見つけっこ遊びができたりと、色々な仕掛けが施されています。
牛さんの他にも、お馬さんや羊さんなど、様々な動物が登場します。
それぞれに質感が異なっていますから、触らせながら、名前を教えてあげます。
カラフルな色が随所に施されていて、視覚の発達が進みます。
この絵本1つで、視覚をベースに聞くこと、考えること、想像すること、憶えること、触って確かめること、様々な感覚を養えます。
※参考:フィッシャープライス めくってモー!おでかけ布えほん
1歳
1歳になったらおすすめなのが、玉転がしです。
玉を持つのは指先の発達を促進し、玉の動きを見ることで動体視力、空間把握能力を養えます。
自分で玉を持って落とし、転がるのを見たいがために、これをきっかけに立ち上がることを憶える、というのも珍しくありません。
特に空間把握という観点では、直線的に玉が転がる玩具よりも、奥行きがある立体構造のものが望ましいです。
アンパンマン にぎって! おとして! くるコロタワー
「アンパンマン にぎって! おとして! くるコロタワー」は、以上の条件に合っています。
ボールの投入口は、1歳の子どもが入れるのにちょうど良い高さ(約30cm)に設置されています。
ボールを入れると、楽しいメロディとともにアンパンマンの声が流れます。
聴覚も刺激されて、何度も飽きずに玉を投入する子どもが多いです。
もちろん、立体構造になっていて、ボールを投入するとタワーを螺旋状にぐるぐる回りながら落ちていきます。
特にボールはツートンカラーで回転を視覚的に認識しやすいデザインになっています。
それぞれのボールに、ドキンちゃんやバイキンマンなどの顔がプリントされているので、顔を認識し、さらに名前を当てはめる、という知育を達成できます。
大好きなアンパンマンの顔が一体になっているタワーデザインは、子どもが玩具を理解しやすく、自ら収納棚から引っ張り出すケースもみられます。
※参考:アンパンマン にぎって! おとして! くるコロタワー
2歳
2歳からは、特に指先と頭を同時に鍛えることが大事です。
そこでよく選ばれるのが、パズル系のおもちゃです。
パズルのピースを持って回転させたり、それをつなぎ合わせたりすることで、指と頭の両方を刺激できます。
マグトイズ
なかでもより刺激的でダイナミックな知育が可能な玩具が、マグトイズです。
こちらは、様々な形の磁石入りピース(パーツ)を組み合わせることで、色々なものを造形できる立体パズルです。
それこそ、2歳頃から大人まで楽しめます。
年齢に応じた使い方をするのが大切です。
2歳頃は、単純にパーツを組み合わせていくだけで良いです。
マグトイズのパーツはどの方向でもくっつきます。
磁石がパーツの中で動く特別な仕様になっているので、同じ極同士で反発し合うことがありません。
3歳頃は、簡単な形を作ることを目標にします。
それこそ、上手に丸や四角や三角を作ります。
4歳を超えてきたら、複雑な造形にもチャレンジできます。
実際に、車や観覧車、飛行機など、大人も驚くようなものを作り上げる子どももいます。
各パーツで自分の思う形を作るには、高度の想像力、設計力、論理的思考力、空間把握能力、など様々な能力が必要です。
これらは後の受験のシーンでも、応用問題を解くための基礎となる力です。
楽しみながら自然と能力の育成を図れます。
3歳
3歳からは顕微鏡が良い知育玩具になります。
あまり高倍率過ぎると認識しづらくなるので、40倍程度がおすすめです。
ポケットスコープ
特に人気がある顕微鏡に、ボーネルランドのポケットスコープがあります。
こちらの顕微鏡は、高さ10cmと非常にコンパクトなので、商品名の通り、ポケットに入れて持ち運べます。
身近に気になったもの、たとえば、公園で見つけた砂や葉、花びらなど、なんでも拡大できます。
顕微鏡で覗くと、全く違ったものに見えるので、新たな刺激を脳に与えられます。
子どもは好奇心旺盛ですから、自分の髪の毛やおばあちゃんの白髪を顕微鏡で比べてみたり、黒鉛筆と色鉛筆の筆跡を拡大して比較したり、色々なことをして遊びます。
楽しみながら学べる、という意味で、顕微鏡はとても良い知育玩具です。
※参考:ハンディー ポケットスコープ
4歳
4歳を過ぎてからは特に声を出すこと、言葉を自分で考えること、記憶をすること、こういった知育が重視されます。
ナンジャモンジャ
その意味で良い玩具が、「ナンジャモンジャ」というカードゲームです。
こちらは、それこそ4歳の子どもから大人まで楽しめます。
このゲームは、カードに色々なカラーの面白い生き物が描かれているのが特徴です。
身体はオレンジで耳が青で、目はくりっと見開かれていて、細い脚がついている、など奇妙でおかしい生き物が並んでいます。
カードをめくった人が、その生き物の名前を自分で自由につけます。
それを聞いた人は、その名前を記憶します。
そしてカードを山に入れて、今度は相手が同じ工程を繰り返します。
そして相手がカードをめくったときに、記憶していた生き物の名前をいいます。
見事合っていれば、積もったカードの山を回収できます。
このゲームを通して、冒頭で挙げたような、発声をしたり、言語を考えたり、記憶したり、といった能力を楽しく育むことができます。
特に子どもは、大人が考えもつかないような名前をつけたり、大人が口に出すのも恥ずかしいようなネーミングをしたりします。
大人も子どもと一緒になって笑いながら楽しめるのが特徴です。
記憶力が良かったり、わざと複雑な名前をつけたりする子どもだと、大人も普通に負けることがあります。
やるたびに違う名前をつけられるので、何度やっても飽きないゲームです。
※参考:ナンジャモンジャ(ミドリ)
5歳
5歳からは、実験系の知育玩具が良い効果を発揮します。
自分で仮説を立てて、実験をし、結果を得ることで検討を行います。
自分の仮説が正しかったのか、間違っていたならどんな知識が足りなかったのか、ということを実験を通して学ぶことで、科学的な思考力や事案の解決能力を育成できます。
特に2020年の教育改革によって、小学生の頃より暗記中心の勉強から、より思考力や応用力、実践力を重視したものへと変わっていきます。
実験はまさに、このアクティブラーニングを体現する知育だといえます。
STEMシリーズ
実験系の玩具でおすすめなのは、ボーネルランドのSTEMシリーズです。
こちらは、「はこぶ道具のしくみ」、「動きとちからのしくみ」、「浮力のふしぎ」、「磁力のふしぎ」など数種類の実験キットがラインナップされています。
たとえば、「はこぶ道具のしくみ」では、重い物を少ない力で運ぶために発明された滑車やネジといった6つの「単一機械」について、実験を通してその不思議を学べます。
教科書で単に知識を得るのとは全く違う、自分の体験を通しての発見によって学べるので、楽しく知育を達成できます。
幼児教育についてまとめ
今回は、特に5歳までの幼児教育に焦点を当てて解説してきました。
脳の成長期間を延伸し、難度の高い入試問題に必要な高度の思考力、論理構成力を養成するためにも、幼児教育は大切です。
そして幼児教育を意味あるものにするためには、今回紹介したような知育玩具を、ふさわしい年齢のときに与えることも重要です。
子どもは1人遊びよりも大人と一緒に遊ぶことを楽しいと感じます。
子どもとともに知育玩具で笑って楽しい時間を過ごすことがより自然な学習効果の取得につながります。
今回ご紹介したのは「玩具」についてですが、以下の記事では「教育」の側面から詳しく解説していますので合わせて読んでみてください。
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この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。