メンタリストDaiGoさん(以下、ダイゴさん)というタレントをご存知でしょうか。
少し前、テレビで活躍していて、芸能人に好きなカードを引かせて、ダイゴさんが質問を繰り返すことでどのカードを引いたのか当てる「芸」をみせていました。
2019年ごろからテレビ出演を控えているのですが、それはユーチューバーになったからです。
今はもっぱら、ユーチューブで情報発信をしています。
ダイゴさんは、慶応義塾大学の理工学部物理情報工学科を卒業した秀才です。
子供たちの勉強法について独特な考え方を持っていて、それを参考にしている受験生もいます。
ダイゴさんは「科学的な根拠」を重視しているので、ダイゴ式勉強法には合理性があると考えることができます。
しかし、そのまま使っても、必ずしも「今の自分」にマッチするとは限りません。
自分用にアレンジして使いましょう。
ダイゴ式勉強法を、自分のなかに「落とし込む」方法を紹介します。
この記事の構成
この記事では、ダイゴ式勉強法を3つ紹介します。
1つのダイゴ式勉強法を解説したら、その勉強法を実際の勉強に応用する方法を考えていきます。
この記事は、以下のような構成になっています
- ダイゴ式勉強法その1の紹介
・その1の応用方法の解説 - ダイゴ式勉強法その2の紹介
・その2の応用方法の解説 - ダイゴ式勉強法その3の紹介
・その3の応用方法の解説
ダイゴ式その1「アクティブラーニング」の紹介
ダイゴさんは「アクティブラーニング」を提唱しています。
日本語に訳すと「能動的な勉強法」となるでしょう。
アクティブラーニングを理解するには、「能動的でない勉強法」を知っておく必要があります。
能動的でない勉強法「ではない」勉強法こそが、アクティブラーニングだからです。
能動的でない勉強法とは、「授業で先生の話を聴くだけ」の勉強法や、「参考書を読むだけ」「問題集を解くだけ」の勉強法です。
つまり、普段からやっている普通の勉強が「能動的ではない勉強法」ということができます。
ダイゴさんは、普通の子供たちが普通に行なっている勉強法を「能動的ではない」として否定しているわけです。
ダイゴさんは、能動的でない勉強法では、本当の理解が得られない、と考えています。
ダイゴさんが考える本当の理解とは「再言語化できること」です。
そして、再言語化とは「自分の言葉で説明できること」です。
アクティブラーニングでは、「授業での先生の話」「参考書に書いてあること」「問題集の問題」を、生徒自身が自分の言葉で説明することを目指します。
ダイゴさんのYouTubeチャンネルでもこの勉強法についての入門動画が掲載されていますので併せて視聴してみてください。
応用方法の解説
ダイゴさんが提唱するアクティブラーニングを、具体的な勉強方法に落とし込んでいきましょう。
まずは「独り言」です。
勉強部屋のなかで、「先生」の自分が「生徒」の自分に、参考書を見ながら説明してください。
自分が自分に向かって「なぜここが○○になるかというと、ここに△△と書かれていて、これを□□とすると、答えが○○になることがわかる」というふうに、声に出して説明します。
もうひとつの方法は、友達を「生徒」にする方法です。
そのためには、勉強友達をつくる必要があります。
まず、お互いに、友達に教える内容を予習しておきます。
そして、先生役が生徒役に、学校の先生のように教えます。
それが終わったら、先生役と生徒役をチェンジして教えます。
自分に教えるにしても、勉強友達に教えるにしても、教える項目を深く正しく理解しておかないと教えることはできません。
教えるときに、「~だと思います」や「ここは覚えるしかありません」としか言えなければ、それは深く正しく理解できていない証拠です。
さらに勉強する必要があることがわかります。
ダイゴ式その2「想起」の紹介
ダイゴさんは、勉強した項目を理解できたら、次は「想起」できるようにしよう、とアドバイスしています。
想起とは「思い出すこと」という意味です。
では、想起とは「復習」のことなのでしょうか。
ダイゴ式想起は、単なる復習ではありません。
単なる復習とは、予習や授業で習ったことを繰り返すことです。
単なる復習は、同じ学習を「予習、授業、復習」の3回繰り返すことで、記憶の定着を図ります。
しかしダイゴさんは、同じことを3回繰り返しても、記憶の定着は「弱い」と考えました。
このことは、多くの人が経験しているはずです。
「しっかり予習した、学校の授業も真剣に聴いた、復習にも時間を割いた。でもテストで高い点数を取れなかった」
このような結果に陥るのは、記憶の定着が十分でなかったからです。
そこでダイゴさんは、次の3つの方法による想起で、勉強したことを記憶にしっかり焼きつけるようアドバイスしています。
- クイズ形式で自分に問う
- 分散学習をする
- チャンク化して覚える
応用方法の解説
3つの想起法を、具体的な勉強法に落とし込んでいきましょう。
<クイズ形式で自分に問う>勉強法とは、自分で問題集をつくるイメージです。
例えば、勉強時間を2時間確保したとします。
最初の1時間で、参考書や教科書を見ながら勉強をします。
これで「一定の知識」が身につきます。
次の40分で、「一定の知識」を問う問題を、自分でつくります。
例えば、次のような問題をつくることができます。
問い:A~Fに適切な言葉を入れよ
徳川綱吉は、江戸幕府の(A)代将軍で、(B)を重んじる文治政治を推進した。そこで学問をする場所として(C)を建て、そこから(D)や(E)といった学者を輩出した。
しかし、(F)という法令をつくったことで、綱吉は歴史的には悪評のほうが勝ってしまっている
このような問題は、参考書や教科書を見ながらであれば、簡単につくることができます。
こうした「自分問題」をいくつかノートに書いたら、残りの20分で解答します。
答えは次のとおりです。
クイズ形式で自分に問うには「重要なことは何か」「覚えなければならないワードはどれか」「覚えにくい内容はどこか」などを強く意識する必要があります。
その意識が記憶の定着を強めます。
<分散学習をする>勉強法は、記憶が時間とともに薄れることを「逆手」に取った方法です。
勉強したところをすぐに思い出すことは簡単です。
しかし覚えてから長い時間が経過すると、記憶が薄れて思い出すことに苦労します。
そのタイミングで復習すると、忘れそうだったことをもう一度覚えることができます。
分散学習のポイントは、
- 覚えてから時間を空けて復習すること
- 完全に忘れてしまう前に復習すること
の2つあることに注意してください。
例えば、「今日学んだことは、1カ月後に復習する」といったように、計画的に復習していかなければなりません。
<チャンク化して覚える>勉強法とは、「意味のかたまり(チャンク)」で覚えていく方法です。
例えば4つの項目を覚えなければならないとします。
このとき、「1項目覚える」ことを4回繰り返しても、なかなか記憶に定着しません。
しかし、4項目のすべてに共通することを押さえてから4項目を覚えると、覚えやすくなります。
「4項目のすべてに共通すること」がチャンク(意味のかたまり)です。
次の「文章1」と「文章2」は、同じ内容を記述していますが、どちらが理解しやすいでしょうか。
・徳川綱吉は5代将軍
・文治政治とは、儒学を重んじる政治のこと
・学問所の湯島聖堂から、新井白石や荻生徂徠が輩出された
・徳川綱吉は、生類憐みの令という法令をつくって悪評をかった
徳川綱吉は、江戸幕府の5代将軍で、儒教を重んじる文治政治を推進した。そこで学問をする場所として湯島聖堂を建て、そこから新井白石や荻生徂徠といった学者を輩出した。
しかし、生類憐みの令という法令をつくったことで、綱吉は歴史的には悪評のほうが勝ってしまっている
文章2のほうが、圧倒的に「頭のなかに入って来やすい」と感じたのではないでしょうか。
それは、覚えなければならない4項目を、「徳川綱吉に関すること」というチャンクでくくることができるからです。
ダイゴ式その3「勉強前の準備」の紹介
ダイゴさんは、勉強する前の準備が、勉強効率を高めると述べています。
準備には次のようなものがあります。
- 運動
- 目標の確認
- やることを書き出す
応用方法の解説
勉強前準備の3項目を、自分の勉強に落とし込む方法を紹介します。
<勉強前に運動をする>ことで、脳が活性化します。
ダイゴさんは、最大心拍数の70%程度の運動を推奨していますが、それはかなりハードです。
最初は、「腕立て20回、腹筋20回、スクワット50回」くらいから始めてはいかがでしょうか。
徐々に運動量を増やしていき、「勉強する前に運動をすると気持ちよく学習できる」という体験ができたら、最大心拍数の70%のハードな運動を行なってみてはいかがでしょうか。
<勉強前に目標の確認する>ことで、学習意欲が高まります。
大学入試を目指している受験生であれば、勉強を始める前に「第1志望の大学に入った、格好いい自分」を思い浮かべてみてください。
その妄想から目覚めれば「よし、勉強するぞ!」と思えるはずです。
小学生や中学生は、テストで100点取ったときの、保護者のリアクションを想像してみてください。
保護者はとても喜んでくれるはずです。
クラスメートから、からかわれがちな人は、クラスで最高得点を取ったときのクラス内の様子をイメージしてみてください。
クラスメートは、これまで自分をからかったことを恥じ入るでしょう。
「勉強で見返してやる」と思ってから勉強に入れば、気合がのるはずです。
<勉強前に、今からやることを書き出す>ことで、常に計画的な学習ができます。
勉強には「テストに直結する勉強」と「知識の底上げに必要な勉強」があります。
テストに直結する勉強は、時間をかけた分だけ成績がアップするのでモチベーションを高めやすいのですが、知識の底上げのための勉強は、それだけではテストの成績は上がりません。
しかし、テストに直結する勉強だけをしていると、近い将来、必ず伸び悩みます。
それは、知識の底上げができていないので、難問が解けないからです。
「テストに直結する勉強」と「知識の底上げに必要な勉強」は、計画を立ててバランスを取る必要があります。
勉強を始める前に「今日は、テストに直結する勉強をする」、または「今日は、知識の底上げに必要な勉強をする」と決めておくと、どちらかに偏ることなく進めることができます。
まとめ~「自分はどうするか」を考えよう
世の中に「よりよい勉強法」は星の数ほどあります。
ダイゴ式勉強法は、そのひとつにすぎません。
そのため、「あのダイゴさんが提唱しているものだから間違いないはずだ」と思いすぎないようにしてください。
ダイゴさんの話を聞いたり読んだりすると、「自分でもできそう」と思ってしまいますが、それはダイゴさんの説明が上手だからです。
ダイゴ式勉強法に感銘を受けるだけでなく、「自分ならこうやって勉強する」と考えるようにしてください。
勉強法は「置物」ではなく「実用品」です。
自分で使いこなしてこその勉強法です。
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この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。