【宿題】親の上手なサポート法
チーム個別指導塾「大成会」教育コラム

子どもの「宿題」をどう手伝う?親の上手なサポート方法

この記事は、学習塾「大成会」のコラムです

小学校に入ると、宿題が出されるようになります。
教師が従うべき学習指導要綱に、必ず宿題を出さなければならないと書かれているわけではありません。

しかし、慣例的に宿題を出すのが当たり前になっています。

小学生の宿題は、多くの親が簡単に解けるレベルです。
それこそ算数なら足し算や引き算、国語だと大人なら誰もが知っている漢字のドリルなどが出されます。

このとき、親は子どもの宿題にどれくらい関わるべきでしょうか。
放置して自分でやらせるのが良いのか、それとも完璧な答えが出るまでつきっきりでやったほうがいいのか、悩まれる方がよくいます。

以下では親による子どもの宿題への関わり方について、そもそもの宿題の目的やデータなどを参考に紐解いていきます。

学力低下と家庭学習(宿題)

1999年あたりから、小学生の学力低下が指摘されるようになっています。
完全週5日制の導入、総合的学習の時間を創ったことから、総教科時間が3割削減された時期です。
これをもってゆとり教育と呼びますが、そのために子どもの学力が下がっていると指摘されています(※)。

※参考:武庫川女子大紀要(人文・社会科学) 児童期における自己制御学習に向けた授業と家庭学習のシステム 藤谷智子(武庫川女子大学文学部教育学科)

そして、この学力低下の問題に対して、各家庭がどのような対策を取っているのか、文部科学省のデータでみてみます(※)。

※参考:文部科学省 学力低下の問題について

子どもが小学生なのか中学生なのかで、各家庭の対応が異なっています。

・子どもが小学生の場合

①学校で出された宿題や課題をみるようにした……47.2%

②親が子どもの勉強をみるようにした……45.2%

③学習塾や進学塾、通信教育などを利用した……36.6%

・子どもが中学生の場合

①学習塾や進学塾、通信教育などを利用した……61.6%

②子どもと将来の職業や夢についてよく話し合った……32.7%

③英検、数検、漢検、TOEFL(トーフル)などを受けさせた……32.2%

宿題は小学生のときだけ

このように、子どもが小学生の場合のほうが、親が宿題を手伝う割合、親が子どもの勉強をみる割合がともに中学生に比べて多くなっています。
これには、単純に中学生になると勉強の内容が高度になって、親が教えられないことが挙げられます。

また、そもそも中学生になると、教師が積極的に宿題を出さないケースが多いです。
それこそ小学生では夏休みといえば、大量の宿題が出て、遊びほうけていた子どもは8月末になって四苦八苦するというのは昔からの伝統行事です。

一方で、やはり昔から中学生が夏休みに多くの宿題をこなして、というのはあまり聞きません。
むしろ部活動で毎日のように学校に通い汗を流すことのほうがポピュラーです。

これは、前掲の武庫川女子大学の藤谷教授の論文によれば、文部科学省(2002)の「学びのすすめ」で「適切な宿題や課題など家庭における学習の充実を図る」ことが公示されたことに端を発しています。

ここから小学生に宿題を施す慣例が、学力低下の動向と相まってより色濃くなりました。

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子どもの学力と親の宿題フォローの関係

では、実際に小学生の学力向上と、家庭学習(宿題)に対する親の介入は相関関係があるのでしょうか。
これについて、お茶の水女子大学の調査研究(※)を参考にみていきます。

※参考:国立大学法人お茶の水女子大学 平成30年3月30日 保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究

親の勉強への介入が学力upに寄与

以下のような状況がある家庭では、子どもの学力が一般より高いことが分かっています。

  • 「テレビ・ビデオ・DVD を見たり,聞いたりする時間等のルールを決めている」
  • 「子供と何のために勉強するかについて話している」
  • 「子供に努力することの大切さを伝えている」
  • 「子供に最後までやり抜くことの大切さを伝えている」
  • 「保護者から,勉強や成績のことについて話をする」

このように、親が子どもの勉強に関わっていったほうが、学力アップに寄与します。
このことから考えれば、当然に子どもの宿題に親が全く関与しないのはNGだと分かります。

親が宿題につきっきりもNG

ダメサインをするビジネスマンただし、次に問題となるのは、どれくらいの程度で関わり合いを持つかということです。
アメリカの社会学者Robinson, Keith/ Harris, Angel L.両氏の研究(※)によれば、小学生時代に親がつきっきりで宿題をフォローすると、学年が上がるにつれて学力が低下すると指摘されています。

※参考:アメリカの学校教育における親の参加 The Broken Compass : Parental Involvement with Children’s Education Robinson, Keith/ Harris, Angel L.著

理由としては、宿題のあらゆる過程に親が介入すると、すぐに助けを求めることに慣れて思考が放棄され、結果的に学力が育まれないということです。

これは、想像に難くありません。
本来なら、分からない問題は自分なりに思考して解答を出し、それが間違っていたら解説を読んでなぜ違ったかの原因を突き止めます。

解法が理解できたらそれを記憶して、次の問題へ進みます。
このような過程を1問ずつ繰り返していくことで、徐々に学力が養われていきます。

しかし、分からない問題について親が解答を導き出し、さらに解説もおざなりに次の問題に進んでは、以上の学力向上の経過がすっかり抜け落ちてしまいます。

子どもの宿題にノータッチなのは良くない代わりに、過度に助けすぎるのもまたNGだというわけです。

親の宿題に対する基本姿勢(マインドセット)

まずは宿題の意義を理解する

宿題の意義について、既出の藤谷教授の論文には、以下のものが挙げられています。

①学校で勉強したことを家庭学習によって定着させること

②子どもの学習習慣を形成すること

より発展させた意義として、③学校で学んだことを家庭学習を通じて私生活とリンクさせること、を挙げる人がいます。
つまり、宿題をより積極的に、新たな学力観のもとで捉えます。

ただ、この学びの拡張としての宿題は、現実的には浸透していません。
同論文に掲載されている教師に対するアンケートによれば、「授業の内容と関連させて,調べさせたり,発展的に考えさせたりするために家庭学習の課題を与えていますか」について、国語 19.0%,算数 17.7%と出ています。

すなわち、③の発展的な意義としての宿題は、教師自体が意図しておらず、もっぱら①と②の基本的な意味合いとして課しています。

さらに文部科学省のスタンスも、学年×10分を宿題に費やす時間として推奨しています(※)。
つまり、①と②の基本的な意義を実現するための時間と捉えることができます。

※参考:山形市立滝山小学校 家庭学習の手引き

より発展的に学びを拡張する意味合いでの宿題なのであれば、学年×10分の時間ではいかにしても少なすぎるからです。

宿題の意義から導かれるマインドセット

このことから、親の子どもの宿題に対するマインドセットについてもみえてきます。
すなわち、宿題はそもそも長い時間やることを予期して出されていません。

6年生でも1時間以内に終わるように設計されています。
さらに、宿題は知識を拡充するものではなく、学校でやったことを定着させる意味を持つにすぎません。

特に宿題で大事なのは、中学に向けて勉強習慣をつけることです。
机に向かって最大でも1時間勉強に取り組むという姿勢が、何より宿題によって得られるメリットだといえます。

親の宿題に題する関わり方

以上の宿題の意義から導きだされるマインドを理解したうえで、以下では具体的な親の宿題に対する関わり方をみていきます。

宿題をする意味を子どもに分からせる

まず、子どもとなぜ宿題をしなければならないか、を話し合います。
学校で先生に注意をされないため、恥をかかないようにするため、など直近の未来を引き合いに出しても良いですし、将来の夢を内容にしても良いです。

たとえば将来は飛行機のCAになりたいという女の子なのであれば、当然、良い大学を出ていたほうが有利です。
朝日新聞AERAが出した2018年のキャビンアテンダント出身大学ランキングをみてみると、東日本の1位が青山学院大学で49名、2位が立教大学で39名となっています(※)。

※参考:朝日新聞 AERAdot. キャビンアテンダント採用数ランキング

青学、立教の文系といえば、上智と並んで女子に圧倒的な人気を誇る優秀かつ有名な私大です。
このような現実を子どもに摘示して、「CAになるため青学や立教に入りたいんでしょ? だったらこんな簡単な宿題ぱぱっと終わらせなきゃ」と刺激します。

このように、子どもの将来の夢がはっきりしているなら、あるいは話し合いよってある程度見定めることができれば、そのために入るべき大学をあぶりだして、さらにそのためには勉強が必要、というように将来に向けた導線を明確に示すことで、今なぜこの面倒な宿題をやらなければならないのか、という理由が子どもに分かります。

ただ嫌々やるのでは、宿題の意義が達成されません。
やはり、やるからにはポジティブな意識でやったほうが良いです。

アメを与える

子どもは家に帰ったら、色々と誘惑があります。
それこそ、テレビやyoutube、ゲーム、漫画など遊びたいことが山ほどあります。

だからこそ、宿題をその後にするのではなく、先に終わらせるように言うことが大切です。
それこそアメとムチの論理で、たとえば小3の子どもなら、「頑張って30分だけ集中しよう、それができたら好きなテレビを観ていいよ」といった具合です。

いま宿題を我慢してやれば、その後で好きなことができる、というのは短期的な良いモチベーションになります。

答えを教えない

いざ宿題をやっていて、特に算数や数学では子どもが分からない問題が出てくることがあります。
ただ、前述のように基本的には、宿題では応用的な難しいものは出されません。

あくまで授業の内容が分かっていれば解ける問題であるはずです。
であれば、子どもが分からないからといってすぐに親が答えを教えるのは良くありません。

ひらめきまずは子ども自身に考えさせて、自分なりに答えを出させます。
ここで明らかに間違っていたり、どうしても答えを出すところまでいかなかったりしたときに、答えではなくヒントを出します。

こうやって考えてみたら?と助け舟を出します。
適切な解き方、答えに向けて少しずつ誘導していくイメージです。
そうすることで、子どもの思考を0にせず、できる限り考えさせながら答えに辿り着けます。

親が子どもの宿題を手伝うときは、絶対に答えを教えない、というスタンスが重要です。
あくまで手助けであって、軽く背中を押してあげる程度が望ましいです。

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宿題と親のサポートについてまとめ

今回は、子どもの宿題に対する親の関わり方についてみてきました。
宿題は子どもが自分でやるべきものだから親は介入しないほうが良い、という考えの人もいますが、実際にはある程度サポートしたほうが子どもの学力向上に役立つことが分かっています。

大事なのは、手助けする程度です。
確かに全面的なサポートまでいくと逆効果になります。
そのため、子どもに考えさせることを忘れずに、歯がゆくても徐々にヒントを出して正解へと誘導していくことが大切です。

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この記事を監修した人

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チーム個別指導塾「大成会」
代表:池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。

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