学生服は毎日着るものですから、家でも洗いたいと考える方は多いです。
しかし学生服のなかには家で洗えないものがあります。
さらに家で洗えるものでも間違ったやり方をするとシワや色褪せなどの問題を発生させます。
また、家庭ではどうしても対処できないシミなどの汚れが付いたときには、クリーニングに出す必要があります。
以下では家庭での学生服の洗濯や手入れ方法、クリーニング店の相場についてみていきます。
家庭で洗濯できる学生服の見分け方
学生服では、カンコー学生服とトンボ学生服が特にシェアが大きいことで有名です。
ただし、同じメーカーでも色々な種類の学生服が出ていて、それによって家庭で洗えるかどうかが変わってきます。
学生服は主に、ウール、綿、ポリエステルといった素材からできています。
学生服の種類によって、この割合が異なります。
ウールの割合で決まる
ここで注目すべきはウールの割合です。
ウールは家庭での洗濯に向きません。
繊細な素材ですから、ドライクリーニングが推奨されます。
トンボ学生服では、ウールが50%以上含まれる物については、やはりクリーニングを薦めています(※)。
※参考:トンボ学生服 Lesson1 学生服の洗濯[基本編]
ウール50%未満であれば、家で洗濯することが可能です。
現在はほとんどの学生服がウール50%未満で、家庭で洗濯できます。
学生服は実はかなり汚れている
女子は比較的に洗濯頻度が多く、週に1回は洗っているという家庭がみられます。
一方で、男子の場合、特に黒い詰襟では汚れが見えにくいということもあって、シーズンごとにクリーニングに出す程度で後はファブリーズのみ、という家庭もかなり存在します。
しかし、制服は実はかなり汚れています。
黒いと確かに見えづらいですが、食べ物のカスや飲み物のシミが付着していたり、カビやダニの温床になったりしやすいです。
特に襟元や袖口は皮脂汚れがつきやすく、これがテカリや黄ばみ、臭いを発生させます。
汚れはすぐに洗って気持ちよく登校
前述のように、今の制服は大半が家庭で気軽に洗えるように作られています。
たとえばカンコーの学生服は、「洗YELL(アラエール)」ということで、夜に洗濯機で洗って、次の日には乾いています(※)。
そのため泥ハネや飲み物をこぼすなどで汚れが気になった日には、すぐに洗って翌朝気持ちよく登校できます。
学生服を洗濯する際の6つのポイント
ポケットの中身をチェック
洗濯をする前に、必ずポケットの中身を確認します。
ティッシュが入っていると、くずが他の衣類にも付着します。
厄介なのは油性ペンです。
洗濯機の中で回転しているうちにインクが漏れて厄介なシミを作ってしまいます。
中性洗剤を使う
洗剤は、主にアルカリ性と中性の2種類があります。
ウールが入っている場合、中性洗剤一択です。
ウールはアルカリに弱いという特性があるからです。
単独で洗う
他の衣類への色移りや糸くずの付着などを避けるために、必ず制服は単独で洗うようにします。
洗濯ネットに入れて払うのが基本です。
弱水流で洗う
シャツは洗濯機で普通に洗えば良いですが、上着やスラックスは注意が必要です。
弱水流でソフトに洗います。
弱水流は、洗濯機により選択名称が異なります。
手洗いコースであったり、ドライ、デリケートコースであったりします。
水温は低め
水温は30度以下にします。
特にウールの場合は、水温を徹底して守る必要があります。
脱水は短く
脱水時間は1分以内にします。
長くするとシワになるからです。
普段の手入れの仕方
家庭での洗濯をしても落ちない汚れを作らないために、普段からちょっとした気配りと手入れをすることが大切です。
帰ってきたらすぐハンガーに
まず、学校から帰ってきたら、そのまま脱ぎっぱなしにしないことです。
上着はハンガーにかけておきます。
こうすることで、型崩れやシワを発生しにくくできます。
やはり型崩れを防ぐ観点から、ポケットの中のものを出すようにします。
スラックスについては、逆さまにして裾をハンガーのピンチ(洗濯ばさみのような形のはさむもの)ではさんで吊るします。
こうすることで、重力の関係で型崩れとシワを防止できます。
ブラッシング
目に見えない土ぼこりやチョークの粉などが付いている可能性があります。
落ちにくい汚れとして定着させないためにも、ブラッシングをしておきます。
学生服の干し方
学生服は干すとき、やっぱりお日様の下で気持ちよく乾かしたいと考える人がいます。
しかし、これはNGです。
学生服に含まれるウールやポリエステルは、紫外線に弱い性質を持っています。
特にウールは弱く、色褪せや黄ばみの原因となります。
せっかく綺麗にしたくて洗濯をしたのに、いざ着たらくすんだ色になってしまったというのでは本末転倒です。
陰干しが鉄則
そこで、必ず制服は陰干しするようにします。
ただ、陰干しをしたことのある人は皆ご存知のとおり、陽の下で干すよりも臭いが発生しやすいです。
生乾きの臭いが残りやすいです。
これを回避するには、なるべく早く乾かすことが重要です。
洗濯物の間は10cm以上空ける
洗濯物が密着していると、やはり接着している部分が乾きづらくなります。
菌が繁殖するポイントにもなりますから、なるべく隙間を空けることが大切です。
扇風機やエアコンの風を利用する
これが非常に大事な点です。
風を当てて湿気の逃げ道を作ると、格段に乾くのが早くなり、菌の繁殖を防いで臭いが発生しづらくなります。
夏は当然、クーラーや扇風機の風が通るところに学生服を干すようにします。
冬でもエアコンを使うのであれば、その前に置きます。
オイルヒーターなど風の発生しないものを使っているのであれば、あえて扇風機を使って風を発生させます。
乾燥機は基本NG
言わずもがなですが、乾燥機を使うのはNGです。
制服にしても体操着にしても、乾燥機を使うと縮みや型崩れのリスクがあります。
乾燥機対応モデルもある
ただ、なかには例外的なモデルもあります。
たとえば、カンコーの「ドライウォッシュ」は、とにかく手入れがしやすいように丈夫な素材を使い縫製もしっかりとしています(※)。
そのため、全自動洗濯機にそのまま入れていつもどおりピッと押すだけでOKです。
それこそ洗濯の設定も水流も脱水も乾燥も全ていつもどおりで良いです。
シワや型崩れを発生しにくい設計になっています。
プリーツも取れにくく、洗濯後のアイロンも不要です。
2015年度のグッドデザイン賞を受賞しています(※)。
※参考:2015年度グッドデザイン賞 学生服 [ウォッシュシリーズ]
従来の外観を変えずに家庭用の乾燥機まで使用可能にした画期的なモデルです。
男子の学生服は前合わせを一枚の生地にすることでシワを出にくくするなど、工夫と技術が盛り込まれています。
普段乾燥機を使っている家庭では、学生服だけいちいち陰干しするのは手間に感じるものです。
それであればカンコーのようなモデルをあらかじめ選んでおくと、3年間の手間が大きく変わってきます。
洗濯で取れないシミの対処方法
普通に洗濯をしても取れないシミがあります。
これは、付いてしまったのが分かってからなるべく早く処置をする必要があります。
他の布にシミを移す
シミ抜きは、他の布にシミを移すという考えで行います。
そのため、まずいらないタオルなどを用意してシミに当て、反対側から水(洗剤を薄めたものだと効果が出やすい)や溶剤を染み込ませていきます。
布やブラシなどで圧力をかけて移します。
ブラシであまり強くこすると生地が傷むので注意します。
クリーニングに出す
それでもシミが取れなかったり、シミの範囲が広すぎて手に終えない場合にはクリーニング店に依頼したほうが良いです。
学生服をクリーニングに出す
相場
では、実際に制服をクリーニングに出すとするとどれくらいの価格になるのでしょうか。
北海道を中心に東京にも店舗を持っている創業100年の老舗「エンパイアー」を例にとってみてみます。
男子学生服が上900円、下600円となっています(※)。
女子学生服が上900円、下900円です。
エンパイアーは北海道と東京、埼玉を含めて全部で190店舗を有しています。
エンパイアーではなくても、クリーニング店は大抵、家の近所でみつけられます。
しかしなかには近隣になかったり、あっても信頼できなかったりというケースがあります。
そういったときは、信頼できるクリーニング店が行っている無料集配サービスを利用したり、宅配クリーニング専門店を利用したり、という方法があります。
無料集配サービス
上記のエンパイアーでは、持込だけではなくて、無料集配サービスを実施しています(※)。
やり方は簡単で、電話やネットから申し込みをすれば、地域専属の担当者が集荷に来てくれます。
※参考:エンパイアー 無料集配サービス
学生服を渡せば、クリーニングをしてまた届けてくれます。
単に持っていくのが面倒というだけでも気軽に利用できます。
無料集配サービスは、利用できるエリアが決まっています。
あらかじめネットで集荷エリア を確認できます。
宅配クリーニング
宅配クリーニングの場合、基本的には送料がかかります。
たとえばリネットでは、クリーニング料金10,000円以上で送料無料になります(※)。
※参考:リネット 往復送料
8,000円以上だと送料1,300円、8,000円未満だと2,600円です。
学生服のクリーニング料金は680円ですから、他の物といっぺんに出さない限りは、送料がかかります。
宅配サービスですから、集荷エリアのような制限はありません。
しかし基本送料がかかるので、店舗型の無料集荷が利用できる場合には、そちらのほうが良いです。
学生服の洗濯についてまとめ
学生服は、今では家庭のニーズに応じて洗濯できるものが基本です。
特に手入れのしやすさを重視して、学生服に関して特別の洗濯設定をする必要なく、乾燥機まで使えるモデルも出ています。
特に黒や紺の学生服は汚れが目立ちにくいですが、実際のところ、ホコリや皮脂汚れなど、多くが付着しています。
そのままにしているとカビなど菌の温床となりますから、定期的な家庭での洗濯が重要です。
季節ごとの節目やしつこい汚れが発生したときにはクリーニングに出します。
900円程度と値段も手ごろで、地域によっては無料集配サービスが利用できます。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。