母子家庭における【ディープ・プア】への支援について

【母子家庭】ディープ・プアへの支援
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現在子どもを取り巻く問題として「子どもの貧困」があります。
子どもが満足に食事を取ることが出来なかったり、健やかな成長に必要な投資を行うことが出来なかったりと、非常に深刻な問題となっています。


以前にも、北海道のシングルマザー「子供の教育資金」のつくり方について解説していますのでこちらも併せてご覧ください。

ディープ・プアについて

ディープ・プアの定義は「貧困層とされる所得水準の半額以下の所得で生活している世帯」を指します。
貧困層は平均的な所得の半分以下で生活している世帯を指すため、ディープ・プアと定義されている家庭の厳しい財政状況に関してはお分かり頂けるでしょう。

貧困層は増加し続けている

子供を抱く母平成28年に厚生労働省が実施した調査では13.9%もの人々が相対的な貧困に悩まされていると明らかになりました。
40人編成のクラスであればその内のおよそ5〜6人が経済的に不利益を被っている事になります。

札幌市が平成28年に行った調査では「家計の状態がギリギリである・赤字である」と答えた子持ち世帯は全体で62.6%、シングルペアレント世帯では78.2%という結果が出ています。
特にひとり親世代での貧困が目立つ結果となりました。

家計が赤字であったりギリギリの状態の場合、受験を控えた子どもを通塾させたり必要な参考書を買い与える事が出来ません。
貧困問題は単に生活水準だけの話で片付けることは不可能で、教育格差の問題さえ生み出しています。
この現状を踏まえて各自治体では独自にディープ・プア世帯への支援を行っています。
支援の内容については後に示していますので、このまま読み進めて下さい。

保護者が悪いとは決して言えない

子どもを育む事は親の使命ですが、その使命を遂行することが出来ない保護者の方は悪でしょうか。
現代社会の実態を踏まえて考えると決してそのような事は言えないでしょう。

現在、非正規雇用が主流となりつつあり、安心して未来に希望を抱くことのできる保護者は数えるほどしか存在しません。
また離婚率も近年はどの自治体も軒並み30%を超えており北海道では44%と非常に高い割合です。
そのため再婚を考慮しない場合、およそ2人に1がシングルペアレントとして一所懸命に子どもを育てているという現状があります。

上記の事を踏まえると、シングルマザー・シングルファーザーのディープ・プアは他人事とは言えず、また子どもに十分な教育を受けさせる観点からも全体で協力して早急の解決が求められている問題である事がお分かり頂けるかと思います。

毎日ご飯が食べられない家庭もある

また、札幌市が平成30年に公表した調査結果では「経済的理由により家族が必要とする食料を買えなかった」という質問に「よくあった」「ときどきあった」「まれにあった」と回答した世帯の割合は全体では17.2%ですが、シングルペアレント世帯では30%とこちらも非常に高いパーセンテージを記録しています。

佇む女の子ひとり親世代では10人中3人の子どもが満足に食事をすることも出来ない状態となっています。
特にシングルマザーの世帯では深刻な問題となっています。
未だ男女格差が改善していない為、女性の賃金は男性より低く設定されています。
更に非正規雇用で働いている方も多く、その場合は更に低い所得で生活している事になります。

以下にはディープ・プアに苦しんでいる方に向けて自治体が行っている支援をご紹介しています。
今回は札幌市での対策に関してをご紹介しますが、皆さんがお住まいの地域でも行われていますので、各市町村のHPを確認したり役所へ問い合わせたりして確認をしてみて下さい。

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ディープ・プアの現状に対する自治体の取り組み

札幌市では平成30年の調査を基に貧困世代、とりわけディープ・プアへの支援を一層手厚く行う方針を定めました。

教育の機会は保証されなければいけない

植物と子供たち子どもが健やかに育つという事は法律や条例などで保証されています。
子どもが満足に教育を受ける権利については日本国憲法の第14条と第26条に規定されています。
国民は教育を受けたい場合はその権利が保証されるという法です。
また教育基本法でもおおよそ似た法律が制定されており、憲法と比較した際に「経済的な理由で教育の機会を奪われる事があってはならない」という点が追加され、詳しく述べられています。

また札幌市では「子どもの権利条例」という条例が平成21年より施行され、以下に示す4つの権利を保証しています。

  1. 安心して生きる権利
  2. 自分らしく生きる権利
  3. 豊かに育つ権利
  4. 参加する権利

この中でディープ・プアの問題に関係するのは「安心して生きる権利」や「豊かに生きる権利」でしょう。
札幌市では安心して生きる権利の例に「命が守られる事」を、同じく豊かに生きる権利では「学び、遊び、休息すること」が具体的な権利として定められています。
ディープ・プア世帯では学習塾に通わせる事にとどまらず、参考書を用意する事や食事を与える事すら出来ない状態にあります。
条例では札幌市が市民に保証する事としてこの条例を定めていますので、私達は教育水準や経済状況に関して保証されなければなりません。

就学援助が拡充された

札幌市は平成30年、就学援助を拡充する方針を決定しました。
2人世帯で年収が277万円の場合は以下の就学援助が受けられます。
また生活保護を廃止された世帯に関しても対象となります。

学用品にかかる費用が支給される

学年や校種によって差はありますが、小学2年生の場合は年間15,350円が、中学2年生の場合は年間27,050円が支給される事になっています。
学校で必要な用品は意外と多く、これほど多額の支援を受けられるのであれば家計への負担も随分と軽くなるでしょう。

修学旅行費が全額支給される

対象外となる経費はあるものの、実費のほぼ全てが支給されます。
修学旅行は実は教育活動の一環で、思い出づくり以外にも非常に意義のある学校行事です。
可能であれば子どもに参加させてあげたいですよね。
その費用が全額支給されるのであれば安心して子どもを修学旅行先へ送り出すことが出来ます。

入学準備金が支給される

小学校の場合は50,600円、中学校の場合は57,400円が支給されます。
学校へ通うために必要な制服や鞄などの購入費に充てる事が可能ですので、学校のイニシャルコストを負担する必要が無くなります。

給食費が支給される

認定月以降の給食費が免除されます。
給食費は意外と高額であるため、毎月その費用が免除されるのであれば利用しない手はありません。
毎月4,000円ほどの余裕が生まれますので、その分家計が楽になります。

体育に必要な道具が実物で支給される

小学校ではスキー・スケート用品のいずれかが、中学校ではスキー・柔道用品の現物支給が行われます。

通学に掛かる交通費が支給される

お金を手渡す札幌市内に済んでいて石狩管内の高等学校に進学する場合、通学に要する交通費のうち、基準額を超える額の半分を札幌市が助成するという制度が開始されました。

一月あたりの通学費が13,000円を超える場合に利用が可能で、例えば通学費が一ヶ月に20,000円かかっている場合は (20,000-13,000)÷2=3,500円が毎月支給される事になります。
北海道は公共交通機関の運賃が高いため、この制度を利用すると毎月の負担が大幅に下る事がお分かり頂けるかと思います。
また小中学校の生徒に対しては札幌市内への通学に限り全額が助成されます。

この他にも多数の援助内容が定められているため、詳しくは自治体にお問い合わせ頂くか、以下のリンクよりご確認下さい。
具体的な施策については53ページ目あたりに記載されています。

※参考:https://www.city.sapporo.jp/kodomo/torikumi/taisaku/documents/01honsyo.pdf

大阪はディープ・プア支援のモデル的自治体

道頓堀の風景ディープ・プアが招く子どもの貧困対策ですが、その対策の良いモデルとして大阪の教育環境が挙げられますのでご紹介します。
大阪では政党である大阪維新の会が起こした教育改革によって子どもへの学習支援が他の自治体と比較して非常に手厚くなりました。
以下の内容も先述の政党が先陣を切って取り組んだ内容で現在も引き続き運用されています。

学習塾に助成金が出る

大阪市では学習塾の通学に毎月1万円の助成金が支給されます。
申請が必要であるものの、バウチャー券を学習塾に提出するだけで良いので利用される家庭は多かった印象があります。
ただし世帯の所得額によっては助成を受けることが出来ません。

私立高校の授業料が公立高校と変わらない

私立高校を無償化している自治体は大阪のみです。
2020年4月からは文部科学省が主導して行うようですが、全国に先駆けて真先に取り組んだのは大阪です。
所得額に制限はありますが、私立高等学校のより専門的な教育を公立高校と変わらない負担で受けることが可能です。

子ども食堂の運営に積極的

全国に3500箇所ほどある子ども食堂ですが、そのうちの約12%にあたる400箇所あまりが大阪に存在します。
大阪では子どもの貧困、とりわけディープ・プア層のケアに積極的であるため、自治体や大学などが主導して子ども食堂の設置に取り組んできました。

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おわりに:貧困に悩まないで下さい

ディープ・プア層を苦しめる「子どもの貧困」は重大な問題です。
特に母子家庭では所得の現状や家事負担などがあり一層深刻となっています。
お住まいの自治体では交通費や学用品、給食費など家庭の大きな負担となっている教育費を免除・支給してくれる制度を豊富に用意しています。

これらの制度を上手に活用することで家計に余裕が生まれ、子どもを安心して育む事が出来る可能性が大幅に上昇します。
貧困問題はあなただけの問題ではありません。
日本では公共サービスが充実しているので子どものためにも積極的に検討しましょう。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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公開日:2020年1月10日 更新日:2024年2月28日
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