受験生におすすめしたい、ご利益がありそうな神社を紹介します。
受験では、最後は「自分頼み」になりますが、その手前では「神頼み」したくなる場面もあります。
「頭がよくなりますように」
「学力が上がりますように」
「入試本番前に風邪を引きませんように」
「大学や高校や中学に合格できますように」
このようなお願いをすることで気持ちが落ち着けば、実力を100%発揮できるかもしれません。
北海道内の神社やお寺
まずは道内の受験生が気軽に行くことができる、道内の学問の神様を紹介します。
北海道といえば北海道神宮(札幌市中央区)
北海道での神頼みなら、まずはここから始めましょう。
北海道神宮です。
住所は札幌市中央区宮ヶ丘474です。
北海道神宮では「ご祈祷」を行なっていて、そのなかに合格祈願もあります。
祈祷の初穂料(料金のこと)は5千円と1万円の2パターンあり、1万円だと神札に願いごとと名前を書いてもらえます。
北海道神宮の歴史は、蝦夷地に「北海道」という名称がつけられた明治2(1869)年にまでさかのぼります。
北海道神宮は間違いなく由緒正しい神社で、受験生のために祈ってくれていますが、学問の神様をお祀りしているわけではありません。
北海道神宮にお祀りされているのは、次の4柱です。
「柱」は神様を数える単位です。
- 北海道の国土の神様である大国魂神(おおくにたまのかみ)
- 国土経営と開拓の神様の大那牟遅神(おおなむちのかみ)
- 国土経営と医薬と酒造の神様の少彦名神(すくなひこなのかみ)
- 近代日本の礎を築かれた天皇、明治天皇(めいじてんのう)
学業を専門にしているわけではありませんが、これだけすごい神様たちなので、受験も見守ってくれるはずです。
「文教学問」がトップにきている新琴似神社(札幌市北区)
新琴似神社(札幌市北区新琴似8条3丁目1番6号)のホームページ を開くと、最初に「文教学問」と書かれてあります。
続いて「商工殖産・武勇・安産成育守護」となっています。
受験生なら期待したくなるでしょう。
新琴似神社も、明治20(1887)年に創祀された歴史ある神社です。
お守りには「必勝御守(800円)」「学業御守(大800円、小500円)」「合格御守(800円)」があります。
新琴似神社にお祀りされている神様は次の3柱です。
- 天照皇大御神(あまてらすすめおおみかみ)
- 豊受大神(とようけのおおかみ)
- 神武天皇(じんむてんのう)
学問の神様と縁がある彌彦神社(札幌市中央区)
札幌市の中島公園のなかにある彌彦神社(札幌市中央区中島公園1番8号)は学問の神様、菅原道真公と縁があります。
彌彦神社は本社が新潟県にあり、新潟から札幌に移住してきた人たちが明治の末に小さなお宮を建てたのが始まりです。
お祀りしている神様は天之香具山命 (あめのかぐやまのみこと)ですが、昭和45(1970)年に、太宰府天満宮から、菅原道真公の御分霊も拝しています。
そのため、彌彦神社は別名「札幌の天神様」と呼ばれています。
「菅原道真公」と「太宰府天満宮」「天神様」は、受験と神様を考えるうえでとても重要なので、あとで詳しく説明します。
受験合格のご祈祷は5,000円です。
お守りは、全体的なことが期待できる「御守」が1,000円で、「受験合格守」「受験合格必勝守」「学業おふだ」がそれぞれ1,000円です。
学業絵馬も1,000円です。
変わり種では「合格しゃもじ」「合格はちまき」をそれぞれ500円で販売しています。
天満宮でもある三吉神社(札幌市中央区)
北海道神社庁札幌支部に所属する三吉神社(札幌市中央区南1条西8丁目17番地)は天満宮でもあるので、やはり菅原道真公に関係しています。
「天満宮」についてものちほど解説します。
三吉神社の歴史は明治11(1878)年に遡ります。
お祀りしている神様は次の5柱です。
- 大己貴神(おおなむちのかみ)
- 少彦名神(すくなひこなのかみ)
- 藤原三吉神(ふじわらみよしのかみ)
- 金刀比羅宮(ことひらぐう)
- 天満宮(てんまんぐう)
菅原道真公とは
受験のことをお願いするなら、まずはなんといっても菅原道真でしょう。
多くの人が尊敬の意味を込めて、名前に「公」をつけて呼ぶくらいです。
菅原道真公(845~903年)は平安時代の貴族であり、政治家でもありました。
家柄もよかったのですが、それよりも頭がずば抜けてよく、いわば神童という存在でした。
それで菅原道真公は、朝廷の最高機関のひとつである右大臣にまで登りつめました。
ところが政略に遭い、濡れ衣を着せられて失脚し、京都から太宰府(現、福岡県太宰府市)に流されてしまいます。
その後、地位も名誉も回復することなく亡くなってしまうのですが、死亡直後から天変地異が多発しました。
それで人々が「これは菅原道真公の祟りだ」と考えるようになり、菅原道真公を天満大自在天神(天満天神ともいう)という神様として信仰するようになりました。
菅原道真公の潔白も証明されました。
菅原道真公が小さいころから勉強ができたことから、天満天神は学問の神様と考えられるようになりました。
全国に「~天満宮」や「~天神」という名前の神社がありますが、これらは天満天神から取った名称で、菅原道真公の御分霊が祀られていることを意味します。
日本3大学問神社は、次のとおりです。
- 太宰府天満宮(福岡県太宰府市)
- 北野天満宮(京都市)
- 防府天満宮(山口県防府市)
この3神社は道外になってしまうのですが、「旅費をかけてでも参拝したい」という道内受験生のために、次の章で紹介します。
日本3大学問神社
日本3大学問神社を紹介します。
いずれも「オリジナリティ」を主張していますので、もし道内受験生が、どこか1カ所だけ参拝したいと思ったとき、迷うかもしれません。
太宰府天満宮(福岡県太宰府市)
太宰府天満宮(福岡県太宰府市宰府4丁目7番1号)は自社のことを、「菅原道真公をお祀りする全国約12,000社の総本宮」と称しています。
「社」は神社の単位で、総本宮とは企業の本社や本店のような存在です。
太宰府天満宮がそのように誇るのも当然で、太宰府天満宮の社殿は、菅原道真公の御墓所の上に建っています。
太宰府天満宮こそ、菅原道真公の魂があられる場所というわけです。
参拝者は年1,000万人にものぼります。
大宰府は菅原道真公が政略によって京都から追いやられた場所であり、亡くなった地でもあります。
太宰府天満宮では、受験合格祈願を個人5,000円、団体10,000円以上で行なっています。
受験合格祈願を依頼すれば、ご神前で名前と住所を読み上げてもらえます。
さらに特別なお札とお守りももらえます。
そして、参拝が困難な遠方の方には、お守りなどを送付してもらえます。
わざわざ太宰府天満宮まで行かなくてもよい「サービス」は、もうひとつあります。
太宰府天満宮の「学業講社」というところに入ると、毎年継続して学業上達の祈願祭を行なったうえで、年末に新年の学業上達の特別なお守りが手元に送られてきます。
そして受験本番のときは、受験合格の祈願祭が行なわれ、さらに特別なお守りをもらうことができます。
「学業講社」に入っていれば、太宰府天満宮に実際に行ったときに、御本殿に入ることができ、祈願祭を受けたり、宝物殿や菅原道真公歴史館に無料で拝観できたりします。
「学業講社」に入るには、初穂料として最初の年に年5,000円、翌年から年3,000円を支払う必要があります。
北野天満宮(京都市)
京都の観光地といえば、寺の方が有名な印象があるかと思いますが、学問祈願では、北野天満宮(京都市上京区馬喰町)が全国的な知名度を誇っています。
こちらの北野天満宮は「菅原道真公をお祀りする全国約12,000社の総本社」と自称しています。
先ほど紹介した太宰府天満宮は「全国約12,000社の総本宮」と自称していました。
「元祖」と「初代」の争いのようでもあります。
北野天満宮の創建は天暦元(947)年で、太宰府天満宮の起源は延喜5(905)年で、社殿が建ったのが延喜19(919)年なので、どちらも学問のレジェンドですが、オリジナリティ競争では、やや太宰府天満宮のほうに分がありそうです。
北野天満宮のお守りである「学業御守」は、2,000円もします。
お守り単体ではかなり高価ですが、なんと桐の箱に入っています。
また700円の「勧学守」もあります。
変わり種では、合格祈願が施された学業鉛筆があります。
6本セット800円、12本セット1,500円、24本セット3,000円です。
セットのうち半数の鉛筆の側面には菅原道真公の「詠」が刻まれています。
残り半数は無地です。
芯の濃さはHBです。
防府天満宮(山口県防府市)
防府天満宮(山口県防府市松崎町14-1)も「オリジナル」を自称していて、公式サイトには、菅原道真公をお祀りする全国約12,000社のうち「日本で最初に創建された天神さま」と記載されています。
つまり日本3大学問神社は「元祖」と「初代」と「本家」の争いをしているわけですね。
京都は菅原道真公が活躍した場で、大宰府は菅原道真公が流された場所です。
では、防府市にどのような縁があるのかというと、菅原道真公が大宰府に行く前に立ち寄った場所です。
菅原道真公は防府市で「此地未だ帝土を離れず願わくは居をこの所に占めむ」と言ったそうです。
その意味は次のとおりです。
この港を出発すれば次はいよいよ九州であるが、この防府の地は天皇のいらっしゃる京の都とまだ地続きである。
願わくはここ松崎の地に住まいを構え「無実の知らせ」を待っていたい。
つまり大宰府には行きたくないが、京都に戻れないのは理解している。
妥協点は、この防府市である、ということのようです。
ある意味で、菅原道真公にとってのベストの地だったといえます。
防府天満宮の起源は、延喜4(904)年に建てられた「松崎の社」で、生前の菅原道真公がその建立を願ったとされています。
まとめ~神頼みと宗教と受験について
受験の神頼みのポイントについて紹介してきましたが、受験生のなかには「自分頼み」「学力頼み」だけで行く、という考えを貫く人もいると思います。
そこで、神頼みと宗教と受験について考えてみます。
神社は宗教法人が運営しています。
つまり神社に行って「入試に合格しますように」という祈願も、お賽銭を投げ入れたり初穂料を支払ったりしてお金を渡すことも、宗教行為になります。
しかし、入試合格祈願はあまり「宗教」という言葉になじまないような気がする人が多いのではないでしょうか。
宗教というと、信仰に没入するイメージがあります。
しかし入試合格祈願は、いい大学に入りたいという、極めて俗世間的な欲望をかなえるための一連の行為のうちのひとつにすぎません。
あまり宗教色を感じないのはそのためと考えられます。
そして受験生のほとんどは、神頼みをしたからといって、偏差値が10も離れている高校や大学に入れるとは思っていないでしょう。
ただ例えば、直前の模試でA判定が出ている大学の入試で、1点の差で落ちそうになったら、そこは神様の力で「なんとかしてもらえないでしょうか」という気持ちにはなるでしょう。
もし、合格祈願をしたあとに、入試に合格したら、「神様ありがとうございます」と思えるはずです。
よいことが起きたときに、自分の力だけで成し遂げたとおごるのではなく、神様のおかげ、周囲の人たちのおかげと謙虚になることは、人としてよい行ないのような気がします。
また、合格祈願をしたものの不合格になっても、「神様のせい」とは思わないでください。
そのときは「さすがの神様も、自分の努力不足までは助けてくれない」と、謙虚な気持ちを持ちましょう。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。