小学校、中学校、高校の勉強には、
- 学校
- 塾
- 予備校
の3種類があります。
この記事ではこの3つの学びの場の違いを解説していきます。
またそのなかでの大成会の立ち位置についても紹介します。
塾と予備校の違いと大成会の立ち位置
最初に「大雑把」な説明をしておきます。
塾と予備校の境界線は、実はあいまいです。
塾っぽい予備校もありますし、予備校っぽい塾もあります。
ただそこまで解説してしまうと読者が混乱してしまうので、この記事では両者を以下のように定義します。
- 塾:小中高校生を教える
- 予備校:高校生を教える
小学生と中学生の多くは、学校以外で学ぶ場合、塾に行くことになります。
一方、高校生は塾か予備校かで迷うことになります。
そして大成会ですが「予備校の要素を含む塾」となります。
塾なので小中高校生を教えています。
さらに不登校になった子供への専門の教育も行っています。
したがって守備範囲はかなり広いといえます。
そして大成会には塾でありながら、予備校の要素もあります。
高校生向けの授業には、塾的な学校の定期試験重視の授業と、予備校的な大学受験重視の授業があります。
公立学校と塾・予備校の違い
それでは詳細な考察に入っていきましょう。
まずは公立学校と塾・予備校の違いをみていきます。
学校には私立もありますが、私立学校は塾的、予備校的なところもあるので、ここでは解説を省きます。
義務教育・義務教育的かそうでないか
学校の最大の特徴は、小学校と中学校は義務教育であり、高校は義務教育ではありませんが「義務教育的」であるところです。
義務教育は教育基本法第4条で「国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う」「国または地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない」と定められています。
子女とは、満6~15歳の子供のことで、男子も含まれます。
国が設置する学校とは、国立の小学校と中学校のことです。
地方公共団体が設置する学校とは、県立小学校や市立中学校のことです。
義務教育の義務とは、保護者が子供に義務教育を「受けさせる義務」のことであり、子供が義務教育を「受ける義務」のことです。
そして授業料を徴収しないとは、子供に義務教育を受けさせることきにお金がかからないということです。
教師の人件費や学校の建設費、教科書の代金などは、すべて国や地方公共団体が負担します。
つまり税金から支出されます。
高校は義務教育ではありませんが、高校の進学率は98%に達します(文部科学省調べ、2010年の値)。
そして授業料や教科書代は有料ですが、公立高校であれば3年間で総額50万~60万円ほどです。
ここまで安いのは、税金の補助が出ているからです。
したがって高校は「義務教育的」といえます。
塾・予備校には、義務教育の要素が一切ありません。
それだけに、塾・予備校に通う子供には自主性や自律性や自立性が求められます。
学校に通うことは義務(または義務的)なので勉強をしたくない子供もたくさんいますが、塾・予備校は原則、通いたい子供しか通わないので勉強したい子供だけが集まっています。
教育指導要領を逸脱してはならないか、逸脱してよいか
学校の重要な特徴はもうひとつあり、それは文部科学省が定めた教育指導要領に沿って教えなければならない、ということです。
教育指導要領には「全国の小中高校の教師が子供たちに教えるべきこと」が記されています。
一方の塾・予備校にはそのような「縛り」はありません。
したがって塾・予備校は「なんでも」教えることができますし、塾・予備校に通う子供は「好きな勉強」を選ぶことができます。
学校でしか教えない「教え」とは
学校の教師は勉強以外も教えます。
体育、美術、音楽も教えます。
また「人として進むべき道」を教えることもあります。
さらに部活動も学校教育の特徴です。
子供に学力を身につけさせるだけでなく、生きる力や倫理、道徳も教えるのが学校の役割です。
その点、塾・予備校は学力向上に特化しています。
子供たちは学力と偏差値を上げるために塾・予備校に通い、塾・予備校の講師は学力を効率的に上げる方法だけを日夜研究しています。
「学力の低い子向けか高い子向けか」「穏便か競争か」
教育指導要領の縛りは、学校教育を窮屈にしている面があります。
教育指導要領の内容は最低限の内容になっていて、学力が低い子供に合わせています。
したがって学力が高い子供や理解が速い子供は、学校の授業では知的欲求が満たされないことがあります。
そのような子供は、ぜひ塾・予備校に通いましょう。
塾・予備校は、子供が学びたいだけ学ぶことができます。
例えば塾・予備校なら、1年生に2年生が学ぶ内容を教えることもできます。
また最近の学校は、子供たちを競争させることに消極的です。
競争がない学校では、学力が低い子供は、ネガティブな部分が目立たないので心を傷つけることはありませんが、その一方で勉強ができる子供は、自分の能力を褒めてもらう機会を失います。
輝ける場所がないのです。
しかし塾・予備校は学力を重視します。
学力が高い子供しか入ることができないクラスを用意している塾・予備校もあります。
それは一見すると冷たい世界のように感じるかもしれませんが、そうではありません。
上を目指す気持ちは、上位にいる子供だけでなく、下位にいる子供にも必要です。
そして子供は小さなきっかけをつかむと「大化け」することが珍しくないので、下位の子供が半年くらいでトップになることもあります。
塾・予備校は、学力で上を目指す子供には「天国」といえるでしょう。
学力がとても低い子供も塾・予備校がおすすめ
先ほど、学校教育は
- 教育指導要領に沿って教えなければならない
- 学力が低めの子供に合わせている
と紹介しました。
しかし、教育指導要領は「その学年で教えるべきこと」を定めているので、その学年で教えるべきことをマスターできない子供は落ちこぼれになる可能性があります。
例えば、学校の小学4年生のクラスでは、小学2年生の内容は教えません。
小学4年生でありながら小学3年の学力を持っていない子供は、小学4年生の授業についていくことはできません。
しかし塾・予備校のなかには、学力が「とても低い」子供を教えることが得意なところもあります。
「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴著、KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)をご存知でしょうか。
小4レベルの学力しかない高2生が、ある塾講師の教えによって、見事、名門私立大の慶應義塾大学に現役合格した実話が描かれています。
これが塾・予備校の力です。
塾・予備校は、学力がとても低い子供に普通の学力を身につけさせることもできますし、子供のやる気次第で、さらにその上を目指させることもできます。
塾と予備校もかなり違う
公立学校と塾・予備校の違いほどではありませんが、塾と予備校もかなり違います。
学校の定期試験重視か大学入試重視か
予備校の最大のミッション(使命)は、子供たちをより偏差値が高い大学に入れることです。
予備校は、日東駒専よりはMARCH、MARCHよりは早慶上智、早慶上智よりは東大・京大・一橋大・東工大に合格させることを目指しています。
したがって予備校の生徒は高校生や浪人生が大半です。
まれに小学生や中学生を受け入れている予備校もありますが、それでも最終目標は高偏差値大学です。
予備校には「東大受験コース」や「医学部進学コース」といった目標大学・学部に照準を合わせたコースがあり、その大学の入試を解くための講義が展開されています。
一方の塾は、学校の定期試験でよい点数を取るために通う子供が多いでしょう。
したがって授業内容は教科書に沿った内容か、その発展形です。
ただ塾でも受験対策はしっかり行います。
例えば、高校受験や大学受験を推薦で挑もうとしている子供は、内申点が重要になります。
学校の定期試験の成績は内申点に大きな影響を及ぼすので、塾の勉強も高校受験対策、大学受験対策になります。
大成会は小中学生には塾的、高校生には予備校的
大成会は、小学生と中学生には塾的な存在で、高校生には予備校的な存在です。
高校生には、学校の定期試験対策も行いますが、その一方で北大対策、早慶上智対策、その他の国公立大対策も行っています。
不登校専門サポートでは、中学校にほとんど通わなかった子供を、超進学校の札幌開成高校に入学させた実績もあります。
大成会は、勉強がとてもできる子供も、普通にできる子供も、それほどできない子供も、かなりできない子供も、1つまたは2つまたは3つ上のレベルに引き上げるのが得意な塾です。
多人数講義・ビデオ学習か少人数講義・丁寧指導か
教え方では、予備校は多人数講義、またはDVD学習という特徴があり、塾は少人数講義、または丁寧指導という特色があります。
これはどちらがよいとはいえません。
子供の勉強スタイルにもよりますし、学力が上がると別の教え方のほうがマッチすることもあります。
それぞれのメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット:カリスマ講師の講義を受けることができる、臨場感があり学習意欲が湧く
デメリット:内容が高度すぎることもある、インパクトが強いだけで場合もある
メリット:カリスマ講師の講義を視聴できる、勉強時間が自由
デメリット:臨場感がない、途中でいつでも中止できてしまい自律心が必要
メリット:児童・生徒ひとりひとりにマッチした学びを提供できる、学力が高い子供にも低い子供にもマッチしている、理想の講義形態
デメリット:カリスマ講師は少ない
メリット:学力が低い子供が学力を飛躍的に伸ばすことができる、意欲が低い子供の気持ちを高めることができる
デメリット:学力が高い子供には向いていない
先ほど、予備校は多人数講義・ビデオ学習、塾は少人数講義・丁寧指導と紹介しましたが、この垣根も曖昧模糊(あいまいもこ)としてきています。
塾的予備校もあれば、予備校的塾もあります。
子供が通う塾・予備校を選ぶときは、上記のメリット・デメリットを参考に、どのようなスタイルで教えているか確認するようにしてください。
まとめ~頼ったり活かしたりしよう
学校教育は、いわば大通りです。
大通りを進めば、道に迷うことなく目的の場所に到着することができます。
塾と予備校の教育は、脇道であり高速道路です。
大通りで渋滞に巻き込まれたり、大通りが事故で通行止めになったりしたら、脇道に出てゆっくり目的地を目指せばいいのです。
そして、大通りでは「スピードが出せない」と不満に感じたら、高速道路で飛ばせばいいのです。
学校教育がマッチしないと思ったら、塾と予備校を頼りにしてください。
そして学校教育に不足を感じたら、塾と予備校を活用してください。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。