【教育改革】2020年問題に北海道は?小学生の英語教育が本格化

2020年教育改革 本格化する英語教育
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2020年から大規模な教育改革がなされます。
これについてしっかりと意識していないと、思ったような成績が取れなかったり、志望校に合格できなかったりと、リスクがあります。

今回の記事では、2020年の教育改革について、その具体的内容を含めて解説していきます。

2020年に学習指導要領が大幅改定

2020年に『学習指導要領』が大きく改定されます。
学習指導要領の言葉を、聞いたことがある人は多いでしょう。
これは、学校の先生が必ず従わなければならない、文部科学省が定めた指導の基準です。

この指導要領があるために、北海道の札幌市の小学校に通っても、東京の渋谷区の小学校に通っても、教える内容に大きな差が出ません。

実は時間割も、学校がテキトーに決めているわけではなくて、この国からの指針にもとづいて策定されています。
つまり、学習指導要領が変われば、全国的に教育内容に大きな変化がもたらされます。

教科書を開くそれまで使っていた教科書とも変わっていきます。

教育内容の転換からの当然の帰結として、入試に顕著な影響を及ぼします。
これまでは良かった受験対策が、妥当しない分野が出てきます。

冒頭で述べたように、この変化を充分に意識しておかないと、今まで通りの勉強では良い結果が出ない危険があります。

「新学習指導要領」3つの指針

新学習指導要領は大きく3つのポイントを掲げています(※)。

  • 学習を人生や社会に生かす 学力・人間性などの涵養
  • 実践的な知識・技能の獲得
  • 柔軟な思考力・判断力・表現力などの養成

この3つの要請が、教育や受験内容の変化に結びついています。

※参考:文部科学省 新学習指導要領について  

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小学生の外国語教育が本格化

北海道を含む全国の小学生にとって、教育改革による最も大きな変化は、外国語教育の導入です。
まず、3、4年生の時点で、外国語活動が導入されます。

外国語活動

年間授業時間は35時間(1単位時間は45分)です。
週に1時間あると考えておきましょう。

ここでは、中学校で行うようなSVOCの文型から学ぶというよりは、英語の楽しさ、言語としての魅力を知ることが念頭に置かれます。

英語の音声を聴いて親しみを覚えるようにしたり、日本語とは異なるイントネーションやリズムに慣れたり、といったことが主眼となります。

とにかく聞いて声に出してみる、積極的な言語活動が実施されます。

教科英語

英語の勉強外国語教育のなかでも特筆すべきは教科英語です。
こちらは年間授業時間は70時間に設定されています。
体育の授業時間が90時間ですから、それに近いものがあります。

週に2コマはあると考えれば良いです。先の外国語活動とは異なり、こちらはより教科としての英語の側面が強くなります。

それこそ、大文字と小文字の書き分けから、読む聞く話すを、基本から学んでいきます。
他の国語や算数のように、成績がつきます。

中高生の英語教育も変わる

英語教育の改革は、もちろん小学生だけではありません。
中学や高校では、英語の授業時間は全て英語で行われます

重要な文法や単語などの指導は、これまでは日本語で行われていました。
しかし教育改革によって、全てが英語でなされるので、より授業の難易度は上がるといえます。

英語による表現力を養成

高校では、英語のスピーチ力の育成も図られます。
それこそ、新学習指導要領の3つの指針の1つである、「柔軟な……表現力などの養成」の表れだといえます。

英語の弁論大会に出る人だけが、英語によるプレゼンテーション能力を学習するのが一般的でした。
しかしこれからは、授業の一内容として、英語を使った論理・表現力の底上げを行います。

グループに分かれて英語でそれぞれの意見を出し合い、ディスカッションをするという内容が組み込まれます。

センター試験が「大学入学共通テスト」に刷新

2020年から、これまでのセンター試験が大学入学共通テストに改められます。
この共通テストでは、やはり英語に大きな変化がみられます。

英語が大きく変化

これまでの「読む・聞く」といった2技能から、「読む・聞く・書く・話す」といった4つの能力が問われるようになります。

資格・検定試験が活用できるようになるのも、大きな変化だといえます。
2023年までは、大学入学共通テストと資格・検定試験が併用されます。

それ以降は、資格・検定試験の活用に一本化される予定です。

高校3年の4月~12月に受験した検定試験が対象になります。対象の検定試験は、今のところTOEICやTOEFL、TEAP、英検などになる予定です。

また、当コラムを掲載している札幌のチーム個別指導塾「大成会」では、英検などの各種資格試験対策などにも対応しています。

TOEICなどの英語検定対策が必要

TOEICこのことから、学習塾における指導においても、検定試験対策がより積極的に行われます。
特に各検定試験にはコツがあって、それを掴むことで得点を大きく伸ばせます。

たとえばTOEICであれば、リスニングの際には先に質問に目を通しておくとより内容を理解しやすくなります。
リーディングはとにかくスピーディーに時間内に最後までマークしきることが大事です。

このように、塾や家庭教師による指導も、学校の試験や大学入試対策だけではなく、検定試験対策も盛り込まれていきます。

数学や国語に記述式問題が追加

大学入学共通テストにおける大きな変化としては、英語以外に数学や国語も挙げられます。
特にこれらの科目で、記述式の問題が入ることが特徴です。

これも新学習指導要領の「柔軟な思考力・判断力・表現力」が理由です。
実際にどのような問題が出るのか気になる、という方は、大学入試センターが国語総合と数学のそれぞれにサンプル問題を掲載しているので、参考にしましょう。

大学入学共通テスト モデル問題例  

記述式問題も対策が必要

平成30年度の試行テストでは、記述式問題の正解率が低くなっています(※)。
国語総合では3つの問のうち、低い問で15.1%です。
数学ではやはり3つの問のうち、3問目が3.4%でした。

このように、記述式問題は、少なくても試行段階では難度の高いものであり(とりわけ数学)、独自の対策が必要だといえます。

※参考:大学入試センター 大学入学共通テストの導入に向けた試行調査 平成30年度の結果報告  

アクティブラーニングを導入

学習指導要領の改訂により、授業の基本的な行い方も変わってきます。
具体的には、アクティブラーニングの方式が採用されます。

アクティブとは、積極的を意味します。その通り、ただ先生の話を聞いて、たまに指されて応えて、という受動的なものではなく、より積極的かつ能動的な姿勢で、生徒が授業に望むことが期待されるものです。

特に、英語の項目で触れたグループごとのディスカッションのように、それぞれの科目について、先生が与えた課題について班で話し合い、1つの答えに絞って提出し、さらにクラス全体でどの班の答えがベストで、その理由のどこに説得力があるのか、といったことを個々人が意見を述べて活発な議論が行われます。

自分だけの考え方や問題の解き方だけではなくて、他の人の回答や思考過程にダイレクトに触れることで、新学習指導要領が標榜するところの、「柔軟な思考力・判断力・表現力」が養われます。

プログラミング教育を実践

プログラミング小学校で新たに行われる教育として、英語に注目が集まっています。
しかし、他にも新たに組み込まれる学習があります。
それがプログラミング教育です。

プログラミングという言葉はよく聞かれます。
その内容は、コンピュータへの指示です。
CPUに目的の行動をさせるためには、それが理解できるプログラミング言語で、あらかじめ設定しておく必要があります。

それこそ、LINEやInstagramといった小学生にも人気のSNSアプリは、全てプログラミングによって実現されています。

プログラミング能力の必要性

IT業界では、このプログラミングを担当する者が不足している事情があります。
今後、AIが世の中に台頭していくなかで、それに任意の行動を支持できる担い手は今以上に求められます。

AIが台頭する世の中へ

AIたとえば、市役所で働く公務員の9割の仕事は、それこそAIで済むといわれています。
現在では、住民票を取りに行ったときに、わざわざ紙に必要事項を記入し、窓口の人に渡して、その方が住民票を発行して来ます。

しかし、この過程に無駄を感じるのが普通です。
この場合には、AIといわずとも、単に証明書発行機を設置すれば良いでしょう。

大学では大抵、自動証明書発行機が設置されていて、在学生の大半はこの機械を利用して成績証明書などを発行します。

結局のところ、住民票を出すのが人である必要はありません。
よく行くコンビニの感じの良い店員は、顔や名前を覚える可能性がありますが、年に1度行くか行かないかの市役所の窓口の職員の顔を憶える人はいません。

要は誰でもできる、もっといえば人間でなくても良い仕事なわけで、このような職業は、実は世の中に溢れています。

人件費が最も大きなコスト

企業や自治体が負担する全てのコストのなかで最も負担が大きいのが人件費です。
それこそ例に挙げたのでそのまま使いますが、市役所の職員の行う業務のうち、可能性がある限り全てコンピュータやAIに代替したなら、消費税を上げるよりむしろ減らす、もっといえばなくすことすら可能かもしれません。

現状、それくらい莫大なコストがかけられているのが、AIや機械、コンピュータで済むのにわざわざ雇っている人件費です。

この問題点を指摘する声が段々と大きくなっていて、そのことから、AIの普及も徐々に進んでいくことが予想されます。

AIに指示をする「人間」の存在が不可欠

そこで大事になるのが、プログラミング能力を持った人間の存在です。
市役所でいえば、住民からの許認可申請や年金、社会保障関係の画一的事務を、実際にAIなどに代替させることは可能です。

しかし、それに当該業務を行わせるためには、そのための指示を与える存在が必要です。
その存在は、時代が進んでも人間でなければなりません。

そして指示を出すには、プログラミングの知識や能力が必要です。
今後、よりAIやコンピュータへの指示者が求められる世の中になることが予想されるからこそ、小学校でもプログラミング教育が実践されるわけです。

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2020年の教育改革についてまとめ

今回は、特に子どもがいる親世代に感心が集まっている2020年の大きな教育改革について解説してきました。
特に意識したい項目をピックアップしました。

なかでも小学生は、英語教育が本格化するので、中学の先取りというのではなく、今の成績のためにも英語を勉強することが大事になります。
とりわけ私立の中学を受験する際には、英語の能力が当たり前に求められます。

高校生ならセンターに代わる共通テストでの英語検定の導入がポイントです。

アクティブラーニングやプログラミング教育など、新鮮なアプローチがなされますから、柔軟な思考と姿勢で対応し、より積極的な気持ちで授業に望むことが必要です。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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公開日:2019年8月4日 更新日:2024年2月28日  
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