大学生が「休学」するメリットとデメリット・休学する理由を考えよう!

休学するメリット・デメリット

さまざまな事情から大学を一定期間休む「休学」。

ただ、せっかく入った大学を休学するとなると、まわりの白い目が気になる…と想像する人は多いかもしれません。

あるいは、今まさにその問題に直面しているかもしれません。

大学や学校は当然通うものと幼い頃から信じ込み、「休学」という発想を考えたこともない多くの日本人にとっては、”藪から棒”な話ではあります。

休学することは、そもそも良いことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか?

ここでは休学するメリットとデメリット、休学する理由などを詳しく解説します。

休学すると、学費はどうなる?

キャンパスそもそも、大学の「休学」とはどういうものなのでしょうか?

各大学には「休学制度」が定められています。

休学を希望する場合、申請期限が設けられており、「春学期または当該年度の1年間休学の場合は○月○日まで、秋学期休学の場合は□月□日まで」のような規定があります。

申請期限を過ぎた場合や、必要書類の未提出など、手続きに不備があった場合は休学が認められません。

次に浮かぶ疑問は学費に関してです。

休学中は学費を払わなくてもよいのでしょうか?

休学を考える大学生が最も気になるこの点については、「大学によってまちまちである」というのが答えになります。

たとえば、国立大学の場合、基本的に休学中の学費は全額免除となります。

一方、私立大学の場合、授業料の一部を支払う必要があるケースや、授業料は免除され在学費が必要になるケースもあります。

いずれにしても、何らかの事情があって大学に通学しないのであれば、学費をそのまま払っていては無駄になってしまいます。

学費を通常より抑えられることは休学の大きなメリットです。

あまり休学しない日本人

パーセンテージでは、どれくらいの人が休学しているものなのでしょうか?

統計によると、大学(短大、高専を含む)の休学者は67,654人(全体の2.3%)となっています(文科省「学生の中途退学や休学等の状況について」、平成26年度)。

また、別の年の大学だけのデータでは休学者は2万8486人(全体の約1%)となっています(文科省「学校基本調査」、2020年5月)。

ロングスパンの変化をみると、1970年代は5000人程度だった休学者数は30年間で4倍に増え、近年は3万人前後で推移しています。

3万人というと大変多いように思えますが、「全体の1%」という休学率は実は世界的には非常に少ない数字です。

欧米諸国の休学率は軒並み12~25%で、およそ「4~8人に1人」は休学する計算になります(2018年)。

これは欧米に限らず、アジアの韓国でも同じです。

つまり日本人は他国に比べ、休学のきわめて少ない国民性であるといえます。

休学は就職に不利?

それにしても、どうして日本の大学休学者は国際的にみて少ないのでしょうか?

この疑問は、休学のデメリットを考えると理由がはっきりします。

就職活動一般的な日本企業が卒業生を採用する際、新卒採用を重視する傾向にあります。

日本では大学卒業時のステータスが重んじられるためですが、この文化的な慣例は他国では当たり前ではなく、むしろ例外的です。

国際基準からすると時代後れであるこの慣習は最近見直され、少しずつ改善されています。

とはいえ、もし入りたい企業がこうした伝統的な採用方式を重視する場合、休学によって卒業年度が遅くなることは採用時に不利になる可能性もあります。

また、実際に不利になるかどうかは別としても、学生側が休学を「不利」と考える傾向があるようです。

一方、海外の企業は新卒・既卒には基本的にこだわりません。

日本のようにポテンシャル型の新卒一括採用をせず、あくまで実力主義です。

そのため、海外では卒業後すぐに就職せず、通学以外の活動を1年~数年程度することが珍しくありません。

ギャップイヤーに対する認識の違い

この文化の違いを端的に表しているのが「ギャップイヤー(Gap year)」という言葉です。

ギャップイヤーは大学卒業後にボランティアや海外生活を行うなど、何らかの学びや体験を重ねることで視野を広げ、人生の経験値を得る意義があります。

つまり、普通に考えれば新卒よりも経験や能力に優れた既卒の方が採用されやすくなります。

ギャップイヤーによって専門性が高まったり、人間性を含めた専門性以外の知識・経験が得られるため、海外の企業ではむしろ好意的に受け取られることが多いのです。

未来に歩き出す男性この考え方に則ると、休学は「在学期間中にギャップイヤーを自主的に作り出す」ことに相当し、休学のメリットはギャップイヤー同様、多種多様な知識・経験が得られることになります。

最近では日系企業への入社は最初から眼中になく、在日の外資系企業や海外の企業に入ることを視野に入れている人も少なくないでしょう。

日本経済の長期低迷や先行きの不透明さからこうしたケースはレアではなく、ますます増えています。

その場合、休学はむしろ積極的な選択肢のひとつになるでしょう。

避けられない人間関係の変化

歩く足元一方、「就職活動に不利になる」以外の休学のデメリットは、大学の友人たちと会う機会が少なくなることです。

同じ学部やサークルの友人は今までどおり通学し、勉学やゼミ活動などをこなさなければならないため、会える時間は必然的に減ります。

休学期間が終わってからも、学年が変わってしまうため、同学年の友人との交流は途絶えがちになるでしょう。

ただ、何かを得るためには何かを失う必要があります。

休学すると決めた以上、こうした変化は当然のこととして受け入れなければなりません。

これまで築いてきた関係性をある程度は捨てる覚悟をもたないと、新たなスキルや関係性を構築できません。

未知の挑戦にとって多少の苦難やストレスはつきもの。

休学期間が終わってからは若干寂しい思いをするかもしれませんが、逆に言えば下の学年の友人ができるかもしれません。

はじめの一歩は辛いでしょうが、新しい世界に飛び出すことが自身の成長につながれば、デメリットをポジティブに捉え直せることでしょう。

休学したらできること

では、実際に休学したとすると、具体的にどのようなことができるのでしょうか?

よくある休学期間の活用例を以下に挙げてみましょう。

(1)語学留学

パスポートと飛行機休学の理由として、多いのは海外留学です。

日本で生活していると気づきにくいですが、海外へ出ると全国各地の大学から「1年間休学して語学を学びに来た」という大学生に出会うことは少なくありません。

語学を身につける最適な方法は、語学的な才能がある例外的な場合を除き、現地で生活して生の外国語環境に身をおくことです。

どんな語学であれ、たいていの外国語は1年あれば日常生活に困らないレベルを身につけることができると言われます。

本場の国へ長期間留学し、そのうえでハイレベルな語学学校に通うなどインテンシブな勉強をすれば、ビジネスレベルの語学力を身につけることも可能でしょう。

そのためには短期間ではなく、半年間~数年間の長期生活が必要です。

1年間あれば十分とはいえ、普通に日本で暮らしているとそんなにまとまった時間はなかなか取れないものです。

通常、学校や仕事に追われた生活を送っており、まとまった時間が作れるのは定年後…というケースが大半でしょう。

語学を学ぶ目的が生涯学習ならそれでもよいですが、キャリアアップを目指すための語学習得であれば、なるべく若いうちに挑戦する方が得られるものが多いです。

「日本人の英語力は低い」としばしば指摘されますが、逆に言えば、日本人の休学率の低さは海外長期留学者が少ないことを意味します。

生の英語に接する時間が少なければ、英語力がなかなか向上しないのも不思議ではありません。

時間がたっぷりある大学時代はラストチャンスであり、語学留学のための休学は有意義だといえるでしょう。

(2)海外旅行・ワーキングホリデー・ホームステイ

語学目的ではなく、純粋に長期間の海外旅行や世界一周の旅に出てみるのも、立派な休学の目的になります。

グーグルマップなどで世界中の街並みが手軽に見れる時代になりましたが、自分の足で歩いてその土地の気候や文化を肌で感じ、現地の人々と苦労しながらコミュニケーションをとることの経験の価値は今も薄れることはありません。

若いうちに世界に出て、異文化の見聞を広め、自国と異なる物の見方や考え方を養っておくことは、将来の大きな財産になることは間違いありません。

ただ、長期の留学や海外滞在をしたいものの、予算がない…という場合もあります。

そんなときにおすすめなのはワーキングホリデーです。

現地で働きながら長期滞在し、同時に語学を身につけることができます。

通学や座学がどうも苦手…という方にとって、豊かな社会経験も得られるワーキングホリデーは選択肢のひとつになり得ます。

また、休学すれば長期間のホームステイを経験することもできます。

旅行や通学でも異国の環境や雰囲気はある程度つかめますが、やはり現地の人々の暮らしを知ることで、その国が大切にしている文化や伝統、価値観に気づけるものです。

ワーキングホリデーやホームステイを通して等身大の暮らしを味わうことで、ニュースなどでしか知り得ない国の本当の姿を垣間見ることができるでしょう。

(3)起業、長期インターン

グローバルビジネスのイメージ休学の目的として、海外滞在のほかに多いのはビジネスの現場に出ることです。

現在、有名になっている国内外の起業家のなかにも、休学中に新しいビジネスを始めた人は非常に多いです。

必ずしも具体的なビジネスの形を思いついていない場合でも、休学のメリットはあります。

休学で得られたまとまった時間を利用して、自分が興味のあることに没頭することでアイディアが形になり、具体的なビジョンが見えてくることがあるからです。

また、関心のある企業における長期インターンも有意義な経験になることでしょう。

世界の広さや自らの偏りに気づくこと

このように、休学には「自分の世界が広がる」という大きなメリットがあります。

一般的な日本の小学校・中学校・高校では、同じ地域に住んでいる同学年の人たちが通っており、狭い世界を形作っています。

大学に進学すると同学年の仲間が全国各地から集まり、考え方や価値観が異なる仲間たちをみて、「日本は広いなぁ」と感じることでしょう。

とはいえ、大学はしょせん同年代の人たちであり、目指す専門性も同じです。

また、日本の大学は外国人の割合が低く、結局は同じ島国なので言語や文化も似通っています。

休学して海外やインターンなどでこれまで出会えなかった人々に会い、未知の経験を通して「いかに世界が広いか」「いかに自分が今まで狭い環境で生きてきたか」を痛感することでしょう。

常識とは18 歳までに身につけた偏見のコレクションのこと」とは、物理学者アルベルト・アインシュタインの言葉です。

狭い世界で過ごすことは必ずしも悪いことではありませんが、そうした異質な経験を積むことで、自分自身の考え方や経験がおのずと偏っていることをまず自覚することが大切です。

そうしてはじめて、「自分はどの国の、どの文化で生きていくべきか?」という人生の問いに対し、先入観のない自身の判断を下せるようになります。

「休学すべきか、しないべきか」それが問題!

ここまで挙げた休学のメリット・デメリットをいったんまとめてみましょう。

メリット・学費が安くなる

・専門性や人間性が高まる

・世界が広がる

・新たな人間関係の獲得

デメリット・学費に見合わない場合もある

・ギャップイヤーが生じる(日本では就職に不利な場合もある)

・かつての人間関係の喪失

現在の状況をメリット・デメリットの天秤にかけてみたとき、結論がはっきりする場合は迷いはないでしょうが、五分五分の場合もあるでしょう。

その場合、はたして休学はした方がよいのでしょうか、しない方がよいのでしょうか?

日本の大学に通う普通の日本人の大学生の場合を想定してみましょう。

一般論としては「正解はありません。人や状況によります」という玉虫色の答えになるか、どちらかといえば、「休学者が1%」という現状から「つべこべ言わずに通ったほうがいい」という一辺倒の意見が未だに根強いかもしれません。

クローバーを差し出すビジネスマンただ現実には、休学に悩む大学生にはひとりひとり違った個性があります。

若いとはいえ、すでに二十歳前後の大人であり、その人にしかない資質・性格・家庭環境をもっています。

そして、固有の人生経験がすでに十分あり、得手・不得手がある程度分かっています。

ということは、これまでの歩みや経験をよくよく振り返れば、1年間くらいの未来はある程度見通せるはずです。

答えがはっきり見えていないだけなのです。

正解は往々にして他人の中にある

すなわち、休学すべきか否かは「己を正しく知る」ことが答えへの近道になります。

ただ、難しいのは自分を客観視することです。

よほど円熟した大学生を別にすれば、自己採点は甘すぎたり、厳しすぎたりするのが常です。

よって、答えを自分自身に問うのではなく、他人に求めるのが良い方法です。

身近な他人といえば、家族や親戚、親友、学校の先生などです。

以下、具体的な2つのケースをみてみましょう。

(1)休学が推奨されるケース

休学したい当人が何らかの道にすでに特化した実績をもっている場合です。

仮に家族に反対されたとしても、古くからの友人や教師が当人の卓越した実績や行動適性を認め、「休学は能力を伸ばすのに適している」と判断を後押ししてくれるでしょう。

また、その道で名の知られた先達が太鼓判を押してくれれば、反対する人も納得してくれます。

(2)休学を反対されるケース

身近な人々さえ休学したい当人の能力や適性を認めてくれない場合です。

先の例でいうと、語学留学するはずが外国語の勉強を一切していなかったり、インターン先の業界に無頓着だったりすることです。

自己イメージに反して、残念ながらその道に進んでも将来あまり有望でないとすると、休学のリスクは高まります。

具体的な理由や道筋が大事

特段の理由や事情がなく、しかも休学のデメリットが「学費が余計にかかる」「場合によって、就職に不利な場合がある」と分かれば、多くの親御さんは反対します。

それでも休学の意志が強いのなら、覚悟を決めて行動を起こし、家族を説得しなければならないでしょう。

ポイントを示す男性その場合、「親が反対しないような理由をつくる」ことは大前提です。

万人を納得させるような理由ではなく、当人の親にとって納得がいくような休学のメリットを提示する必要があります。

そのためには、休学したら「こんな夢が叶う」と漠然とした道筋ではなく、「こんなことができる」「こんな部分が成長できる」と具体的な理由を提示し、説得力をもって自らをアピールすることです。

さらに、休学期間がダラダラ延びてしまうことがないよう、終了時期の設定も大事です。

自身の将来を見据え、真剣に訴えることで道が開けることでしょう。

休学(中退)した偉人・著名人たち

休学希望者の応援者になるのは、過去の優れたロールモデルです。

大学を休学・中退した著名人は古今東西、数多く存在します。

  • イマニエル・カント(学者):ケーニヒスベルク大学を中退
  • 南方熊楠(学者):東京大学予備門を中退
  • スティーブ・ジョブズ(起業家):リード大学を中退
  • ビル・ゲイツ(起業家):ハーバード大学を休学
  • マーク・ザッカーバーグ(起業家):ハーバード大学を休学
  • 村上春樹(作家):早稲田大学を休学(のちに卒業)
  • 葉加瀬太郎(音楽家):東京藝術大学を中退
  • イーロン・マスク(起業家):スタンフォード大学大学院を中退
  • 堀江貴文(起業家):東京大学を中退

このように学者・起業家・作家・芸術家などが目立ちます。

これらのケースはしばしば「一芸に秀でていて才能があったから、休学・中退してもうまくいった」とみなされますが、はたしてそうでしょうか?

時間は誰しも有限であり、若いうちは特に「時間の使い方」がその後のキャリアを大きく左右します。

「本当にやりたいこと」「一生をかけてでも打ち込みたいこと」が幸運にも見つかった場合、それが大学の履修内容とかけ離れていたら貴重な時間の無駄になってしまいます。

休学によって大学に通う必要がなくなれば、やりたいことだけに時間を注げられるので、わが道を思う存分進めます。

これらの人々は「休学・中退したからこそ才能を伸ばすことができ、後世に名を残すような人物になった」と考えられるのではないでしょうか。

まとめ

今までの常識が崩れている時代、かつての先入観から休学を遠ざけるのはただちに正解とは限りません。

ネガティブなイメージが先行する休学を「ギャップイヤー」と捉え、活用次第でポジティブに変換できます。

狭い価値観や人間関係の枠から飛び出し、新たな知識や経験を得ることは視野を広げ、専門性や人間性を長期的に高めることにつながります。

時間の有効活用はときとして既成の常識にとらわれない優れた人物を醸成します。

ゴールへの道後悔しない休学に必要なのは、メリット・デメリットを押さえたうえで「〇〇を達成する・見つける」というはっきりした目的意識をもつことです。

理にかなった目的意識に行動が伴えば、反対する人も納得します。

休学を自分を成長させるひとつの選択肢、よりよいキャリアを歩むためのチャンスとして前向きに捉えましょう。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表:池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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公開日:2022年6月17日
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