高等学校等就学支援金制度とは?

【高等学校等就学支援金制度】とは?私立高校独自の奨学制度も味方

高等教育無償化の一環で、高等学校等就学支援金制度が国より設定されています。
これは、私立高校に在学する者を対象として、一定の援助を受けられるものです。

無償化の流れで、各自治体が独自の修学支援制度を設けることが増えています。
北海道でも、授業料軽減制度を設定して、援助を図っています。

援助額は、自治体のものに比べて国の就学支援金のほうが高いです。
今回は、特に国の就学支援金をメインに、補完的な自治体の助成、さらに私立高校独自の奨学制度について解説していきます。

高等学校等就学支援金

収入就学支援金制度は、低所得家庭ほど手厚い保護を受けられるのが特徴です。
そのため、学費を払えない危険のある家庭は、国による就学支援金をベースに、各自治体の補助を受ける形で、より受給額を高めるという方法を取ります。

自治体による補助よりも、この国による支援金制度のほうが一般に支給額が大きくなります。

自治体独自のサポートを受ける前に、まずは国の支援金を受けられるか、ということを考えるのが基本です。

受給要件

受給を受けるためには、在学要件在住要件所得要件の3つを満たす必要があります(※)。

※参考:文部科学省 高校生等への修学支援

在学要件

高等学校に在学中

こういった修学支援では、全日制の高校に限られることが多いです。
しかし、国の就学支援制度では、定時制や通信制の高校に通う生徒も対象となります。

また、私立の高校だけではなくて、国公立の高校に通う生徒も対象です。

在住要件

日本国内に住所を有すること

所得要件

保護者の市町村民税所得割額と道府県民税所得割額の合算額が50万7,000円未満(平成30年7月支給分以降)

申込方法

高校入学後、4月に当該高校に必要書類を提出して行います。
準備する書類については、学校から受け取れます。

マイナンバーを提出する場合

  • 申請書(学校から受け取る)
  • マイナンバーカードの写し

課税証明書などを提出する場合

  • 申請書(学校から受け取る)
  • 課税証明書or市町村民税税額決定通知or納税通知書など(市町村民税所得割額と道府県民税所得割額の双方を確認できる書類)

基本的には、マイナンバーを提出するほうが良いです。
卒業まで追加で提出する書類が発生しないからです。

課税証明書などで所得要件を証明した場合、毎年6月~7月に追加書類の提出が必要になります。
追加書類は以下の2つです。

  • 届出書(学校から受け取る)
  • 課税証明書or市町村民税税額決定通知or納税通知書など

支給額

お金を手渡す私立高校に在学の場合、月額9,900円です。
特に所得区分にしたがって、基本額の1.5~2.5倍の支給を受けられます。

所得区分は、受給資格の「市町村民税所得割額と道府県民税所得割額の合算額」で決定されます。
この合算額が25万7,500円未満(年収目安350万円~590万円)であれば、9,900円×1.5で月額14,850円の支給になります。
年額178,200円です。

合算額が8万5,500円未満(年収目安270万円~350万円)だと、9,900円×2で月額19,800円です。
年額237,600円になります。

合算額が非課税(年収目安270万円未満)だと、9,900円×2.5で月額24,750円です。
年額297,000円になります。

北海道の私立高校では充分か

教育費文部科学省のデータによると、北海道の私立高校の平均授業料は年額で342,667円(平成30年度)です(※)。
先の年収目安270万円未満の世帯で就学支援金額最大の297,000円を受け取っていたとしても、授業料に足りません。

そこで、各自治体の授業料軽減制度を併用します。

※参考:文部科学省 私立高等学校(全日制)の初年度授業料等について(平成26年度~平成30年度)

自治体の授業料軽減制度で補完

たとえば北海道の場合、年収目安270万円未満の世帯(道府県民税所得割と市町村民税所得割が非課税)であれば、月額6,500円の授業料軽減補助を受けられます(※)。

これを先の就学支援金297,000円に加算すると、年額375,000円の支給となります。
これであれば、北海道の私立高校平均授業料である約34万円を上回ります。

一方で、年収目安270万円~350万円の世帯(市町村民税所得割額と道府県民税所得割額の合算額が8万5,500円未満)だと、月額7,000円の授業料軽減補助となります。

就学支援金237,600円に加えると、年額321,600円となります。
私立高校授業料の34万円には届きませんが、それに近い水準です。

参考:北海道 教育費の負担軽減について

年収350万円超えだと授業料軽減を受けられない

バツサインをする女子生徒ちなみに、北海道の授業料軽減補助は、年収目安350万円以下の世帯のみが対象です。
つまり、年収350万円を超えてくると、就学支援金の年額178,200円(年収目安590万円まで)や通常の年額118,800円(年収目安590万円以上)だけとなります。

このように、就学支援金の助成のみだと、私立高校の授業料にも遠く満たないケースがあります。
また、年収270万円未満の世帯で授業料分は補えても、もちろん、高校では授業料以外の諸経費がかかります。

ここで費用が足りなくなる事態も多分に考えられます。
そこで、他の援助も考慮する必要が出てきます。

高校生等奨学給付金

お金のイメージ特に低所得世帯向けに、高校生等奨学給付金(奨学のための給付金)制度が設けられています(※1)。
この制度は、国の補助を受けて各自治体が行うものです。

自治体によって内容が異なる可能性があります。
北海道については、ベーシックな条件で提供されています(※2)。

上記で紹介してきた授業料に対する助成を目的とした就学支援金とは異なる制度です。
授業料以外の教材費や会費などの補填に充てることを趣旨しているのが奨学給付金です。

そのため、就学支援金とは別に申込をしなければなりません。
申込方法は就学支援金と同じで、高校入学後に学校を通して行います。
学校から申請書を受け取り、必要書類をやはり学校に提出します。

※参考1:文部科学省 私立版 高校生等奨学給付金

※参考2:北海道 奨学のための給付金(高校生等奨学給付金)について

受給要件

  • 生活保護世帯
  • 道府県民税所得割と市町村民税所得割が非課税の世帯

上記のいずれかであることが必要です。

支給額

受給要件ごとに支給額が異なります。

  • 生活保護世帯 年額52,600円
  • 道府県民税所得割と市町村民税所得割が非課税の世帯 年額98,500円

奨学給付金は、もちろん就学支援金や道独自の授業料軽減補助と併用可能です。
利用できる制度を全て使い切ることで、より家計の助けになります。

2020年4月から就学支援金が手厚くなる

生活保護世帯や住民税非課税世帯でないと、授業料を超えて学校生活費まで及ぶほどの援助を受けるのは難しいです。

積み上がるお金しかし、2020年4月から、国の就学支援金がパワーアップします(※)。
支給額が大幅に増えて、私立高校の授業料をそれだけでまかなえるレベルまで上げることが予定されています。

これまでは年収目安350万円~590万円の世帯は、年額178,200円でした。
それが、引き上げ後は私立高校授業料の約34万円をカバーできる程度まで上がります。

また、審査方法も変わります。
地方税の所得割額で判定していたのが、課税所得が基準となります。
特に年収目安590万円未満(4人家族、高校生と中学生の兄弟、両親の一方が給与所得者の場合)であることが条件です。

年収590万円を超えてくると、引き上げ前と同じく、公立高校の授業料額相当の年額118,800円です。

※参考:文部科学省 2020年4月からの「私立高等学校の授業料の実質無償化」リーフレット(令和元年5月)

高校独自の奨学制度

国や自治体の修学支援を活用したうえで、さらに自分が通う高校の奨学制度を受けられると、より援助の幅が拡大します。

多くの私立高校では、特に入学試験の成績優秀者を対象に、学費の減免を行っています。
以下に北海道の私立高校の場合をみていきます。

札幌光星高校は「特特制度」を設置

北海道の私立高校のなかで最も偏差値が高く、人気があるのが札幌光星高校です。
特特制度」という独自の奨学を実施しています(※)。

入試は、国・数・英・理・社の主要5科目300点満点で行われます。
このうち、250点以上を獲得した者が「A特特」、240点程度以上獲得した者が「B特特」となります。

※参考:札幌光星高校 募集要項

A特特

A特特となると、入学金(30万円)と学費(諸経費を除く)が免除となります。
上記で詳しく説明してきた国の就学支援金を受けずとも、授業料(月額26,000円)の負担がなくなります。

ただし、完全に無料で通えるわけではなく、PTA会費などの諸経費(月額12,960円)がかかります。
これについては、上記で紹介した授業料以外の補填のための高校生等奨学給付金が役立ちます。

光星高校に良い成績(250点以上)で受かれば、生活保護世帯や地方税の所得割額非課税の世帯の生徒も、少ない負担で通えます。

B特特

B特特では、国の就学支援金を得たうえで、授業料が一律3,000円に縮減されます。
授業料以外の学費として月額21,960円がかかります。

特別推薦で受かれば必ずA特特に

一般入試の場合、合格してもA特特やB特特に選ばれるかは分かりません。
一方で、推薦入試のうち特別推薦で合格すると、必ずA特特に選ばれます。

家計の問題でA特特以外では通えない、といった場合には、特別推薦を受けるのが良いです。
ただし、特別推薦はやはり条件が厳しく、中学時代に優秀な成績を獲得しておかなければなりません。
以下に代表的な条件を示します。

評定合計が296以上(5が基本で、4はあっても2科目が基本)

英検3級以上所得

他に在学校校長の推薦状を得るなど条件がありますが、上記の評定をクリアしていて、特に大きな問題を起こしている生徒でなければ推薦状は出るので大丈夫です。

さらに英検3級は、中学校3年までの英語の基礎を理解していれば取れます。
こちらも簡単な条件です。

■評定条件のクリア難度が高い

問題は、評定296以上です。
これはほぼオール5の成績を中学1年生の時から取り続けていなくてはなりません。
受験期だけ勉強するのではなくて、中学に入ったときから真面目に勉強をしておくことが、特別推薦で受かり、A特特に選ばれるために必要です。

志望校の奨学制度を知る

光星高校のような独自の奨学制度を実施している私立高校が全国的に多いです。
北海道も例外ではありません。

私立高校の受験を考えていて、第一志望が固まっているのであれば、国の就学支援金だけではなく、その高校独自の奨学についても調べることが大事です。

光星高校のように、単に就学支援金を受ける以上の援助を得られることが珍しくありません。

国の就学支援金についてまとめ

就学支援金は、比較的に多くの金額を得られるのが特徴です。
特に2020年4月からは支給額が引き上げられて、より心強いものになります。

就学支援金だけではなく、自治体が提供する教育費の負担軽減を活用したり、進学先の私立高校が用意する奨学制度を使うことで、より多くのバックアップを得られます。

特に高校独自の奨学は、授業料以外の学費や入学金に到るまで免除となることがあります。
これを利用できるのが最も有効なケースが多いですから、成績要件などを早い段階で把握して、それに向けて準備をすることが大切です。

また、北海道でも【授業料軽減補助金】という制度を受けることもできますので、以下の記事も合わせて読んでみてください。

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