せっかく模試を受けるなら効果的に!受け方と復習法について

模試の受け方と復習法
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模試は中学生や高校生が必ずといっていいほど受けます。
特に高校生は、大学受験に向けて、1年に何度も受ける人が大勢います。

しかし、模試は受ければ必ずメリットがあるというものではありません。
そこで今回は、模試を真に有意義なものとするために、その受け方や受けた後にすべきことなど、徹底的に解説していきます。

模試の受け方

独特の雰囲気に慣れる

模試は雰囲気に慣れることが重要なポイントです。
大人数の開けた空間で一斉にテストに向かう、というのは入試本番以外で味わいづらいです。

とはいえ、やはりあくまで模試ですから、自分の緊張感も周りの雰囲気も実際の本番の場面とは異なるものです。
正直にいって、だいぶ緩いです。

模試では全く緊張しなかったけれど、本番はやばかった、という声が多く聞かれるのはそのためです。
ただそれでも、段階的に慣れていくという意味ではやはり重要です。

本番と同じように臨む

本番の予行演習として機能しますから、できるだけ自分が本番と同じような感覚で臨むという姿勢が大事です。

本番で使う時計を持っていく

たとえば、時計は本番で使うのと同じものを持っていって、どの位置に置くのが一番良いのかなど試行します。

時間配分を考える

ビジネスマンと時計さらに時間配分にも慣れておきます。
志望校別の模試でなければ、完全に入試本番と同じ時間配分はできません。
しかし、問題全体にさっと目を通してそこから配分を考える、という能力が身につきます。

志望校が常に例年通りの問題構成とは限りません。
新たな構成となった場合に、上記能力が役立ちます。

特にマーク式はセンターと共通していますから、ダイレクトに時間配分が役立ちます。

マークのしやすい方法を試行する

マークのときも、一番やりやすい方法を考えながら、というのが有効です。
シャーペンでは時間がかかりますから、鉛筆が良い、さらに先もあまり尖らせすぎず、柔らかめのBが良い、など人によって好みがあります。

メモや計算などいちいち鉛筆からシャーペンなどに持ち替えるのが面倒な場合、柔らかすぎる鉛筆でも駄目だと感じることがあります。

このように、せっかくの模試ですから、本番同様の意気込みと態勢で臨むことが、模試を有益なものとするために必要です。

模試で受験勉強にメリハリをつける

模試で出た偏差値や合格可能性は、勉強の良い指標となります。
高校や大学受験は、定期試験と違って長期戦です。
試験までの期間が長いと、間延びして緊張感が保ちづらいです。

しかし、その長い期間のうちに模試を入れることで、モチベーションの維持につながります。
そのときは、前回の結果に照らして偏差値や合格可能性について具体的な目標を立てると、より模試の存在を有効利用できます。

第一志望で受ける模試が変わる

模試の効果的な受け方は、どこを第一志望にするかによって変わってきます。

東大が第一志望の場合

東京大学が第一志望の場合で、河合塾の模試を受ける場合を想定します(※)。

※参考:河合塾 年間ラインアップ | 全統模試案内

東大はセンター試験を受けなければなりません。
センター(2021年からは大学入学共通テストに名称変更)はマーク式なので、全統マーク模試を受けます。
さらに二次試験対策として、全統記述模試を受けるのが良いです。

さらに東大に特化した模試として東大入試オープンです。
少なくともこの3つを受けるのが推奨されます。
もっと少なくしたいという場合は、全統記述模試を排除します。

となると、最低2つになります。

■マーク式を受ける理由

マークシートなぜマーク式を受けておいたほうが良いかというと、東大志望者の場合、二次対策を優先しすぎてセンター対策が疎かになり、結果として一次で足きりになってしまう例があるからです。

文系だと数学で足元をすくわれ、理系だと国語でミスをするケースが見受けられます。

実際的な話でいうと、センター試験を受けると自己採点をします。
この点数を見て、国立のうちで出願校を最終的に確定します。

自己採点を誤るからこそ、出願して東大二次の勉強をしているのに足きりで受けられないという事態が起こります。

マークとメモの仕方を身につける

確実に自己採点をするためには、マークをしながら問題冊子にも答えをチェックする必要があります。
もちろん、マークもしっかりやっておかないと採点されないので注意が必要です。

マークを丁寧にしながら答えをメモする、という一連の流れをスピーディーにできるように、本番前に慣れておく必要があるわけです。

そのため、模試だからとマークをテキトーにするのではなく、本番さながらにミスのないようにして、さらにメモをするのも忘れないようにしなければなりません。

■全統記述模試を受ける理由

全統記述模試は、マーク式よりも難度が上がります。
難関国立、私立を目指す人に適しています。
特に日本史や世界史では細かな知識も問われ、実力を試せます。

■東大入試オープンを受ける理由

東大入試オープンは、同じように東大を第一志望としている人が受けますから、現在の自分の立ち位置を知るためにも受けておくのが王道です。

特に試験問題も東大入試を意識して作られていますから、本番と同じ意気込みで望むべきです。
夏と秋の2回あり、両方とも受けるという人が多くいます。

早慶が第一志望の場合

早慶が第一志望の場合も、東大志望と同じような考え方でOKです。
早慶が第一志望のときは、必ずしもセンター試験はいりません。

しかし全統マーク模試は基礎的な知識の確認になりますから、受けておくに越したことはありません。

全統記述模試は当然、早慶のような難関私大を目指すなら有効です。

さらに早慶入試オープンで、ライバルたちのなかでの自分の立ち位置を知り、本番と同程度の問題に慣れておきます。

模試の対策の仕方

模試はあくまで練習で、本番ではありませんから、どれだけ模試ができたとしても推薦などで大学合格が決まることはありません。

ただ、ここで良い結果が出ると、自信がついて志望校合格へ良い影響が出ることは確かです。
さらに試験があることで中だるみしやすい受験勉強にメリハリを与えられます。

このことから、模試で良い点数を出すための勉強をする人が大勢います。

このとき、模試の対策のために新たに問題集を買ったり、教科書を洗いざらい読み直したり、というのは時間がかかります。

学校の定期テストを利用する

中間テストそこでおすすめなのが、これまでの定期テストを解き直す方法です。
定期テストは、教科書のなかでも特に学校の先生が重要な部分だと考えたものを問題にしています。

そのため、模試のような範囲の広い部分を短い時間で復習するには効率が良いです。
特に毎回の定期テストでできなかった問題を復習するようにしておけば、模試の前の復習段階でも短時間で済みます。

同種の模試を利用する

また、同種の模試を既に受けている場合には、復習をかねてさっと解き直すのもおすすめです。
たとえば、先の東大入試オープンは、夏と秋の2回受ける人が多いと書きました。

秋に受ける前に、夏に受けたものをもう一度解き直して、今度は全部解けるかどうかを見極めます。

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模試の後にすべきこと

模試は受けて、自分の偏差値を確認して終わり、というのではもったいないです。
模試は、その名のとおり本番試験を模して作られています。

基本的には、本番でも似たようなレベルの問題が手を変え品を変えて出題されます。
そのため、模試で出題された問題は全て本番に生きてきます。

復習が鉄則

勉強する手分からなかったり、正答に辿り着くまでに時間がかかった問題については、復習をして解けるようにしておきます。
そうしておけば、本番で似た問題が出たときに、復習をしたときと同じ論理で正解を導けます。

試験中に、後から分かりやすいように、復習したほうが良いな、と感じた問題にチェックを入れておくようにします。

確かに、模試は場慣れや自分の現在の立ち位置を確認するの有効です。
しかしそれ以上に、復習こそ大事です。

それこそ、模試の結果が悪くても、次の模試で良い結果が出れば良いです。
次の試験が本番であったとしても、本番で点が獲れれば良いわけです。

そのためには、模試で出た問題を解けるようになるのが近道です。
模試を受けるたびに実力がついているのを実感できます。

科目別復習方法

次は、科目別に模試の復習方法をみていきます。

数学

数学は、不正解だった問題について、解き直すことが大事です。

■不正解の原因を探る

黒板の数式と定規、鉛筆もう一度、落ち着いた状態で解いてみて、完全に解法が分からないのか、時間をかければ分かる問題なのか、それとも単純なケアレスミスなのか、を判断します。

完全に解法が分からない場合には、そのまま悶々と考えていても時間の無駄になります。
すぐに解説を見て、理解できるかどうか、忘れていただけかどうかを確かめます。

理解できたり、思い出したりしたときは、同じ単元の類題をネットや問題集で探して解きます。
理解が難しいときは、教科書や参考書を利用してまず分かることから始めます。

基本的には解法が分かって類題を演習すれば、今度は正答できます。
ただ、正解率が低い難問の場合、そもそも類題を探すのが難しかったり、解法を理解できても実際の場面でどうしてそれが思いつくのか分からなかったりします。

要は応用力ということなのですが、これがないと、似たレベルの難しい問題が出たときに対応できません。

■思考過程を学ぶ

思考過程を知る必要があります。
これは、解説で丁寧に示されていれば良いですが、そうでないケースも多いです。
このときは、学校の先生や塾の講師に問題を見せて、思考過程をおさらしてもらいます。

つまり、解法が理解できた段階で、どこを手がかりにその解法を適用するのかを知る、ということです。
これが応用力につながります。

思考過程を知ることで、他の応用力が問われる出題があったときに、当てはめる解法そのものが異なっていたとしても、似たような手がかりを経て適用関係が見出せる確度が高まります。

どうしてこの問題に対してこの解法が思いつくのか分からない、というときには積極的に先生や講師に相談するようにすべきです。

国語 

国語現代文の読解は、国語において多くの配点を占めて最も重要なのは誰でも分かっています。
ただこれが安定せずに模試の成績もまた不安定だという人は多いです。

現代文はセンスと運だから復習しても無意味だという人がいます。
確かにセンスや運の要素もありますが、それが全てではありません。

慣れがとても大事です。

■現代文も復習が有効

完答できていてもいなくても、もう一度読んで解き直します。
答えを見て、結局どこを理解していれば良かったかを見定めます。

それを繰り返していると、文章のなかで大事な部分、特に意識してじっくり読んだほうが良い部分、というのが感覚的に掴めてきます。

この感覚こそセンスですが、慣れによって徐々に掴んでこれる人もまた多いです。

感覚が掴めてくると、文章を読みながら大事そうな部分に線を引けるようになってきます。
問題を解いて解説を読み、文章の大切な部分を理解する作業を繰り返すことにより、重要部分を見定める感覚が研ぎ澄まされていきます。

問題を解いてただ採点をするだけでは、なかなか読解力はつきません。
解説を読んでどこがキーセンテンスだったかを知り、これを繰り返すことで次第についてきます。

模試はその繰り返しをする良い材料ですから、使わない手はありません。

■暗記系は当然に暗記する

読解以外の漢字や古文単語、漢文句形などは暗記です。
当然、知らなかったものは解説を見て憶えます。
いちいち解説を出して復習するのが面倒な場合は、ノートに知らなかったものは書き写して、模試など問題を解くたびに増やしていきます。

そのノートを開けば、今まで知らなかったものを一括で復習できるようにしておくのも、ひとつの方法です。

英語

English英語も国語と同じように、長文読解が最重要です。
ここで得点を落とした場合、原因を浮き彫りにします。
語彙力が足らなかったのか、それとも、読解スピードが遅かったのか、です。

語彙や文法知識が足らなかった場合は、当然に復習をして、分からない単語や文法は憶えます。
さらに単語帳や文法の参考書を見て、暗記や理解に努めます。

■文書構造を理解する

読解スピードが遅い場合には、やはり国語の現代文と同じように、とにかく演習を繰り返して慣れる必要があります。

このときも、ただやみくもに繰り返せば良いわけではありません。
文章構造を把握しながら俯瞰的に読むことが大切です。

速読力をつけるためには、主語、動詞、目的語を瞬時に、それこそ全体的に把握することが大事です。
主語は、ご存知の通り単純に一語ではなく、関係詞や分詞によって係り、それだけで長い文になっていることがあります。
目的語も同様です。

どこまで主語で、どれが分詞で動詞なのか、このあたりを一気に把握することが大切です。

この把握を意識して問題を繰り返すことで、徐々に読解速度が上がります。
模試の長文を復習する際にも、主部や動詞、目的語を意識して行います。

長文を読んでいるときに、これも現代文と同じように大事な箇所が分かるようになってきます。
適宜ラインを引きながら、復習するのが効果的です。

■英作文の復習方法

早稲田などで英作文の問題が出されることがあります。
模試でも当然、英作文が出る場合があります。
英作文については、答えと自分の文章を比較して、何が違うのかを見定めます。

志望校の出題傾向を把握する

特に自分が受けたい大学の出題傾向を把握しておくことも大切です。
早稲田の法学部では、2017年と18年ともにグラフの読み取りが出題されています。

17年は大問2つが英作文です(※)。
大問の1つは、単純なグラフの読み取りを短文で、最後の大問は、グラフから読み取れる日本の未来における問題点についての自由英作文です。

※参考:早稲田大学法学部 2017年度入試問題

大問が丸々英作文に割り当てられている場合、配点が非常に高いですから捨てるわけにはいきません。

先生や講師の添削を受ける

英作文の復習は、自分が模試で書いたものを学校の先生や塾の講師に見せて添削を受けるのが効果的です。

どうすればもっと良い文章になるのかのアドバイスを受けて、改善に努めます。

■読解と英作文の勉強は関連する

読解力高校1年生や2年生で、決定的に基礎が不足しているケースがあります。
基礎というのは、単語や文法です。
基本的に、長文読解と英作文の勉強は、別個独立のものではなく、相互に有機的に関わります。

長文読解のためには、まずは語彙や文法の理解が必要です。
そのため、まずはリーディングの勉強に力を入れるべきです。

■日常で和文を英文にする

英作文を書けるようにするにも、慣れの要素が大きいです。
普段から和文を英文にするというのを、頭のなかでやっておくと次第に慣れてきます。

英文にするのはなんでも良いです。
それこそ、友だちとラインをしていて、「好きな人に告白しようか迷っているんだけど、どう思う?」と来たとします。

こういった文を、英文にするとしたら?と、自分のなかで考えれば良いです(真面目に相談にのってあげようという問題は脇に置いておいて)。

このとき、ぱっと「wonder」や「if」、「whether」といった語彙が出きたり、文章構造がイメージできると基礎が備わっていると判断できます。

迷ってるって英語でいうとなんだっけ?や、「~かどうか」を表す従属接続詞が出てこないなら、基礎が不足しているので単語や文法の勉強をしましょう、ということになります。

上手だったり、綺麗だったりする文章をスピーディーに書くには、やはり日常のなかで英語にする練習をして慣れて、模試で出た問題は信頼できる人に添削を受けるのが有効です。

地歴

地歴の復習も大事です。
間違えた問題について、足りない知識を補います。
このとき、単にその問題の正答だけ記憶するのでは足りません。

■誤答の周辺を広域で復習

歴史ノート地歴の場合、間違えた問題については、その周辺領域が手薄になっている可能性が高いためです。
ケアレスミスや針穴のように抜け落ちた感覚があるときには、その問題だけ確かにしておけば良いです。

しかし、単に知らなかった、分からなかった、という感覚のときは、やはり指摘したとおりその周辺がまんべんなく浅い蓋然性が高いです。

そこで、間違えた問題の周辺を広めにテキストなどで確認しておく必要があります。
たとえば、オリエントの神権政治で失点したなら、オリエント全体はもちろんのこと、古代ギリシアや古代ローマも確認できると安心です。

復習すればOKではない

模試は受けるだけではなく、復習が大事だと述べました。
しかし復習をすればそれでOK、というわけでもありません。

というのも、復習をしてそれが身についていることが必要だからです。

一ヶ月経ったら解き直す

模試を受けてから1ヶ月以降を目安に、もう一度模試の問題を解き直します。
最初から全部解いて満点が取れるのが理想ですが、時間がなければ間違えた問題だけでも構いません。

模試を受けて復習をしてそれから1ヶ月以上経っていると、またフラットな状態で問題に臨めます。
そのとき、前と同じようにやっぱり解けないのでは、復習が身になっていない証拠です。

反対に、間違えた問題についてぱっと解法が思いつくのであれば、模試の復習により真に実力がついていると判断できます。

模試→復習→再度模試を解く、という以上の流れが王道です。
復習から解き直しのブランクタイムが短すぎると、まだ記憶が鮮明で「既に答えを見た問題」として、あまり思考が働きません。

あえて一ヶ月以上の間を持たせて、初見の感覚で実力を測ることがポイントです。

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模試の受け方・復習法についてまとめ

模試は、ただ受ければ良いというものではありません。
せっかく安くはないお金を出して、ほとんど丸一日かけて受けるのですから、最大限、有意義なものにするべきです。

受けるときには本番さながらに、同じ心構えと態勢で臨みます。
そうすることで、本番ではもっとこうしたほうが良い、という改善策が出てきます。

受け終わったら、できなかった問題について復習を行います。
復習が身についているか確認するために、模試後一ヶ月経過を目安にもう一度問題を解きます。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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公開日:2020年3月17日 更新日:2024年2月28日
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