志望校合格を目指して勉強をする上で欠かせないのは、入試までの期間どのように勉強するかというスケジュールをしっかりと立てる事です。
無計画に勉強をしてしまうと、「今日はこのくらいでいいや」と適当になってしまったり自分の好きな教科ばかりを勉強してしまったりと、効果的な勉強を行うことはできません。
そしてスケジュールを立てる上で重要なのは「1日何時間勉強する」「午前中に3時間、午後に4時間勉強する」といった時間管理を行うことですね。
しかし勉強時間が長ければ長いほうが良いといって、無理なスケジュールを立ててしまい結局全く勉強が捗らなかった・・・ということもよく聞く話です。
そういった失敗をしてしまう学生が知るべきだったのは「1日何時間勉強すれば大学受験に合格できるか」という指標です。
そこで当記事では高校生は何時間勉強をするべきなのかということを徹底解説。
また失敗しないスケジュールの立て方も合わせて説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
過去には受験生の1日の勉強計画についての記事も公開していますので、よろしければこちらもご覧ください。
大学受験に合格するためにはどれくらい勉強すれば良いの?
ではまず勉強時間について解説します。
高校生の勉強時間の平均は?
最初に全国の高校生の勉強時間の平均について解説いたします。
ベネッセが2015年に行った「家庭での学習 」によると、高校生の平均勉強時間は84.4分となっています。
また全国高等学校PTA連合会が2016年に行った「全国高校生 生活・意識調査 」によると、一日の家庭学習時間は男子の場合は「まったくしない」が30%で最多で、女子の場合は「約1時間」が26%で最多という事がわかりました。
これらのデータを総合すると全国の高校生の平均の勉強時間は「1時間強」と言えそうです。
平均時間に合わせて勉強すれば大丈夫?
調べてみた結果、高校生の勉強時間の平均は「1時間強」という事がわかりました。
では、その平均時間に合わせて勉強を行えば無事に大学に合格する事ができるのでしょうか。
多くの受験生は体感として「それは少なすぎる」と感じる事でしょう。
これは当然のことで、高校生の中には大学受験をしない学生がいたり全学年の平均であったりする事が、志望校合格のためには十分ではないと受験生が感じる要因です。
そこで学年ごとに勉強にかけるべき時間を解説いたします。
高校1年生の場合
まず最初に高校1年生が勉強にかけるべき時間を解説いたします。
1年生の場合まだ高校に入学したばかりということもあって、部活や行事など慣れないことが多く存在します。
学生生活を楽しむためにもそういった勉強以外のことに力を入れることも重要ですので、それほど勉強に時間をかける必要はないと思います。
ではどれくらい時間をかけるべきかというと一般的には「平日は1日1時間、休日は2時間」と言われています。
ここでポイントなのは「毎日欠かさず勉強する」ということです。
なぜなら毎日勉強することで勉強癖をつける事ができ、2年後に受験を迎えた際に長時間勉強することも苦にならなくなるためです。
中間試験や期末試験が近づいてきたらまとめて勉強する、という考えの学生が多いとは思いますが、ここでしっかりと勉強を継続する癖をつけることで受験を非常に楽に乗り切る事ができます。
高校2年生の場合
次に高校2年生が勉強にかけるべき時間を解説いたします。
高校2年生は時期によって適切な勉強時間が異なります。
4月〜9月の間は「平日は1日2時間、休日は4時間」で、10月〜3月の間は「平日は1日3時間、休日は5時間」が好ましいとされています。
上半期は中々受験を意識することは無いと思いますが、下半期になると志望校調査があったり周りがどの大学を志望するかをちらほらと話すようになったりと、段々と受験に対する意識が高まってくる頃です。
そのため、高校3年生になった際に応用的な内容までしっかりと時間をかけられるように、段々と勉強時間を増やしていくことは非常に重要です。
学生によっては夏休みにまとまって時間をとって勉強をすることもあるようです。
高校3年生の場合
最後に高校3年生が勉強にかけるべき時間を解説いたします。
高校3年生になるといよいよ受験が目の前に迫ります。
しっかりとまとまった時間をとって勉強を行うようにしましょう。
ではどれくらいの勉強時間を取るべきなのかというと「平日は1日4時間、休日は8時間」がベストです。
しかし高校3年生は受験生であるのと同時に、部活や行事をするのが最後であったりと勉強以外の面でも多くの時間を割く機会が多いです。
そのため夏休みまでは勉強よりも部活や行事を優先し、夏休み以降に勉強に一気に集中するという学生も多いようです。
そういった学生は「平日や休日問わず9時間」ほど時間をかけてしっかりと勉強に取り組む事が多いようです。
このように夏休みに一気に勉強に取り組む高校3年生が陥りがちなのが、「寝る時間を削って勉強する」というものです。
実際に「受験期は3〜4時間くらいしか寝ていなかった」という声も良く耳にします。
しかし、当然のことながらこれは体に良くありません。
またスケジュールを立てる上で重要なのは「継続性」です。
無理をしない範囲でスケジュール立てを行うことで、継続的に勉強ができ志望校合格を実現する事ができるのです。
そのためもし寝る時間を削ってしまうような状況に陥るのであれば、スケジュールの見直しや効率化を図るようにしなければなりません。
大学受験に合格するためのスケジュールを徹底解説!
さてこれまで各学年ごとで適切な勉強時間について説明いたしました。
自分の勉強スタイルが定着していない方はぜひ参考されてみてください。
そして以下ではどのようにスケジュールを立てれば良いのか?ということに関して解説いたします。
「スケジュールを立ててみたはいいけど、中々うまくいかない・・・」という方は必見です。
必要な時間を逆算してスケジュールを立てるようにしよう
まず最初に重要なのが「必要な時間を逆算してスケジュールを立てる」ということです。
ここで言う「必要な時間」というのは「志望校に合格するために必要な時間」のことです。
そのためにはどの科目を勉強するか、各科目を合格できる学力に達するにはどれくらい時間がかかるといったことを把握しなければなりません。
しかし、学生の中には「自分が合格に達するためにどれくらい学力が必要なのかよくわかからない」という状況に陥っている方も多いことでしょう。
そういった学生は同じ志望校に合格した先輩や先生に積極的に質問をして行くようにしましょう。
まず大まかでも良いので志望校合格のために必要な時間や勉強内容を把握していくことで、自分が行うべき事がはっきりとし勉強にも身が入るようになります。
スケジュール通りに行うためには?
さて、当然のことですがスケジュールというのは立てて終わりというものではありません。
実際にスケジュール通りに目標を終わらせる事が何よりも重要なのです。
これは多くの学生がつまずくポイントです。
勉強しなければいけないのは分かっているけれど何となく気分が乗らなかったり、ついつい友達と遊びに行ってしまったり、スマホを見てしまったり・・・とスケジュール通りに勉強できない理由は数多く存在します。
このような状況に陥らないように心がけるのは無事志望校に合格するための何よりの近道です。
そこで、スケジュール通りに行うためのお役立ち情報をご紹介します。
まず始めることに集中しよう
最初にご紹介するのは「まず始めることに集中しよう」というものです。
突然ですが、多くの学生は「やる気があれば続かないから勉強に集中できない」とお考えではないでしょうか?
実はそれは全くの勘違いです。
脳科学的には「やる気があるから行動に移せる」のではなく、「行動に移すからやる気が出てくる」という事が明らかになっているのです。
実際に面倒だと思っていた作業でも、いざ始めてみると気分が乗ってきてあっという間に終わらせられたという経験は皆さんお持ちなのではないでしょうか?
このように、面倒に思うことでもやり始めれば意外とスムーズに進むということは脳科学的に示されていることなのです。
そこで中々勉強が始められない場合は、まずは「勉強をスケジュール通りにしっかりと行う」ことではなく「勉強を始める」ということにのみ集中してみましょう。
いざ始めてみれば思ったよりも長く勉強を継続できている自分に気づくことだと思います。
ポモドーロテクニックをうまく使ってみよう
次にご紹介するのは「ポモドーロテクニックをうまく使ってみよう」というものです。
ポモドーロテクニックとは30分を一つの単位とし、「25分作業をして5分休憩する」というサイクルを繰り返すという方法です。
これはイタリア出身のコンサルタントが生み出したもので、世界中のCEOやエグゼクティブに取り入れられている継続的に作業を行う上で非常に効果の高い時間管理術です。
そしてこれはもちろん、勉強に取り入れることもできます。
上述した高校3年生が勉強にかけるべき時間を知って「休日は8時間か、長いな・・・」と思われた方もいるかもしれませんが、ポモドーロテクニックで分割すれば8時間は16サイクルを繰り返すのみです。
5分間の休憩で適宜リフレッシュしながら望むことで、あっとうい間に時間が過ぎていくようになると思います。
気持ちにメリハリをつけて長時間勉強する事が可能となりますので、ぜひ取り入れられてみてください。
まとめ
以上、大学合格のために必要な勉強時間やスケジュールの立て方などを解説いたしました。
これからどうやって勉強していこうか迷っている学生の方には参考になる内容だと思います。
またスケジュールを通りに勉強するためのテクニックというのは今回ご紹介した限りではありません。
「目の前を勉強道具以外に無くす」「勉強するためのスペースを確保する」など、非常に多くのテクニックが世の中には存在します。
ぜひご自身にとって最適な方法を選択し、志望校合格を勝ち取ってください。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。