ひそかな話題の【モンテッソーリ教育】で伸びる子に?

ひそかな話題 モンテッソーリ教育
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モンテッソーリはイタリアの女医として、知的障害を持った子どもへの支援教育で成功します。
20世紀初頭、モンテッソーリは健常ではあるものの貧困層に位置する子どもを対象とした「子どもの家」を開設し、貧困層の子どもにも教育を受ける機会を与えます。
モンテッソーリ教育は「子どもの家」での実践の中で確立した教育法で、またモンテッソーリ教育を行う施設は「子どもの家」と呼ばれています。

モンテッソーリ教育とは何なのか?

勉強する子供モンテッソーリ教育の最も重要なポイントは「子どもの自発性を前提としている」という点です。
子どもは生まれながらにして知るという事を求めており、学ぶ活動を自発的に行うという事がモンテッソーリ教育の考え方です。
大人は学ぶ環境を提供する役割のみを持っていますが、子どもが知的好奇心をもって自発的に適切な学習へ向かうために様々な工夫がなされています。

モンテッソーリ教育で用いられる教具にはそれぞれ目標とする能力が設定されています。
生活上で必要とされる能力、言語的能力、算数的能力、感覚能力そして文化的教育の5分野がそれぞれの教具に割り振られています。

藤井聡太棋士が幼い頃に熱中していたハートバッグは教育熱心な親御さんの間でも有名なものです。
ハートバッグを作るために型紙を用意し、その型紙に沿ってフェルトを切り取る。
最後にフェルトを編み込むという一連の流れの中で「フェルトを綺麗に切るために型紙を用意する」「ハート型に編み込むためにフェルトの組み合わせを工夫する」「指先を器用に使ってフェルトを編み込む」など一つの活動の中に様々な能力を育成するメソッドが組み込まれています。
段取りを整えるということは日常生活を送る上で重要な計画性やプログラミング的な思考力を鍛えることになりますし、鋏でフェルトを切ったり切ったフェルトを編み込む作業では指先の感覚を駆使するため感覚能力の育成に役立ちます。

またモンテッソーリ教育では活動に参加する子ども全員分の教具は揃えずに、むしろ足りないように準備します。
他の子どもが遊んでいる間は順番を守る、協力して何かを作り上げるという体験を通じて社会的な能力を伸ばします。
モンテッソーリ教育のポイントは「用意された環境」の中で学ぶということです。
みんなが公平に教具を使えるようにと人数分の教具を子どもの活動空間の中に設置するのは好ましくなくて、むしろモンテッソーリの教育理念とは反する行為です。

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モンテッソーリ教育で身に付ける事ができるもの

本項ではモンテッソーリ教育で身に付ける事の出来るものについて事例と併せて紹介します。
尚、モンテッソーリ教育に限らず事例には個人差があるのであくまでも一例として捉えていただけると幸いです。
本記事で紹介した事例と異なる結果となった場合でも筆者及び本サイトでは責任は負いかねます。

算数的思考力が身につく

10モンテッソーリ教育の教具には目標とする能力が設定されている事は先述のとおりですが、算数的な思考力を高める教具を一つ紹介したいと思います。
ゴールデンビーズと呼ばれる遊びの中で数を学ぶ教具です。
10進法(9の次は10というように10で単位が一つ繰り上がる数え方)の数の概念を学ぶ教具ですが、数の本質を理解できるために学校で教えられる算数よりも本質的に数を理解することができます。

こちらのブログ(※)では、2桁どうしの掛け算において自己流の解き方を見つけ出したと報告されています。
数の本質を理解していないと大人でもなかなか思いつかない解き方です。
モンテッソーリの考案した教具で育った子どもは、型にはまること無く本質を理解し核心をついた思考が出来るようです。

※参考:うちの子がモンテッソーリ教育から受けた6つの影響

集中力が身につく

集中する子供知的好奇心を引き出すモンテッソーリ教育によって育った子どもは自身の興味のあるものに没頭することができます。
モンテッソーリ自身も「子どもは探求することを途中で辞めない」と言っているように子どもの好奇心は大人が「やめなさい」と介入するまでは途切れません。

モンテッソーリ教育では興味・探求・達成というサイクルを繰り返すことでそれらの能力を引き出していきます。
藤井聡太棋士がモンテッソーリ教育を受けて育ったことはあまりにも有名な話ですが、長時間の対局でも集中力を切らさずに適切な判断ができるのはモンテッソーリ教育の恩恵を受けている事が十分に考えられます。
だからこそ興味を持った「将棋」という分野で若くして頭角を現したのでしょう。

受け身の学習に終始しない

モンテッソーリ教育では幼少期から自身の好奇心に従って活動に取り組むために、自分で答えを探求することを好みます。
一般的な学校教育では答えを導き出す最短経路を教えられますが、モンテッソーリ教育を受けて育った子どもはその本質を知ろうとする傾向にあります。
遠回りの学習にはなりますが、自分から知識を掘り出そうとする姿勢は間違いなく成人してからも役に立ちます。

先程も紹介したブログでは8歳の子どもが分厚い歴史書やハリーポッターの全巻を読破したとの情報が掲載されており筆者もたいへん驚いています(※)。
英語教育を専門としている筆者でさえハリーポッターシリーズを読むことは大変な事です。
子どもの自発性を最大限尊重するモンテッソーリ教育では、子どもが持つ無限大の可能性を垣間見ることも出来ます。

※参考:うちの子がモンテッソーリ教育から受けた6つの影響

モンテッソーリ教育の鉄則!これだけは守らないといけないもの

ご家庭でモンテッソーリ教育の環境を整える際はその理念を理解していないと効果を期待することはできません。
子どもの自主性と好奇心を最大限尊重することを踏まえて概ね以下の通り環境を用意すると良いでしょう。
モンテッソーリ教育の理念は「子どもの自主性を引き出す」という点に全てが集約されています。
ざっくりとしたものですので少し掘り下げて紹介します。

大人はなるべく介入しない

子どもの自主性を引き出すために大人はなるべく子どもの活動に介入しないようにします。
棚にあるお菓子が取れないという場面を想像して下さい。
大抵の大人は代わりに取ってあげるか、良くても抱っこをして手助けすることに留まります。

子どもが主体的に活動するという観点からすると、これらのサポートはあまり好ましいとは言えません。
子どもが自分で考えて行動することに意味があるということを心に留めておかないといけません。
モンテッソーリ教育での適切な支援は例えば「踏み台を用意してあげる」などが当てはまります。
子どもは与えられた踏み台をどのように活用して手の届かないものを取るのかを考えて試行錯誤を繰り返します。
大人が直接介入するよりは時間が掛かるかもしれませんが、試行錯誤の段階でも様々な発見があります。
その発見がいずれ役に立ちます。

モンテッソーリ教具を揃えた際も、子どもの好奇心を尊重しなるべく使い方は教えないようにした方が良いです。
そもそもモンテッソーリ教具は直感的にかつ感覚的にその使い方を把握できるように工夫されているものばかりなので必要に応じて最低限の支援を行えば良いです。

成長段階に応じて適切な支援を行う

またモンテッソーリは子どもの発達段階についても言及しており、その段階に応じて適切な教具を選ぶこととしています。
以下にモンテッソーリの定義する発達段階と適切な教具について紹介していますので参考にして下さい。

第一段階 新生児期〜6歳ごろ

知育道具で遊ぶ赤ちゃんこの時期は敏感期と呼ばれ、特定の能力の習得に有利な時期です。
言語の習得は第一段階を通して、小さな物体への興味や順序はおおよそ1歳〜3歳までの間に、五感の発達はおおよそ4歳まで、社会性をもった立ち振舞いは2歳〜4歳まで習得しやすい時期と定義されています。

事物を感覚的に理解する時期ですので、五感に訴えるような教具を選ぶと良いでしょう。
ピンクタワーと呼ばれる一辺の長さが1cm刻みで小さくなる10個の積み木は掴む・積み重ねるなど手を使う能力を育成するのに役立ちます。
また感覚的に量の変化を感じることが出来るので、説明せずとも理論的な思考が身につき、第二段階以降の思考力にも良い影響を及ぼします。

第二段階 6歳〜12歳ごろ

知育で学ぶ子供第二段階では子どもは学齢期へと達します。
幼稚園や保育所でも集団生活は経験していますが、小学校へ通い出すと集団で協力するということは一層強調されます。
また知的な発達の観点からも、理由や根拠を知りたがるなど想像力・思考力の育成にも敏感な時期です。

感受性に関しては特に敏感な時期ですので上記のような能力を育成することが重要です。
ゴールデンビーズという教具を活用して「銀行屋さん遊び」などを行うと子どもも楽しんで取り組むことが出来るでしょう。
ビーズが10個集まったら位が上がるという10進法の考えを応用して数の概念を身に着けます。
実際にビーズが10個集まったらゴールデンビーズ一本(10個で一本です)と両替といった風な遊び方が考えられます。
友達と取り組む中で社会性やコミュニケーション能力の育成にも役立ちます。

第三段階 12歳〜18歳ごろ

通学する男子生徒

一般的には思春期と呼ばれるこの時期はモンテッソーリ教育があまり確立していません。
モンテッソーリは生前に第三段階に相当する子どもの教育法や教育計画を確立しないまま亡くなりました。
とは言え、モンテッソーリの死後もモンテッソーリ教育に関する研究は進められており、社会貢献に関心のある時期とされているので、社会的な体験活動(奉仕活動や社会経験)に重きを置くと良いでしょう。

また幼少期からモンテッソーリ教育を行っている親御さんはモンテッソーリ教育に対する考え方にも慣れている事と思いますので特に言及することは無いでしょう。
この時期は歴史的分野に興味を示す時期でもあるので、世界的な建築物などの模型を用意してあげると理解が早まるはずです。

第四段階 18歳〜24歳ごろ

大学生の女子生徒

おおよそ大学生に相当するこの時期に達する頃には用意せずとも子ども自身の興味に従って物を揃える思考力を持っているので教具の用意は不要です。
社会的自立に向けた子どもの最終段階ですので、就職や研究など子ども自身が興味を持っている分野に進むことを見守り、必要に応じて助言を与えるなどして下さい。

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まとめ

私の周りにモンテッソーリ教育を実践されているご家庭がなかったのでインターネットで少しリサーチしましたが、モンテッソーリ教育を実践されている方のブログを見ると効果を実感されている方が多い印象を受けました。
モンテッソーリが開発した教具は感覚的な能力から言語・算数の学習へ、また実生活への応用へと発展させるための工夫がふんだんに散りばめられています。
主に幼少期の教育を主にしているモンテッソーリ教育ですが、まずは環境を整えることから始めてはいかがでしょうか。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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公開日:2019年8月22日 更新日:2024年2月28日  
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