センター試験が廃止?今後どういう試験になるのか徹底解説

センター試験 廃止と今後
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2020年度からセンター試験が廃止されます。
その代わりに「大学入学共通テスト」なるものが実施されるようになります。
今までのセンター試験と何が違うのか?親御さんも受験生の皆さんも心配していることかと思われます。
本記事では大学入学共通テストとセンター試験の違いを解説します。

センター試験が廃止!大学入学共通テストとは?

マークシート大学入試と言えば毎年1月の上旬に実施される高校生にとっては三年間の集大成とも呼べる大学入試センター試験が有名ですが2019年度の実施を最後に廃止されることとなりました。
どちらも独立行政法人 大学入試センターが運営・実施しています。
そして新たに導入されたのは大学入学共通テスト。
基本的にはセンター試験と共通している項目もありますが少し異なる点があることに加え、対策方法も少しだけ変わっています。

文部科学省のホームページによると大学入学共通テスト実施の目的は

大学入学希望者を対象に、高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定し、大学教育を受けるために必要な能力について把握することを目的とする。このため、各教科・科目の特質に応じ、知識・技能を十分有しているかの評価も行いつつ、思考力・判断力・表現力を中心に評価を行うものとする。

とされています。

従来のセンター試験と異なる点は「知識・技能を有しているかの評価も行いつつ、思考力・表現力・判断力の評価も行う」としている点です。
実は平成29年・30年告示の新学習指導要領でも「思考力・判断力・表現力」という言葉が示されており、現在の教育界ではトレンドとなっているワードです。

これまで培われてきた多くの知識を教授するという日本型教育の良さを備えつつ、子どもが自ら考え、判断して発信する力も同時に求められているということが示されています。
今後の試験では

  1. 出された問題に対して様々な視点から深く考えているか
  2. 与えられた情報を整理して解決策を導き出せているか
  3. 考えて出した応えを自分の言葉で表現できているか

の三点も評価の対象となっています。

尚、大学入学共通テストの本格導入に伴い2017年と2018年にプレテストが実施されました。
2017年は全国約1900校の高等学校が参加しました。
国語・数学ⅰ, Aは高校2年生を対象に、地理歴史、公民、理科、数学ⅱ, Bは高校3年生を対象に行われました。
2018年実施のプレテストでは全国で約85,000人の高校生が受験しました。
これらは2020年度の本格導入に先駆けた事前調査の意味も込められています。
また導入後のテストの方向性を決めるための重要なデータとなっています。

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なぜセンター試験が廃止されたのか

グローバルセンター試験の廃止の理由は時代や社会の求めている人材の変化にあります。
グローバル化・情報化によって時代の変化は急速へと変化しました。
目まぐるしく変化する現代の社会の中でも主体的に問題解決に取り組み、他者との関わりの中で解決策を見つけ出す人材の育成を目指して文部科学省は今回の大学入試改革を行いました。

日本国内では超高齢化社会が進んでいます。
日本で子どもを産み育てられるように働き方改革や労働生産性の見直しが行われています。
これからの日本人は労働を効率化して生産性を上げ、更に多くの生産活動を行ってゆく・経済的に豊かになることを求められています。
知識を多く持っているだけの人材ではこの問題に対応することが出来ず、むしろ自分が今持っている限りある知識を組み合わせたり工夫を行ったりして、課題に対して柔軟に対応する力を持っている人材のほうが役に立つという事です。

他にもグローバル化の影響で日本には多くの外国人労働者とその子ども・インバウンド観光客が押し寄せてきています。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されることに加え、2025年には大阪で万国博覧会が開催されることが決定されました。
確かな学力のもとで、それを適切に表現することができるようにという目的もあります。
詳しくは次項で説明しますが一部教科では記述問題も導入されます。

このような時代の急速な変化に主体的に関わって行ける人材の育成を目指してセンター試験は廃止されました。
ちなみに、大学入試などの内容が変化すると学校もその試験の対策内容を変更するなど教育の現場も変化します。
教育会では波及効果と呼ばれるものですが、記述問題が多く導入されることからも学校教育はアウトプット・表現重視の教育へと変化すると筆者は予想しています。

大学入学共通テストの目玉ポイント

センター試験が廃止され、代わりに大学入学共通テストが導入されるにあたってどのような点が変化してどのような対策を行えば良いのかについて本項では解説します。
今回の大学入試改革で大きく変化した点は3つです。

記述で解答する教科の誕生

国語と数学では従来のセンター試験とは異なり記述式の問題が導入されます。
2018年度のプレテストでは問題の要約を行う問題が、数学では命題を記述させる問題が出題されました。
詳しい問題は「独立行政法人 大学入試センター 」のHPに掲載されているので詳しく知りたい方はそちらで御覧ください。

どちらも思考力・判断力・表現力のすべてを活用して解答する問題となっており、知識のみでは正解することが難しい問題となっています。
単に「知っている」だけではなく、与えられた情報を整理し適切に表現することが強く求められている裏付けとも言えるものです。
特に数学では短い式の中にも多くの計算プロセスが盛り込まれているので、公式を知っているだけでなく、それらを組み合わせて解答する必要があります。
受験生の皆さんはチャート式問題集を機械的に解くだけに留まらず「どうしてこの式を使うのか」「もっと効率的な解き方があるのではないか」等、一問一問に時間を割いて深く考えるように勉強の方法を変えていくといいでしょう。

英語は民間の資格試験を活用!4技能の全てを測られる予定

こちらは当面の間は未定ですが、英語の技能評価に民間の資格試験が導入されることになっています。
以前のセンター試験では読むこととリスニング(聞くこと)の2分野のみで試験を行っていました。
新しい大学入学共通テストでは4技能を評価すべく民間の試験が利用される予定となっています。
英検IELTSなどが名乗りを上げていました。
ただしTOEICは技能の組み合わせによって試験が2種類あり、複雑であることから提案を取り下げました。

その他、各種試験は受験料も異なるため公平性に欠けるといった問題もあり導入は検討されています。
とは言え、方針さえ決まればすぐに導入が可能な状態でもあるので受験生の皆さんは対策を怠らないよう気をつけて下さい。
詳しくは後述していますので最後までお読み下さい。

思考力を問う問題が出題される

能の記憶これまでのセンター試験と違う点としては、単なる知識を問う問題だけでなく問題の条件を総合的に考えて取り組む問題が増えたことです。
新学習指導要領では確かな学力に加え「思考力・判断力・表現力」の育成にも言及しています。
教員の間でもそのような動きは始まっており、大阪も教員採用試験では思考力や判断力を問う問題が出題されており、毎年出題数は多くなっています。
どの教科でも出題されるので避ける手はありません。

どのように対策すればよいのか

従来のセンター試験は知識のみを身につければよかったので、やるべき事がハッキリとしていました。
ですが2020年度から開始される大学入学共通テストでは知識に加え思考力や表現力、また判断力なども求められてきます。
対策についてですが、アウトプットとりわけ英語でのプレゼンテーションやディベート、国語の場合は文章を短く簡潔に要約する練習を行えば良いかと思われます。

何かを伝える女性物事に対して自分の頭でしっかりと考えて、適切な言葉を選び、それを相手にきちんと伝える。
国語の場合でも同じです。
誰でも理解の出来る文章で表現する事が出来るだけで大学入学共通テストの対策は可能です。
理数系科目に関しては筆者は専門ではありませんので割愛させて頂きます。
しかし根本的なところは英語であろうと数学であろうと同じはずなので「なぜこの答えになるのか?」などを友達同士で議論してみるなど、実際にことばに出して表現してみるといった活動が良いでしょう。

教科という側面からは特に英語に力を入れることをお勧めします。
従来の試験とは違い、これからの英語教育はアウトプット2領域(スピーキング・ライティング)も含めた英語能力を総合的に評価されます。
そのため机上での勉強の他にも実際に英語を話すといった対策が求められます。
観光ガイドボランティアなどで積極的に英語を話す機会を設けて英語コミュニケーション能力を養いましょう。
一見勉強しているように見えない活動ではありますが、れっきとした試験対策になりますし、将来的に役立ちます。

話すことが苦手と感じている方には少し重荷に感じてしまうかもしれませんが、今後の日本で求められている能力は間違いなくコミュニケーション・発信力です。
少しずつで良いので話すという行為に慣れましょう。

この際に気をつけていただきたいのは「特定の領域に偏って学習してはいけない」ということです。
話すことが得意でも読み書きができないと筆記試験やマークテストで良い点数を得ることはできません。
逆に従来のようなセンター試験対策(リーディング・リスニング)ばかり行っていると4技能のうちの2技能のみの対策、つまり良くて半分の点数しか取れなくなってしまいます。
また同じ文章でも聞いた時や読んだ時、声に出して見た時、書いた時で印象が変わってきます。
違う技能を組み合わせて同じ文章に向かうことで記憶に残りやすくなり学習効率は上がります。
一見回り道な学習法のように見えますが実は一番の近道は4技能をフル活用して勉強に取り組むということにあります。
出来るだけ満遍なく勉強するようにしましょう。

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まとめ

上記のようにセンター試験と大学入学共通テストで大きく違う点は、これからの日本を想定した内容が織り込まれている点です。
一部の教科に記述の問題が加わり英語では4技能をすべて評価されます。
一つ気をつけていただきたいのは開始時期です。
2020年度と表記をしているので2020年の1月から大学入学共通テストが実施されると勘違いされている方も居られるかと思いますが2020年度=2020年4月〜の学年を指します。
なので大学入学共通テストは2021年の1月からの予定です。
間違えないようにしましょう。

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この記事を監修した人

チーム個別指導塾
「大成会」代表
池端 祐次

2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。


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公開日:2019年8月23日 更新日:2024年2月28日  
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