中学・高校生の皆さんの中には、進路や漠然とした将来の不安に対して、思い悩んでいるという人がいるかもしれません。
進路の悩みや学習に対する悩み、受験の悩みを抱えているという人はいませんか?
ここでは、受験や進路・学習の悩みに対する解決策の一例をご紹介いたします。
学習をする意欲がわかない・勉強に対してやる気が出ない
勉強に関する中高生の悩みの中で、特に多くの人があげるのは、「勉強へのやる気がおこらない」ということではないでしょうか。
遊びやゲームなどは、時間を忘れて続けることができるのに、勉強に対しては、どうしてやる気が続かないのでしょうか?
友達と遊んだりゲームをする時には、「楽しかった」という幸せな気持ちや、「レベルが上がった」という成功体験が得られます。
何かを行動する際の意欲・やる気は、この「成功体験」が積み重なって起こるものです。
学習計画を立てたり、新しい問題集や教科書を手に取った時、「こんなにたくさん勉強するなんて、絶対、ムリ!」と感じたことはありませんか?
もしも高すぎるハードルにやる気がなくなってしまったら、初めからすべてをこなそうと考えないようにしましょう。
例えば問題集なら、まずは2ページだけやってみる、30分だけやってみるなど、あらかじめハードルを低く設定して臨んでみることをお勧めします。
小さな目標をクリアしていく経験を、少しづつ重ねていくことで自信がつくでしょう。
そして、こうした「成功体験」を積んでいくことが、次のステップへとつながりやすくなります。
受験生の皆さんであれば、一度志望校の過去問題集をパラパラと覗いてみるといいかもしれません。
自分の実力と志望校のレベルとのギャップに驚く人もいるかもしれませんが、焦らずにとにかく前へ進むことが大切です。
過去問題集を見ることで、「受験前にはこの問題を解けるようにする」という明確な目標ができることでしょう。
ゴールを設定して目標を立て、実際に取り組んでみてください。
少しずつで良いので積極的に前に進んでみましょう。
継続していく中で、昨日の自分、1か月前の自分、過去の自分と比較して、少しずつでも成長していることがわかれば、きっとやる気につながります。
勉強の進度を、自分だけでなく誰かと共有することも良いかもしれませんね。
友達や親御さんに、今日は何を勉強したかを報告するなどしてみると、達成感を得られますし、モチベーションにつながるかもしれません。
とにかく、なかなか出てこない「やる気」が、自然と出てくるのを待つのはあまりお勧めしません。
まずは前に進むことと、継続することが大切です。
勉強への意欲がわかない時のほかの方法としては、環境を変えてみるということもおすすめです。
普段自宅で学習している人なら、図書館や自習室へ行ってみたり、場合によっては塾へ通うということもいい方法です。
自分の学力レベルや問題点と照らし合わせ、最適な学習スタイルを提供してくれる塾が見つかれば、そこでの経験は、モチベーションアップに役立つことでしょう。
例えば、小テストや宿題などがあれば、いつでもやるべきことがはっきりしているので、一人で学習するよりも効率的です。
また受験塾では、講師の興味深い講義を聞くうちに、受験へ対するモチベーションが上がった、という人も少なくありません。
苦手な教科をどうやって学習したらよいか分からない
学習意欲に次いで、勉強に関する中高生の悩みの中で多いのが、「上手な勉強方法がわからない」という悩みです。
特に、苦手教科の勉強方法がわからないという人が多いようです。
具体的に苦手な教科を克服する方法ですが、すでに苦手になってしまった教科に対して真正面に向き合っていくためには、根本的な「わからない点」を確定することが最も重要になります。
特に、数学や英語の学習は積み重ねて理解を深める教科なので、どこかでつまずくとその後の授業がわからなくなってしまいます。
特に数学の場合、原因をたどっていくと実は小学校の算数の躓きが原因だったということも珍しい話ではありません。
そのような時には、とにかくわからない部分を放っておかないことが重要です。
もしも今、授業についていけないと思っている人がいたら、わからなくなってしまった点はどこなのかを、一度振り返って確認してみましょう。
わからなくなってしまった点が確定できたら、覚悟を決めてそのわからないところまで戻って勉強することが大切です。
特に積み重ねの教科は、時間が経てば経つほど内容が難しくなっていくので、どんどんわからなくなってしまいます。
少し時間はかかるかもしれませんが、基礎をしっかりと理解すれば徐々に理解できることが増えてきます。
すると、授業も理解できるようになり、学習も進められるようになります。
苦手な教科やどうしても好きになれない教科がない、という人はほとんどいないでしょう。
すべての教科がまんべんなくできるのに越したことはありませんが、もしも苦手な教科があったとしたら、それもひとつの個性としてとらえてみてはいかがでしょうか。
苦手なものをムリヤリ克服しようと躍起になるよりも、まずは得意な教科の勉強を一生懸命取り組むほうが効率的です。
得意な教科をこなしていくうちに、自分なりの学習方法や効率の良い勉強の進め方を確立することができます。
こうして身に付けた勉強方法や進め方を、次に苦手な教科へと応用していきましょう。
このように、苦手な教科よりも得意な教科を勉強することを間口にして、知識を広げていくことから始めることをおすすめします。
宿題やテストの際も、できる問題から回答していくという人が多いと思います。
苦手教科を克服する時でも、最初からその教科に立ち向かうより、得意なものをこなしつつ、苦手教科へと徐々に近づいていくほうが、取り組みやすくなるかもしれませんよ。
どの大学を選べばよいか、志望校を決められない
志望大学をどこの学校にしようか決められない、という悩みも多いようです。
はたして大学の知名度や偏差値で決めてしまってもいいものなのでしょうか?
また、どういった研究をしているのか、研究内容を重視すべきなのか、キャンパスや学生の雰囲気で決めてしまっていいのか、何を決め手にして選んだらよいかがわからない人もいるのではないでしょうか。
もしも、大学選びで悩んでいる人がいたら、ぜひオープンキャンパスやWEBオープンキャンパスに参加してみてください。
そこではキャンパスツアーや、模擬授業、体験実習、個別相談会などが開催されています。
それらに参加することで、研究内容や先生や学生を含むキャンパスの雰囲気、図書館や実習室などの施設、場合によっては留学や資格取得・就職などのサポート制度を知ることができます。
気になる大学がいくつかあるようなら、それらの学校のオープンキャンパスやWEBオープンキャンパスに参加して、それぞれの特徴や雰囲気を見比べてみてはいかがでしょうか。
その際に気をつけたいことは、当日確認すべき点を事前に整理をしておくことです。
チェックポイントを書き出しておくと、より安心です。
くれぐれも偏差値だけで選ぶことのないように、しっかりと自分に合う学校かどうか、見極めることが大切です。
また、学びたい分野が同じ分野でも、大学・短期大学・専門学校と学校の種類が違うと、学び方や先生、学校の制度などがそれぞれで大きく異なります。
違いを理解して、自分の希望に合っているのは、大学か短期大学なのか、もしくは専門学校なのか、学校の種類についてもじっくり考えてみましょう。
学校によっては、卒業後の進路も大きく異なることがあります。
資格取得や就職先などもしっかりと比較して、学校選びの材料にしてみると良いでしょう。
さらに学校の種類によっては経済的な負担も大きく異なります。
大学では4~6年、短期大学は2~3年、専門学校は1~4年と、学ぶ期間が異なります。
その分進学費用も変わってきますし、国公立大学と私立大学でも学費に差があります。
こうしたお金の面については、保護者と事前によく相談しておくと良いでしょう。
大学の学部や学科が決められない!何を学びたいのかがわからない時
大学選びと共に悩ましいのが学部・学科選びです。
自分が何を学びたいのかががわからないという悩みも多く聞かれます。
何が学びたいのか、どの学部を選んだらよいのかがわからないと、進路を決めることができません。
もしも、自分のやりたいことがわからなくて悩んでいるという人は、まずは自分が何に興味があるのか、何が気になるのかということをじっくりと考えてみましょう。
学校生活や家の中で、身のまわりをよく観察したり、何気ない会話の中から面白いと感じるものや気になると感じるものを探してみてください。
さらに、それらの物事がどうして気になるのか、自分には何ができるのか、というように次々に思考を広げていくと、今までは気づかなかったことが見えてくるかもしれません。
なぜそれに興味があるのか?なぜその言葉に惹かれるのか?
興味を持っているものや興味がある言葉から、自分の内面をじっくりと見つめてみてください。
自分の内面を掘り下げて見つめ、考えていくうちに、「自分とは何か」ということが見えてくるはずです。
その答えが、きっと進路を決めるヒントになるでしょう。
大切なことは、自分自身の軸となるものです。
興味あることや、気になることを集めて、自分の内面をしっかり探っていきましょう。
自分の興味・関心がわかったら、それを具体的な「分野」につなげていくと良いでしょう。
「分野」とは、文系・理系をさらに細かく専門的に分類したジャンルのことです。
例えば、「法律・政治」「文学・文化」「アート・音楽・デザイン」「IT・工業・技術・建築」「ビジネス・経営」「外国語」「健康・スポーツ」「医療・看護」「芸能・マスコミ」「教育・保育・福祉」「教養」「美容・ヘアメイク」「国際関係・観光」「衣食住」「数学・物理・化学・自然」など、実に様々です。
自分はどんなことに興味があって、それがどの分野に当てはまるのかを考えてみましょう。
そして、その分野に関連する学問は何か、その学問はどの学部・学科に進学すれば学ぶことができるのかを、ぜひ調べてみてください。
そうしたことを考え、調べていくなかで、きっと自分が本当に学びたいことが見えてくるはずです。
以下のページに「なりたい職業から志望校を考える」というコンテンツもご用意しています。
分野については、ひょっとしたら一種類とは限らないかもしれません。
調べていくと、ひとつの興味が実は、複数の分野に広がってつながっていた…ということもあり得る話です。
受験前に自己分析をしっかり行い、学びたいことを探り当ててから学部・学科を選ばないと、自分の希望と大学での学びが全然違う、といったことになりかねません。
よくあるのが、文系学部だと思って文学部・心理学科に入学したけれど、実験・観察・調査・検査ばかりの授業に驚いたという話、理系分野の統計学や数学の知識も必要でついていくのが大変だったという話、英会話をマスターしたくて英文科に入学してみたものの、英文学の原書講読ばかりで、英語で会話する機会がほとんどないという話…。
せっかく志望校に入学したけれど、まったく見当違いの学びをしなければならなかった、ということにならないように気をつけましょう。
なんとなくイメージだけで学部や学科を選んでしまうと、自分が知りたいことが学べなかった、なんてことになってしまうかもしれませんので、自分が学びたいことについては、できる限り詳細に考えておいた方が良いでしょう。
また、昔よりも現在は学部や学科名が多様化しているので、名前が同じような学部・学科でも、学校によって学ぶ内容が大きく異なることがよくあります。
自分の希望と志望先とのミスマッチを防ぐためにも、学校のパンフレットやホームページ、進学情報サイトや進学情報誌などで、あらかじめ調べておくことがとても重要です。
学校ごとに、それぞれの学部・学科で学ぶ内容が掲載されていますので、それらを見比べることで、自分が本当に希望する学校の学部・学科を探すと良いでしょう。
自分の進路希望と保護者の希望が異なる
自分の志望先を保護者に理解してもらえない、なんてことも珍しい話ではありません。
そんな時には、どうやって保護者を説得すればいいか、それとも保護者の意見に従った方が良いのかで悩んでしまいますね。
まずはしっかりとお互いの考えを話し合うことが大切です。
大人の視点での保護者の意見を聞き、いろいろな観点を取り入れることは大切なことです。
ひょっとしたらその中には、経済的な事情やそれぞれの家庭の事情も含まれるでしょう。
そうしたことを知るためにも、ぜひ保護者と話しあってみてください。
そしてそのなかで、自分の思いをしっかりと保護者に伝えてみてください。
それでもどうしても反対されてしまっている時、どうしても希望の進路をあきらめたくないと考えるのであれば、保護者の説得は欠かせません。
保護者と希望が異なる場合、どうすればうまく自分の希望を伝えられるか、以下に掲載しています。
自分の志望進路に対する熱意を伝える
まずは、ここから始めましょう。
どうしてその進路を選択したいのか、自分はその進路を選んでどのようになりたいのかなど、自分の熱意をしっかりと伝えてみましょう。
保護者はあなたのことを、まだまだ頼りない子供だと思っているのかもしれません。
しっかりとよく考えて進路を決めていることを伝え、自分の決意と覚悟を示しましょう。
志望進路に向かって努力している姿や結果を見せる
例えば、偏差値や成績を上げるために毎日10時間勉強したり、スポーツトレーニングや音楽レッスンを頑張るなど、具体的に努力している姿を見せましょう。
その結果、模試や大会で好成績を残すことができたら、それを保護者にぜひ伝えて共有してみてください。
しっかりとした結果を残せば、安易に進路選択しているわけではないということを理解してもらいやすくなります。
希望進路の厳しさを理解していることを伝える
希望進路について「そんなに甘い世界ではない」とか、「わざわざ苦労することはない」と反対されることもあるでしょう。
頭ごなしに否定しているのではなく、あなたのことを心配しているからこその言葉といえます。
あなた自身が、その進路についての厳しさを理解していることを知れば、それなりの覚悟を持って進路選択しているのだと分かってもらえるかもしれません。
あなたがその進路について調べたことや、具体的な厳しさやリスクについて説明し、そうしたリスクに対して、どんな努力で賄おうとしているのか、どんな覚悟でいるのかをしっかりと説明することが大切です。
奨学金を利用する
中には費用面が問題となっている場合もあるかもしれません。
そんな時には奨学金を検討するとよいでしょう。
奨学金には2種類あり、将来返還の必要がない給付型奨学金と、将来何年かかけて返還しなければならない貸与型奨学金があります。
それぞれ利用基準が定められていますので、対象となる奨学金について調べてみてください。
進路決定で気をつけたいこと
志望校や進路を、偏差値だけで決めることはお勧めしません。
先生や先輩、保護者の意見だからといって決定してしまうことは、なおさら良くありません。
指定校推薦がとれるからとか、家から近いから、知り合いが通っている学校だから、といった条件面だけで決めてしまうのも危険です。
色々な意見や情報を参考にしながら、最後は必ず自分の意思で決めるようにしてください。
なぜかというと、自分で決めたことなら、どんなに厳しい道のりでも、目標に向かって頑張るモチベーションになるからです。
万が一結果が思わしくなかったとしても、次のステップへと納得して進むことができるでしょう。
大人になれば、多くのことを自分で決定しなければなりません。
それらは学校のテストとは異なり、ほとんどが正解のないことばかりです。
正解のない難問をクリアしていくためには、とにかくしっかりと考え抜くことが重要です。
納得がいくまで自分で考えて答えを出した結果については、たとえどのような未来が待っていたとしても、後悔のない生き方だと自信をもって言えることでしょう。
進路選びは、その第一歩です。自分で考えて決めて、しっかりと最初の一歩を踏み出してください。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。