「受験勉強は量より質?それとも質より量?」
これは多くの受験生が必ず悩む問題のひとつです。
自分なりに精一杯勉強しているにも関わらず、なかなか成績が上がらないと「やっぱり勉強は量より質なのかな・・・」と悩み、場合によっては「自分は勉強の才能が無い」とやる気を失ってしまうことでしょう。
また同級生や先輩などにアドバイスを求めても「勉強はとにかく量だよ」「質を求めるのが何より大事」など、異なる意見をもらって困惑した経験をお持ちの受験生も多いのではないでしょうか。
そこで当記事では「受験勉強は質と量のどっちが大事なのか?」ということに関して徹底解説を行います。
またどちらが大事であるかを説明した後に、受験勉強にはどれくらいの量が必要なのか、質を高めるためにはどうすれば良いのかということに関しても解説いたします。
ぜひ最後までお読みください。
受験勉強でまず重要なのは「量」!その理由とは?
まず結論から申し上げると「受験勉強でまず重要なのは量!」です。
早速その理由を以下に解説して参ります。
「量」をこなすことで「質」が上がっていく
短い時間で効率よく勉強を進め好成績を収めるというのは受験勉強に悩む多くの学生の理想であり、またそのような状態にある学生は非常に羨ましく思うことでしょう。
しかし、そのような状態に持っていくためにはまず量をこなさなければなりません。
量をこなすことで自分の理解度を知り、どのように勉強を進めればよいか把握することができるためです。
受験勉強において「質の高い勉強」とは、効率よく好成績を収める勉強方法のことを指します。
そして効率よく好成績を収めるために欠かせないのは、自分の理解が足りていない分野をしっかりと把握することです。
そういった分野を重点的に勉強し勉強時間を好成績のために最大限に活かすことが、質の高い勉強を実現するにおいて何よりも重要なのです。
そして上述したように理解度をまず把握するためには、量をこなすことが欠かせないのです。
このような理由から、「量」をこなすことで「質」が上がっていくと結論づけることができるのです。
PDCAサイクルで勉強の質を高めていこう
「量は十分にこなしているつもりだけれど、中々質が上がらない」
このように感じている受験生も多いのではないでしょうか?
そういった受験生には「PDCAサイクル」を意識することをお勧めします。
PDCAサイクルとは「Plan(計画)」、「Do(実行)」、「Check(評価)」、「Action(改善)」という一連の流れを指し、業務の効率化を目指すためによく用いられる方法の一つです。
これは受験勉強においても非常に有効です。
なぜならPDCAサイクルのうち「Check(評価)」および「Action(改善)」の部分は、「量をこなす中でわかった理解不足が足りない分野を重点的に勉強する」という質の高い勉強のために必要な行動そのものであるためです。
おそらく「量が質につながらない」と悩む受験生の多くはこの「Check(評価)」「Action(改善)」の部分ができていないのではないでしょうか。
ぜひ一度自身の勉強を振り返って「PDCAサイクルをうまく回せていたか?」ということを確認されてみてください。
また以下に受験勉強における「Check(評価)」と「Action(改善)」の一例を記載しておきますので、こちらも参考にされてみてください。
「Check(評価)」: 各単元のテスト結果を振り返りそれぞれ何点取れたかを確認する
「Action(改善)」: 点数が取れていなかった単元を重点的に勉強する
受験勉強はまずは「量」を重視!その目安は?
上記にて「量をこなすことで質が上がっていく」とご説明しました。
しかし「そもそも自分の勉強量が十分であるかどうかわからない」と不安に感じる受験生も多いのではないでしょうか。
そこで中学3年生と高校3年生それぞれが必要な勉強時間の目安を下記にご紹介いたしますので、ぜひご参考ください。
中学3年生の勉強時間の目安はどれくらい?
それではまず中学3年生の勉強時間の目安からご紹介します。
4月〜7月の勉強時間の目安は1日平均5時間ほど
4月〜7月の勉強時間の目安は1日平均5時間ほどです。
この時期は部活をしている受験生も多く、中々勉強時間を確保することは難しいかもしれません。
部活が7時ごろに終わることを想定すると、平日であれば平均2時間程度が望ましいでしょう。
そしてまとまった時間が確保できる休日は平均5時間ほど勉強するようにしましょう。
8月の勉強時間の目安は1日平均8時間ほど
8月の勉強時間の目安は1日平均8時間ほどです。
終日まとまった時間を確保できる夏休みは、9月以降の受験勉強を楽に進めるために非常に重要です。
そのため、1日平均8時間ほどはしっかりと勉強するようにしましょう。
中には8月も部活がある受験生もいるかもしれません。
そういった受験生は「部活がある日は1日5時間、無い日は1日10時間」というように上手くメリハリをつけて勉強時間を確保するようにしてください。
9月〜12月の勉強時間の目安は1日平均7時間ほど
9月〜12月の勉強時間の目安は1日平均7時間ほどです。
この時期は部活も終わり、いよいよ受験勉強に本腰を入れる期間です。
平日は1日平均5時間、休日は1日平均9時間ほど勉強時間を確保し、「空いた時間は勉強!」という姿勢で受験勉強に臨みましょう。
12月〜2月の勉強時間の目安は1日平均9時間ほど
12月〜2月の勉強時間の目安は1日平均9時間ほどです。
受験直前シーズンはこれまで学習してきた内容を徹底的に復習する期間です。
これまで3年間学習してきた内容を十分に振り返るために、勉強時間は平日で1日平均6時間、休日で1日平均10時間ほど確保する必要があります。
高校3年生の勉強時間の目安はどれくらい?
では次に高校3年生の勉強時間の目安をご紹介します。
4月〜7月の勉強時間の目安は1日平均5時間ほど
4月〜7月の勉強時間の目安は1日平均5時間ほどです。
中学3年生と同様に高校3年生もこの時期は部活に忙しい受験生が多いことでしょう。
しかし高校受験と大学受験は入試難易度が大きく異なり、中学3年生時と同様の勉強時間だけでは足りません。
そのため平日は1日平均3時間、休日は1日平均7時間を目安に勉強時間を確保するようにしてください。
8月の勉強時間の目安は1日平均10時間ほど
8月の勉強時間の目安は1日平均10時間ほどです。
「夏休みは受験勉強の天王山」と呼ばれるほど、志望校合格において重要な期間です。
特に大学受験においては、夏休みをどのように過ごしたかが合否に直結すると言っても過言ではありません。
そのため勉強時間は1日平均10時間ほど確保するようにしましょう。
また、もしこの時期も部活があるという受験生は「部活がある日は1日6時間、1日12時間」とメリハリをつけて勉強に臨む必要があります。
9月〜12月の勉強時間の目安は1日平均8時間ほど
9月〜12月の勉強時間の目安は1日平均8時間ほどです。
この時期になると受験が近づいてきて、自然と受験モードに切り替えることが可能になると思います。
必要な勉強時間は平日は1日平均5時間、休日は1日平均10時間ほどです。
12月〜2月の平均時間の目安は10時間ほど
12月〜2月の勉強時間の目安は1日平均10時間ほどです。
受験直前のこの時期はより一層勉強に励む必要があります。
そのため平日は1日平均6時間、休日は1日平均12時間ほど勉強時間を確保するようにしましょう。
またこの時期は体調を崩しやすく、健康管理も志望校合格のために非常に重要となります。
十分な勉強時間を確保するのと同様に、規則正しい生活も心がけるようにしなければなりません。
「質」を最大限に上げるにはどうすれば良い?集中力を維持する方法とは?
以上、中学3年生および高校3年生に必要な「量」を時系列でご紹介しました。
もちろん必要な勉強時間には個人差はありますが、おおよその目安としてご参考ください。
さて、上記にて「質を上げるためにはPDCAサイクルを回すことが重要」とご紹介しましたが、もちろん質を上げる方法はそれだけではありません。
質を上げるためには「集中力を持続する」ことが重要です。
PDCAサイクルを回して自分が重点的に行うべき勉強内容を把握し、集中して勉強に臨むことで、勉強の質を最大限に上げることができるのです。
そのため、以下に集中力を持続する方法をご紹介します。
勉強時間を短い時間で区切る
まず最初にご紹介するのは「勉強時間を短い時間で区切る」ということです。
志望校合格のためには1日10時間など非常に長い時間勉強することが必要ですが、人間の集中力は50分程度が限界と言われています。
そのため、「25分勉強したら5分休憩」「50分勉強したら10分休憩」など勉強時間を短く区切ることで、集中力を維持することが可能となります。
1日のサイクルを確立する
次にご紹介するのは「1日のサイクルを確立する」ということです。
人間の集中力は無限ではなく、様々な要因で減少していくことがわかっています。
その要因として最も影響が大きいものの一つが「選択」です。
よって1日10時間勉強するといっても、「今日は午前中に5時間、午後に5時間」など曖昧に決めてしまうと、「何時から始めるか」という選択によって集中力が減少してしまいます。
そのため、1日10時間勉強すると決めたら「8:00〜12:00で4時間、13:00〜17:00で4時間、19:00〜21:00で3時間」というように勉強する時間帯を前もって決めておきましょう。
加えて「昼ごはんを食べる時間」「お風呂に入る時間」なども決め、1日のサイクルを確立しておけば、集中力を勉強にのみ費やすことが可能となります。
まとめ
以上、「受験勉強には質と量のどちらが大切なのか?」という疑問に対してお答えすると共に、受験勉強に必要な「量」と「質」を上げるための方法をご紹介しました。
上記でご説明した通り、まずは「量をこなすことで質が上がる」ことを認識し、受験勉強に励むようにしてください。
が、受験勉強に必要な量や質を上げる方法というのは今回ご紹介した限りではありません。
受験生ごとに必要な量や質を上げるために最適な方法というのは大きく異なります。
例えば勉強する空間において、「自宅が一番集中できる」「図書館で勉強するのが一番効率が良い」など受験生によって意見が異なることでしょう。
よって、「自身にとって最適な勉強方法とは何か?」「自分に足りない部分は何か?」といったことを常に考えることが、志望校合格のために何よりも重要となるのです。
しかし、いきなり「勉強時間や勉強方法は自分で考えて」と言われても混乱してしまうことでしょう。
そのため、今回ご紹介した勉強時間や質を上げるための方法を試されてみて、「これは自分に合っているな」「これは少し変えたほうが良いな」など試行錯誤を繰り返してみてください。
当記事が受験勉強に悩む多くの受験生の一助となれば幸いです。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。