志望校合格に向けて日夜勉強に励む北海道の受験生の皆さん。
受験勉強は順調でしょうか。
順調であるなら言うことはありませんが、中にはなかなか勉強に対してやる気が出ない、集中できないといった悩みを抱えている受験生もいることだと思います。
2014年に全国高等学校PTA連合が行った「全国高校生 生活・意識調査報告書 」によると、「勉強について何か困っていることがありますか?」と言う質問に対して半数以上が「ある」と回答しています。
さらに「具体的にどのようなことですか?」という質問に対しては「やる気が出ない」「集中力が続かない」という回答がほぼ半数以上を占めたのです。
このようにやる気や集中力といった気持ちの問題によって、多くの受験生が勉強に関して悩みを抱えているのです。
その原因はさまざまだと思いますが、主な原因の一つとして「明確な目標がないこと」が挙げられます。
明確な目標が無いために受験のために勉強することの必要性は理解してながらも、「本当は遊びたいのになんで勉強をしなきゃならないの?」とやる気を失ってしまっているのです。
そこで当記事では明確な目標の定め方をご紹介。
また目標を定め具体的にどのような行動に移すか、ということまで詳しく解説いたしますのでぜひ最後までお読みください。
明確な目標を決めることのメリットは?
ではまず最初に明確な目標を決めることのメリットを詳しく解説いたします。
勉強に集中することができる
まず最初にご紹介するメリットは「勉強に集中することができる」ということです。
冒頭でも簡単に触れましたが、多くの受験生が勉強に集中できないことに悩んでいます。
しかし明確な目標を決め、勉強する理由がはっきりとすれば「色々とやりたいことはあるけれど、目標達成のために今は勉強に取り組もう」と勉強に対して意欲的になることができるのです。
対策が立てやすくなる
次にご紹介するメリットは「対策が立てやすくなる」ということです。
受験勉強における明確な目標の一つとして「志望校合格」が挙げられます。
そして志望校合格のためには、各大学の出題教科や出題傾向を知り、対策を行って勉強することが求められます。
つまり明確な目標を持つことで、志望校への対策を早く行えるようになるのです。
例えば現代文の配点が多い大学であれば、現代文の記述対策を重点的に行うといったことです。
このように目標を明確にすることで、受験勉強を効率よく進めることができます。
大学生活を有意義に過ごすことができる
最後にご紹介するメリットは「大学生活を有意義に過ごすことができる」ということです。
上記の「対策が立てやすくなる」というメリットの説明の際に「受験勉強における明確な目標の一つとして志望校合格が挙げられる」と記載しましたが、「受験勉強の目標で志望校合格以外ってあるの?」と感じた受験生もいるのではないでしょうか。
確かに多くの受験生が「〇〇大学合格」などを目標に掲げていることだと思います。
が、Benesseが2005年に行なった「進路選択に関する振返り調査-大学生を対象として- 」によると、文系理系問わず6割以上の大学生が「入学後にギャップを感じている」と回答したことが明らかになりました。
それが原因で文系から理系、理系から文系に変更するということもあるようです。
そのため、明確な目標というのは「志望校合格」だけでなく「将来どうなりたいか」を基準に決めると良いでしょう。
そうすることにより入学後にもギャップを感じずに勉強に励み、大学生活を有意義に過ごすことができるようになるのです。
具体的な目標を決めるには?KPI・KGIを活用しよう
上記にて明確な目標を決めることのメリットをご紹介しました。
受験勉強に集中するために目標を決めることの重要性をご理解いただけたと思います。
さて、ここまで読んだ受験生の中には「目標を明確にするだけで本当に勉強に集中できるようになるの?」と感じた方もいるのではないでしょうか。
確かに「将来医者になりたいから医学部に進む!」と目標を決めるだけで、勉強に専念できるようになるかというと決してそうではありません。
最終的な目標を決め、その達成のための具体的な小目標決定するかが重要となるのです。
その上で非常に役立つのがKGI・KPIです。
早速以下に解説いたします。
KGIって一体何?
KGIとは「Key Goal Indicator」の略称で、全体的な目標設定のことをさします。
元々はビジネス用語であり、日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれます。
受験勉強においては「志望校合格」がその最たる例ですね。
KGIを設定することによって、その達成までどのような勉強を行えば良いか逆算し、効率よく勉強が進められるようになります。
KPIって一体何?
KPIとは「Key Performance Indicator」の略称で、目標達成のために重要な小目標のことです。
こちらもKGIと同様にビジネス用語で、日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれます。
受験勉強においては、志望校の合格率を判定できる模試試験の結果などが挙げられます。
「この模擬試験でB判定以上を取る」といったKPIを設定することにより、決められた期限内で具体的にどのように勉強するかを決めることが可能となります。
最終的に今やるべきことまで決定する
以上、受験勉強においてKGIやKPIを設定することの重要性をご説明いたしました。
これらを設定することで大学受験までの勉強のスケジュールを組みやすくなり、非常に効率よく勉強ができるようになるので、ぜひ活用されてみてください。
さて、これらを設定した後には「今日何を勉強するか?」ということまで具体的に設定するようにしてください。
ただ単に将来の夢を決定したりそれを基に志望校を決めただけでは「今日何を勉強するか?」ということまで設定するのは難しいことだと思います。
しかし小目標までしっかり決めていれば、「今日は英単語を100個暗記する」「今日は物理の問題を10問解く」といった具体的な行動を決めやすくなるでしょう。
この段階までしっかりと設定して初めて、「志望校合格のための明確な目標設定ができた」と言えます。
改めて目標設定の流れを記載すると以下のようになります。
大学受験というのは「自分は将来どうなりたいのか?どのような職業に就きたいのか?」ということを考える良い機会でもあります。
またそこまで振り返って志望校を決めることで、より勉強に集中できるようになるのです。
ぜひKGIやKPIの設定の際には、ご自身が今まで意欲を持って取り組んだことや興味のあることなどをじっくりと振り返るようにしてみてください。
将来の夢がない場合はどうやって大学や学科を選ぶ?
さて、これまで勉強勉強においては将来の夢まで決めることで明確な目標を定められるとご説明してまいりました。
しかし、どれだけ考えてみても「将来の夢が決められない・・・」という受験生も多くいることでしょう。
そこで以下では、そんな受験生がどのように大学や学部を選ぶべきかということに関してご説明します。
将来の選択肢が豊富な学部・学科を選ぶ
まず最初にご紹介するのは「将来の選択肢が豊富な学部・学科を選ぶ」ということです。
具体例としては文系学部では経済学部・商学部、理系学部では工学部・経済工学部などが挙げられます。
高校生の間に将来の夢や目標が決まらない、ということであれば大学生の際に様々な経験をしてゆっくりと決めることになります。
そして選択肢が豊富な学部・学科を選んでおけば、夢や目標が決まった際に自身が大学で学んだことを活かせる可能性が高くなるのです。
現状の偏差値よりも少し高い大学を選ぶ
次にご紹介するのは「現状の自分の偏差値よりも少し高い大学を選ぶ」ということです。
現状維持というのは実は非常に難しいことで、「今よりも努力しなくていいや」と慢心が生まれ、受験シーズンを迎えた際に学力が達していない状況になってしまったというのは良くある話なのです。
そのため目標は高くあるべきなのですが、明確な目標がないうちにあまりに偏差値の高い大学を志望校としてしまうと、学力のギャップに自信を失いかえってやる気を失ってしまうことでしょう。
そのため、現状の偏差値よりも少し高い大学を選ぶことをおすすめします。
また近年変わりつつありますが、まだまだ日本は出身大学を重要視する学歴社会でもありますので、偏差値の高い大学を選ぶことは将来的なメリットも非常に大きいです。
まとめ
以上、受験勉強において明確な目標を定めることの重要性や具体的に行動に移すための方法などをご紹介いたしました。
冒頭でも軽く触れたように多くの受験生の悩みは「勉強に集中できない」「やる気が出ない」といった精神的なものです。
このような悩みは、自分の将来の夢まで考え明確な目標を決定することで払拭できるようになるでしょう。
しかしどれだけ考え抜いて将来の夢を決めたとしても、大学生活を送るうちに夢や目標が変わっていくことは十分に起こり得ることです。
大学生活は自由な時間が非常に多く、アルバイトやサークルなどを通じて様々な経験をすることがその主な理由でしょう。
そのような際にも高校生時にじっくり将来について考えた経験が活きてきます。
「あの時は〇〇だと考えたから経済学部を志望した。じゃあ今はどう変わったから夢が変わったのか?」と比較検討することで、進むべき道を明確にすることができるのです。
このように受験勉強の際に明確な目標を定めるのは、将来的なメリットも非常に大きいのです。
なかなか実感が湧きにくいこともあると思いますが、ぜひ将来についてまでじっくりと考え受験勉強の目標を定めるようにしてください。
当記事がその参考になれば幸いです。
この記事を監修した人
「大成会」代表
池端 祐次
2013年「合同会社大成会」を設立し、代表を務める。学習塾の運営、教育コンサルティングを主な事業内容とし、札幌市区のチーム個別指導塾「大成会」を運営する。「完璧にできなくても、ただ成りたいものに成れるだけの勉強はできて欲しい。」をモットーに、これまで数多くの生徒さんを志望校の合格へと導いてきた。