北海道の【就職状況】人気の業界や穴場の業界は?

北海道の【就職状況】人気の業界や穴場の業界は?

いずれ北海道内で働きたいと考えている北海道内の中学生、高校生は、今から北海道の就職状況を把握しておきましょう。
将来の働き方を今考えておけば、就職するときまでに何をしなければならないかがわかるので、学生生活が充実するはずです。

そして保護者のなかには、子供に北海道内で就職してほしいと考えている人もいるでしょう。
その場合も子供に道内の労働環境を教えてあげれば、道内就職を考えてくれるかもしれません。

今回のコラムでは、北海道の就職状況と業界事情を紹介します。

売り手市場はしばらく続きそう

2019年の国内の労働市場は、完全な売り手市場です。
その流れは北海道にも届いています。

売り手市場とは

求人が多くあって労働者が職を選びやすくなっている状況のことで、労働者にとっては歓迎できる状態です。

北海道労働局によると、2019年4月の道内の月間有効求人倍率は1.12でした。
有効求人倍率は、有効求人数(95,890人)を有効求職者数(85,553人)で割った数です。

つまり、仕事を求める人1人当たり1.12件の求人がある、ということです。

就職のしやすさと「やりたいこと」の兼ね合いを考える

北海道内の労働市場は、全体的には売り手市場といえますが、2019年4月の月間有効求人倍率を職種別にみると、売り手市場(労働者有利)の職種と買い手市場(企業有利)の職種があることがわかります。

それでは、職種ごとの「有効求人倍率」を見ていきましょう。
数字は有効求人倍率です。

売り手市場の職種の有効求人倍率

2019年4月売り手市場の有効求人倍率グラフ

建築・土木・測量技術者4.65、介護関連(ホームヘルパーなど)2.86、看護助手・歯科助手等2.49、調理人等2.60、給仕・接客サービス員2.57、警備員4.11、金属加工・溶接等2.97、整備工・修理工3.29、建設・採掘3.21

買い手市場の職種の有効求人倍率

2019年4月市場の買い手有効求人倍率グラフ

管理的職業1.00、開発・製造技術者0.79、一般事務員0.31、会計・経理事務員0.78、選別作業員・軽作業員0.14

人気がある職種の有効求人倍率

2019年4月人気職種の市場の有効求人倍率グラフ

情報処理・通信技術者1.50、営業員1.48、販売店員等1.73

売り手市場の傾向があります。

特定の職種に就くには、その仕事に対応できる資格やスキルが必要ですが、有効求人倍率が高い職種は企業が人材を切望しているので、資格やスキルがなくても採用してもらえる可能性が高くなります。
また、有効求人倍率が高い職種は、「仕事が多くある」「将来性がある」といったよい傾向を持つことがあるので、安定して働くことができる可能性も高まります。

やりがいを感じる男性のイメージ

一方、有効求人倍率が低い業種や職種は、人気があって働きたい人が多いと推測できるので、その業界で働くには高い学歴や高い技術や豊富な経験が求められます

ただ、人気がある職種は「やりがいが大きい」「給料が高い」といったよい傾向を持つことがあるので、挑戦し甲斐があります。

将来の仕事や就職先を検討するとき、やりたいことや興味のあることだけを考えるのではなく、職種や業種や業界の将来性や給与水準、働き方なども考慮に入れましょう。

一部の人を除き「夢と現実は異なる」ものです。

企業が大卒者を奪い合う

2020年春に卒業する大学生たち向けの合同企業説明が2019年3月、札幌ドームで開かれました。
優秀な人材を確保しようと集まった企業数は470社で、参加した学生は約8千人です。

参加企業のうち4割が東京などの首都圏に本社を置く企業で、道内の大学生の採用に意欲を示しており、道内企業も人材確保が難航しています。

大卒者を奪い合う面接のイメージ

日本は労働者人口が減っているので、今後も人手不足は続くことでしょう。
これからの大卒者は、東京に出る機会道内で働く道も両方とも選択できます。

北海道は東京圏、名古屋圏、大阪圏といった超大都市から遠く離れているので、道内の中学生や高校生が将来の就職を考えるとき、道内か道外かの選択は、業界・業種・職種を決めるのと同じくらい重要になってきます。

業界、業種、職種とは

業界とは、同じ製品や同じサービスを提供している企業の集まりのことです。
例えば、ケーキを製造・販売している会社と、大福餅を製造・販売している会社は、ともに菓子業界に属します。

業種とは、事業の種類のことで、パナソニックは家電をつくり、トヨタは自動車をつくっていますが、両社はメーカー(製造業)という同じ業種になります。
インターネット上の店舗を展開している楽天と通信のNTTはまったく異なるビジネスをしていますがIT・Web系業種という共通点があります。

職種とは、仕事の内容の種類です。
ケーキを販売している人と自動車を販売している人は、異なる業界・業種に属していますが、販売という職種は同じです。

北海道内の各業界の様子

北海道内の就職状況やビジネスの現状などを、業界ごとにみていきましょう。

北海道内の菓子業界

北海道はスイーツ王国と呼ばれるほど、菓子業界が元気な地域です。

石屋製菓株式会社・本社の外観

「白い恋人」の石屋製菓株式会社(本社・札幌市西区)は、資本金3,000万円従業員数919人の大企業です。

年間売上高は187億円にも達します(2018年4月期)。

同社は2019年6月現在、菓子製造職、販売・接客職、営業職、設備・機械保全技術職、広報・マーケティング職、事務職を募集しています。

六花亭製菓株式会社・本社の外観

帯広市に本社を置く六花亭製菓株式会社も北海道を代表する菓子メーカーです。
資本金1.3億円、従業員数1,300人、年間売上高192億円(2018年3月期)と規模では石屋製菓を上回っています。

六花亭は新卒者しか採用していません。
六花亭は今、社員の英語教育に力を入れています。

外国人観光客が増えてきたので、英語で接待しようと考えているのです。
英検やTOEICに挑戦する社員には補助金を支給しています。

日本政策投資銀行によると、道内製造業に占める菓子業界の従業者数比率は8%で、これはかなり高い数字です。
つまり道内は菓子業界で働く人が多い、といえます。

石屋製菓や六花亭といった「全国区」の企業だけでなく、地域に根差した菓子メーカーが多く存在しているためで、北海道の菓子業界が強いのは良質な原材料を大量に調達できるからです。

北海道経済を支える重要な産業であり、全国の注目を集めるビジネスを展開していることから、菓子業界に就職すればやりがいのある仕事が得られそうです。

北海道内の観光業界

北海道の重要産業という点では、観光業界も同じです。

2017年度の北海道の観光入込客数は5,610万人で過去最高を更新しました。

札幌時計台の写真

また2017年度の訪日外国人の来道者は279万人でこれも過去最多で、さらに前年より21.3%も増えました。
日本全体の訪日外国人の9.4%が北海道を訪れている計算になります。

観光入込客も訪日外国人の来道者も、観光業界にとっては「お客様」です。
客が増えている業界は将来性があるといえます。

道内の観光業にはカラカミ観光や野口観光、トーホウリゾート、鶴雅といった有名かつ伝統的な企業が多数ありますが、新しい取り組みをしている観光業者もいます。

株式会社北海道宝島旅行社は、2010年設立、社員数30人、売上高7億円(2019年度)の中小企業ですが、2019年1月に経済産業省の「地域未来牽引企業」に選定されました。
同社はアジアの富裕層向けの旅行を企画しています。

例えば道内6泊7日、6人参加、総額240万円というツアーもあります。
高額であるのは、通訳が同行し移動用の自動車をチャーターしているからです。
「氷上ワカサギ釣り&天ぷら」「雪中乗馬」といった、北海道ならではの体験を提供しています。

道内の観光業界は、基盤がしっかりしていながら新しい取り組みにもチャレンジできる魅力ある就職先といえそうです。

北海道内のホームセンター業界

DCMホーマックの外観
北海道民で知らない人はいない、ホームセンター「ホーマック」は札幌市厚別区に本社を置くDCMホーマック株式会社という会社が運営しています。
釧路で誕生した会社です。
そしてDCMホーマック株式会社は、東京に本社を置くDCMホールディングス株式会社という会社の傘下に入っています。

DCMホールディングスの参加企業が展開するホームセンターの数は、北海道のホーマックを含め全国で671店舗にもなり、年間売上高4,387億円、純利益122億円のメガ企業グループです(2019年2月期)。
DIY(日曜大工)ブーム、アウトドアブーム、ペットブームは全国的に堅調で、ホームセンターはそのすべてを扱います。

また最近はホームセンターが家電を扱うようになり、こちらも成長が期待できます。
今成長していて、今後も成長が期待できる業界です。

北海道内のIT・Web業界

総務省によると、ITやWeb、スマホアプリ、ネット通販などを含む情報通信産業(ICT産業)の国内の市場規模は94.4兆円に達します(2016年)。

総務省・各目市場規模の図

情報通信産業の市場は全産業の9.6%を占め、商業の9.3%(91.2兆円)や不動産業の7.5%(74.1兆円)、医療・福祉7.2%(70.5兆円)、建設6.7%(65.5兆円)を上回ります。

仕事の安定度は業界の市場規模の大きさに比例する部分があります。
まだどの業界で働きたいのか決まっていない中学生や高校生は、将来のことを考えるとき情報通信産業を候補のひとつに加えることを忘れないでください。

道内にも多くのIT・Web企業があり、北海道IT推進協会という業界団体には約140社が加盟しています。
つまり働き口は道内にもたくさんあります。

IT・Web企業の仕事内容は多岐にわたり、代表的なものだけでもこれだけあります。

  • AI(人工知能)
  • IoT(モノとネットの合体)
  • IT機器販売
  • Webシステム開発
  • アプリ開発
  • エネルギー
  • クラウドサービス
  • コンサルティング
  • サーバ構築
  • システムインテグレーション
  • セキュリティコンサル
  • ソフトウェア開発
  • データセンター
  • データ入力
  • データ分析
  • ブロックチェーン
  • ホームページ作成
  • 医療
  • 金融
  • 物流管理

AIやWebシステム開発といった「IT・Webらしい」仕事もありますが、医療、金融、物流管理といった、別業界の仕事もあります。

いまやIT・Webの仕事は、すべての業界のベースになっているのです。
IT・Webの仕事に就けば、やりがいと安定と成長の3つを得ることができるでしょう。

まとめ~「どう働くか」はほぼ「どう生きるか」

中学生と高校生が、今の段階で将来の就職について考えることはとても意義深いことです。
やりたいことを貫いたり、やりたいことをみつけたり、やりたいことを変えたりする時期だからです。

今の段階で「やりたい」と思った仕事は、これから変えていくこともできます。
しかし今の段階でやりたい仕事を考えておかないと、他の仕事と比べることができません。

また、北海道内の労働市場は東京圏の労働市場と比べると小さいので、やりたいことをやるには道外に出ることを検討しなければならないかもしれません。

どう働くかを考えることは、ほぼ、どう生きるかを考えることと同じです。
学校を卒業してそれ以上進学しなければ、その時点で働くことになります。
その間近で就職や仕事を考えると、熟慮する時間がないのでよい選択ができないかもしれません。

だから今、就職を考えましょう。

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